題名 : 壊れた時間の先に・・・

第11話 「?曜日、午???時??分」


『時間』を忘れる程・・・たった一瞬の出来事だった・・・。


私は指一本すら動かす事も出来ず、ただ呆然と「視る」事しかできない・・・たった一瞬の出来事・・・。



斬ッ!!!と・・・マリアさんの身体を一閃!!

胴体を裂きながら、私の目の前を走った。

悲鳴すら上げる事を許されなかったマリアさんの上半身がズルリとズレて、地面へと倒れ込む。

鮮烈な「紅」が噴き・・・私の頬に掛かるのは無情の温もり・・・!!


ビート「い、嫌ぁぁ〜〜〜〜〜ッ!!」


白かった私の法衣に「紅」が染み込む・・・。


治まらない震えを懸命に押さえ、マリアさんに手を伸ばすが最早手遅れ!!?


い、いいえッ! 命の息吹が有れば「キュア」で何とかなるかも知れない!!


なんとかしなきゃッ・・・な、なんとかしなくっちゃッ!!!



hidechi「と、トチ狂ったかッ、ジーン!?民間人を殺すなんてッ!?」



ジーン「トチ狂う??妥当な行動だと思うが・・・?」


☆miyabin☆「な・・・な・・・・?」


コーカサス「な、何で・・・こんな・・・・?」


☆miyabin☆、コーカサス。それに魔法使い達も、その行動に驚嘆を隠せない様子だが

血の付いた剣を見つめながら不気味な笑みを零すと淡々と言った。


ジーン「『白銀の勇者』ですら、為し得る事が出来なかった『ルーンドラゴンの退治』。

しかしこの宝玉を持ち帰れば私が大義名分を果たした事になる。」


B10「ま、まさか貴方・・・?」


人とは思えない!!

血の気も引いていく非情な行動・・・。その裏に見える画略・・・。




ジーン「くっくっく・・・・貴様らがここで死ねば『真実』を知る者は誰もいまい?我が礎となって朽ち果てるがいい・・・。」


心が完全に闇に囚われ、名誉という名の悪魔に魅入られている・・・!!




ジーンは高々と笑い、私たちの前に立ちはだかった!!!

ジーン「さぁ、奴等を細切れにしろ!!灰も残さず燃やし尽くせ!!相応の褒美は取らせるぞ!!」


そう部下達に命じると魔法使い達は心ない人形の様に魔法の杖を私達に向け、詠唱を唱え始めた!!

剣士の☆miyabin☆くんもコーカサスという青年も・・・こちらへ向かって突進してきた!!

hidechi「くそっ!!俺とて「第01騎士団の阿衡之佐」と呼ばれた(と思う)男・・・!貴様ら全員返り討ちにしてやる!!」


状況に焦る・・・!!


こちら側が応戦できるのは「剣士のhidechiさん」だけ!!

完全に瀕死のマリアさんを回復させるには一刻を争う状況。

一斉に向かってくる敵を前に回復魔法が冴えない!!

腕を付けるぐらいならまだしも、「胴体」を付けるなんて一瞬じゃ難しい!!


魔法使い「ジーン様の為に死ねる事・・・喜べ!!」

魔法使い達は詠唱を終えると一斉に3人、hidechiさんに向けて「炎の魔法」を撃ち放った!!!

一発でも十分な殺傷能力を秘める火球が唸る!!

hidechi「くそっ!!この威力が3発同時・・・!!?それにッ!!!」

てりり「 !!(´Д`;=;´Д`)ハァハァ 」

炎よりも疾く向かってくる2人の剣士!!


左右から向かってくる二人を見て、てりりがコーカサスに突っ込んだ!!


コーカサス「 邪魔ッ!! 」


てりり「バシッ!!・゜・Σ(つД`)つ・゜・。」

コーカサスの体当たりで軽く、てりりが私達の方へ吹っ飛んでくる!!



あまりに必死を思わせる状況だがマリアさんの回復魔法を今、止める訳にはいかないッ!!


ど、どうすれば・・・どうすればいいのよッ!?



「 !! 」


打ち込まれた3発の炎。着弾と同時に大きな爆音が上がり、空間一帯に閃光が走る!!



hidechiさんはおろか、ジーンの部下だった☆miyabin☆くん、コーカサスくん共々・・・炎に包まれている!!?

な、なんであの二人まで??


ジーン「はっはっは!!☆miyabin☆、コーカサス!!普段より「hidechi」と内通していた貴様らは俺の兵には相応しくない!!

事のついでに殺しておいてやる!!」



B10「な、なんて言う事を!!!」

愉悦に歪んだジーンの笑み・・・。


ぐぅぅッ!!よ、よくも・・・よくもhidechiさんを・・・・

それにhidechiさんを倒すと同時に、部下を捨て駒の様に扱うなんて・・・


絶対に許す事が出来ない!!!


コーカサス「やれやれ・・・なんで・・・こうなっちまったんだか・・・?」


☆miyabin☆「私は最初から・・・この人は嫌いだって思ってましたよ?コーカサス??」


ッ!??

燃えさかる炎の中からまだ、二人の声が聞こえてくる!?


hidechi「だからお前ら・・・アイツの下で働くのはやめとけって言ったんだ・・・。」



てりり「 Σ(*´▽`)シ 」


魔法使い「 ば、馬鹿な?? 」

ジーン「貴様ら!?い、一体どういう事だ??」




コーカサス「どうもこうも・・・こういう事で・・・w」

炎を吸収する事ができる宝玉「火の精霊」を片手にジーンを睨み付ける。





☆miyabin☆「あなたの行動に『正義』は感じられない・・・。上司と扱うのもここまでだ、ジーン。」

ジーンを隊長と認める事が出来なくなった☆miyabin☆くん。

名前を呼び捨てにしながら片手に「火の精霊」を持っている!!





hidechi「人徳がないな、ジーン?ハッキリ言って「隊長の器」じゃないぜ、お前・・・。ゲホッ・・・」


な、何も持たないhidechiさんは「炎の魔法」の直撃を受けて体中から煙が出てる〜〜〜〜ッ!!?


さ、流石は騎士団在籍中、テリィの右腕だっただけにタフネスだッ!!

ふ、普通だったら死にますよ!?



ジーン「オノレ・・・クズ共め・・・。やはり私自らが貴様らを消し去るのが一番の様だ・・・。」


言って腰に携えた剣をヌラリと抜き、私たちに向かってくる・・・。


hidechi「・・チッ・・・」


コーカサス「無様に負けはしないぜ・・・?」


☆miyabin☆「どうにか隙を見つけなくては・・・。」


hidechiさん達はジーンを相手に構えを取るが、私には解ってしまう・・・。

このジーンという男、かなりの手練れ・・・体から溢れる闘気は常人の物じゃない!!

それに加えて背後に控える3人の魔法使いも実力は未知数・・・。

3人で挑んでも勝率はかなり低い・・・。


せめて・・・せめて私が戦闘に加わる事が出来れば・・・この状況を打破できるのに!!





そう思った瞬間、私の耳に思いもしない「音」が届いた!!



???「・・・の・・・コが・・・」



その「音」の正体は、あまりにも・・・あまりにも重い声・・・。


hidechi「な、何の声だ!?」


てりり「Σ(´Д`;=;´Д`)??」


コーカサス「や、やけに低い声だったような・・・?」


☆miyabin☆「い、一体誰が!?」



ジーン「 何者ッ!? 」






人の声とは思えない波長・・・。


それは、さっき・・・『おおこうもり』に襲われた時に聞いたのと同じ声・・・!!





でも・・・




今回は聞き逃す事はなかった・・・・




何を言ったか・・・聞き逃す事はなかった・・・



マリア「この・・・ザコが・・・」



キュアを掛けられ、横たわるマリアさんの左腕がジーンに突如向けられると掌から「黒い何か」が鋭く伸びていく!!


風をも切り裂く太く長い何かが、音の様に疾くジーンにっ・・・!!


そして・・・



ジーン「ヒッ・・・?」



目を大きく開けた先に見える光景は常識が通用しない・・・。





ジーンは黒い何かをその身に受け、未だに立っているが・・・



その立っている姿に上半身は存在しない・・・。




魔法使い「ジ、ジーン様ッ!?い、いったい・・・いったい何が!?」



hidechi「な、なんなんだ!?こ、この攻撃は???」



慌てる魔法使いの声が空間に響くがそれも束の間・・・今度はマリアさんの右手から「漆黒の炎」が迸る!!


今まで見たことのない禍々しい炎に一人の魔法使いが「炎の魔法」で相殺しようと詠唱を唱える。


・・・が、それも間に合わずその身は消炭になり、灰へと変わる!!



マリア「脆弱な魔法で私に敵うわけがない・・・。死んで私に詫びろッ!!」



詠唱を終えた二人の魔法使いが炎の魔法を一気に加速させてマリアさんに打ち付けるが、

ジーンに襲いかかった「黒い何か」を又も発射してそれを消滅させる・・・。







魔法使い「ヒ・・・ヒィィ〜〜〜〜〜〜ッ!!!」








魔法使い達の悲鳴と体が「闇」に包まれた瞬間、瞬時に途切れる・・・。










そこに残ったのは・・・・二人の魔法使いの「足」だけ・・・。






☆miyabin☆「あ、ありえねぇ・・・どうなってるんだ??」


hidechi「お、おれもこんな「攻撃魔法」は見たことがない・・・?」



てりり「 ・・・・・(;゚Д゚)?? 」


B10「マ、マリアさん・・・?あ、あなたは一体・・・?」




その雰囲気は先程までとはうって変わって嫌悪を感じる・・・。



いや、まるで邪悪な何かに取り憑かれたようで畏怖すらをも感じてしまう・・・。


マリア「・・・・・・・」


少し気怠そうに私の方へと顔を向ける・・・。

マリアさん・・・い、一体・・・どうして!?本当にどうなっちゃったの??


私のキュアで「胴体の接合」だけは完了してるけど、動くにはまだまだ時間が掛かるはずなのに・・・?



マリア「ビートさん・・・。キュアを掛けてくれてありがとう☆ お陰で完全に回復したわ・・・。そっちは大丈夫??」


笑顔で話していたときと同じ・・・私の名前を優しく呼んでくれる・・・。



「満面の笑顔」を向けてくれた・・・・。




あ、あの攻撃を目の当たりにして血の気が引いたけど、

・・・よ、よかった・・・いつものマリアさんに戻ってくれたんだ!!



でも、マリアさんがこんなにも強力な魔法の使い手だったなんて・・・。



☆miyabin☆「ま、待ってください!!そ、その人に近づいてはいけない!!!」



突如、マリアさんに向かう私を大声で止める・・・。



反応して☆miyabin☆くんの方を振り返ると、身につけている銀の鎧が激しく発光していた。


いいえ、鎧の内側から光が漏れている・・・?


コーカサス「そ、その光・・・「リストブック」の光か??」



hidechi「な・・・「リストブック」だと??」



てりり「 Σ(;゚Д゚) 」


マリア「・・・・・・」


リストブックとは、遙か昔から現在に至るまで「未だ生存している『最悪』の魔物」を記し続ける「魔法の手帳」・・・。


それに記される『最悪の魔物』達は「国家」から懸賞金を掛けられているのだが、

あまりに強力、且つ残酷な為に懸賞金額は最低でも大台の100万ドニアを超え、最高額は億を超える。


総称して「特級賞金首」と呼ばれる彼らにはNo.1からNo.30まで強さの順位にナンバーが割り振られている。

リストブックは魔物達の強さが変わる度に随時、ナンバーが書き換えられ最新状態に更新されるのだが・・・


☆miyabin☆くんは青ざめた顔で「リストブック」を取り出し、煌々と赤く光るページを捲った。



9ページ目に記されているのは、かつて「龍」を率い、あらゆる騎士団や街を滅ぼした「罪深い魔物」の名前・・・。




『特級賞金首 No.9 龍の支配人(ドラゴン・マスター) マリアージュ』の名前に反応して光っている!!!


☆miyabin☆「ま、まさか・・・?き、君が『特級賞金首』だっていうのか!???」


コーカサス「う、うそだろ!?どう見ても俺達、人間と同じ姿をしてるじゃないか!?」


愕然と華奢なマリアさんの全身をまじまじと見つめる二人・・・。

私も同じようにマリアさんに目を向ける。特級賞金首っていえば、「ドラゴン」以上の強さと知能を持った魔物の筈・・・。

いいえ!!特級賞金首でも「一桁台」の魔物は特に要注意で場合によっては逃亡しか選択できないって言われる程に危険な対象!!



この場にいる全員で戦いを挑んでも1%の勝率すら、あり得ない!!


マリア「うるさいッ!!!!!黙れーーーッ!!!」


☆miyabin☆「!!」


☆miyabin☆くんたちに掌を向けると黒い闇が彼らの声を消そうと襲いかかる・・・。


咄嗟に避けた先には無惨に立っているジーンの下半身があったが、それを瞬く間に取り込んで消滅させた・・・。



マリア「もう少し「人間」で居たかったのに・・・。

まさか切られた胴体から波動が漏れて『リストブック』に反応しちゃうなんてね・・・。

予想もしてなかったわ・・・。」



そ、そんな!?☆miyabin☆くんの言う通りマリアさんは・・・?

し、信じる事が出来ないよ!!あ、あんなに優しくて私の為に涙まで流してくれた貴女が・・・「特級賞金首」だなんて!!



☆miyabin☆「くぅっ!!!な、何故こんな所に・・・貴様のような者が・・・?」


マリア「貴様・・・?黙って聞いていたら好き放題言うのね?

私がいなければこの『ウジ虫1匹』すら倒せなかったのに?」


マリアさんの右手が大きな闇で脈打つ。漆黒の「うねり」が少しずつ消えると・・・手の上に頭蓋骨が現れた!!


マリア「この男・・・「トカゲ狩り」なんて言っていたけど、絶対に一人でドラゴンを倒したことは無いわね・・・。見かけ倒しだったわ☆」

B10「 !! 」

手を返して頭蓋骨を地面に落とすとその後頭部にヒビが入る・・・。

無情に打ち捨てられた頭だけの亡骸は抵抗もできず、ただ転がるしかできない・・・。


マリア「相手を見くびって、命を粗末にした坊や・・・。お・や・す・み・・・。」


と、手向けの言葉を贈りながら頭蓋骨を足蹴にして、粉々に粉砕した・・・。





☆miyabin☆「な、なんてことだ・・・。ここにきて・・・『特級賞金首の一桁台』・・・。」


コーカサス「で、でもよ?『マリアージュ』って言やぁ・・・かなり前に「二級賞金首」からも姿を消した魔物だろう??

な、なんで今になって「No.9」なんだよ!?」



hidechi「そ、そうだ!!確か、手持ちのドラゴンを全て失って完全に無力となったはずだ!!」


マリアージュ「そうね・・・確かに私は『化物』に襲われて全ての仲間を失ったわ・・・。

おかげで当時「No.18」だったのにファーストクラス(一級賞金首)は疎か、

セカンドクラス(二級賞金首)からも名を消すことになった・・・。

でもね?数多のドラゴンを手中にするより、遙かに効率の良い方法がわかったのよ・・・。」


B10「効率の良い・・・方法?」



hidechi「なるほど・・・『三大龍』ってことか・・・?」


マリア「そう!!龍の神経を支配できる能力を持つ私が『三大龍』を手にすれば、どんな者よりも強くなれるの!!

面白いわよ!!今まで何匹ものドラゴンを使役しても叶わなかった力が簡単に手に入るの。」


B10「じゃ、じゃぁ・・・さっきの黒い闇や炎は・・・?」


マリアージュ「うふふ・・・そうよビートさん。この子に頑張って貰っていたの☆」


言ってマリアさんは右手から『1枚のカード』を地面に落とす・・・。



そこから大量の水が溢れ出るように姿を現したのは・・・今まで見たこともない大きな爬虫類の姿・・・。


吐く息自体が毒の性質を持ち、爪や牙は禍々しく三重に生える・・・。

緑の眼光を放ち、全身を覆う灰色の鱗はミスリル銀すらをも凌駕する硬度を誇る・・・。




マリアージュ「紹介するわ・・・。私の大事な仲間、「カオスドラゴン」よ・・・。」




☆miyabin☆「さ、『三大龍』ッッ!?」

コーカサス「うわぁ〜〜〜〜〜〜〜!!!う・・・うわぁあ〜〜〜〜〜〜ッッ!!!う・・うぉ・・うわぁ(以下省略)」


てりり「 Σ(;゚Д゚) 」


hidechi「こ、こんな化け物が・・・この世に存在するなんて・・・。」



うなり声を上げながらもマリアージュに頬を擦り、目を閉じるカオスドラゴンを見て完全にそれを支配している事がわかる・・・。


この強大を前にして、私たち人間なんて無力となり果てるしかない・・・。



青ざめ、動揺しかできない私にマリアージュは複雑な表情をしている。


マリアージュ「ねぇ・・・B10さん。私の事・・・嫌いになっちゃった・・・?」


少し上目遣いで悲しげな表情・・・。

自分が魔族である事を隠し、一緒に行動していた引け目なのか・・・?


私の顔色を伺っている・・・。


B10「き、嫌いも何も・・・わ、私は・・・」


言葉に詰まる・・・。



5年前までは・・・

いいえ、「時の番人」に在籍していた以上、今でも「特級賞金首」は私にとって「殲滅の対象」だからだ。



実際には「特級賞金首」に出会う事はなく、知識としてしか存在を知らなかった。


この洞窟に入る前、何も知らずに声を掛けて仲良くなった人が「特級賞金首」だなんて思いもしなかった・・・。


今、私はこの人の問い掛けに戸惑う事しかできない・・・。



マリアージュ「B10さん・・・私、貴女とは本当に「仲良くできる」って心から思ったの・・・。

貴女は私を裏切ったりしない優しい人だって・・・。だから・・・」


僅かな期待を秘めた瞳・・・。はにかみながら・・・優しく私に手を伸ばす・・・。


確かに私たちはマリアージュに命を助けて貰った・・・。


マリアージュが居なかったらジーンの凶刃の前に殺されていただろう・・・。


でも・・・私は、この人の・・・手を握っていいの・・・?





hidechi「騙されるな!!B10ッ!!コイツは特級賞金首なんだぞ!?こんな奴の言う事に惑わされるな!!!」




B10「ひ、hidechiさん??」



hidechiさんがマリアージュを睨み付けて怒鳴り、剣の刃先を向ける!!


特級賞金首であるマリアージュにあくまでも立ち向かう姿勢を崩さない!!





hidechi「マリアージュ・・・貴様、随分と都合の良い事を言っているな?今まで貴様が殺してきた人間の数を言ってみろッ!!!」















マリアージュ「・・・・・・・・・・」





B10「・・・・・・・・・・」











マリアージュ「10000人から20000人ぐらい・・・?かしら・・・?もう、多すぎて覚えてないわよ・・・?」




☆miyabin☆「ッ!?」



あ、あまりに信じられない数・・・。


い、一体どうしてそんな事を??




hidechi「その人達を、なぜ殺したんだ!?」











マリアージュ「だって・・・大型のドラゴンを飼っていたら「栄養」を摂らせるのに大変でしょ・・・?

小さなドラゴン達は数え切れないぐらい沢山居たから「数百人規模の街」を与える事もあったしね・・・。」






☆miyabin☆「う・・・ぐぅぅッ!!」





コーカサス「お、おまえにとって・・・ひ、一つの街が「エサ」だっていうのかッ!?」






マリアージュ「うふふ・・・その通りよ・・・「ウジ虫」くん☆」






hidechi「もういいッ!!喋るな・・・反吐が出る!!!」



マリアージュ「全く・・・問いかけたり、黙れって言ったり忙しいウジ虫ね??

でも、別にいいじゃない?どうせあなた達ウジ虫なんてポロポロ湧いて出る様なものなんだしッ!!

       ドラゴンの食事は数年に一度でいいんだから他の魔物よりも少ない方よッ!?

あっ!!B10さん!!もちろん貴女は別格よ?私たちと同等の存在意義は十分に所有してるわ☆」







B10「マ、マリアージュ・・・あ、あなたは・・・あなたは・・・なんて酷い事を・・・。」





私の中に異常な程の嫌悪感と憎悪が溢れかえる・・・。



知能は人間に近く・・・いえ、それ以上に高いかもしれない。



だからこそ、私はこの「生物」を生かしておく訳にはいかない・・・。





これを放置したが最後。これから先、どれだけの犠牲者が出るのか想像もつかない数になってしまう・・・。





マリアージュ「非道いのは貴女よ・・・。そんな目で私を睨んで・・・。

私はただ、B10さんと仲良くなりたいだけなのに・・・。」




B10「私たちは「相容れない」わ・・・。特級賞金首、No.9 マリアージュ・・・。」





マリアージュ「そんな事はないわ・・・。B10さんは私をちゃんと受け止めてくれるって信じているもの・・・。」




hidechi「まだ言うのかッ!!この・・・!!!?」




hidechiさんがマリアージュに怒鳴ろうとした瞬間!!



hidechi「な、なんだッ!?」






何も分らないまま、足下に大きな穴が無数に開けられる!!



☆miyabin☆「い、一体・・・ッ!?」


☆miyabin☆くんも口を開こうとするが何を言う間もなくhidechiさん同様、地面に無数の穴がッッ!!!



コーカサス「お、お・・・・ッ!!!!」


コ、コーカサスくんの足下にも・・・!?



てりり「Σ(´Д`;≡;´Д`)!?」



マリアージュ「黙りなさい、ウジ虫共・・・あなた達に「発言権」は無いのよ・・・。」


血走り、赤く光るマリアージュの眼・・・。


それはいつでも、hidechiさん達の命を奪う事ができるという事を意味している!!


ふぅ・・・と溜息を付きながらゆっくりと私の元へ向かってくる・・・。

右手を突き出しながら・・・マリアージュは言った。



マリアージュ「ねぇ・・・?B10さんと私は・・・ず〜〜〜っと・・・お友達でしょ??ちゃんとお返事して・・・☆」


B10「ッッ!!!」


汗が頬を伝う・・・。



今まで経験した事も無い「驚異的なプレッシャー」が私に問い掛けてくる・・・。


hidechi「ビ、B10・・・。」


てりり「 ・・・(;`Д´) 」





『発言権』の無いhidechiさん達・・・。



唯一、『発言権』を与えられている私だが、それはhidechiさん達と何ら変わる事はない・・・。




私が断ったが最後・・・hidechiさん達はマリアージュに瞬く間に殺されてしまう・・・。


そして・・・きっと私も・・・。





そう・・・私には『発言権』は有っても・・・・












『拒否権』は無い・・・。



マリアージュ「B10さん・・・?」





私の答えに確信を持った笑み・・・。



打開策が無いかと目一杯、頭の中で展開し検討する。しかし、どれもが目の前の特級賞金首には通用しそうもない・・・。



私には万に一つも「彼女」に勝つ策はない・・・。



きっと「戦闘」になる事すらなく、敗北するだろう・・・。



私の答えは「YES」しかない・・・。


みんなの命は・・・私の答えに掛かっている・・・。


でも・・・例え今「YES」と答えてもその後の運命は全てマリアージュに握られている・・・。



かつて幾度と無く潜ってきたと思っていた修羅場は今の状況に比較すれば如何に緩い物だったか・・・。


私の率いていた師団は「回復」が専門だったから、戦闘の第1戦に赴く事なんて殆ど無かった・・・。



たとえ赴いても・・・テリィが守ってくれていた・・・。





今になって気づくなんて・・・情けない・・・。







私は・・・なんて・・・






無力だったんだろう・・・。




マリアージュ「さぁ、B10さん・・・答えを聞かせて・・・☆」



B10「・・・・・・・・・」














B10「私の答えは・・・YESよ・・・。マリアージュ・・・。」


hidechi「B10ッ!!お、お前ッ!?」


☆miyabin☆「ぐぐ・・・ぐ・・・。」





選択できない哀れな道化・・・。

その決断にみんなの表情が歪む。








この先、私はマリアージュの希望に・・・










答え続けなければいけない・・・?





いいえ・・・それは無いわ・・・。





手を取るのも、それは一時の事・・・。






hidechiさん達からマリアージュを引き離した後、私は微力な抵抗を行えばいい・・・。





そうすれば私は胸を張ってテリィに・・・会いに逝ける・・・。




マリアージュ「うふふ・・・『死を覚悟した瞳』って、美しくないものよ?B10さん・・・?」

人差し指を唇に付け、不適に笑むマリアージュ・・・。

私の奥に秘めた覚悟を見透かされている??


なら、それでもいい・・・。今はまだ、マリアージュはみんなに手を出す事はない・・・。



ゆっくりと、マリアージュに向かって歩む・・・。







マリアージュ「私なら、貴女の大事な『テリィさん』を生き返らせてあげられるんだから元気を出して・・・☆」




B10「ッ!?」


てりり「  ΣΣΣ(;゚Д゚)!? 」


な、なんですって・・・?






☆miyabin☆「な、なッ!?」

てりり「  ΣΣΣ(;゚Д゚)!??? 」



そ、そんな事が・・・




hidechi「ば、馬鹿な!?テリィを生き返らせる事が・・・ッ!?」

てりり「  ΣΣΣ(゚Д゚;≡;゚Д゚)??? 」


貴女はできるって言うの??




コーカサス「ありえねぇ!!そんな事ができればこの世から死人なんて無くなるじゃねぇか!!」


マリアージュ「うふふ・・・ウジ虫くんの常識で物事を考えないで・・・。

それに私は天に召された「魂」と意識を疎通する事もできるのよ・・・?

テリィさんは今、天国からB10さんを見つめながら涙を流しているわ・・・。」


てりり「  Σ σ(;゚Д゚)!? 」


B10「そ、そんな・・・?ほ、本当に・・・本当にそんなことが・・・?」


マリアージュ「えぇ・・・だからずっと私のお友達でいて欲しいの・・・。別に貴女が嫌がる様な事はしないわ・・・。

お友達で居てくれたら・・・必ず貴女の『望み』を叶えてあげる。」


僅かに灯る希望・・・。


死んでしまったテリィが生き返る?




もしも、それがもしも本当に叶うのなら・・・




一度失ってしまった『時間』を・・・本当にもう一度取り戻せるのなら・・・







hidechi「B10ッ!!目を覚ませッ!!B10ッ!!!」


コーカサス「おいっ!!なんか解らんけど、おいッ!!」


☆miyabin☆「い、行ってはいけませんッ!!そちらに行っては・・・・ッ!!!!」





私は・・・マリアージュに・・・





着いていくしか・・・



























てりり「 \(*´▽`*)/ 」



B10「・・・・・・・てりり?」



私とマリアージュの間に割り込んで、てりりが笑顔で両手を広げる・・・。


B10「てりり・・・あなたも私に着いてくる?」


ふと、手を伸ばして・・・ふわふわと飛ぶてりりを抱こうとするが・・・



てりり「 (´Д`;≡;´Д`) 」


首を横に振った・・・。


そうだよね・・・。


これから先、マリアージュの言いなりになるしかない私はもう・・・あなたの飼い主で居る事は出来ない・・・。


本当にごめんね・・・てりり。


てりり「  ( ゚Д゚)σ 」

B10「・・・?」


ふと、てりりが指をさした方を見つめると・・・そこには「魔法使いの足」がある・・・。




てりり「  ( ゚Д゚)σ 」



また、違う方を指さすが・・・そこには『砕かれたジーンの頭蓋骨』がある・・・。



てりり「 (´Д`;≡;´Д`) 」






B10「 ッ!!! 」








て、てりり・・・あなたが今・・・私に・・・教えてくれているのは・・・












まさか、『彼が教えてくれた事』・・・?












・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・










・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・








『ビート・・・覚えておけよ・・・?』







『龍に喰われたヤツはな・・・』







『体と一緒に魂まで・・・喰われちまうらしい・・・。』







『殺したばかりの龍の血を飲むと不老になるとか、強靱な肉体を得るとか・・・』






『あんなのも嘘っぱち・・・。そんな事をすれば・・・』
























『 「龍」 になっちまうんだぜ? 』



























・・・・・・・・・・・・・・・・





B10「・・・・・・・・・・」


マリアージュ「どうしたの??何か不思議そうな顔をしているわね??」



B10「ねぇ・・・テリィを生き返らせるには・・・どうすればいいの・・・?」





マリアージュ「うふふ・・・決まっているわ☆

『回復魔法』が得意なB10さんを更に強化する為に『活きたドラゴンの血』を飲んで貰うの。

龍の力を得たB10さんなら、死人を生き返らせる事すら容易になる・・・。」


B10「血を飲んで・・・強く・・・?」







マリアージュ「そうよッ!!おまけに『不老の体』を手に入れる事が出来て素晴らしい事ばかりなのッ!!

さぁ、こっちに来て・・・B10さん!!!永遠に私と一緒よッ☆」





てりり「 ・・・( ゚Д゚) 」



てりりのお陰で気づけた・・・。


マリアージュの言葉は詐欺じみたの安物の売り文句・・・。



この言葉の中に、何一つ「真実」は見えてこない・・・。



非道な貴女と信頼置けるテリィの言葉・・・。



天秤に掛けて零れ落ちるのは当然、人の心を持たない貴女の方・・・。



テリィの死・・・受け入れる事が出来ないまま混乱し、冷静さが無かった私・・・


その今の私でも図式が簡単に組み立てられる・・・。



貴女は「龍の神経」を支配できるんだもの・・・。


貴女は私に「龍の血」を飲ませた後、私をドラゴンにして「使役」させるつもりだったんだ・・・。


「回復魔法を使える龍」を使役させる事が出来れば、マリアージュの強さは計り知れなくなる・・・。


最初っから貴女はそのつもりだったんだ・・・。



私の回復魔法に目を付けた時から・・・


そのつもりだったんだ・・・。






てりり「 クル( // )・・・・・ 」
      ( ↑背中の傷 )

マリアージュ「・・・・・・」



私が全てを悟ったと知るや否や、てりりがマリアージュに振り返る。

先ほどまで目立たなかったのに、背中の2つの古傷が赤く浮き出ていた・・・。


対峙するマリアージュ と てりり・・・。

数秒の沈黙が続く・・・と、




不機嫌そうにマリアージュがてりりを睨み付けた!!!



マリアージュ「なぁにぃ〜?てりりちゃん?B10さんのペットだからってェ・・・『そんな目』で見つめられたら・・・

殺したくなるじゃないィ〜〜ッ?」



背を向けているてりりが、今、どんな表情をしているのかは見えない・・・。


でも、私には解る・・・。てりりは・・・怒ってくれているんだ・・・。


私の心を知り、弄んだマリアージュに怒ってくれているんだ・・・。


でも・・・てりりじゃ、マリアージュには勝ち目なんかないんだよ・・・・?


無茶な事は止めてッ!





・・・・ッ!?



てりり「 ζζζ( // )ζζζゴゥッ・・・・ 」



☆miyabin☆「な、なんですか!?あれはッ!!」



hidechi「!?」





てりりから溢れだした『暗黒』・・・。



コーカサス「な、なんて・・・なんて・・・・」




コーカサスくんも私と同様、てりりに対して『マリアージュ』に似た恐怖を覚えている・・・。



い・・・いいえッ!!それ以上の『何か』を感じる!?


い、一体なにッ!?


マリアージュ「あ・・・ああぁあ・・・!?」


マリアージュの顔色が青くなり、慌ててカオスドラゴンに手を伸ばす・・・。


カオスドラゴン「ガァアァァァーーーーーーーーーッッ!!」


すると先ほどまで嗜虐ながらも従順だったカオスドラゴンが、てりりに向かって黒い炎をぶつけた・・・!!



てりり「 ζζζζζ( // )ζζζζζ ゴゴゴゴゴ・・・・・ 」


しかし、てりりの暗黒は黒い炎を逆に包み込み、簡単に掻き消した!!

衰える事を知らないかの様に湧き続ける『暗黒』が辺り一帯を支配していく・・・。


でも、この感覚・・・昔・・・何処かで感じた事がある・・・?



ど、何処でだろう!?お、思い出せないッ!!



マリアージュ「き、貴様ッ!!貴様ッ・・・『龍喰い』かぁ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜ッ!!!!!」




B10「りゅ、『龍喰い』!?」






マリアージュに『龍喰い』と呼ばれるてりり・・・。


で、でも・・・『龍喰い』って・・・いったい何なの!!?



てりりの本当の名前は『龍喰い』だっていうの・・・?


それともまったく違う何か??




てりり・・・あなたは一体、何者なの!?













てりり「  ・・・・・  」











・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・











『汝、三度(みたび)・・・我を求めるか・・・?』













___ あぁ・・・















『汝、最期の「絶大」を欲するか?』

















___ あぁ・・・欲しい・・・


















『汝、之を以って余命を尽くすのか?』

















___ あぁ・・・これ以上はもう・・・限界だ・・・


    ビートをここまで傷つけるヤツを・・・俺は絶対に許さない・・・



















『汝の覚悟は知り得た・・・その「欲」・・・叶えよう・・・。』





















___ あぁ・・・早くしろ・・・呪いに掛かったシーポンの体じゃ、コイツ達は倒せない・・・。

























『永遠の闇に汝の魂よ・・・消え逝け・・・。』

























___ 俺の命・・・くれてやるッ!!!























『汝の露命を受け・・・・・・・・』


























___ さぁッ!! 蘇るがいいッ!!!





























『最後の『絶大』を授けよう・・・』


























___ 魔剣ッ!!『アイアン・シェフ』ッ!!!







・・・・・・・・・・・・・・・・!!!!!!!!!!!!!!!!・・・・・・・・・・・・・・・










てりり「 フッ ξξξ(   )ノシξ  」




ビート「てりりッ!?」


てりりが手を振ると包み込んでいた闇が消える。




コーカサス「な、なんだ!?シーポンの体に変化がッ!?」


少しずつ、てりりの体が震えだし・・・肌が黒色へと変わっていく!?




マリアージュ「ぐ・・・・ぐぐぐ・・・・」

てりりの反応に歯を食いしばりながら汗を垂らす・・・。

『龍喰い』はマリアージュにとって、それだけ強大な存在・・・。

カオスドラゴンも吐き出す黒炎を掻き消すてりりに唸り声を上げるだけで精一杯・・・。



そして・・・



てりり「  煤@// )ビシッ!! 」



☆miyabin☆「ヒ、ヒビが入っただと!?」




hidechi「み、見ろッ!!それだけじゃないッ!?」





てりりの足下に発生した影・・・。



出来た暗黒の影は『黒い閃光』を発し、見れば見る程、おぞましさに恐怖を覚えて鼓動が増していく・・・。








闇より濃い闇・・・




見た事もない黒い閃光・・・




縛られる空気・・・




研ぎ澄まされた殺気・・・










更にそれらに混じる・・・











凍る様な、人外の邪気・・・









黒い閃光はエネルギーを吸収するかのように、てりりが放出した闇を掻き集める・・・。

地面に蠢く「黒」から火花が弾ける様な音を発し、てりりの前に姿を現したのは・・・



刀身黒く鬼気をまとい、邪に唸る・・・見た事もない禍々しい剣・・・。


それが何なのか、見る者全てが理解できた・・・。







持つ事すら恐れる様な・・・・『魔剣』ッ!!






この魔剣の鋭さの前では・・・万物の硬度が「無」と化すだろう・・・。


でも、それだけ強大であるが故に・・・直感で理解できる・・・。


これに触れて無事でいられる訳がない!!!



な、なんで『てりり』が!?こんな物をッ!?



B10「だ、だめよッ!!!てりりッ!!」





私の、この胸を締め付けられる様な感覚・・・。

てりりは「覚悟」を決めている・・・。





これは『てりりとの永遠の別れ』を意味している・・・??





てりり「  (/ *´▽) 」



最期と覚悟してなの?剣に手を伸ばしつつ・・・てりりが満面の笑顔で私を見ている・・・?



そ、そんな・・・そんなの嫌だよッ!!



B10「いやぁ〜〜〜〜〜〜っ!!てりりッ!!てりりぃ〜〜〜〜〜〜ッ!!!!!」







虚しく響き渡る私の叫び声・・・。






てりりが魔剣に・・・手を伸ばし・・・・触った瞬間・・・
































テリィに続いて・・・てりりとの『時間』までもが壊れてしまった・・・。
















                                  第12話に続く・・・