題名:走れ!イデアツーリストのヤスノV
真っ暗に染まった深夜の草原の息吹・・・。
人の気配が無い小屋の裏に倒れた人影が見える・・・。
????「・・・・・・」
倒れている人影は7〜8歳くらいの男の子・・・。
「静寂の服」を身に着けているが・・・無残にも背中に傷跡が付いている・・・。
意識も無く・・・これから先、動くことも無い傷ついた少年・・・。
そう・・・彼はもう・・・死んでいるのだ・・・。
倒れた少年の手には「少年の使用する剣、王家の剣」が・・・鞘に納まったまま転がっている。
そして・・・地面には意味不明の「棒で書かれたような線」が20m程・・・少年の死体がある場所へと伸びていた・・・。
少年は「何か」引きずっていたのであろうか?
それとも・・・少年の方から何かを引きずったのか・・・?
ザッ・・・ザッ・・・ザッ・・・
森の奥の・・・そのまた向こう・・・森を抜けて「草原の街道」に帰ろうとする「人影」が見える・・・。
彼がこの少年を殺したのであろうか?
フード付きのマントを被ったその人物は・・・まったく正体がわからない・・・。
フードの中身が闇で包まれている為に顔が見えることは無く・・・この人物の「武器」すらわからない・・・。
しかし・・・わかることが唯一つだけある・・・。
この人影は・・・「たけやす」と戦った「辻斬り魔」と同じフードを被っていた・・・。
ザザザザザザッ・・・
「・・・・・・ふっふっふ・・・」
フードの人物とは違う・・・すばやく森の中を走る「 誰か 」の影を見つめながら笑う辻斬り魔・・・。
「・・・・やっと・・・やっと手に入る・・・」
フードの奥に見える「辻斬り魔の目尻」が下がる・・・。・・・。
赤く濁って輝く目・・・。
辻斬り魔は・・・「少年の死」を笑っていた・・・。
その目に「正義の輝き」は・・・微塵も感じられない・・・。
「・・・剣聖、クラージュの・・・・秘奥義が・・・・やっと・・・」
剣聖、クラージュの秘奥義・・・。
それが「辻斬り魔」の求める物・・・。
フードの人物・・・それは人か魔物か・・・まだ・・・誰にも判らない・・・。
第6話「秘剣、クラージュ」(クラージュ & tomimari編) 〜〜〜前編〜〜〜
おけな「・・・・・・・・・・」
イデア国立総合病院の一室・・・。
イデアツーリストの社長、おけなは「部下、たけやす」の見舞いに来ていた・・・。
ゴトッ・・・・
花瓶の花を生け直し、ベッドの横の台に置く・・・。
目を見開き・・・「瞬き」すら忘れた様に座っている「たけやす」・・・。
前回の「心に付けられた傷」のせいで「絶望の渦」に巻き込まれている・・・。
常に「放心状態」といって良いだろう・・・。
たけやす「・・・・・・」
おけな「くっ・・・・。」
自らの手をグッと握り締める・・・その握力は凄まじい・・・。
手からポタポタと・・・血が滴り落ちる・・・。
おけな「必ず・・・戻ってこい・・・ 必ずだ・・・・」
椅子に置いていた「ブレザー」を取り上げて病室を後にする社長おけな・・・。
今日まで「たけやす」を傷つけた「辻きり魔」を探っていたようだが・・・
悔しくも「捕獲」には至っていない・・・。
それどころか「新たなる犠牲者」までも出してしまっていた・・・。
国家警察が一般に公開している「新たなる犠牲者」の情報は「貴族の少年」という事だけで・・・
それ以外は「トップシークレット」となっている。
「貴族の少年」の殺害現場は「草原の息吹」辺りらしいが「民間の自警団」に「手柄」を立てられるのを拒んでいるらしく
一切の情報が「自警団」には入ってこなかった・・・。
最近になってようやく「国家警察」がメンツを賭け、躍起になって「辻きり魔」を探しているが・・・
成果は一向に出ていない・・・。
あまりにも国家警察の「行動」は遅過ぎる・・・。
おけな「・・・・・・・・・」
病人に当たらない様にすり抜けるように「病院の廊下」を歩くおけな・・・。
いつもは「笑顔」を絶やさない彼・・・
しかし・・・今の彼の「瞳の奥」には「怒りの炎」が噴き出している・・・。
おけな「(会社の社員は・・・・俺にとって家族・・・。)」
病院を出るや否やタバコを取り出す・・・。
「残り1本のタバコ」に火を付けて一気に煙を肺に吸い込む・・・。
おけな「ス〜〜〜〜〜〜〜ッ!!!!!!!!!!!!」
おけな「ふ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜ッ・・・・・・・」
病院の外・・・そよぐ風に乗ってタバコの煙が空へ舞う・・・。
鳥たちはいつもと変わらない様子で飛び回り・・・子供たちは無邪気に遊んでいる・・・。
しかし・・・おけなはその風景を・・・笑顔で見ることは無い・・・。
いや・・・できなかった・・・。
おけな「必ず、ころ・・・いやッ・・・・・・・・」
続きの言葉を一瞬・・・感情に任せて言い放とうとするが、グッと堪える社長おけな・・・。
ふと・・・「昔の自分」を思い出し・・・うつむく。
おけな「・・・・・・・・・」
眉をしかめて・・・哀しげに首を横に振る・・・
おけな「(俺も・・・丸くなったのか・・・?)」
空を見上げた後・・・目を瞑り・・・心を落ち着かせる社長おけな・・・。
空になったタバコの箱をゆっくりと握りつぶす・・・。
おけな「・・・・・・・・」
おけなの立つ40m程離れた場所・・・・一般商店の前にゴミ箱が見える・・・。
おけな「・・・・・・・・」
「一般商店」に背を向けて・・・ゆっくりと歩き出す社長おけな・・・。
先ほどまでとは違い・・・「静かな怒り」で満ちている・・・。
ブンッッッ・・・・・
・・・・・
・・・
・
カサッ・・・・
背を向けたまま放り投げた「タバコの空箱」が一般商店のゴミ箱に吸い込まれるように入っていく・・・。
イデアツーリスト、社長おけな・・・怒りで腕が鈍るような男では無い・・・。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
ところ変わって草原の街道・・・。
見かけた事のある3人組が歩いている・・・。
バディー「くっくっく・・・やっと・・・やっと完成した・・・。」
怪しげな壷を大事に抱えて・・・不敵に笑うバディー・コンダー・・・。
「草原の街道」のモニュメントを目指して部下のボーンとラードを連れて歩いている・・・。
バディー「「きのこ」と「スカルメイジの骨」と「痛んだ尻尾」、それに「草魔人の葉」40枚使用して・・・やっと・・・」
ボーン「くっくっく・・・その「呪い」で・・・イデアツーリストもお終いでおじゃるねッ!!」
ラード「お〜〜し〜〜ま〜〜い〜〜〜・・・」
「総額2億ドニア」を使って作った特別な「呪い」・・・。
どうやら「壷の中」には「呪い」が詰まっているようだ・・・。
イデアツーリストに対して復讐を諦めていないバディー・・・。
今回は「呪い」で勝負するようだ・・・。
バディー「この「呪い」を誰にかけようか・・・? おけな? 眠傀? それとも☆はな〜♪☆がいいかしら??」
満面の笑顔で歩いているバディー・・・。
前回の一件で「プライド」を傷つけられたバディー・・・。
☆はな〜♪☆までもが「復讐の対象」になってしまっていた・・・。
ボーン「ちょ!姉御ッ!!!モニュメントの所を見るでおじゃる!!!」
大通りに出たとき・・・慌ててバディーを引き止めるボーン・・・。
たくさんの露店が出ている広場・・・。
その先に見える「モニュメント」の下に・・・イデアツーリストの「かすみ」の姿があった・・・。
バディー「??あの女がどうかしたんですの??」
イデアツーリスト全員の顔は知らないバディー・・・。
ボーンに問いかける・・・。
ボーン「事前に調べておいたのでおじゃるが・・・あれは「かすみ」とかいう女でおじゃるよッ!!」
ボーンとラードは先日の失敗でバディーに「タコ殴りの刑」にあっている・・・。
「反省したボーンの精一杯のお返し」だったのであろうか?
イデアツーリストのメンバーの資料を集めていたのだ・・・。
ボーン「もっとも・・・「YasunoV」とかいう奴だけはよく判らなかったのでおじゃるが・・・。」
普段、「やすのぶ」としてイデアツーリストに出入りしているYasunoV・・・。
YasunoVがやすのぶである事を、ボーンは調べ上げる事ができなかったらしい・・・。
しかし、バディーは満面の笑顔でボーンに駆け寄る・・・。
バディー「あぁ・ボーン・・よく頑張ったじゃありませんのッ!?
私は・・・あなたは「デキル男」と信じていましたわよッ!!」
バディーは豊かな胸にボーンの顔をうずめて・・・頭を撫でる・・・。
通常の男であればコレで大抵「骨抜き」になる・・・。
ボーン「と・と・と・・・当然でおじゃるよ〜〜〜〜ッッッ!!!」
筋と皮だけの体型のボーンが「ぐにゃぐにゃの骨抜き」になる・・・。
目からは「ハート」が激しく飛び出していた・・・。
ラード「いぃ〜〜〜なぁ〜〜〜〜・・・」
指を咥えてうらやましそうなラード・・・。
バディー・・・「飴とムチ」を上手に使い分ける女性である・・・。
バディー「そうと判れば速攻ですわッ!!!この「呪い」をかすみにッ!!
プ〜レゼ〜〜〜ント〜〜〜〜ッ!!!!!」
ボーン&ラード「ヘ〜〜〜〜イッ!!!」
3人は建物の影に隠れてかすみを確認しながら壷をゆっくりと開けていく・・・。
バディー「くっくっく、この「呪い」は「体が「重くなって」動けなくなる呪い」ですわッ!!!」
ボーン「体重が10倍になるのでおじゃるね・・・。」
ラード「潰れて・・・・しんじゃうね〜〜〜〜〜〜」
にこやかにかすみに向って呪いを向ける・・・。
ズズズズズ・・・・・
黒い煙が・・・かすみに向って飛んでいった・・・・。
この煙・・・呪いをかけた人物にしか見えることは無い・・・。
ズズズズズ・・・・・
かすみに・・・まとわり付いていく呪い・・・。
すると煙が少しずつ・・・かすみの肩に集まる。
ピシャ〜〜〜〜〜〜ンッッッ!!!!
バディー「やった!!!成功ですわッ!!!」
ボーン「良かったでおじゃる!!!コレでもう・・・動けなくなるでおじゃるよ!!!」
ラード「ぺ〜ちゃ〜〜ん〜〜こ〜〜〜〜・・・・」
バディー達の呪いはどうやら成功のようである・・・。
しばらくかすみの様子を探る3人・・・。
バディー「・・・・・・・」
ボーン「・・・・・・・・」
ラード「・・・・・・・」
すると、モニュメント前で立っていたかすみに「変化」が見られてくる・・・。
かすみ「うぅぅ・・・?なんだろう?ちょっと・・・体が・・・だるい・・・?」
バディー「やったッ!!やりましたわッ!!!」
このバディー達の呪いの効果でかすみの体重が「自主規制」kgから「自主規制×10」kgに変化する・・・。
常人であれば確実に地面に倒れこむ筈である。
ゆっくりと「呪い」が効いてきているのだろうか?
かすみ「ずっと立って待ってたからかしら?・・もうすぐ来る筈なんだけど・・・。」
誰かと待ち合わせをしている様子のかすみ・・・。
懐中時計の針を見て辺りを見渡す・・・。
すると露店の影からチラリと見えるサンタ帽子を被った女性・・・。
かすみ「あっ!!!来た来たッ!!!」
待ち人が来たようである・・・。
かすみ「クレスちゃ〜〜〜〜ん!!!!!」
ドガッ!!ドガッ!!ドガッ!!ドガッ!!ドガッ!!ドガッ!!
大きく地響きが鳴り響くッ!!!!
バディー「ナニィ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜ッ??????」
ボーン「ウオォォォォォォ〜〜〜〜〜〜ッ!!!?」
ラード「す・・・・げ・・・ェ〜〜〜〜〜〜・・・・・」
なんと体重が十倍になりながらも軽快に走っていく魔法使いかすみ・・・!!!!
地響きをさせながらクレスの下へ駆けていく・・・。
バディー達が使った「呪い」は即効性である・・・。
バディーの「呪い」の効果より・・・さらに上を行くかすみの強靭な肉体・・・。
かすみにとっては「だるさ」にしかならなかったのであろうか?
クレス「あっ!遅れてごめんです!・・・・って・・・・あれ?」
かすみ「んッ? どうかした?クレスちゃん・・・?」
目を細めてかすみの肩の辺りを見るクレス・・・。
眉をしかめて手を顎にやる・・・。
クレス「かすみさん・・・肩に「呪い」が付いてるよ? それ・・・おしゃれ・・・?」
微笑みながら・・・かすみを茶化すクレス・・・。
かすみ「えっ!? うそ? やだッ!!どこどこ???」
ドガンッ!!ドガンッ!!ドガンッッ!!
かすみはバタバタしながら肩の辺りを見ようとジタバタする・・・。
周囲は少し「揺れ」を感じるほどであるが・・・かすみは普通に動いている・・・。
バディー「ま、まるでバケモノですわネッ!? でもッ!その「呪い」は簡単には取れませんわよッ!!!」
汗を垂らしつつもニヤリと笑うバディー・・・。
しかし・・・「イデアツーリストの呪術師」ことクレスは・・・笑いながらかすみの方へとゆっくりと歩いていく。
パッパッパ・・・・
数度、かすみの肩を手で払う・・・・。
クレス「取れたよ?かすみさん?」
かすみ「ありがとう!クレスちゃん!!」
バディー「ナニィィィィィィィィイイィィィイイイイイイッッ!!!!!!!!!????????」
ボーン「そんなッ!!そんなッ!!????」
ラード「ぶ・・・ぶぶぶッ・・・・・・・」
驚愕の3人・・・。
まるで「肩に付いた「ホコリ」でも払うように「呪い」を祓った」クレス・・・。
バディーの「呪い」は無残にも・・・簡単に祓われてしまった・・・。
バディー「なんてことッ!!!ありえないですわッッ!!!」
ボーン「ぐぐぐ・・・自信作だったのでおじゃるがッッ!!!」
ラード「あ〜〜〜〜〜・・・・」
肩を落として落ち込む三人・・・。
しかし・・・この三人にキツイ「お仕置き」が降りかかる・・・。
ズズズズズズ・・・・・・
バディー「ななな・・・なんですの?一体・・・?」
ラード「ま・・ま・・・さか〜〜〜〜〜〜」
ボーン「あわわわッ・・・・「呪い返し」でおじゃるッッ!!!」
クレスに祓われた「呪い」が術をかけた者に戻ってきたのである!!!
人を呪わば穴二つ・・・。
この3人の誰かに・・・「呪い」が襲い掛かるようだ・・・・。
バディー「なッ!!!この「呪い」はボーンが作ったんでしょう??あなたがッ!!!」
ボーン「そんなッ!!発案はラードでおじゃるよッ!!?」
ラード「作れって・・・言ったの・・・あねごぉ〜〜〜〜〜〜・・・・」
醜くケンカしながら泣き出す3人・・・。
呪いから逃れるために・・・3人とも全力疾走しだす・・・。
バディー「ち・・ちきしょうッ!!ちきしょうッッ!!!イデアツーリストめぇぇぇッッ!!!!!」
ボーン「や、やっぱり「正攻法」が一番でおじゃる〜〜〜〜ッ!!!!」
ラード「うわ〜〜〜〜〜〜〜・・・・ん・・・・・」
またもやイデアツーリストに存在すら知られないまま敗北したバディー・・・。
3人の逃げる姿は滑稽そのものである・・・・。
余談として、この「呪い」は・・・一番足の遅かったラードに取り付くのであった・・・。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
露店を覗きながら歩いていくクレスとかすみ・・・。
露店で「何か」を探しているようだ・・・。
その「何か」を探しながら・・・おしゃべりを始める・・・。
クレス「ふぅ・・・やすのぶくんが旅立って・・・一ヶ月かぁ〜〜。」
かすみ「早いわね・・・もう一ヶ月なんて・・・「修行」は成功かしら?」
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
一ヶ月前
やすのぶは「たけやす」が傷ついたその日の深夜・・・。
会社で社長おけなに「やすのぶ専用のミッション」を与えられる。
おけな「やすのぶくんには・・・俺、かすみ、クレスの推奨する「達人」の下で修行してもらう。」
やすのぶ「しゅ・・修行ですか????」
涙を拭い、目を大きくして驚くやすのぶ・・・。
確かに現状では・・・やすのぶのレベルアップは必須である・・・。
眠傀「おお・・・「体術」の基礎から学んで来たらいいぞ・・・。」
百絵「確かに・・・レベルアップできそう・・・」
パンサー「いいなぁ〜〜〜 やすのぶさん・・・。(俺も修行しないとナ・・・。)」
手に汗を握り・・・社長おけなに答えるやすのぶ・・・。
やすのぶ「俺・・・強くなれるなら・・・修行に行きたいですッ!!!」
目をキラキラさせて社長おけなに駆け寄るやすのぶ・・・。
やすのぶも・・・今、自分が何をすればいいのかがわかっている様子だ・・・。
クレス「ふっふっふ・・・私たちの推奨する「マスター」は厳しいわよ?」
不敵に笑うクレス・・・。
この笑い方が結構怖い・・・。
しかし・・・今のやすのぶは心が躍っている・・・。
限りなくテンションは高まっているようだ・・・。
やすのぶ「大丈夫です!!「ソードファイター」になれるなら・・・やり遂げて見せますッ!!!!」
そういうと社長おけな、かすみ、クレスは・・・にこやかな顔でやすのぶに言い放つ・・・。
かすみ「 私は「拳闘王ミック・ミレード」を紹介するわ・・・。やすのぶくん!! 」
拳闘王ミック・・・。
拳闘において、その名を知らないものはいない「拳闘の王者」である・・・。
スピード重視のヤスノVの戦闘スタイルにとって拳闘の「ステップ」は大いに役立つであろう・・・。
クレス「私はドルロレの「食の鬼才」テリィさんを紹介するわッ!!!」
その昔、クレスも教えを受けたという「食の鬼才」
かつて「とある城」に勤め・・・最強と呼ばれたギルドに身を置いたソードファイター・・・。
彼の豪快な剣技はすべて自己流・・・。
その自己流の剣技で、世界中を渡り歩き「新たなる食材」を求める旅をしていた事もある。
雲よりも高い山に登り「新たなる食材」を求め、魚ですら流される急流に飛び込み「新たなる食材」を求める男・・・。
やすのぶも勉強するべき事の多い人物であろう・・・。
おけな「はっはっは・・・俺は「イデアの剣聖」クラージュさんを紹介しよう・・・。」
イデアの剣聖、クラージュ・・・。
その名を知らない者はいないと言われる王宮公爵家の一人・・・クラージュ。
イデアの海岸沿いに邸宅を構えて・・・その広大なる敷地の中で「剣術」を教えている・・・。
正義を志す騎士のみが継承を許されている・・・剣技「メガクロス」。
それを継承できる数少ない人物である。
やすのぶ「ありがとうございますッ!!!おれっ!!おれッッ!!!」
嬉しさのあまり涙を流すやすのぶ・・・。
おけな「とりあえず「ミックさん」の所に行ってから「テリィさん」の所に行ってね・・・。
「クラージュさん」にはまだ連絡してないから・・・。」
やすのぶ「はいっ!!わかりました!!!!」
この次の日・・・やすのぶはティモーレの山奥・・・
「拳闘王、ミック」のいる「M・F・C(ミレード・ファイティング・クラブ)」へと足を運んだ・・・。
しかし・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
クレス「私たちがそれぞれ推奨する「達人」3人の下で稽古する筈だったのにねぇ・・・」
目を瞑り・・・申し訳なさそうにするかすみ・・・。
かすみ「ま・まさか・・・不在だったなんて・・・・」
なんと!ミックの経営していた「M・F・C」に・・ミックはいなかったのだ・・・。
最初は拳闘を志す若者の為に設立したのだが・・・
「ミックが書いた本」というのが馬鹿売れしたらしく・・・そのままミックは何処かへと行ってしまったらしい・・・。
やすのぶはしょげながらも二人目の達人、「テリィ」氏の下へと向かったという・・・。
かすみ「大丈夫かなぁ?やすのぶくん・・・」
心配そうにうつむくかすみ・・・・。
その姿を見て・・・クレスが笑って言い放つ・・・。
クレス「まぁ、大丈夫よ!私もちゃんと紹介状を書いて送ったから・・・きっと一流の剣士にしてくれているわ・・・。」
露店を巡りながらやすのぶの事を思い出す二人・・・。
ちょうどその頃・・・やすのぶはというと・・・
・・・・・・・・・・・・・
ドルロレ
ドルロレは「戦士」が多く住む国・・・。
イデアの北に位置する国である・・・。
技術の先端を行くこの国は「大学」や「研究機関」が多く存在する・・・。
イデア同様に「銀行」「病院」「教会」などがあるが・・・
その全ては「流行の先端」を行っている・・・。
三国において最も都会的な国である。
10年前、ドルロレとイデアで「4日間戦争」があったが・・・
最終4日目の「ナーレ南の決戦」の傷跡を未だに遺している・・・。
テリィの家・・・。
ドルロレの中心の商店街を抜けた7軒目の一軒家に位置する・・・。
あらゆる食材を調理する為に包丁、玉じゃくし、鍋等がたくさんある家・・・。
間取りはこれまた珍しい「3K&L」・・・。
リビング8畳と・・・何故かキッチンが3つもある・・・。
よく間取りで2LDKとか聞くと思うが・・・
これは 「リビングとダイニングが2部屋、そしてキッチン」があるということである。
テリィの家、「3K&L」は・・・リビング一つとキッチンが三つあるということである・・・。
この3つのキッチンでそれぞれ「イデア料理」「ティモーレ料理」「ドルロレ料理」を作るのだ・・・。
ちなみに風呂とトイレはやすのぶの四畳一間とは違い・・・ちゃんと存在する。
リビングのテーブル・・・。
修行中のやすのぶが「前のめり」で苦しんでいた・・・。
やすのぶ「ぐ・・・ぐぐぐ・・・もう・・・これ以上は・・・」
青ざめた顔でテーブルに倒れこんでいるやすのぶ・・・。
汗がにじみ・・・目は虚ろとしている・・・。
そのやすのぶの後ろには・・・「食の鬼才」と呼ばれる戦士・・・テリィがいた・・・。
バンッ!!!!
力いっぱいテーブルを叩くテリィ・・・。
真剣な顔でやすのぶを怒鳴り上げる・・・。
テリィ「どうしたッ!お前の力は・・・そんな程度のものか???」
やすのぶ「す・・すいません・・・これ以上は・・・む、無理です・・・。」
涙を浮かべて・・・弱音を吐くやすのぶ・・・。
社長おけなや社員みんなの前でテンションを上げていたやすのぶの姿は見ることはできない・・・。
やすのぶは両手に何も持たずにただただ・・・虚ろに気を失いそうになっている・・・。
テリィ「馬鹿野郎ッ!!クレスの紹介だから、もう少しマシだと思ったが・・・ヘタレかッ!貴様ッ!!??」
やすのぶ「うぅぅぅ・・・」
精神的にも追い込む激がやすのぶに飛ぶ・・・。
テリィに身を預けて25日が経とうとしていたが・・・やすのぶには限界が来ていたようだ・・・。
一体どのような過酷な特訓を受けていたのだろうか・・・。
テリィ「おらッ!!残りはちょっとなんだ!!!根性見せてみろッ!!!」
両手を力いっぱい握ってやすのぶの応援をするテリィ・・・。
テリィとて・・・憎しみでこのような事をしているのでは無い・・・。
やすのぶを「一流」にしようと必死なのだ。
やすのぶ「あと・・・ちょっと・・・・・・・・ちょっと・・・・なんだ・・・・」
やすのぶは気を失いそうになりながらも・・・手を伸ばす・・・。
ヤスノブレードや木刀ではなく・・・なぜか銀色に光る「スプーン」に・・・。
グッ・・・・
やすのぶ「こ・・このオムライスを・・・食べきれば・・・修行は・・・終わりなんだ・・・」
やすのぶの隣には49枚の「オムライスの皿」が積み上げられている・・・。
テリィ「そうだッ!!がんばれッ!やすのぶぅぅぅッ!!!!!」
やすのぶ「ハァ・・ハァ・・・・・」
パクッ・・・・・・・・
テリィ「やったッ!!!!やった〜〜〜〜〜〜ッ!!!やすのぶ・・・がんばったなぁ!おい?」
やすのぶは見事50皿のオムライスを完食する・・・。
これが・・・「ソードファイター」になる為の修行なのであろうか・・・?
やすのぶ「うぅぅ・・・ありがとうございます・・・。」
テリィ「いいって事よ・・・弟子のクレスの頼みだ・・・」
ニヤッと笑い、やすのぶを労うテリィ・・・。
手に持たれた「銀のスプーン」をコトっとテーブルに置いて・・・やすのぶは気を失ってしまう・・・。
するとテリィはやすのぶを抱きかかえてリビングに置いてあるベッドに寝かしつけてくれる・・・。
やすのぶの寝顔を見ながら嬉しそうに「クレスからの紹介状」を懐から取り出すテリィ・・・。
テリィ「へへへ・・・久々に骨のあるヤツに出会えたなぁ・・・」
今日の「オムライス、50皿完食」でテリィの修行は終わりである・・・。
やすのぶに出会って25日・・・。
テリィは久々に充実した日々を送ったらしい・・・。
クレスからの手紙を再度・・・目を通す・・・。
その字は以前、クレスが百絵に送った物とは違い、
師匠に送る手紙のため「達筆な字」で書かれていた・・・。
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
師、テリィ殿
拝啓、貴殿益々の発展の事と存じ上げ候・・・。
此度、我が部下のやすのぶが貴殿の邸宅へ馳せ参じ候の折、何卒弟子入りの承諾を頂きたく書を謹める物也。
やすのぶはフードファイターを目指す若者也、して貴殿の力を欲する者なり・・・。
何卒、平に平に弟子入りの承諾を御願い申し上げ候・・・。
クレスより
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
その余りに・・・達筆な字・・・。
一筆で書かれている箇所も非常に多い・・・。
ここでは訳あって明朝体で書かれている為に判りづらいのだが・・・
「ソードファイター」という字が達筆の為・・・「フードファイター」になってしまっていた・・・。
テリィ「ふふふ・・・「フードファイター」になりたいか・・・。」
クレスは達筆の字で・・・ソードファイターと書いたのであるが・・・
一筆で書いたため「ソ」が・・・「フ」に見えてしまったようである・・・。
テリィ「・・・・・・・」
やすのぶを怒鳴っていた先程までとは変わり・・・優しい笑顔を見せるテリィ・・・。
テリィ「お前は・・・もう立派な「フードファイター」だぞ?やすのぶくん・・・。」
「大きなかばん」からテリィが作った「手作りのスプーン」を取り出す・・・。
それをソッと気を失っているやすのぶの枕元に置く・・・。
手作りのスプーンは「何かの木」で作られているらしい・・・。
スプーンの柄の部分に「千」の文字が見える・・・。
テリィ「いつでも・・・オレはお前を応援しているからな・・・やすのぶくん・・・。」
やすのぶ「うぅぅ〜〜〜ん・・・もう・・・食べれませ〜〜〜〜ん・・・・」
テリィ「はっはっはっはっはっは・・・・・・・・」
笑いながら町の外で出て行くテリィ・・・。
やすのぶとの最後の晩餐を済ませる為に・・・食材を求めに行くようだ・・・。
イデアツーリストのヤスノV・・・。
この25日間で・・・「ソードファイター」の階段を一歩も上っていなかった。
そして代わりに・・・「フードファイター」の階段を一気に駆け上がってしまっていたのだった・・・。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
やすのぶがテリィと時間を無駄に過ごしていた頃・・・眠傀はドルロレのある場所に来ていた・・・。
レンガで建てられた建物が立ち並ぶ大きな敷地・・・。
とても綺麗に舗装されていて、芝生も青々と広がっている・・・。
遠くに見えるキャッチボールをしている青年たちはこの学校の学生であろうか?
魔法の詠唱の練習をしている学生や武器の自慢をし合っている学生も見える・・・。
それぞれが「キャンパスライフ」を楽しんでいるのがよくわかる・・・。
門を通って守衛ににこやかに話しかける眠傀・・・。
眠傀「こんにちは、プロフェッサーに会いにきました・・・。」
笑顔で帽子を脱いで挨拶する・・・。
守衛「やぁ、眠傀さん・・・。ここに名前書いて「F号館」へ・・・って・・知ってるか・・・毎回同じだしね・・・。」
門から山手に坂道を登り・・・6つ目の学舎・・・。
それが眠傀の会おうとしている「プロフェッサー」のいる場所・・・。
眠傀「はっはっは・・・じゃ、行ってきます」
笑顔で手を上げて守衛を後にする眠傀・・・。
眠傀の入っていった門には「ドルロレ国立大学」と書かれている・・・。
ドルロレ国立大学
数ある大学でも一二を争う国立大学である・・・。
文学、工学、医学、理学、化学、獣医学、魔法学、薬学、剣闘心理学・・・数ある学問のすべてが学べる最先端の大学である・・・。
やすのぶの親友である「ルゥク」もこの大学で「植物学」と「生物学」を学んでいる。
眠傀はここによく出入りしているようであるが・・・その理由はもちろん、この大学のプロフェッサーにあるようだ・・・。
学舎に入り階段を登りながら・・・「大きなかばん」の中を探る眠傀・・・。
眠傀「ふぅ・・・「も〜ゼの牛乳」はちゃんとある・・・・な・・・・」
廊下をしばらく歩き・・・仰々しいドアの前に立って深呼吸する・・・。
眠傀「すぅ〜〜〜〜〜ふぅ〜〜〜・・・」
コンッ・・・コンッ・・・コンッ・・・・
3回ノックする眠傀・・・。
暫く返事を待つ・・・。
するとドアの中からハスキーな女性の声が聞こえてくる・・・。
????????「そのノック・・・眠傀か?・・・入れ・・・」
ノックの癖で人物を特定する部屋の主・・・。
表札には「washinko」と書かれていた・・・。
ゆっくりとドアを開けて中央のソファーの前で挨拶する・・・。
眠傀「やぁ・・・久しぶりですね・・・プロフェッサーwashinko・・・。」
部屋の一番奥・・・大きなデスクに身を置いて分厚い本をたくさん積み上げている・・・。
部屋の雰囲気は「イデアツーリストの開発局」に似ているが、決定的に違う部分は部屋が
とても片付いている・・・。
部屋の側面の壁には本棚がズラリと並び、一般人には無縁とも言うべき本が並べられていた・・・。
椅子に座るのはインテリメガネをかける女性・・・。
白衣の下に着ているのは女性用の紺のスーツである。
声は女性らしからぬ「ハスキーボイス」・・・。
しかし声や服装とは異なり、顔はとても幼げに見えて可愛らしい・・・
背丈もお世辞にも高いという事は出来ない・・・。
服装と顔にギャップのある女性だ・・・。
笑みを零しながらwashinkoは口を開く・・・。
washinko「ふっ・・・いつも言っているが・・・元社員に向って敬語は無いだろう?」
眠傀「ははは・・・たまにはこういうのもいいかと思ってね〜〜。」
ドルロレ国立大学、教授washinkoはイデアツーリストの元社員であるらしいがその素性は謎である。
赤子の頃、精霊に拾われた彼女は「ある」特殊能力を持ち、戦闘においては「比類なき強さ」を誇る。
イデアツーリストに在籍時から「ある研究」に身を置いていたwashinko・・・。
研究内容が認められて大学に教授待遇で迎えられたのをキッカケにイデアツーリストを辞めた女性である・・・。
自らが求める「研究内容」の為ならば、身を削ろうとも「無謀な挑戦」を繰り返す・・・。
飽くなき探検家である・・・。
頭の回転もとても速いことを付け加えておこう。
washinko「で・・頼んでいたブツは手に入ったのか?」
しゃべり方が「男性」のようなwashinko・・・。
ゆっくりと立ち上がるがその背丈は・・・あくまで低めである・・・。
遠くからでも上目使いで眠傀を見つめて問いかける・・・。
眠傀「あぁ・・・コレだろう??」
「大きなかばん」から「も〜ゼの牛乳」を一本取り出す眠傀・・・。
washinkoの目がモーレツに輝き出す・・・。
我を忘れて、嬉しそうに駆け出そうとした瞬間・・・
ゴホンッ・・・ゴホンッ・・・
グッと立ち止まり目を閉じながらセキをする・・・。
少し顔を赤くしているようだ・・・。
washinko「あぁ・・・流石は眠傀だ・・・。ありがとう・・・。」
キリっとした表情でお礼を言うwashinko・・・。
牛乳をゆっくり手にして眠傀に背を向ける・・・。
眠傀には見えないが今、washinkoの表情は ホワ〜〜〜っとした嬉しそうな表情をしている・・・。
眠傀「(本当にwashinkoちゃんはミルクが大好きだなぁ〜)」
少し汗を垂らしながらwashinkoの背中を見ている眠傀・・・。
眠傀はwashinkoが今、どのような表情をしているか判っている様だ・・・。
眠傀「その「牛乳」は「パッソ・コンダーの不正」を調べてくれた時の御礼だよ・・お金はいらないからネ・。」
washinko「??何ッ?代金はいいのかッ??」
驚いて振り向くwashinko・・・。
又も眠傀に背を向けてホワ〜〜〜〜ッとした表情をする・・・。
眠傀「ははは・・・「ミルクの研究」をしているだけあって牛乳好きだね・・・。」
washinko「当然だッ!!ミルクは今、私の全てだッ!!!」
にやりと笑い眠傀に言い放つwashinko・・・。
washinkoは今日までに「13個の論文」を発表している・・・。
その全ては「ミルクに関しての物」であった・・・。
なぜ「教授」になれたのかは不思議であるが研究内容が「濃かった」ようだ・・・。
今では大学の「花形」である・・・。
washinko「今日までわかった事・・・一言で言うならば・・・・」
目を閉じて含み笑いをするwashinko・・・。
washinko「眠傀ッ!!「ミルク」は「宇宙」だッッッ!!!!」
眠傀「ははははは・・・・・・・・・・」
笑いながら汗を垂らす眠傀・・・。
どうやら常人では理解できない世界で「研究」をしているようだ・・・。
washinko「そもそもミルクという物はだな・・・・」
眠傀「ちょ・・ちょっと待った・・・俺の用件を先に聞いてくれッッ!!!」
慌ててwashinkoの講釈を止める眠傀・・・。
過去、washinkoにミルクの事を講釈させて8時間かかった事があった・・・。
眠傀にとってはキツかったのだろう・・・。
両手を振って汗をダラダラと流している・・・。
その慌て様は凄まじい・・・。
washinko「むっ?そうか?では「ミルクの話」は後にしよう・・・。」
少し口を尖らせて腕を組むwashinko・・・。
眠傀は「大きなかばん」から「1枚の手配書」を取り出した・・・。
影しか見えない「情報の少ないSS」・・・。
裏には眠傀が走り書きした文字が書いてある・・・。
裏に書いてある内容は以下のようになる・・・。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
被害者
1、魚屋のおっさん ウォーガ (民間人) 初めて被害を受ける。 (生存)
2、細工所の受付嬢 シェリィ♪ (民間人) 魚屋のおっさんの4日後に被害を受ける (生存)
3、一般商店のバイト コンビ2 (民間人) 魚屋のおっさんの7日後に被害を受ける (生存)
4、無職の爺さん バンツ (民間人) 魚屋のおっさんの15日後に被害を受ける (生存)
5、弊社会社員 たけやす (探検家) 魚屋のおっさんの21日後に被害を受ける (重症)
6、貴族の子供 非公開 (戦士) 魚屋のおっさんの29日後に被害を受ける (死亡)
全員背中にキズあり。
たけやす、手足を切られて重症。現状、放心状態。
非公開の貴族の子供 背中の傷のみあり。ただし死亡。
以降被害無し・・・
草原の息吹で「貴族の少年」が殺されたらしいが詳しい場所は不明。(国家警察の権力のため)
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
眠傀から渡された手配書を見るwashinko・・・。
washinko「・・・・・・・」
顎に手をやり、無言で何かを考える・・・。
washinko「ふぅ〜〜〜〜〜・・・・」
チラリと眠傀を見上げて溜息をつき・・・眠傀に問いかける。
washinko「最近の「辻斬り事件」ではないか・・・?」
眠傀「そう・・・プロフェッサーwashinkoはどう考える?」
眠傀がにこやかに問いかけると目を細めて呆れた様に口を開きだす・・・。
washinko「最初の4人は確実に試し切り・・・でなければ「辻斬り」を流行らせたかったのだな・・・。」
眠傀「ふむふむ・・・」
washinko「私は「たけやす」は知らないが・・・きっと「刃」を交えた結果・・・「何か」を知ったのであろう・・・。」
たけやすの入社前に会社を辞めたwashinko・・・。
たけやすの事を知らない様子だ・・・。
中央のソファーに腰をかけて話を続ける・・・。
眠傀「ふむふむ・・・(流石・・・頭の回転がいいなぁ)」
washinko「辻斬りが流行って「最後の被害者」から22日が経過しているにも関わらず辻斬り魔は出没していないな・・・。」
眠傀「あぁ・・・それ以降は被害者が出ていない・・・。」
washinko「多分に・・・ターゲットは「貴族の少年」・・・。非公開にしている時点で大体の見当はつくが・・・。」
眠傀「・・・・・・・」
washinko「辻斬り魔の目的は最初から・・・この貴族の少年の「暗殺」だったのだな・・・。」
眠傀「素晴らしい・・・流石はプロフェッサーwashinkoだ・・・。」
手を叩いてwashinkoを褒める眠傀・・・。
washinkoは呆れた顔でさらに眠傀に問いかける・・・。
washinko「で・・・これ以上の何が知りたい?」
眠傀「この非公開の「貴族の少年」の名前 と できるならば「犯人の正体」だ・・・。」
眠傀の言葉を聞くとwashinkoは体を捻らせて溜息をつく・・・。
washinko「はぁ〜〜〜〜・・・・そんな所だろうなぁ・・・眠傀が来る時は・・・・」
眠傀「ははは・・・本当にすまないッ!!」
手を突き出して謝る眠傀・・・。
ちょうどその時、washinkoの部屋のドアからノックが聞こえる・・・。
コンコン・・・・コンコン・・・・コンコン
washinko「おぉ・・・stallか?入れ・・・。」
ノックで人を判別できるwashinko・・・。
ドア越しに聞こえるように大きな声を上げる・・・。
stall「失礼します・・・。」
眠傀「(?? こんな人居たかなぁ??)」
不思議そうな顔をする眠傀・・・。
初めて会うstallに首をかしげる・・・。
washinko「あぁ・・・紹介しよう。この大学の「助教授」stallだ・・・。」
washinkoが紹介すると眠傀に毅然とした態度で挨拶するstall・・・・。
まるでどこかの「お城」の「教育係」のような雰囲気を醸し出している・・・。
stall「お初にお目に掛かる・・・stallと申します・・・。」
眠傀「あぁ・・・始めまして・・・眠傀っていいます・・・。」
堅苦しい挨拶の後、stallはwashinkoに「書類」を渡す・・・。
washinko「ふむ・・・ご苦労だったな。会議は4時からか?」
stall「えぇ・・・「教授会」なので遅刻はしないようにと「理事」から伝言が・・・。」
キリっとした態度のstall・・・。
後ろ髪を紐でくくり上げて端整な顔立ちをはっきりさせている・・・。
服のボタンには「貴族の家紋」が刻まれており・・・家柄が良いのも窺える・・・。
その横顔はイデアツーリストのやすのぶと同い年くらいに見えるのだが・・・。
疑問を感じた眠傀・・・思わずstallに問いかける。
眠傀「stallさんは・・・何歳なんですか?」
stall「私ですか?17歳ですが・・・」
眠傀「え゛ッ!!??」
なんとッ!!やすのぶと同い年に見えたstallは・・・そのまま「やすのぶと同い年」である!!
17歳で「助教授」とは正に別格の才能の持ち主であるのだろう・・・。
washinko「はっはっは・・・彼は「オルナミンDと天使の水の配合率による効果の変化性」
という論文で認められたんだ・・・。」
(オルナミンD : stallが独自に開発した薬です(´▽`)/)
stall「私は・・・「姫の教育係」の方が・・・気が楽だったのですが・・・」
眠傀「姫の教育係ッッ!?」
またまた驚く眠傀・・・。
聞けば過去にドルロレの第2皇女の教育係をしていた経歴があるらしい・・・。
stallの経歴は微塵の隙も無い・・・。
眠傀「や、やすのぶくんと・・・同い年で・・・・・?」
汗を垂らして呆然とする眠傀・・・。
するとstallは驚いて眠傀に問いかける・・・。
stall「えっ!?やすのぶって・・・イデアの旅行会社に勤めている「やすのぶ」ですか??」
眠傀「あぁ・・・そうだけど・・・知っているのか?」
驚いて話し合うstallと眠傀・・・。
stall「彼とは「小学校」が同じなんですよ!中学からは母の実家から「本家」に戻されてドルロレに「移民」したので・・・。」
どうやら話の内容から幼少の頃、イデアに住んでいたらしい・・・。
眠傀「そ・・・そうだったのか・・・?」
なんと「やすのぶ」の同級生であったstall・・・。
同じ年でここまで「経歴」に差がついている・・・。
stall=勝ち組、やすのぶ=負け組
簡単に割り出せる答えが眠傀の脳裏によぎる・・・。
washinko「・・・・・・・・」
上目使いで少し・・・フテ腐れているwashinko・・・。
会話に付いていけない内容に少し不機嫌になっているようだ・・・。
stall「いやぁ〜・・・なるほど、なるほどッ!!やすのぶ君の上司でしたか・・・」
眠傀「はっはっは・・・毎日苦労しているよ・・・。」
washinko「・・・・・・・」
ふて腐れているwashinkoに気づかない二人・・・。
会話はどんどん進んでいく・・・。
stall「久しぶりに・・・やすのぶ君に会いたくなってきたなぁ・・・。」
眠傀「そうなのかぃ?確か、今・・・ドルロレに来ている筈だよ?」
stall「本当ですか???よしッ!!合流して久々に語り明かすかなぁ・・・。」
その時、washinkoは会話の終わらない二人に突然怒鳴り声を上げる!!!
washinko「うわ〜〜〜〜〜〜ッッ!!!!」
眠傀「うぉぉぉッ!!!」
stall「ひっっ!!!???」
washinko「貴様たちッ!!私の事を少しは考えろぉぉ〜〜〜〜ッ!!!」
stall「教授ッ!!申し訳ありませんッ!!」
何度も何度も頭を下げるstall・・・。
眠傀「まぁまぁ・・・・そんなに怒らなくっても・・・washinkoちゃん・・・・ア゛ッッッ!!!!!」
青ざめる眠傀・・・・。
washinko「き・・貴様・・・・私を・・・「ちゃん付け」したなぁァ〜〜〜〜〜ッ???」
眠傀「 !!!(しまったッ!ドアの前で言わない様にと深呼吸までしたのにッッ!!!!)」
washinkoは「背の低さ」と「幼い顔立ち」にコンプレックスを抱いている・・・。
実際の年齢は眠傀の2つ下(26歳)なので「ちゃん付け」でもいいのかもしれないが・・・
washinkoにとっては禁句である・・・。
washinko「今から「ささ」で・・・かすみに・・・有る事、無い事・・・言いふらすか・・・」
眠傀「やめてッ!!!怖いからッ!!!やめてッ!!!頼むからッッ!!!」
青ざめて許しを請う眠傀・・・。
今度はstallの方を向いて怒鳴りあげる・・・。
washinko「stallッッ!!貴様も今のこと忘れるまで20日間ぐらい休んでろ〜〜〜〜〜ッ!!!」
stall「えぇ〜〜〜ッ!!!!??(意味わからないんですけどッッ???)」
washinko「うるさいッ!!うるさいッ!!さっさと二人とも出て行け〜〜〜〜〜ッ!!!」
ブンッ!!ブンッ!!ブンッ!!ブンッ!!
ぶ厚い本を放り投げるwashinko・・・。
眠傀とstallは血相を変えて、ドアを開けて出て行こうとする・・・。
ドアを閉める前に眠傀がwashinkoに言い残す・・・。
眠傀「また7日後に来るからッ!!!」
washinko「うるさいッッ!!!」
バタンッ!!!
ガンッ!!
本が直撃する前にドアを閉める眠傀・・・。
20冊近い本が地面にバラ撒かれているのだが・・・無視してデスクの椅子に座る・・・。
washinko「ハァハァハァ・・・・ったくッ・・・・」
ふっと前を見ると眠傀の持ってきた「も〜ゼの牛乳」が目に留まる・・・。
washinko「・・・・・・・」
ゆっくりと手を伸ばして「も〜ゼの牛乳」のラベルを見るwashinko・・・。
喜びが少しずつ込み上げてくる・・・。
washinko「・・・・・・・・・」
ポチッ・・・・
ガ〜〜〜〜〜〜ッ・・・
ガチンッ・・・
パチッ・・・・
washinkoのデスクに付いている「ボタン」を押すと自動的にドアの鍵が閉まり、カーテンが閉じられる・・・。
そして灯りが部屋の中を昼間のように照らし出すと・・・
washinkoはインテリメガネを外して・・・その雰囲気を今までと変える・・・。
washinko「きゃはははッ!!やったぁ〜ッ!やったぁ〜〜〜ッ!!も〜ゼの牛乳だぁ〜〜〜〜ッ!!!」
先程の「大人びたハスキーボイス」とは全く違って「可愛らしい声」で喜びを表現するwashinko・・・。
その雰囲気は26歳ではなく・・・16歳・・・いや・・・それよりも幼く感じる・・・。
washinko「うれしぃ〜〜〜〜ッ!!おうちに帰ったら・・・「リブリー」と一緒に飲もうっと!!!」
リブリーとはwashinkoの飼っている、これまた可愛らしいペットである・・・。
大事に「大きなかばん」に「も〜ゼの牛乳」をしまい込むwashinko・・・。
彼女は年齢よりも若く見えることを「コンプレックス」としている所があるが・・・
大学などという機関で「教授」という仕事をしていると・・・毅然としなくてはいけないことも多い。
彼女は「子供と大人」の二つの顔を持つ不思議な女性・・・
イデアツーリストの頼れる味方である・・・。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
大学の校舎を悲しげに歩くstall・・・。
それを慰めるように眠傀が肩を叩く・・・。
眠傀「ははは・・・俺のせいで迷惑かけちゃったね・・・」
汗を垂らしながらも苦笑いする・・・。
stall「ははは・・・しょ、しょうがないですよ・・・」
stallは眉をしかめて「大きなかばん」から「手帳」を取り出してスケジュールを調整する・・・。
事細かく手帳に書き込むところから「几帳面」な性格が見えてくる・・・。
パタンと手帳を閉じ、校舎から外へ出たところで眠傀に話しかける・・・。
stall「まぁ、いい息抜きができそうです。・・・今夜辺りにやすのぶくんに「ささ」入れてみます。」
眠傀「ははは・・・また、機会があったらどこかで・・・」
stall「えぇ、ぜひ・・・。」
二人は頭を下げて、それぞれ学校を後にした。
・・・・・・・・・・・・・・・・
4日後・・・朝、9時・・・
やすのぶはイデアの街に戻ってきていた・・・。
その表情は暗いものがある・・・。
どうやら泣いているようだ・・・。
やすのぶ「うぅぅ・・・ひく・・・ひっく・・・・」
よだれ丸「つД`」
悲しげによだれ丸を見つめるやすのぶ・・・。
手で涙を拭うと、小さな声で文句をたれる・・・。
やすのぶ「ちくしょう・・・「剣士」になれなくて・・・「フードファイター」になっちゃうなんて・・・」
よだれ丸「 つД` 」
やすのぶと同様によだれ丸も涙を流す・・・。
肩に乗っているよだれ丸を悲しそうに撫でる・・・。
やすのぶ「よだれ丸も・・・こんなになっちゃったし・・・」
よだれ丸「 ・゜・( つД` )・゜・。」
なんと!!よだれ丸はテリィの家に居て・・・太ってしまったのだ・・・。
あれだけ軽快に飛んでいた空を・・・飛べなくなってしまい・・・
惨めにやすのぶの肩にしがみついている・・・。
よだれ丸「・・゜・( つДT )・゜・。・・」
やすのぶ「泣くなッ!!まだまだダイエットするんだッ!!そして・・・今日も飯抜きで頑張ろう・・・。」
よだれ丸「( ゜-゜; )( 。。; )( ゜-゜; )( 。。; )」
テンションが下がる二人・・・。
「胃拡張」になってしまった胃を元に戻すために「断食」を決行しているようだ・・・。
イデアに戻るまでに4日間が経っているが・・・
よだれ丸の「体」も、やすのぶの「胃」もなかなか元には戻らないようだ・・・。
恐るべし、「食の鬼才」である・・・。
やすのぶ「はぁ・・・戻ったら・・・絶対に文句言ってやる・・・。」
どうにかこうにか「会社」へと辿り着く・・・。
その二人の背中には哀愁が漂っていた・・・。
やすのぶ「ただいまです・・・帰りましたよ〜〜〜〜ッ・・・」
ギィ〜〜〜〜・・・・・
ゆっくりとドアを開けるとキシんだ音が鳴る・・・。
会社は以前と変わらず、閑古鳥が鳴いていた・・・。
会社のカウンターには百絵が座っているが、どうやら査定書を書いていたようだ・・・。
ゆっくりと顔をあげて聞きなれた声に回答する・・・。
百絵「あぁ!おかえ・・・・何? その子・・・?すっごいデブッッッ!!!!!」
外見でよだれ丸とは気付かない百絵・・・!!
査定書の記入の為に持っていたペンをデスクに置いて勢いよく立ち上がる・・・。
目を大きく輝かせて笑顔でよだれ丸に駆け寄ってくる・・・。
よだれ丸「Σ( ゜Д゜; )!!!」
よだれ丸は、はげしくショックを受けているようだ・・・。
百絵に気付いてもらえないのはかなりイタイ・・・。
口を「あんぐり」と開けて固まっている・・・。
やすのぶ「あぁ・・・そんな言い方・・・」
百絵「あぁ・・・ごめんなさい・・・つい可愛くって・・・ドランちゃん・・・なんて名前?」
可愛いと思うには随分な言い方、その上まだ、よだれ丸とは気付かない百絵・・・。
ニコニコと笑っている・・・。
よだれ丸は百絵のその言葉がショックだったのか・・・?
やすのぶの肩を泣きながら飛び降りる・・・。
よだれ丸「ドテッ!!!!Σ(ノ ´Д` )ノ」
飛ぶ事ができず「おなか」を強く打ち付ける・・・。
少し痛みを堪えた後に泣きながら立ち上がる・・・。
やすのぶ「ああッ!?どこ行くんだ?よだれ丸ッ!!?」
よだれ丸「・・・・・・εε===≡≡≡・゜・( つД` )・゜・。」
ノテノテと走っていき・・・重いドアを開けて外に出る・・・。
その哀愁のある背中は得も言われぬものがあった・・・。
やすのぶ「ちょ、ちょっとッ!?どうしてくれるんですか!?よ、よ・・よだれ丸が・・・家出したじゃないですか!?」
百絵「えェッ!?・・・ごめんなさい・・・あ、あれ!よだれ丸だったの!?
わ、悪気は全然無かったんだけど・・・」
慌てて百絵とやすのぶは外に出て行ったよだれ丸を追いかけようとする・・・。
その時!!
グニャッッ!!!!!!!
???「うわッ!?なんか踏んづけたッ!!!」
????「ウオッ!?大丈夫かいッ!? ・・・ってなんだ?このドランッ!?水吐いてるけどっ!?」
よだれ丸「げぼぉ〜〜〜〜〜〜Σ (ノ T0<<≡≡≡≡≡≡≡」
やすのぶ「大丈夫か!?よだれ丸ッ!?」
百絵「ああぁッ!!クレスさんにッ!!踏んづけられてるッ!?」
あおざる「クレスさんッ!早くどいてあげないとッ!!」
クレス「早くって・・・そうは言っても・・・あぁ〜〜〜〜見えないよぅ〜・・・」
会社の外には、会社へと戻ってきたあおざるとクレスが大きな荷物を二人で運んでいた・・・。
どうやら「犬小屋」の様だが・・・足元が見えないために踏んでしまったようだ・・・。
よだれ丸が逃げる方・・・逃げる方へと足が運ばれる・・・。
よだれ丸「げぼぉ〜〜〜〜〜〜ΣΣ(ノ;T0<<≡≡≡≡≡≡≡)
3〜4度踏まれるよだれ丸・・・。
堪らずに空へと飛び上がる!!
よだれ丸「!!ヾ(`д´)シ!」
バタバタと手を振り回して怒っているが・・・なんとスリムな体系のよだれ丸に戻っている!
やすのぶ「うおぉ〜〜〜!すげぇ!元に戻った!!」
よだれ丸「??ヾ(´▽`=´▽`)/?」
あおざる「な・・何の事だい・・・一体!?」
ゆっくりと「犬小屋」を地面に置いて首を傾げるあおざるとクレス・・・。
百絵「実は・・・クレスさんに踏まれるまで・・・すっごいデブってて・・・」
やすのぶ「うぅぅ・・・良かったなぁ〜よだれ丸・・・。」
一連の事情を説明するやすのぶと百絵・・・。
クレスは事情を理解するとフッと笑いを込めてさらっとエグイ事を言う・・・。
クレス「うふふ・・・よだれ丸の為にワザと踏んだんだけどね・・・。」
よだれ丸「Σ(((゜д゜;)!!)
あおざる「そ!・・・そうなのかい!?」
百絵「・・・・・・・・」
斜め下を向いて涙を流す百絵・・・。
やすのぶ「あんた・・・最低だよ・・・(この人・・・回を重ねる毎にダメになっていってないかッ?)」
涙を流しながら、やすのぶは一生懸命よだれ丸を撫でる・・・。
よだれ丸「(´▽`)」
百絵も申し訳なさそうによだれ丸を撫でるがよだれ丸はスリムに戻れたので事のほか、嬉しそうだ・・・。
やすのぶ「あれ?その大きな荷物・・・もしかして犬小屋完成ですか?」
簡易包装された大きな荷物は遥か前から「細工師あおざる」が丹精込めて作っていた代物・・・。
とうとう完成した様子だ。
クレスも嬉しそうに荷物を撫でている。
あおざる「はっはっは!そうなのだYOッ!遂に完成さッッ!!!」
風に髪をなびかせて親指を立てるあおざる・・・。
今のあおざるのテンションはかなり高い!!
百絵「そうだ!やすのぶくん、修行はどうなったの!?」
無情にもあおざるの話の間に割り込む百絵・・・。
あおざる「えっ!?えっ!?・・・(もッ・・もッッ・・百絵ちゃんッッ・・・?)」
話の腰が折れないように百絵にアイコンタクトをとろうとするあおざる・・・。
しかし・・・
やすのぶ「そ、そうだッ!クレスさん!?あれどういうことですか!?」
あおざる「・・・・・・・」
犬小屋の説明をしようと心の中で準備していたあおざるのテンションが激しく下がっていく・・・。
あおざるの犬小屋の説明は悲しくも「後で・・・」になってしまった・・・。
やすのぶ「信じられませんよッ!?説明を要求しますッ!!」
テリィの修行が「剣士ではなくフードファイターになるための物」だったので
腹を立てているやすのぶ・・・。
腕を組んでクレスに激しく言い放つ・・・。
やすのぶにしては珍しくクレスに物言いをしているが・・・
クレス「? どうしたの?立派な剣士になれた?」
ケタケタと笑うクレス・・・。
内容がわかってない為に眩しいほどニコニコしている・・・。
百絵「? まさか・・・何かあったの?」
あおざる「(・・・ううぅぅ・・・・)」
「あおざる」を無視して話に進んでいく・・・。
やすのぶ「何かって・・・おれ・剣士の修行・・・全然して貰えなくって・・・」
よだれ丸「・゜・(つД`)・゜・。」
クレス「ええぇッ!?そうなの!!!?」
百絵「どういうことッ!?」
あおざる「(みんなが「どういうこと?」だよッッッ!!!!)」
ボロボロ泣いているあおざる・・・。
しかし会話は進んでいく・・・。
やすのぶ「どうしてくれるんですか!?25日間・・・ムダッすよ!!」
唾を飛ばしてクレスに怒鳴るやすのぶ・・・。
その瞬間!!!!
バシ〜〜〜〜〜〜〜ン!!!!
やすのぶ「うわっ!!!!」
思いっきり平手打ちを食らうやすのぶ・・・。
ぶっ飛びざまに「あおざるの犬小屋」に突っ込んでいく!!!
ドガシャ〜〜〜〜〜〜ンッッ!!!!
百絵「えぇッ!?クレスさんッ!!??なんで!?」
突然の「平手打ち」に驚く百絵・・・。
あおざる「うわぁぁ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜ッ!!!!!!!!!!!!」
突然の「犬小屋の破壊」に驚くあおざる・・・。
泣きながら・・・あおざるはやすのぶの衝撃でぶっ壊れた犬小屋の破片に手を伸ばす・・・。
クレス「・・・・・・・」
悲しげな眼差しで地面に倒れたやすのぶを見つめるクレス・・・。
斜め下を向きながら悔しそうにやすのぶに・・・語りかけるように話し掛ける・・・。
犬小屋の破片を手を震わせながら拾うあおざるを無視して・・・。
クレス「貴方は・・・テリィ師匠の何を見てきたの?」
やすのぶ「ええぇ・・??一体・・・どういう・・・」
訳の判らないやすのぶは頬を手で押さえながらクレスを見上げる・・・。
やすのぶの目に映るクレスは・・・とても寂しげで悲しそうだった・・・。
百絵「やすのぶくん・・。」
百絵が心配してそそくさッとやすのぶの方へと近づいていく・・・。
バキッ!!
あおざる「ぐわ〜〜〜〜〜〜〜ッ!!!!!(百絵ちゃんッ!?ひどいよッ!!!)」
足元のあおざるに気付かないのか・・・?
百絵は「犬小屋補修に使えそうな部品」を足蹴にしてやすのぶに近づき「キュア」をかける・・・。
あおざる「ひっく・・・ひく・・・うっく・・・」
ちなみに百絵は「部品を踏んだ事」には気付いていない・・・。
クレス「戦士の心得・・・それに技術は・・・教えられて身に付く物じゃないわよ・・・?」
やすのぶ「なっ・・・」
目を大きくしてクレスを見つめる・・・。
手を強く握り締めるクレス・・・。
やすのぶの「不甲斐無さ」に手を握り締めるのか?
クレス「貴方は・・・本当に・・・何も感じなかった?」
悲しげにクレスに話し掛けられてうつむき気に考え込むやすのぶ・・・。
やすのぶ「(確かに・・・料理を作るスピードも・・・食べるスピードも尋常じゃなかった・・・。)」
クレス「・・・・・・・」
両肘を抱え込むクレス・・・。
その表情はいつもとは違い・・・真剣である。
やすのぶ「(「オムライスへの愛」・・・確かに「マスタークラス」だった・・・。)」
少しずつ汗を垂らしていくが・・・地面に付いていた膝をグッとあげる・・・。
やすのぶの目は先程とは打って変わって「何かが吹っ切れた」ようだ・・・。
やすのぶの心の中で見つけた「答え」をクレスにぶつける・・・。
やすのぶ「世の中に・・・無駄な事って無い!!ッて事ですね?クレスさん!!」
クレス「・・ふふふ・・・・・」
優しげに目を瞑り・・・頷くクレス・・・。
百絵「・・・・・・・・・」
百絵もにこやかに微笑んでいる・・・。
あおざる「・・・しくしく・・・・」
唯一人・・・泣いているあおざる・・・。
百絵「はい、これ・・・「クラージュさんのお屋敷への地図」と「紹介状」よ・・・。」
百絵は「大きなかばん」から「社長おけな直筆の地図」と筆不精のおけなの「クラージュへの紹介状」を取り出す・・・。
モニュメントから東へ・・・浜へと進む道のり・・・。
その距離は約2km程である・・・。
やすのぶ「ありがとうございますッ! 俺、早速行ってきます!!」
よだれ丸「ヾ(´▽`)」
挨拶も早々に・・・嬉しそうに「マップ」を見ながら走り出していくやすのぶ・・・。
ガンッ!!!!!
あおざる「ぐぶぉ〜〜〜〜〜〜〜わ〜〜〜〜おぉぉ〜〜〜〜ッ!!!」
飛び散った「犬小屋の破片」を一生懸命一つの場所に集めていたあおざる・・・。
無残にも「マップ」を見ていたやすのぶに思いっきり「犬小屋の破片」を蹴っ飛ばされてしまう!!!
あおざる「やすのぶくんッ!ひどいよぉッ!!」
堪らず大声を上げるあおざる・・・。
やすのぶ「へへへッ!ごめんごめん!!「ゴミの片付け」は又、手伝うから!!!」
あおざる「ΣΣΣΣ(゜□゜;)!!!!!!(ゴ・ゴ・・・ゴゴゴ・・・ゴミッ・・・?)」
元が何だったのかスッカリ忘れているやすのぶ・・・。
バラバラになった「あおざるの犬小屋」を「ゴミ」と言ってしまう・・・。
はっきり言って・・・みんな酷い・・・。
クレス「がんばるのよ?やすのぶくん?」
上司としての威厳を見せたクレスは手を振りやすのぶを「クラージュ」の元へと送り出した・・・。
日の光が・・・やすのぶに眩しく降り注ぐ・・・
が・・・
やすのぶに日の光が降り注ぐ分・・・あおざるは暗くなっていた・・・。
ポタポタと涙が・・・バラバラになった犬小屋の部品の上に落ちていく・・・。
見事なまでに細工師あおざるを尻目に口を尖らせているクレス・・・。
今・・・クレスは何を考えているのだろうか・・・?
クレス「ふぅ・・・(適当ブッこいてやすのぶくんを誤魔化したけど・・・
テリィ師匠・・・なんで修行してくれなかったんだろう?剣士の・・・)」
なんと!感動的な言葉の裏はすべて「適当」だったクレス・・・。
やすのぶが見えなくなって安心したのか、初めて疑問を頭の中で考えていた・・・。
クレス「ま・・・いっか・・・!!」
百絵「 ?? 何が「ま・いっか!」なんですか・・・?」
じゃべりながら会社へと向かうクレスと百絵・・・。
クレス「 ん? こっちの話・・・・。」
会社のドアを景気よく開けて・・・二人は何かを忘れて・・・入っていった・・・。
バタン・・・
あおざる「・・・・・・・・・・・」
あおざる「・・・・・・」
あおざる「確か・・・「オー人事・オー人事」・・・だったよなぁ・・・「ささ」の連絡先・・・。」
上司にも部下にも恵まれない細工師あおざる・・・。
人知れず・・・「転職」を考えていた・・・。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
クレスの言葉で「ふっ切れた」やすのぶ・・・。
その顔に先程までの暗い表情は無い・・・。
やすのぶ「へへへ!遅れるなよ?よだれ丸ッ!!!」
よだれ丸「・・・・〜〜〜〜〜〜〜(つ´▽`)つ」
勢いよく走っていくやすのぶ・・・。
よだれ丸も元気よく飛んで付いて行っている・・・。
とうとう最後のマスター「剣聖、クラージュ」の修行が始まるのだ・・・。
やすのぶ「へへへ・・・次は一体どんな修行だろう・・・?」
よだれ丸「(´▽`)?」
期待に胸を膨らませて海岸の方角を目指して走っていく・・・。
一路、「クラージュの邸宅」を目指して・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
イデア、フェード海岸沿い、クラージュ邸宅・・・
延べ100,000平方メートルの敷地に堂々を構えられた「イデア公爵家、クラージュの邸宅」
四方は壁に覆われていて、とてもではないが「猫の子一匹」入る隙は無い・・・。
門を越えても100m程先に見える大きな屋敷まで舗装された石畳が続き、周りは手入れされた芝生で覆われている・・・。
遠くに見える「大きな屋敷」の裏には、クラージュが剣術を教えている門下生が鍛錬する「稽古場」もある・・・。
やすのぶには・・・とてもではないが「似合う場所」と言えない美しい敷地である・・・。
やすのぶ「うぉ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜ッ!!!????なんじゃこりゃぁ〜〜〜〜〜ッ!?」
よだれ丸「Σ(ノ゜o゜)ノ」
その余りにも美しい敷地を門の外から見て、叫びだすやすのぶ・・・。
よだれ丸もその「広大さ」に目を大きくしている・・・。
やすのぶ「こんな大きな家・・・どうやったら住める様になるんだろう・・・?」
一生掛かっても叶える事のできない疑問を持つやすのぶ・・・。
少し、挙動不審気味に門の外にあった「呼び出しベル」をおそるおそる鳴らす・・・。
カラン・・・カラ〜〜〜〜ン・・・・
やすのぶ「・・・一体・・・どんな人が出てくるんだろう・・・?」
よだれ丸「(*´▽`*)」
今まで「お金持ち」という「触れた事の無い世界」に手を伸ばしたやすのぶ・・・。
失礼の無いようにと・・・服の埃を払い・・・誰かが来るのを待っていた・・・。
しばらくすると・・・執事らしき男の人と・・・メイドらしき女の人が門から出てくる・・・。
突然の訪問者であるやすのぶに笑顔で応対してくれるメイド・・・。
薄い紺のメイド服に純白のエプロン・・・。
とても美しい金髪にはレースのフリルのついたカチューシャが付けられている・・・。
背の高い執事も黒い背広に蝶ネクタイを付けて「紳士」な雰囲気だ・・・。
年齢は二人とも二十歳前後といったところか・・・?
メイド「こんにちは・・・今日はどのような用事でございましょうか?」
よだれ丸「(´▽`;=;´▽`)」
美しいメイドとカッコ良い執事に愛想を振るよだれ丸・・・。
やすのぶ「あ・・あの・・・僕・・・」
やすのぶ「・・・・・・」
生まれて始めて話すメイドに緊張しつつも「自己紹介」を始めるやすのぶ・・・。
この「自己紹介」が・・・運命の分かれ道であったとは・・・やすのぶには知る由も無かった・・・。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
ところ変わって「イデア国家警察署」・・・。
監獄の裏手にあるその「警察署」は、何度もお話の中で出てきている「国家警察の総本山」である。
ここ最近は「不祥事」が目立つ警察であるが「有能な人材」を多く持つ・・・。
しかし、残念な事に「情報の伝達」や「協力性」が無い為に・・・いつもいつも後手にまわる事が多い・・・。
はっきり言って「民間の自警団」の方が頼もしい・・・。
そんな「国家警察」の署長室の中・・・大きなソファーにゆったりと腰を掛けて「ミルクティー」を飲む女性・・・。
何故か「大学教授、washinko」が国家警察の署長と話していた・・・。
署長は禿げた頭を撫でながら・・・washinkoを少し睨み・・・威嚇するように言い放つ・・・。
署長「チミもヒツコイなッ!!!!!国家警察の情報は教えることはできないんだよッ!!」
washinko「私がこうして頭を下げてもダメだと言うのか?ハゲッッ!!!!」
ガンッ!!!
ミルクティーの入ったカップを叩きつけるようにテーブルに置くwashinko・・・。
眠傀の「依頼」でwashinkoは、情報を聞き出しに「国家警察」へと足を運んだ様子だ・・・。
washinkoは署長に「情報の横流し」を頼んでいるようだが・・・washinkoは先ほどから「一度として」頭は下げていない。
それどころか署長の事を「ハゲ」と怒鳴る始末・・・。
署長「そ、そんな・・・チミ・・腕組んで・・・ワシより「偉そう」じゃないかねッ???
(ハ、ハゲって言われた・・・ ・゜・(つД`)・゜・。)」
washinko「そんなことは無い・・・これが私の「お願いのスタイル」なだけだ・・・。」
頭を下げるどころか・・・首を少し上げて・・・下目使いで署長を見るwashinko・・・。
とてもではないが「お願いをしている」とは見えない・・・。
washinko「どうしても「辻斬り被害者の少年の名前」に「被害現場」を教えられないというのか?」
署長「そうだ!!!ワ・・・ワシはチミのような無礼者と話している時間など無いのだよ・・・帰りたまえッ!!」
washinkoに怒鳴り上げて手を大きく振る署長・・・。
しかし・・・washinkoには「秘策」があるのか?
実に堂々としている・・・。
washinko「ほぉ・・・そんな事を言ってもいいのかな?署長殿・・・?」
washinkoは睨みを効かして懐から「赤い手帳」を取り出す・・・。
指先をペロリと舐めてゆっくりとページを捲りながら話を進める・・・。
washinko「え〜と・・「妻、レーン」「娘、コリーダ」の三人暮らし・・・」
署長「なッ!それはワシの個人情報ッ!!!??」
washinko「ふむふむ・・・毎日「家にも帰れない程」忙しいと、家族は思っているのだな?」
署長「チ、チミは・・・どういうつもりだね??」
washinko「娘は・・・おぉ〜〜〜・・・あの、名門「ティモーレ・聖・女学院」に在学中かッ!?」
(ティモーレ・聖・女学院・・・レベルの高い「お嬢様学校」です(´▽`;)/)
署長「チミッ!!牢獄に入りたいのかね!!?その手帳・・・渡しなさいッ!!!」
washinkoの手帳を取り上げようとするが・・・身軽なwashinkoは「闘牛士」の様にヒラリと署長をかわす・・・。
立ち上がって歩きながら・・・washinkoの「話」はまだまだ続く・・・。
washinko「貴様・・・本当は、夜・・・残業なんてしてないよなぁ〜?」
にやりと笑い・・・署長に問いかけるwashinko・・・。
署長は顔を青くして・・・びっくりしたように答える・・・。
署長「ななな・・何を言うんだねチミッ!!!ワシは忙しくて・・・忙しくて・・・」
精一杯に言い訳をしようとする署長の聞く耳を持たず・・・
washinkoはボソッと署長に言い放つ・・・。
washinko「おかまバー・・・「ドルの花園」・・・・。」
署長「うごぉ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜ッッ!!!???????」
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おかまバー「ドルの花園」
ドルロレの夜の歓楽街・・「シャレード通り」・・・。
最早、その通りは「通り自体がR指定」とも言うべき無法の歓楽街である・・・。
大人ですら避けて通るこの通りは「ドルロレの裏の観光場所」でもある・・・。
その中でも・・・一層、煌びやかに男たちを魅了する「夜を舞うドス黒い蝶」の集うおかまバー・・・。
それが、おかまバー「ドルの花園」である・・・。
このバーに入ったものは・・・バーから出る頃には「おかま」になってしまうと言われる程「濃厚」な「おかまバー」。
取材した私、「せきらく」もあまりの世界観の違いに1分と持たずに逃げ出してしまった・・・。
後、30秒遅かったら・・・と思うと・・・今でもゾッとする・・・。
人生の一本道を真っ直ぐ歩きたいあなたは近寄らないのが賢明である・・・。
「ドルドル出版社 「ドルロレ、裏の落とし穴100選」 著者:せきらく」より抜粋・・・
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washinko「はっはっは・・・貴様・・・「女装癖」があるのか?その禿げた頭で・・・?」
高笑いをしながら署長のデスクの方へと向かうwashinko・・・。
そのままゆっくりと署長の大きな椅子にドカッと腰を据える・・・。
署長「うぐぐぐぐ・・・・・何を証拠に・・・そんなこと・・・・」
ピラピラピラ〜〜〜ッ・・・・・
washinkoは「女装した署長のSS」を指先でつまみ・・・署長に見えるようにチラつかせる・・・。
禿げた署長が「白いドレス」を身に纏い・・・スカートをめくられているSS・・・。
とてもではないが・・・気持ちよく見れるものではない・・・。
署長「うごぉ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜ッッ!!!???????」
washinko「ふふふ・・・よく撮れているぞ?署長殿の「パンチラ写真」だ・・・。」
署長「ひぎぎぎッ・・でもでもッ・・・・じょ・・情報の公開だけは・・・・できんのですよ・・・・ッ!!!!」
これ以上なく青ざめてwashinkoに許しを請う署長・・・。
涙を流し・・・堪らずに土下座する・・・。
男としてはかなり無様である・・・。
いや・・・男と呼んでもいいのであろうか・・・?
詰めに入るwashinkoはソッと署長の耳元で「悪魔」のように囁く・・・。
washinko「心配要らない・・・私にだけ教えればいいのだ・・・それで全て・・・丸く収まる・・・。」
署長「はぅ・・・・はぅ・・・・」
禿げた頭を抱えて葛藤する署長・・・。
washinkoのトドメの一言が署長を襲う・・・。
washinko「わかった・・・「ティモーレ・聖・女学院」に、このSSの焼き増し500枚程をバラ撒いてやろう・・・。」
署長「ぎょおぉぉぉぉぉ〜〜〜〜〜〜〜〜〜ッ!!!!!??????それだけは・・・それだけは・・・・」
washinko「ふふふ・・・私も鬼では無い・・・吐いて楽になるが良い・・・。」
署長「わ・・・わかりました・・・」
署長は青ざめながら・・・ゆっくりと答え出した・・・・。
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ドガッ!!!!
やすのぶ「グワッ!!!何するんだ・・・?」
よだれ丸「Σ(ノ゜o゜)ノ !!!!!?????」
メイド「うるさいわよッ!!!この「不埒者」がッ!!!」
やすのぶ「ふ・・不埒者・・?」
自己紹介を終えたやすのぶがメイドに突き飛ばされる・・・。
思いの他、強烈であったらしく5m程吹っ飛んでいる・・・。
執事「二度と顔を見せるな!!!わかったかッ!!!」
執事にまで怒鳴られるやすのぶ・・・。
何がなんだかやすのぶには理解できない様子だが・・・
何故この様な事になったのだろう?
やすのぶ「ま、待ってくれよ!ちゃんと・・・うちの会社の社長に書いてもらった「紹介状」も・・・」
執事「!!!!!」
目を大きく開けてやすのぶの手に持たれている「紹介状」を奪う執事・・・。
そして封を開けるかと思いきや・・・・・
ビリビリビリビリビリビリビリビリビリッ・・・・・・・
よだれ丸「 ・゜・Σ(つД`)・゜・。 !!」
やすのぶ「う・・うわぁ〜〜〜〜〜〜ッ!!!な、何するんだよッ!!!大切な・・・紹介状をッ!!!」
執事に突っかかっていこうとするやすのぶ・・・。
温厚なやすのぶも流石に頭にきたのか・・・?
助走をつけて・・・執事にコブシを振り上げる・・・。
ドカドカドカドカドカッ!!ドカドカドカ・・ドドドド・・・ドカドカドカドカッ!!!!!!!!!!!!
やすのぶ「ぶぐぉ〜〜〜〜〜〜〜ッ??????」
メイド「ふんッ!あなた如きに遅れをとる「クラージュ一門」ではないわッ!!!!」
なんと!執事ではなく「メイド」にボコボコにされたやすのぶ・・・。
ハッキリ言って情けない・・・・。
地面に這いつくばり・・・涙を浮かべるやすのぶ・・・。
決して、やすのぶの「自己紹介」に不備があったわけでは無い・・・。
突然の仕打ちに・・・ただただ・・・悲しみがこみ上げてくる・・・。
やすのぶ「ど・・・どうして・・・?どうしてこんな・・・?」
よだれ丸「・゜・(つД`)シ・゜・。」
一生懸命やすのぶを撫でるよだれ丸・・・。
やすのぶは擦り傷や打撲で体に大きなダメージを受けながら執事とメイドに問いかける・・・。
執事「貴様・・・まだシラをきるつもりか・・・?」
メイド「呆れて・・・物も言えないわ・・・。」
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署長「草原の息吹・・・座標「69・89」の辻斬りで亡くなったのは・・・イデアのクラージュ公爵家の息子・・・」
washinko「ふむふむ・・・・」
神妙な面持ちでwashinkoに白状する署長・・・。
ついに・・・名前が明らかになる・・・。
署長「名前は・・・・・」
washinko「・・・・・・・」
署長「 「ヤスノブ」という・・・・。」
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メイド「クラージュ様のお亡くなりになったご子息の名前を語っておいて・・・真の不埒者めッ!!!!」
GEIZU「この神聖なる「クラージュ公爵家」に今後近寄ればッ・・・この執事、GEIZUと・・・・」
モカ「メイド、モカが 「聖剣士」の名において・・・・」
GEIZU&モカ「貴様を滅するッ!!!!」
やすのぶ「!!!!!」
よだれ丸「 Σ(;´Д`)!! 」
GEIZUとモカの発言で緊張が走るやすのぶとよだれ丸・・・。
やすのぶの「剣士の修行」は・・・果たしてうまくいくのであろうか・・・?
(中編につづく・・・)
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修行経過報告書
氏名 : やすのぶ
ヒーロー名 : ヤスノV
修行内容 : テリィさんの「フードファイター用の修行」
今回の報酬 : 0ドニア
月賦 : 9,950ドニア
遂行可能ミッションレベル : B+
査定評価
イデアツーリスト内ランク 最下位
勤務期間 106日
備考
・ ミック氏不在、テリィ氏の修行では「剣士の修行」はしてもらえなかったようです。
・ やすのぶくんに「クラージュさんへの紹介状」を渡しました。
・ ヤスノV用装備「ヤスノブースター」再支給済み。
・ ヤスノV用装備「ヤスノブローチ(精霊の指輪 水+10)」支給済み。
・ ヤスノV用装備「ヤスノブレスレット(エメラルドリング)」に水の呪文書を貼る予定です。
ヤスノV 必殺技
・ヤスノブランチ 最大3体まで分身を作る。(ディフェンサー×3)
・ヤスノブレイダー 敵の気脈を断ち切る(ウィークT×2)
・ヤスノブーム 今回限りでこの技、削除します・・・。( ??? )
・ヤスノブーメラン 飛ばした武器が戻ってくる。(ヤスノブーム失敗対策?)
・ヤスノブラボー 剣の残像を放ちます。(マージン×2)
・ヤスノブレイク 剣に闘気を込めての居合斬。(パワーブレイク×1)
査定員 百絵
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題名:イデアツーリストのヤスノV
第6話 「秘剣、クラージュ」(クラージュ&tomimari編)〜〜〜前編〜〜〜
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紅の氷 イデア YasunoV著