題名:走れ!イデアツーリストのヤスノV





























第1話 「ヤスノV 登場」








第2話 「笑えない依頼」 







第3話 「史上最強の野うさぎ」 







第4話「復讐!挑戦嬢の挑戦状」







第5話「kokoloの依頼、イデア七不思議を究明せよ!」 







そして今回の、第6話 「秘剣、クラージュ」。






長かったこのお話も、ようやく一区切りを迎える事ができました。




最初は『ギルドを盛り上げよう』という軽い気持ちで『第1話のみで終了』という予定でした。





しかし、こんな私の作品を面白いと言って下さる方々が大変多く、


今日まで頑張る事ができたのです・・・。






『時には笑い、時には悲しみ・・・時には熱く、時には安らぐ・・・。』





そんなお話を書ける様になりたいと僭越ながらも、何時しか思う様になりました・・・。





貴方に少しでも喜んで頂けると信じて書き続けてきたのですが、

どうでしたでしょうか?





誤字、脱字が多く読み辛かったでしょう?



意味の分からない文章を書いていたでしょう?



本当に申し訳ありません。



この場をお借りして謝辞とさせて頂きたく存じます。








さて、そろそろ本編のお話を致しましょうか・・・?










走れ、イデアツーリストのヤスノV 第1話〜第6話・・・・



最終的に総文字数400,000文字以上の作品と相成りました。



今回の作品で『第一部、完』となりますが、


もう暫くのお付き合いをよろしくお願い致します。



H17/7/20 紅の氷 YasunoV



・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・




第6話 「秘剣、クラージュ」(クラージュ & tomimari編)  〜〜〜後編〜〜〜



ドルロレ、「テリィーオムライス道場」。


卵の美味しそうな匂いが充満し、お客もガヤガヤと騒がしい店内・・・。


眠傀はテーブルの上に置かれている水を不機嫌そうに飲み、washinkoは「ミルクリームオムライス」を嬉しそうに食べている・・・。



washinko「やはりッ!!「も〜ゼの牛乳」を使用しているだけの事はある!!美味いッ!美〜味〜い〜ぞ〜〜〜〜〜ッ!!」



どこかの「味王」の様なリアクションで「ミルクリームオムライス」を食べていく・・・。

とても幸せそうな表情だ・・・。


眠傀「そりゃ〜・・・よ〜〜・・・・ござんしたね〜〜〜・・・・。」


一人、ただただ不機嫌に「水」ばかりを飲み続ける眠傀・・・。


その表情は常に険しい・・・。



コトッ・・・・



washinkoのスプーンの置く音が聞こえてくる・・・。




washinko「うむ・・・美味であった・・・。」



washinkoが「ミルクリームオムライス」を美味しそうに完食し終った所を見て、急に怒り出す眠傀!!

我慢に我慢を重ねていたが、とうとう限界!!!

泣きながら店員に怒鳴り上げた!!



眠傀「おいッ!!何時まで「普通のオムライス」を待たせるんだよ!?明らかに手の込んでる「ミルクリーム」が先に来て!なんで「ノーマル」に35分も掛かるんだよ!!!」


早くオムライスを食べたかった眠傀。


時間の掛からなそうな「普通のオムライス」を注文したのだが、何故か異様に時間が掛かっていたようだ・・・。


腹の虫を鳴り響かせて、眠傀はテーブルに両手をダンっと叩きつける!





しかし、眠傀のその態度に周りの「客」が陰口を叩き出す・・・。





おばさん客1「ちょっと!奥さんッ!!あのひと、この店で普通のオムライスを注文したらしいですわよ!!」


おばさん客2「ちょっと!!「モグリ」じゃありません事!?この店じゃ「ミルクリーム」を注文するのが常識なのに!!」





眠傀「・・・!!?・・(えっ!?)」



目を大きく開けて、声のした方をキョロキョロとみる眠傀・・・。


washinko「うむ、それは貴様が悪いぞ?眠傀・・・。」


キリッとした顔で注意するwashinko・・・。


メガネのズレをクイっと直す・・・。




この店の「一番の売れ筋」が「ミルクリーム」の為に、それ以外の「オムライス」は異様に時間が掛かってしまうのだ!!



青い顔をして辺りを見渡す眠傀だが、お客が一斉に眠傀から目を反らす・・・。


眠傀「だったら、ちゅ、注文する時に教えてくれよ・・・(うぅぅ・・・俺も「ミルクリーム」にするべきだった・・・。)」


剣士客「ふぅ・・・そろそろ家に帰るか?タツヤ・・・。」


タツヤ「うん!父ちゃん!!剣を持ってあげるね!!」


剣士とその息子らしき客がテーブルから立ち上がり、支払いを済ませようとカウンターへと歩いていく・・・。

剣士は財布を取り出して店員と話しているが息子のタツヤは剣を重たそうに持って歩いていた・・・。


タツヤ「うんしょ・・・うんしょ・・・・」


washinko「(やれやれ・・・子供のくせにあんな重たい剣を持ち上げて・・・・)」



一生懸命に剣を持ち上げているタツヤ・・・。

しかし、剣があまりに重たかったのか・・・?

何を思ったのか、剣の柄を持って歩き出した・・・。



ズルズルズルズル・・・・・・




剣の柄を持って歩くことにより、剣の鞘の先端が地面に擦れる様に引きずられていく・・・。


タツヤ「へへへ・・・らくちん、らくちん・・・・・。」



嬉しそうに剣を運ぶ・・・いや、引きずるタツヤ。



会計を済ませた父親の剣士に気付かれて、怒られてしまう!!



剣士「ああっ!?タツヤッ!!お前何してるんだ!!いつもあれほど「剣を引きずるな」って言ってるだろう!!!」


ガンッ!!!


タツヤ「うえぇぇーーーーー・・・・ゴメンなさい!!!」



眠傀「あぁ・・・腹の虫が鳴いて・・・子供まで泣き出した・・・・。」


眉をしかめ、テーブルに顔を伏せて「オムライス」の到着を待ち続ける眠傀・・・。



washinko「(剣を・・・・引きずる・・・・?)」




眠傀「子供だから、「大人の剣」を持ったら引きずるぐらいはあるって言うのに・・・あの父親剣士は・・・」


父親剣士のゲンコツに溜息を付く眠傀・・・。



その時ッ!!






washinkoの脳裏に「閃光」が走る!!!




難解な方程式を解き続け、答えを導き出したような感覚・・・。


胸の奥に掛かっていた靄が一気に晴れて、washinkoの瞳の奥に真実が見える!!!


washinko「見えたッ!!」





店員「ほいよーーーー!!「ノーマルオムライス」おまたせーーーーー!!!!」


眠傀「遅ぇよッッッ!!や、やっと食えるッ!!!」


やっと到着した「オムライス」を目の前にして嬉しそうにスプーンに掛かっていた紙を取り外す眠傀・・・。

スプーンを構えて、ケチャップを卵に塗ろうとした瞬間ッ!!!washinkoに「首根っこ」を掴まれて席を立たされてしまう!!!


眠傀「グェッ!?な、何するんだよ!?プロフェッサーwashinkoッ!!俺、やっと「飯」にありつけ・・・」


washinko「犯人がわかった!!イデア、草原の街道に大至急戻るぞッ!!!」



眠傀「な、なんだって!?そ、そりゃ戻らないとッ・・・・・・いけないが・・・ッ・」




ググググググ・・・・




首根っこを引っ張られる眠傀だが、それに抵抗してオムライスへとスプーンを伸ばす・・・。


washinko「馬鹿者ッ!オムライスなど食っている場合ではなかろうッ!!そのオムライス・・・無かったものと思えッ!!!」



眠傀「・・・・う・・うぅぅぅ・・・それなら・・いっそ・・・・・」


眠傀は口に指を突っ込み、「ツバ」を付けるとそれを「オムライス」へと弾き飛ばした・・・。




ピチョ・・・




せめて、「オムライス」を「自分のモノ」にしておきたかったのであろう・・・。



眠傀の「ツバ」が虚しく・・・オムライスのケチャップの上に落ちていく・・・。






あまりに惨めである・・・。





washinko「下品な事するなーーーーーーーッ!!眠傀ッ!!!行くぞーーーーーーーーッ!!!!」




バンッ!!!!





店のドアが景気よく開けられて二人は「草原の街道」の空へと向かって飛んで行く・・・。



残された「オムライス」を店員が目を丸くしながら見つめて・・・・








店員「・・・・・・・・・」









ボソッと呟いた・・・。















店員「・・お、お勘定は・・・?」





・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


イデア、草原の街道に向かって高速で飛ぶ眠傀とwashinko・・・。


風を切り、高速で滑空するように空を舞う・・・。



眠傀「プロフェッサーwashinkoッ!!本当に誰が犯人なのか解ったのか!!?」


眠傀は後ろにwashinkoを乗せて、washinkoの推理の答えを問いかけた・・・。


washinko「あぁ、少年ヤスノブの死体に伸びていた「棒で引きずった跡」が解れば・・・犯人は見えてきた!!」


washinkoは推理を眠傀に話していく・・・。



washinko「あの「棒で引きずった跡」は「剣を引きずった跡」だったんだ!!!」


眠傀「な、なんだって!?」


washinko「つまり何らかの策略で「大人用の剣」をヤスノブ少年に渡した・・・いや、交換したのであろう・・・。交換したが故、少年の剣に「抜いた後」がなかったのだ!!!」


眠傀「ちょ、ちょっと待てよ!?「少年の剣」が抜かれていないのであれば・・・犯人は「何」で背中を斬ったんだ??」


眠傀の当然の疑問にwashinkoがサラッと答える・・・。


washinko「勿論「剣」だ・・・。眠傀!!貴様も「昔」は「空を飛ぶ用の杖」と「戦闘用の杖」の二種類を持っていただろう!?」



眠傀「た、確かに持っていたが・・・あっ!!と言う事は!!!」



目を大きく見開いてwashinkoに振り向く眠傀・・・。


washinkoは眠傀を見つめてコクッと頷き、推理の続きを述べる・・・。




washinko「そう・・・犯人は「二種類以上」の剣を持っている!!!たけやすの両手足切断というカルテの記載を見た時、「バスターソード」クラスの大きな剣で斬ったとは思っていたのだが・・・。」



眠傀「!!!と言う事は・・・犯人はGEIZUかっーーーーー!!??」



空を飛びながらも・・・眠傀の大きな声が山に響き、木霊していった・・・。




・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・








パカラッ・・・・・パカラッ・・・・・・・パカラッ・・・・・・・



「漆黒の森」からイデアの「草原の街道」に向かって帰る途中・・・。




日が沈み、満月の光が十分に届かない薄暗い森の中・・・・。




「花束」を満載させたユニコーンの馬車を運転するセルティックが馬車の中のクラージュに問いかける・・・。



セルティック「クラージュ様・・・この森の奥に「長寿の泉」があるのは、ご存知ですか?」


いきなり声を掛けられて「んっ?」と言った顔でセルティックに問いかけるクラージュ・・・。



クラージュ「それは初耳だな?そんな所があるのか・・・?」



セルティック「はいっ!!奥様の顔色が最近優れませんので少々、汲んで帰ってはいかがでしょうか・・・?」



クラージュ「そうだな・・・。tomimariに飲ませてやりたいな・・・。」


花の香りを嗅ぎながらクラージュがニコッと笑うとセルティックはそれに返事をするようにニコッと笑って会釈する・・・。



セルティックは馬車を「長寿の泉」に向けてユニコーンの馬車を走らせていった・・・。






・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・






クラージュ達の位置から2km程離れた場所・・・。


向かってくるクラージュ達に合流しようと走っていたヤスノVが目を大きく開けて声を上げる。




ヤスノV「何ッ!?急に方向が変わった!?」

マップに出ていた「クラージュの反応」の移動が急に西に向かったことに慌てるヤスノV・・・。



ゑゐ「ああっ!!離れていくですッ!!」



このままであれば後、3分程で合流できると思っていたヤスノV・・・。


しかし、馬車は少しずつヤスノV達から離れていこうとしている!!!



慌てて方向を変えたヤスノVは300m先に見える森の方へと足を運んでいった・・・。







その時である!!!








GEIZU「・・・・・・・・」









ヤスノV「なっ!?あ、あれは!?」


よだれ丸「Σ(ノ゜o゜)ノ」


ゑゐ「ゲ、GEIZUさんですーーーーッ!!!」








GEIZUが無言で・・・森に入って走っていく姿を目撃する!!!



走るGEIZUのその表情は・・・目を据えて、何かを狙っている様な・・・?



走るスピードはあまりに早く反属性の「金の耳飾り」は既に外してあるようだ!!




ゑゐ「まさかGEIZUさんもクラージュさんの所に向かって・・・?」




ヤスノV「くそっ、急がないと!!まさかとは思うが・・・クラージュさんを襲うつもりじゃ・・・?」




声を掛ける間もなく、あっという間に森の中へと消えたGEIZU・・・。


それを追うようにヤスノV達も森の中へと急いでいった・・・。








・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


クラージュを乗せたユニコーンの馬車が泉に向かって走っていく・・・。



木々に囲まれた森を抜けると満月の光が反射する「泉」が見えてきた・・・。

涼しい風が吹き抜けるその泉は森の木々を鮮やかに水面に映し出す・・・。


時折聞こえる「ふくろう」の鳴き声が泉の静寂に彩を添えている・・・。


クラージュ「おぉ・・・・あれが・・・?」


泉の畔に馬車を止めるセルティック・・・。


泉の美しさにクラージュは目を奪われて優しく微笑む・・・。


馬車からスッと降りるとクラージュはセルティックに笑い掛けて言った・・・。



クラージュ「良い場所を知っているのだな?セルティック・・・。」



セルティック「えぇ・・・私にとってイデアは「庭」の様な物・・・何処へ行くにも「道」に迷ったりは致しませぬ・・・。」



ゆっくりと泉に足を運ぶクラージュ・・・。水面に映る満月の向こうに見える水の底・・・。


濁りの全くない泉の水はクラージュの心を奪ってしまう様に惹き込んでいく・・・。


クラージュ「な、なんという、美しい泉だ・・・。」

泉に顔を写し、透き通る泉の水を眺めるクラージュ。

おもむろに手で上手をつくり、水をすくい上げて顔を洗う・・・。




セルティックはバケツに水を汲み上げ、笑顔でクラージュの側へと近寄る。

クラージュの嬉しそうな表情を暫く見つめると、ゆっくりと馬車の方へと歩き、クラージュに言った。



セルティック「クラージュ様、私は「花束」に水を掛けておきますので・・・」

クラージュ「あぁ、頼むよ。セルティック。」


・・・・・・・・・・






GEIZU「・・・・・・・・・・・・」







鋭い眼差しを向けながら、クラージュへと掛けていくGEIZU。

「大きなかばん」から「バスターソード」を取り出して・・・何時でも斬り込める状態を作り出して

気配を殺しながら森を駆け抜けた・・・!!!


クラージュ「!!!」


丸腰のクラージュ・・・突然のGEIZUの抜刀に驚いた表情を露にする!!!

GEIZU「ハァーーーーッ!!!!」


GEIZUは「バスターソード」を振り上げて、一気に間合いを詰める・・・。


その一瞬・・・!!


少し遅れてヤスノV達がクラージュの居る「泉」から森を抜けて出した!!






ゑゐ「あぁ!?ヤスノブくんのパパさんがッ!!!」


よだれ丸「Σ・゜・(つД`)つ・゜・。」


ヤスノV「や、やめろーーーーッ!!!!GEIZUーーーーッ!!!!!」







・・・・・・・・・・・・・・・・・・









「犯人はGEIZUかっーーーーー!!??GEIZUかーーー・・・かーーー」


眠傀の大きな声が夜空に木霊する・・・。




しかし・・・・




washinko「違う・・・!」

冷静な表情で眠傀の「GEIZUが犯人」という答えに対して、首を横に振るwashinko・・・。





眠傀「えッ・・・?」


木霊した眠傀の声が無性に虚しく響いている・・・。



washinko「確かに・・・最初は私も「GEIZU」が犯人だと思っていた・・・。たけやすの手足を切断できる剣は「バスターソード」クラスの「大剣」が必要だ・・・。しかし、それでは他の傷に「理由」が付かない。」




眠傀「・・・・・・」


空を飛びながら、「バツ」が悪そうに沈黙する眠傀・・・。




washinko「手足は「バスターソード」クラスの「大剣」で斬ったかもしれない・・・。しかし、その他の「繊細な傷の付け方」。心臓への打撃だとか、一般人に対して「命を取らずに気を失う程度の斬撃」等は「普通の大きさの剣」を・・・いや「切れ味の悪い剣」を使用したのだ・・・。それに加えて私は「被害現場」でこの宝石を見つけた!!」




眠傀「なっ・・・こ、琥珀・?」


washinko「そうだ!被害現場で「少年ヤスノブ」に伸びるように引かれていた線の中でこれを見つけた!!
古今東西、「剣の鞘」に「宝石」を埋め込んでいるのは宝飾用の剣、
「世界にたった3本のマスターブレイド」のみ!!」


眠傀「ナッ!!マ、「マスターブレード」って言ったら・・・」




washinko「もしかしたら「辻斬り魔」はGEIZUに「罪」を着せようとも考えていたかも知れないがな・・・。」


眠傀「お、おいおい・・・じゃぁ・・・「アイツ」しか・・・いないじゃないか・・・?」







washinko「あぁ、そうだッ・・・残ったそいつこそ「真犯人」ッ!!!!!」


息の呑んでwashinkoを見つめる眠傀・・・。





washinko「犯人は・・・・・」








・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


大きな剣・・・「バスターソード」がクラージュに向かって振り下ろされる・・・。


クラージュ「!!」

ガァーーーーーーーーン!!!!

GEIZU「・・・・・・・・」


馬車のユニコーン「ヒヒィーーーーーーン!!!!」


そのあまりに大きな剣撃の音にユニコーンが悲鳴を上げて身を仰け反らせて逃げていく!!




花を摘んでいた馬車は木々に当たり「花束」がばら撒かれ、「花束の絨毯」が敷かれた様に見える・・・。





風が木々を抜けて靡く花の向こうに見えるのは・・・






クラージュに向かって振り下ろされている「バスターソード」。








クラージュ「な、何・・・?」






しかし・・・それを防ぐ様に・・・・・








「バスターソード」がクラージュへの斬撃を防いでいる・・・・。







「殺意に満ちたバスターソード」と「主を守る為のバスターソード」・・・。




二本の「バスターソード」が交差し鍔迫り合う・・・。










セルティック「・・・・・・・・キ、・貴様・・・何故・・・?」




GEIZU「へっ・・・・・」



その光景を森から出たばかりのヤスノV達が・・・目を大きく開けて見つめる・・・。



ゑゐ「ど、どういうことですか???」

よだれ丸「ΣΣ??(ノ゜o゜)ノ」


ヤスノV「バ、バカナ・・・・?」



GEIZUはクラージュの合間に入り込み・・・クラージュに振り下ろされた「殺意に満ちたバスターソード」を防いだのだ!!


「主を守る為のバスターソード」を握っているのは・・・他ならぬGEIZUであるッ!!!


セルティック「何故・・・貴様がここに来るのだ・・・?」


泉の畔でクラージュに笑って話しかけていた先程までとは打って変わり、形相が悪意に満ちているセルティック・・・。

鍔迫り合いで剣を震わせ、「殺意に満ちたバスターソード」越しにGEIZUに問いかける・・・。



GEIZU「何故か?だと・・・?」




月明かりで妖しく光る2本のバスターソード・・・。


GEIZUはニヤリと笑みを見せて・・・大きな声でセルティックに怒鳴り上げた!!!





GEIZU「ハナッから、俺は・・・あんたが一番「キナ臭い」と思っていたからさッ!!セルティックッ!!!」



ビシッ!!!




その瞬間、セルティックのバスターソードに「ヒビ」が入る・・・。





クラージュ「ま、まさか・・・セルティックが・・・辻斬り魔だというのか・・・?」


セルティック「ふん・・・勘のいい奴はコレだから嫌いだ・・・。」



セルティックはヒビが入った剣を不機嫌そうに見つめながら吐き捨てるように呟く・・・。



青ざめた表情で現状を見つめる事しかできないヤスノV達・・・。

泉に波紋を起して響き渡る真実に・・・驚愕するッ!!!



ゑゐ「!!!」



よだれ丸「!!!(´Д`;=;´Д`)」



ヤスノV「ウウッ!!!(ゴメンネッ!GEIZUくんッ!!!俺・・・君が一番キナ臭いと思っていましたッッッ!!!!!!!)」

目から涙を流しつつ、GEIZUから思わず目を背けるヤスノV・・・。


セルティックはクラージュに剣を斬りつける事ができないと判断すると、GEIZUのバスターソードを斬り弾く反動で体を後方へと飛ばし、間合いを開ける・・・。


クラージュ「説明しろ!セルティックッ!!事と次第によっては・・・この場で斬り捨てる!!」


凄まじいまでの殺気を放ってセルティックに問いかけるクラージュ・・・。


セルティックは、2mはあろう「バスターソード」を軽々と持ち上げてクラージュに笑みを見せる・・・。


セルティック「ははは・・・先程の一撃でまだ理解できませんか?だから貴方は「息子を失う」のだ・・・。」

GEIZU「ヤスノブ様を深夜、「草原の息吹」に連れ出して・・・斬り殺したのはセルティックです!クラージュ様!!

大方、「マスターブレイドを貸してやる」とでも言ったのでしょう・・・。」


ヤスノV「クラージュさんッ!!ヤスノブくんの「日記帳」にも「大きな剣」を貸して貰えるって書いていました!!GEIZUくんの言っている事は・・・本当ですッ!!!」


クラージュ「 ! 」


GEIZU「お、お前も来てたのか・・・?屋敷の方が安全だっていうのに・・・。」

バスターソードを構えながらヤスノVの心配をするGEIZU・・・。

ヤスノV「あ・・・い、いや・・・」


心配してくれるGEIZUを犯人と思っていたヤスノV・・・。

微妙に申し訳無さそうだ・・・。



セルティック「これはこれは「ヤスノブもどき」も来ていたのか?役者は揃ったようだな?」



ヤスノV「「ヤスノブもどき」じゃないッ!!ヤスノVだーーーッ!!よだれ丸ッ!!ゑゐくんを守れ!!!」


よだれ丸「 !!(`Д´)ノ 」

ゑゐ「うぅぅ・・・・」


信じがたい光景に体を震わせるゑゐ・・・。


よだれ丸はゑゐを庇うようにゑゐの前を飛び続ける・・・。





クラージュ「お、おのれ・・・セルティックーーーーーーッ・・・。」



ゴァーーーーーーッ!!!!



溢れんばかりの殺気がセルティックに向けられる・・・!!!


しかし、剣を持たないクラージュに対して・・・ほくそ笑みながら罵声を上げる・・・。


セルティック「剣を持たない「剣聖」など「張り子の虎」も同然・・・。無力のまま死ぬがいい。息子の所へと俺が送ってやろう・・・。」


GEIZU「ふざけんなッ!!!てめぇなんざぁー・・・俺の「G(グラビティー)ブレイク」だけで十分だーーーッ!!!」



ドンッ!



大きな踏み込みを見せたGEIZUは一気にセルティックの頭上に飛び上がる・・・。


落下の重力と剣の重力・・・すべてを込めてセルティックに「必殺技」をぶちかます・・・。


ドンッ!!


ヤスノV「俺だって・・・たけやすを傷つけられた仇だッ!!!混ぜて貰うぞッ!!」


ヤスノVもGEIZU同様、大きく踏み込みセルティックへ「ヤスノブレード」を振り下ろす!!!



GEIZU、ヤスノV二人のJP(闘気)が混ざり合い・・・強力な攻撃へと変化する!!!



GEIZU&ヤスノV「GEIZU、ヤスノV・・・合体必殺ッ・・・・」




しかし、GEIZUたちの抜刀に眉一つ動かさないセルティック・・・。


使い物にならなくなった「バスターソード」を泉に捨てると「大きなかばん」に手をそっと忍ばせる・・・。


セルティック「・・・・・・・・フッ・・・・」



GEIZU&ヤスノV「ダブルッ・・・ブレイクーーーーーッ!!!!!」






ガ・ガーーーーーーン!!!!!!!!!!!!





・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・



眠傀「じゃ、一般人相手に使っていた剣は「マスターブレイド」で、たけやすを斬った剣は「バスターソード」だっていうんだな?」



washinko「・・・・・」

コクッっと頷くwashinko・・・。


眠傀「じゃぁ・・・「ヤスノブ少年」を傷つけた剣は・・・一体なんだっていうんだ?」


背中への剣撃で少年ヤスノブを殺した「3本目の剣」の正体に頭を捻る眠傀・・・。



washinko「何にしても、相当切れ味の良い剣だけは確かだ・・・。」


眠傀「・・・・・・・」

眠傀の脳裏にあって欲しくない「剣の種類」が過ぎる・・・。



washinkoは眠傀の表情を見て、それを理解する・・・。


手に汗を握り言った・・・。





washinko「『魔剣』でなければ・・・いいのだが・・・。」


眠傀「あぁ・・・アレだけは『タチ』が悪い・・・。」






・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

ガキキーーーーン!!!!


剣を剣で防ぐ金属音が二重に響き渡る・・・。



GEIZU「!!!」


ヤスノV「な、なんだッ!?」


合体必殺技を受け止められた事もショックだが・・・違う「モノ」に驚くGEIZUとヤスノV・・・。



セルティックが「大きなかばん」から一瞬で取り出した剣・・・。


しかし、取り出した剣は「1本」ではない・・・。


「2本」である・・・。


ヤスノVの剣を「マスターブレイド」で受け止め、GEIZUの剣を「見たこともない禍々しい剣」で受け止める!!



クラージュ「バ、馬鹿なッ!!「アレ」は「ドルロレ地下武器庫」に保管されている筈の「魔剣」ッ!?」


ゑゐ「ぼ、僕も本で見たことあるです!!!あ、あれは・・・「黄泉の剣」ですーーーッ!!」



よだれ丸「Σ(´Д`;=;´Д`)!!」


セルティック「クックックックック・・・・アーーーーッハッハッハッハッハ・・・・・・GEIZUッ!!

ジョーカーをドローしたのは貴様かッ!!!」



GEIZU「な、何ッ!?」

GEIZUの剣を受け止める「黄泉の剣」から「禍々しい波動」がGEIZUに襲い掛かっていく!!


ズバズバズバズバーーーーッ!!!


GEIZU「グァァアアアーーーーーーッ!!!!!!!!!」


カマイタチの様に襲いかかるその「禍々しい波動」はGEIZUの全身を一瞬で刻み込み、更には体に纏わり付いていく!!!


白目を向いて吹き飛ばされるGEIZUの血が宙に舞い・・・赤い雨が降る!!



ヤスノV「ゲ、GEIZUくんーーーーッ!!!」


クラージュ「GEIZUーーーーーーーーッ!!!」


セルティック「この剣は「斬った者」を地獄に送り、「触れた者」には波動が襲い掛かる魔剣・・・。GEIZU・・・貴様の出番は終わりだ・・・。」


GEIZU「か、体が締め付けられていくッ・・・?」




「黒い波動」に体の自由を奪われ・・・力が抜けていく・・・。



クラージュ「き、貴様・・・その剣を何処で手に入れた!!!」

当然の疑問をセルティックに問いかけるクラージュ・・・。





セルティックは無表情でクラージュに答える・・・。


セルティック「偶々、街を歩いていたら「リボンを付けた女」がこの剣を売っていたのさ・・・。
「レプリカ」と間違えてこの剣を露店で売っている光景は笑いが止まらなかったがな・・・。」



クラージュ「な、なんということだ・・・・。」

額から流れる汗を拭うクラージュ・・・。



ゑゐ「そ、そんな!?露店でそんな「危険な剣」を売るなんて!!!」



ヤスノV「い、いったい何処の「リボンを付けた女」だッ!!」



強く手を握りしめ・・・歯を食いしばりながら、「リボンを付けた女」を憎むヤスノV・・・。








ちなみに・・・ちょうどその頃・・・・





・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・







何処かも分からない・・・薄暗い改造用の手術台・・・。






それに縛り付けられて身動きの取れない「リボンを付けた女性」・・・。



手術台の周りでメスを持って不敵に笑う「緑の野うさぎ」達に怒鳴り上げる!!





百?「ちょっと!!!やめなさいよ!!!ぶっとばすわよっッ!?」






メカニックうさぎ「(強い、強い・・・怪うさぎにしてあげるからね〜〜。)



助手うさぎ「(博士ッ!!この人は『何型』にするんですか〜〜〜〜??)」



メカニックうさぎ「この人は「夜型、野うさぎ」がいいかなぁ〜〜・・・?・・・。」」



助手うさぎ「いやいや〜〜〜・・・「安産型、野うさぎ」がいいでしょ〜〜〜〜」




百?「ふ、ふざけないでよ!!やめてッ!!ブラックムーーンッ!!!ぶっ飛ばすわよーーーーーーーーッ!!!!!!!!」



手術室に「?絵」の声が大きく響き渡る・・・・。




・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・





露店で「黄泉の剣」を売っていた「リボンを付けた女」が「怪うさぎ」に改造されそうになっているとは誰も思っていなかった・・・。



更にちなみに「出所」は第4話を参照いただければわかるであろう・・・。





・・・・・・・・・・・・・・・・・









剣を両手に持って高笑いをするセルティック・・・。

全身に「血の雨」を受けて笑うその瞳は「赤く」光り・・・正義の輝きなどは微塵も無い・・・。



ヤスノV「ちきしょう!!!よくも・・・」



血まみれのまま地面に這い蹲り、セルティックを睨み付けるGEIZU・・・。


その眼差しは得も言われぬ物がある・・・。



GEIZU「む・・・無念だ・・・」



「黒い波動」に体の自由を奪われ・・・とうとう目を開けたまま気を失ってしまった・・・。




ヤスノVはGEIZUを両腕で抱き・・・悔しそうな眼差しでセルティックを睨みつける・・・。


しかし、セルティックはそのヤスノVの眼差しを見据えると・・・ニタッと笑って不気味に言い放つ・・・。

セルティックの声は先程迄とは変わり「人とは思えない程、高い声」を発している・・・。




セルティック「イイ・・・その目ダ・・・

ヤスノブも・・・オレを・・・その目で見ていタ・・・。

地面に這い蹲り・・・悔しそうに涙を流シテ・・・・・・

オレに斬らレタのが・・・口惜しいのダロウ・・悔しいのダロォー・・・」


快感に悶え、愉悦の表情でヤスノVを見つめるセルティック・・・。

力に溺れ・・・自分の力に酔い痴れるセルティックのその表情は・・・最早・・・




クラージュ「セルティック・・・き、貴様・・・」


よだれ丸「・・(゜д゜;)・・」


ゑゐ「ひ、「人でなし」ですッ・・・・。」




ゆらりと立ち上がり、セルティックを睨みつけて口を開くヤスノV・・・。



ヤスノV「セルティック・・・それは・・・・違う・・・」


セルティック「・・・・・・?」






ヤスノVは悦楽に歪んだセルティックに向かって・・・涙を流して怒鳴り上げた!!!


ヤスノV「斬られたヤスノブくんも・・・GEIZUくんも・・・




この眼差しでアンタを睨むのは・・・




アンタに「負けた」からじゃない!!!




アンタに・・・アンタに「裏切られた」からッ・・・・




それがッッ・・・それが解らないのかッ!!!セルティックーーーーーーーッ!!!!」









「心の叫び」をセルティックにぶつけるヤスノV・・・。



セルティック「!!!!」


セルティックはヤスノVのその叫びを聞くと、急に下を向いて震えだしていく・・・・。















しかし・・・・
















それは泣いて震えているのではない・・・








セルティックが・・・・






ゆっくりと顔を上げると・・・・















まるで「最高の喜劇でも見た」かのような・・・・









満面の笑顔・・・・




セルティック「ヒヒヒヒヒ・・・・・ヒヒヒヒヒヒ・・・・・」




ヤスノV「き、貴様・・・・」


良心という言葉がソックリそのまま「欠落」しているかの様な笑顔に・・・その場全員の表情が歪む・・・。





クラージュ「セ、セルティック・・・そ、そこまで・・・そこまで堕ちたかーーーーーッ!!!」


血が溢れる程に手を握り締め、セルティックの姿を睨みつける・・・。


クラージュは指輪を外すとそれを空に向かって放り上げた!!!



ブンッ!!!!



クラージュ「舞い降りよ!!!悪を裁く剣ッ!!!」



バーーーーーーーンッ!!!!!!!!!!!!!


ヤスノV「ッ!!!も、物凄い光が!!?」


クラージュの声に呼応して、指輪が眩いばかりの光を放ち・・・形を変えていく・・・。


細身ではあるが、極限にまで鍛え抜かれたその剣の美しさ・・・。


セルティック「キキキキキ・・・・本気でクルのか・・?剣・・聖・・・クラージュ・・・貴様ヲ倒すたメの『切り札』はマダあるノだゾ?」


クラージュに反応して・・・セルティックの体から闘気が滲み出る・・・。


クラージュ「この正義の「剣」で貴様を打ち砕くッ!!!」



ヤスノV「!!!(あ、あの剣ッ!!!)」


見覚えのある剣に目を奪われるヤスノV・・・。


しかし、セルティックはその剣を見ると手で顔を覆って笑い出す・・・。

赤く光る目をクラージュに向け、大きな声で言い放った!!!


セルティック「貴様ノ相手はオレデハナイッ!!!貴様が最も会いたがっテいた・・・コイツが相手ダ!!!!」

セルティックから「黒い闘気」が地面に落ちていく様に放出される・・・。

形を持たないその闘気は粘土の様に地面で蠢き・・・何かの形に変わっていこうとする・・・。




ヤスノV「な、何ッ!?誰が相手だって言うんだ!!?」


クラージュ「誰が相手でも・・・関係などあるかーーーーッ!!!!」

怒鳴りあげると同時に「闘気」を増加させるクラージュ・・・。


その凄まじい力強さ・・・今、この世の中でクラージュに敵うものはいないであろう・・・。


ゑゐ「ううう・・うぅぅぅ・・・・」

ゑゐはブルブルと震えながらもGEIZUの方へと駆けていく・・・。

よだれ丸「―――===(つ;´Д`)つ」

震えるゑゐを心配して急いで側へ寄るよだれ丸・・・。


クラージュ「やすのぶくんッ!!ゑゐくんとGEIZUを安全な所へ連れて行くんだッ!!!」


ヤスノV「ハ、ハイッ!!わかりましたっ!!!」

大きな声で返事をしてゑゐ達を担ぎ上げるヤスノV・・・。



森の方へと移動していく・・・。


しかし、セルティックから放たれた「粘土の様な闘気」も・・・間も無く「形」ができ上がる・・・。



それは人間の子供を模しているのか・・・?


少しずつ、微細に・・・形が・・・出来ていく・・・。


クラージュ「・・・・・・・・な・・・・な・・・?」


セルティック「くっクック・・・・」



ゑゐ「ッ!!?ま、待つです!!ヤスノVさんッ!!待つのですッ!!!」


ヤスノV「な、なんだよ!?ゑゐくん・・・ここはクラージュさんに任せた方がいい!!今のあの人が負けるわけが・・・」

そう言ってヤスノVが森に入り込む前にクラージュを再度、確認しようとする・・・。



セルティック「ドウダ・・?これが貴様の最も望んダ・・・相手ダロゥ・・・?」





すると、何故かクラージュが一歩、二歩と後退りをしていったのだ!!!!



ヤスノV「ど、どうしてッ??」



クラージュ「あ・・・あぁぁぁ・・・・・」


クラージュの青ざめた顔は「剣聖」と呼ばれている男とは思えない!!!


セルティック「サァ、コレヲ使え・・・。貴様が貸してホシいとイッテイた剣だロう??」



????「エヘヘッ!!ありがとう!!セル兄ィ!!」


クラージュに対峙する「粘土」は人間の子供の姿になり・・・



セルティックから「マスターブレイド」を受け取ると・・・



嬉しそうな声でクラージュに呼びかける・・・。





甲高い・・・子供の声・・・



クラージュにとって・・・



忘れる事など決してできない・・・



一番、聞きたかった・・・



大事な息子の声・・・



ヤスノブ「えへへ・・・パパ・・・久しぶり!!!」


ヤスノV「なっ!?何ッ!!?パパだと!?」



ゑゐ「ヤ、ヤスノブくんですッ!!!あれは・・・ヤスノブくんですッ!!ヤスノVさんッ!!!!」


よだれ丸「Σ(ノ゜Д゜)ノ」


クラージュ「な、何故・・・ヤスノブが・・・・・」



今、クラージュの目の前にいるのは・・・間違いなくヤスノブの姿をしていて・・・声もそのままヤスノブである・・・。


聞きたくても聞く事が出来なかった息子の声に「研ぎ澄まされていた闘気」が一気に不安定になっていく・・・。




ヤスノブ「パパ・・・剣を構えて・・・また稽古を付けてくれるの?」


セルティックを睨みつけて剣を力強く、再度持ち替えるクラージュ・・・。




クラージュ「ば、馬鹿馬鹿しいッ!!む、息子ヤスノブは・・・もう・・・もうこの世には・・・」



セルティック「・・・・・・・・・」


ニヤニヤと笑ってクラージュからの続きの言葉を待つセルティック・・・。



しかし、クラージュは続きの言葉を・・・・



クラージュ「ぐぐ・・・ぐ・・・・」




発する事が出来なかった・・・。




ヤスノブ「さぁ・・・やろうよ?パパ・・・。今回は「真剣」だけど・・・頑張るからね?僕・・・。」


クラージュ「や、やめろ・・・・やめるんだ・・・ヤスノブッ・・・!!!」




何の覚悟もできていないまま襲い掛かってくるヤスノブに翻弄されるクラージュ・・・。


幾重に襲い掛かるその剣撃は嘗て、息子ヤスノブに教えていた剣術をそのまま使用している!!




ヤスノV「な、なんていう戦いだ・・・?」

ゑゐ「み、見えないです・・・。」

よだれ丸「(´Д`;=;´Д`)」

あまりに素早く「影と影」が動いているようにしか見えないヤスノVとゑゐ・・・。


援護しようにもどうする事も出来ない・・・。



混乱したままヤスノブの剣撃を大きく仰け反り、避けるクラージュ!!!


そして、頭上から息子ヤスノブの得意とする「必殺技」がクラージュを襲う!!!


ヤスノブ「喰らえーーーッ!!!秘剣「メガクロス」ッ!!!」


クラージュ「!!」

ガガガガンッ!!!


クラージュがサッとそれを避けると地面をエグリ、「十字が二つ」描かれる!!!


切れ味が悪いといえども「マスターブレイド」は真剣!!

騎士ヤスノブが使用すれば十分に致命傷を与えることができる!!


クロスソード二発分の威力を秘めた剣技・・・。


それは「セルティック」が最も求めていた秘剣の一つ・・・。



クラージュ「(こ、これが使えると言うことは・・・ま、まさか・・・本当にヤスノブなのか・・・?)」


目の前のヤスノブが「魔物の類」と思いたかったクラージュ・・・。


しかし「メガクロスを使う魔物」等、存在はしない・・・。



それに加えてセルティックは「秘剣、メガクロス」を使えない・・・。

故に粘土を操った上で「メガクロスを放った」とも考えにくい・・・。







何の疑問も晴れないままヤスノブを相手にするがその時、セルティックも剣を振りかぶり、襲い掛かってきた!!


セルティック「死ネーーーーッ!!!クラージューーーーーーッ!!!!」


クラージュ「クッ!!!」


セルティックの剣撃を受ける事は出来ない!!!

受ければ「魔剣の威力」の為に波動が襲い掛かってくるからだ!!!



クラージュは紙一重でセルティックの剣撃を避けると一気に「必殺の突き」を打ち放つ!!!



クラージュ「貴様に・・・手は抜かんぞッ!!!セルティック!!!!」




セルティック「ヒヒヒヒヒ・・・・・」



ヤスノブ「セル兄ィ・・・・危ないッ!!!」

セルティックが不気味な笑い声を上げると、なんとヤスノブが「大の字」になってセルティックを庇ったのだ!!!


クラージュ「!!!!!」


ピタッ・・・・・


ヤスノブの「その姿」に剣を止めるクラージュ・・・・







しかし・・・・






ヤスノV「あぁっ!!??」





ザシュッ・・・・ザシュッ・・・・・・





あり得ない程、あっさりとした「肉」を斬る音・・・。

セルティック「ククククククククク・・・・・・・・・・」



クラージュ「・・・!!!・・・・」



ヤスノブの体を突き抜けて・・・・クラージュに「黄泉の剣」が突き刺さる・・・。


クラージュは呆然として・・・ヤスノブの目をジッと見つめる・・・。


悲しそうな表情を浮かべるヤスノブの目からは・・・涙が零れていた・・・。



ヤスノブ「パ、パパ・・・痛いよぉ・・・・・」

ヤスノブの体が「黄泉の剣」で貫かれているのが見える・・・。


そして・・・その剣先は・・・クラージュに刺さっている・・・。


クラージュ「グ・・・アァァ・・・・・」


ヤスノV「そ、そんな!!!偽者だって・・・セルティックの策略だって・・・解りきっている筈じゃ・・・!!!」


ゑゐ「ヤ、ヤスノブくんのパパさんが・・・パパさんが・・・・」



クラージュ「ヤ・・・ヤスノブ・・・」




口から零れていく赤い血・・・



体は「魔剣の威力」で急激に体温が奪われていく・・・。



体の中で「数万の虫」が蠢くような寒気が襲い・・・


今まで見えていた筈の目の前がドンドン薄暗くなっていく・・・。




視覚を奪っていく魔剣はドクンと大きく脈打ち・・・


まるでクラージュの「命」を吸い込んでいく様にセルティックの体へとドンドン入っていく・・・。


クラージュ「グッ・・・・・・」




剣の痛みに筋肉が収縮する・・・。

頭痛が止まらない・・・。

血が溢れる・・・。

気が遠くなる・・・。


血の流れが感じられなくなる・・・。


頭痛が治まる・・・。


筋肉が緩む・・・。



力が抜けていく・・・。



剣が持てない・・・。





息が出来ない・・・。





目が見えない・・・。













もう・・・・


















生きれない・・・・。












ヤスノV「ク、クラージュさんッ!!!しっかりしてッ!!!!」

精一杯の叫びも虚しく・・・ヤスノVの声は最早クラージュには届いていない・・・。


すでに「聴覚」は死んでいるのだ・・・。





それでも、クラージュは震えながら・・・目が見えなくとも・・勘を頼りに血で濡れた手をヤスノブの頬へと伸ばす・・・



血の涙を流して・・・




ヤスノブに・・・・




言った・・・。




クラージュ「ゴ・・・メンな・・・ヤスノ・・ブ・・・父さん・・・マタ、お前を・・・・守れなくって・・ゴメンナ・・・・。」






クラージュの五感が完全に奪われてしまう・・・。


それをセルティックは見届けると剣を持つ手にグッと力を入れ、ほくそ笑む・・・。



ズズズズズズ・・・・・



クラージュの前に立っていたヤスノブは無情にもドロドロと姿を変えてセルティックへと戻っていく・・・。


最後の最後まで、クラージュが思い続けた「ヤスノブ」は黒い粘土から闘気になって・・・

黄泉の剣へと吸い込まれる様に消えていった・・・。






ヤスノV「う・・・うぁぁぁ・・・・」

よだれ丸「・゜・Σ(つД`)・゜・。」



意識無く・・・屈み込むクラージュの体を「黄泉の剣」で貫きながら、

手元に戻った「マスターブレイド」を、左の手に取ると笑顔を見せるセルティック・・・。



勝ち誇った顔で、吐き捨てるようにクラージュに言った・・・。






セルティック「貴様の秘剣は貰った・・・。」







愉悦に浸り、目を閉じるセルティック・・・。


ヤスノV「ど、どういう事だ・・・?秘剣を・・・貰う・・・?」

よだれ丸「(´Д`;=;´Д`)??」



セルティックの意味不明な言葉に疑問を抱いたヤスノVがセルティックに問いかける!!


ゆらりとヤスノVの方を振り向くと手で顔を覆って笑い上げた・・・。



セルティック「はっはっは・・・俺の特殊能力は「斬った生物のスキル」を奪う事ができるのさ!!!!」


ゑゐ「!!!」


ヤスノV「なんだと!?そ、それじゃ・・・」



セルティック「そうだ・・・魔の闘気が「秘剣、メガクロス」を使えたのは「ヤスノブ」を斬り殺したからさ・・・。
そしてクラージュを斬り殺せたお陰で念願だった「クラージュの秘剣」も手に入った・・・。
見た事のある技しか使えないのが「欠点」だが・・・クラージュの秘剣は一度見た事がある・・・。」


ヤスノV「じゃぁ・・・やっぱりさっきのヤスノブくんは・・・」



そう、先程のヤスノブは勿論・・・偽物である・・・。



性格をヤスノブに似せて「セルティックが話していた」のである・・・。



セルティック「クハハハハ・・・最強を誇ると言われたクラージュ家もこれで全滅だッ!!

今後は俺が『剣聖』となり、このイデアを支配してやるッ!!」



血塗られた剣を持って高らかに勝利の声を上げるセルティックだが、あまりに・・・・あまりに非道い所行!!!


ギラリとヤスノVに目を向けるとセルティックの辻斬りの犠牲者、たけやすを思い返してヤスノVに言った・・・。


セルティック「ちなみに「たけやす」だったか?奴のスキルも吸収したが・・・「大した技」を見る前にヤッてしまったからなぁ・・・
       「小技」など使う価値もない・・・!!!」


ヤスノV「く・・・ぐぐぐ・・・・」


手を強く握り締めるヤスノV・・・。


友、たけやすの悪口に怒りが込み上がる。




ヤスノV「なんでッ!!!なんでここまで酷い事が出来るんだ!!セルティックッ!!!お前の「主」だったクラージュさんを・・・」



セルティック「黙れ!!!キサマにナニガ解る!?10年前の「戦争」で全てを失ったこの俺の・・・ナニガ解る!!!」


ゑゐ「!?」



感情を込めて、ヤスノVの問いかけを聞き終えるのを待たず腕を大きく振る!!!


憎しみに満ち溢れ、狂気に堕ちたセルティックの目に・・・涙が浮かんでいく・・・。



ヤスノV「!!」



セルティック「グぅぅーーーッ!!!」


胸を押さえつけて息を荒げ・・・怒鳴り上げるセルティックの体が小刻みに震える・・・。

何かの苦しみに耐えながらも・・・力強くヤスノVに言った・・・。


セルティック「元々「男爵」だった私の家系の者は「ドルイ戦争」の初日に全員亡くなってしまった!!!
にも拘らず!「クラージュの家系」はどうだ!?死人など一人も出ず!!生き残っている!!!
真面目に戦った「我がルードリッヒ男爵家」は初日に滅亡・・・。
なのにクラージュ達は・・・・クラージュ達は・・・・のうのうと生きてきたのだぞ!?」


ヤスノV「・・・・」


眉を吊り上げながら、頬を痙攣させてセルティックを見つめ続けるヤスノV・・・。


セルティック「オレは「男爵の誇り」を捨てて・・・生き残ったクラージュ達へ「復讐」する為に今日まで生きてきたのだ!!
       使用人になりッ・・・あの時の悲しみを心に秘めて・・・今日まで・・・今日までッ!!!この男に仕えてきたのだ!!」


歯を食いしばり、感情をむき出したセルティックの言葉に「偽り」は無い・・・。


「ドルイ戦争」の犠牲となった貴族は数多いがセルティックの家系もまた、その一つだったようだ・・・。


「無敗」を誇る「公爵、クラージュ家」の力を恨み・・・セルティックは憎しみを覚えて今日まで生きて・・・

「復讐」を行ったのだ・・・。


ヤスノVはセルティックにゆっくりと向かっていく・・・。


セルティックに向けた、その「眼差し」は「哀れみ」も「同情」も無い・・・。

ヤスノVのセルティックを見つめるその目は・・・「魔物」を見つめる目・・・。



ヤスノV「お前の気持ちなんか・・・解ってたまるか・・・セルティックッ!!!」


セルティック「ナンダト・・・・」


セルティックの声が又、「高く」なっていく・・・人とは思えない程「高い声」・・・。



ヤスノV「あんたの「家族」を奪ったのは「クラージュさん」じゃない!!!

「戦争」だろうがッ!!!「お門違い」な事言ってるんじゃねぇよッ!!!」



セルティック「ギギギギギギ・・・・・・」






ヤスノV「お前のは「復讐」なんてカッコいいもんじゃない!!!唯の「妬み」だーーーーッ!!!」



セルティック「ギギギギ・・・・ヒヒヒヒヒヒ・・・・ソレナラ・・・ソレデモ・・・構わなイ・・・。」



セルティックの言葉に怒髪を上げるヤスノV・・・。


しかし・・・・



ゑゐ「許せないです!!許せないのです!!!!」


ヤスノV「ゑ、ゑゐくん!?」

セルティック「・・・・?何が許せナいノダ・・・?」



槍を力強く握り、大声を上げるゑゐ・・・。



セルティックに向かって涙を流してこう言った。



ゑゐ「復讐にヤスノブくんの姿を使うなんて・・・卑怯なのですッ!!ヤスノブくんのパパさんの心を傷つけて・・・」



セルティックの所行を許す事ができないゑゐは額に血管を浮き立たせる!!

興奮するゑゐの言葉を言い終わるのを待たずにセルティックは笑って言った。



セルティック「ククク・・・死人を「手札」として『使用』するのは俺の勝手ダ・・・。」


ゑゐ「な、なッ!?」

ヤスノV「やめろッ!セルティックッ!!「死人」なんて・・・言うなッ!!」

セルティックの許せない発言に怒りを露わにするヤスノV。


よだれ丸「Σヾ(`Д´;)」




「死人」





『心の中でヤスノブ』は生きているとヤスノVに元気付けられたゑゐにとってそれは「許せない発言」。




ゑゐ「ヤ、ヤスノブくんは死んでなんかいないのですッ!!こ、「心の中」で・・・話しかけたら答えてくれるのですッ!!!」



その時、セルティックの言葉にゑゐが涙を流して挑み掛かったのだ!!!



ヤスノV「なっ!?ゑ、ゑゐくん!!!?」



セルティック「 !!!!!!!!!! 」


ビクッ!!


しかし、ゑゐはセルティックの「一睨み」で動けなくなる!!



まさに「蛇に睨まれた蛙」とはこの事である・・・。



よだれ丸「ハァハァ(´Д`;=;´Д`)」



ヤスノV「止めろッ!!!お前の相手は・・・俺だ!!!セルティックッ!!!」



汗を垂らしてヤスノVがセルティックに怒鳴り上げる・・・。


するとセルティックは大きな溜息をついてゑゐに蔑んだ眼差しを向けて罵声を浴びせる・・・。



セルティック「ふん・・・ナニモデキナイ餓鬼のクセに・・・イキガルナ・・・。ヤスノブはもう死んだノダ。

『心の中で生きる』?馬鹿もここマデ来ると死ななければ治らないダロウなァ?」


セルティックの挑発がゑゐの心に襲いかかる!!


歯を食いしばりながらもヤスノVは、ゑゐを止めようと両肩をグッと抱える・・・。


しかし、ゑゐは震える両手をグッと握りしめて・・・ヤスノVを振りほどきセルティックに向かって飛び出したのだ!!!



ヤスノV「なっ!?(ゑゐくんの何処にこんな力が!?)」


あまりに力強いゑゐに目を大きく開けるヤスノV・・・。






慌ててゑゐを引き留める為に「ヤスノブースター」に履き替えたが・・・


ヤスノV「な、何ッ!?」



ヤスノVの影からセルティックの「粘土」が絡みつく!!

ヤスノVは動きを封じられてしまったのだ!!!



ゑゐ「う、うるさいですッ!ヤスノブくんは生きているのですッ!!!「裂槍三連撃」!!!喰らうのですッ!!!!!」


セルティック「クックック・・・俺ノ『処方箋』は『特効』ダゾ?」


ヤスノV「や、やめるんだ!!!ゑゐくんーーーーーッ!!!」


セルティックは両腕を広げて・・・笑顔でゑゐを迎え入れる!!!





ゑゐ「ゑゐッ!!!ゑゐッ!!!!をーーーーーーッ!!!!!!」



バシュッ!!!バシュッ!!!!!ズバーーーーーッ!!!!!!





ゑゐの掛け声と共に強力な三連撃が無防備のセルティックにHITする!!!!



しかし、残念ながらセルティックの強固な肉体の前には「おもちゃの槍」が通用する事はない・・・。


おもちゃの槍は刃が一気に欠けて使い物にならなくなってしまう!!


セルティック「モウ、オシマイカ?『手札』にもナレない『クズ札』が・・・。」



バキーーーッ!!!!

ヤスノV「あぁっ!!ゑゐくんーーーーーッ!!!」


バキッ!!!


ゑゐ「グゥッ・・・!!!」



セルティックに蹴り込まれ、森の木に強く体を打ち付けるゑゐ・・・。


意識は朦朧として、動く事が出来なくなってしまった!!!


セルティック「サァ・・・あの餓鬼をコロセ・・・オマエがコロシタ方が・・・悦ぶゾ?ヤスノブ・・・?」



そういうとセルティックはまたもや「粘土」を放出してヤスノブを作り出す・・・。


ヤスノブ「そうだね・・・。ゑゐくんは友達だったけど・・・正直ウザかったんだ!!!もう、殺した方がいいよ!!!」


ヤスノブが口にするには「あり得ない言葉」・・・。



セルティックが話しているのだが・・・あまりに非道い・・・。


ゑゐは涙を零して・・・消え入りそうな声でヤスノブに反論する・・・。


ゑゐ「こ、この・・・偽物・・・ヤスノブくんの方が・・・10倍・・・強いです・・・。」



セルティック「!!な、何だと?糞餓鬼ィッ!!!もう一度言ってみろ!!!!!」



急に我に返った様に「いつものセルティックの声」に戻って感情を露わにする・・・。



セルティック「こ、この俺がヤスノブよりも弱いだと!?ヤスノブよりもッ!?俺はッ!!俺はッ!!あいつに勝った男だぞ!!?」



歯を剥き出して赤い目を光らせるセルティック・・・。


手には過剰に力が込められて・・・形相は最早・・・人には見えない程、歪んでいる・・・。







ゑゐ「ヤスノブくんを背中から斬ったのも・・・パパさんをあんな方法で殺したのも・・・全部、「弱い」からです・・・。」














セルティック「黙れ・・・黙レ!黙レ!黙レ!黙レ!黙レ!黙レ!黙レ!黙レ!黙レ!黙レ!黙レ!黙レ!黙レ!黙レ!黙レ!黙レ!黙レ!黙レ!黙レ!黙レ!黙レ!黙レ!黙レ!黙レ!黙レ!黙レ!黙レ!黙レ!黙レ!黙レ!黙レ!黙レ!黙レ!黙レ!黙レ!黙レ!黙レ!黙レ!黙レ!黙レ!黙レ!黙レ!黙レ!黙レ!黙レ!黙レ!黙レ!黙レ!ーーーーーーーーーーーーーーッ!!!!!!!!!!!!!」


図星を指されて・・・上半身を仰け反らせて狂気に吠えるセルティック!!!

このままでは最悪の展開に・・・・


GEIZU、クラージュに続き、ゑゐまでもセルティックの凶刃の餌食になってしまう!!!!



ヤスノV「く、クソッ!!!よだれ丸ッ!!!なんとかしてって・・・おまえもかッ!?」


よだれ丸「・゜・粘土→■■■(ノД`)ノ・゜・。」


よだれ丸までも「粘土」の下敷きになって動けなくなっている!!


よだれ丸の「よだ・レーザー」を頼ろうにもセルティックとは180度反対の方向を向いているので止めようがない!!!




セルティック「ヤッテシマエ!!!ヤスノブッ!!!その身を「ケモノ」と変えて奴を食い殺せ!!!!」


ヤスノブ「あはッ!!任・セ・・デーーーェーーッ!!!」


セルティックが「甲高い声」で偽者ヤスノブに指示を出す。



するとヤスノブの口が耳まで裂けていき、化け物の様に爪を伸ばし出す・・・。

目の瞳孔は黄色く光り、最早ヤスノブには似ても似つかない化け物になる!!



「弱った獲物に飛びかかるケダモノ」の様にゑゐに飛びかかった!!






ヤスノV「も、もう・・・・この技しかない・・・!!!」






ヤスノVの脳裏に過ぎるのは・・・・









その場を動かなくても・・・遠くの敵を切り裂く「あの技」・・・・












幾度と無く失敗している・・・







ヤスノブーム・・・








ヤスノV「・・・・・・・・・・」


しかし、ヤスノVはいつもの様に剣を夜空に構える事はない・・・。




静かに目を閉じ、剣にJPを込めて・・・それを溜め込んでいく・・・。







ヤスノV「(前におけなさんに言われて・・・この技が出ない理由・・・確信が持てた・・・・・・。)」








『ヤスノブームが出ないのは・・・メンタル面で問題がある様な気がするんだが・・・やすのぶくん・・・。』










ヤスノV「(そうです・・・。うすうすは・・・気付いていました・・・











『やすのぶくん・・・?どうして私が教えた「クロスソード」を使わないのだ・・・?』







ヤスノV「(すいません・・・。クラージュさん・・・。実は・・・約束だったからなんです・・・)」










『もう・・・あの男の技は使うなよ・・・わかったな・・・?』









ヤスノV「(使ったら兄ちゃんが・・・もう帰ってこない様な気がしてた・・・。心の何処かで使うのを・・・・いや・・・『混ぜる』のを拒否してたんだ・・・。でも・・・ごめん・・・兄ちゃん・・・俺、使わないと「守りたいもの」を守れないよ・・・。)」











『やすのぶッ!!スキルを混ぜるとスゴイ技になるんだ!!やすのぶの兄ちゃんの「ふっきい」もスキルを混ぜてるんだぞ!!』









やすのぶ「(はい・・・僕も剣を持つ様になって・・・やっとその『意味』が解りました・・・。)」









『俺は必ず帰ってくる!!心配するな!!!ヤスノVッ!!!』





『混ぜ込め!!ヤスノVッ!!お前なら出来る!!「ヤスノブレイダー」「ヤスノブレイク」そして「俺の技」を・・・。』







『混ぜ込めーーーーーーーーッ!!!!』







「ふっきい」と「青いマントの男」の声がヤスノVの脳裏を駆け抜ける!!!!!!



それに答える様にヤスノVは・・・咆吼したッ!!!!!!



ヤスノV「ウオォォーーーーーーーーーーーーッ!!!!!!」








ゑゐの目前まで飛びかかるヤスノブ・・・・。






恐怖のあまり思考が止まってしまう・・・





だが、とっさに・・・頭に浮かんだ言葉を・・・・・涙を流し、精一杯大きな声で・・・・









ヤスノブ、セルティックに怒鳴り上げる!!!!










ゑゐ「『正義』は・・・絶対に負けないのですッ!!!!!」









・・・ヒュ・・ッ・・・・・






セルティック「バカメッ!!!「正義」ナド!!!!コノ世のドコにモないッ!!!!」












!!!!!!!!!!ズパッ!!!!!!!!!!!!





ゑゐ「!!!!????」





ヤスノブ「                       」







何も聞こえなかったのに・・・・



何も見えなかったのに・・・・・








襲い掛かるヤスノブが突然・・・目の前から何の前触れも無く、消え失せた事に目を白黒とさせるゑゐ・・・。


セルティック「ナ・・・なンダ・・・?」


脳が処理をしようとしても「知識」の中にないに現象に「思考」が不能になる・・・












常識では考えられない「ヤスノブという存在の消失」・・・











脳に刻まれた全ての「知識」を覆す光景に・・・


セルティックの心の中に「恐怖」が満ちていく・・・。





ヤスノV「・・・・・・・・」



剣を振り上げて・・・ただ、ヤスノブの消えた場所を見つめているヤスノV・・・。

その姿に「技」を出した後と感じ取ったセルティックが・・・愕然としてヤスノVに問いかける!!


セルティック「キ、貴様・・・何ヲシタ・・・?

ソノ距離・・・15mハ有ル筈・・・。魔法使イデモナイキサマニ・・・何ガ出来タトイウノダ・・・?」




ヤスノVはキッとセルティックを睨みつける!!


今までの「ヤスノV」とはまったく質の違う「研ぎ澄まされた闘気、JP」を溢れかえらせて・・・








セルティックに言った・・・。








ヤスノV「ヤスノV・・・・『ヤスノブレンド、「その1」』・・・。」








ゑゐ「ヤ、ヤスノブレンドッ!?」










『混ぜ込んだスキルは・・・「脅威」を発揮する・・・。』











「青いマントの男」の声が・・・ヤスノVの脳裏に過ぎる・・・。











                     今、ここに・・・・・











                     イデアツーリストのヤスノV・・・・













                     『ヤスノブレンド、「その1」』・・・・




























ヤスノV「『ヤスノブーム』ッ!!!!!」


















                     ・・・・・開・・・眼・・・・・





セルティック「ヤ、ヤスノブームだとッ!!?」




ゑゐ「す、すごい・・・。」








バンッ!!!!





怒鳴り上げた直後、足元の粘土を引きちぎる様に飛び上がるヤスノV!!!







セルティック「バカメッ!!!ク、『クズ札』の貴様ナドガ・・・俺にカナウ訳ガ・・・ナイノダーーーッ!!!」



そう怒鳴り上げると、セルティックの体が一気に膨れ上がっていく!!!






肌の色は「緑」に変色していき、口から吐き出される「青い煙」がセルティックの体に纏わり付いていく・・・・。


目は赤く澱み・・・ミキミキと耳の先が尖っていく・・・。


薄汚れた「闘気、JP」、禍々しい「黄泉の剣」と「血で汚れたマスターブレード」を両手に構え、


「殺意」と言う意識だけを残して・・・他の意識を忘却させていく・・・!!!




その姿は最早、「異形の者」!!!!



ヤスノV「!!!」




その「異形」の姿を直視したゑゐは「異形の名前」を大きな声で張り上げた!!!





ゑゐ「そ、その姿は・・・・ま、まさか・・・「グリーンゴブリン(オーラつき)」ッ!!!!」



セルティック「キキキキキキ・・・・ワレハ最早ヒトニアラズ・・・。コノ「力」ヲ・・・モッテ・・・イデアニ君臨スル・・・。」




ヤスノV「・・・・させるかーーーーーッ!!!!」





魔物と化したセルティックに挑むヤスノV・・・。


ヤスノブースターを限界まで使用して空高く跳び、「空中」で戦いが繰り広げられる!!!




「殺し合い」と呼ぶに相応しい「必殺の一撃」の応酬に息を呑むゑゐ・・・。


よだれ丸「ヾ(´Д`;=;´Д`)ノシ」

未だ、粘土から開放されないよだれ丸がヤスノVを助けようとジタバタしている・・・。


ゑゐ「ぼ、僕も・・・できる事をしないとです・・・。」


よだれ丸「(´Д`;)(。。;)(´Д`;)(。。;)」


体に痛みを覚えるゑゐが奮起して・・・体を起こし上げる・・・。


よだれ丸「   ヾ(´Д`;)■■」

よだれ丸はゑゐに手招きをして「粘土からの開放」を要求する・・・。




しかし、ゑゐはよだれ丸の方は見向きもせずに、GEIZUの方へ向かって行った・・・。



よだれ丸「Σヾ(゜Д゜;)!!」


微妙に「忘れられている」事に驚く!!


ゑゐ「初めてだから出来るか解らないです・・・でも・・・成功させないとですッ!!!」



ゑゐはGEIZUの胸に「手の平」を押し当てて「詠唱」を始めた!!



ゑゐ「傷つきし心を癒しの光にて・・・キュアですッ!!!」


よだれ丸「Σ(ノ゜o゜)ノ!!」

手の平から発せられる「柔らかな光」がGEIZUに降り注ぐ・・・。

GEIZUの体の回復を見ると今度はクラージュの方へと走って行った・・・。


ゑゐ「今度はクラージュさんですッ!!起きて下さいですッ!!起きて下さいですッッ!!!」


泣きながらクラージュに回復魔法を掛け続けるゑゐ・・・。



よだれ丸「ジタバタ・・・ヽ(;`口´)シ」

よだれ丸もゑゐの健気な姿を見て、必死に自力で脱出を試み始めた・・・。



・・・・・・・・・・・・・・・


少しずつ落下しつつも、空中で激しい攻防を繰り広げるヤスノVとセルティック・・・。


ヤスノVも「ヤスノブレンド」を開眼したとはいえ「JP」を溜める暇がないので「大技」を使えない!!



今まで覚えた「小技」を応酬している!!!


セルティック「クックック・・・「足の踏み場のない空中」デハ「ヤスノブランチ」は使エマイ?」


ヤスノV「クッ・・・・だったら・・・「ヤスノブラボー」だッ!!!」


ヒュヒュヒュヒュヒュ・・・・・



「残像を含む剣撃」を5つ発生させて、「5方向」からセルティックを狙うヤスノブラボー・・・。



しかし・・・


剣が通る軌道上に「黄泉の剣」をサッと構えるセルティック!!


セルティック「クックック・・・」



ヤスノV「うっ・・・うわっ!!」


剣に触れたら「波動」が襲い掛かる為に十分な攻撃を仕掛ける事が出来ない!!!



しかし!!その隙を見逃さないセルティックッ!!!


セルティック「バカメッ!!!!フンッ!!!!!」


セルティックは体を捻りヤスノVの頭上に移動、左手に持つ「マスターブレイド」で思いっきり・・・

ヤスノVの「胸」を斬り付けようと目標を定める!!!

その技は・・・幾度となく「人を傷つけてきた」セルティックの我流剣技・・・。





セルティック「シネッ!!!我流ッ!!!「ブラックジャック」ーーーーーーッ!!!!!!」




ヤスノV「っ!!」



避ける事が出来ないセルティックの剣撃・・・。

ヤスノVの思考が高速で「迎撃方法」を計算する・・・。







ヤスノV『(闘気を溜めて発生させる「ヤスノブーム」は振り遅れる・・・。




「ヤスノブレイク」も「クロスソード」も・・・力を溜めるのに時間が掛かるから威力が不十分・・・。




地面を蹴って分身を発生させる「ヤスノブランチ」は使えない・・・。




攻撃命中率UP用の「ヤスノブラボー」はここでは意味を持たない・・・。




剣を飛ばす「ヤスノブーメラン」では、セルティックの「2撃目」に耐えれない・・・。)』




使っていない技は・・・もう「一つ」だけ・・・。


しかし、それは「剣士の最も基本的な技」である・・・。






セルティックの技にとてもではないが対抗できると・・・思えない・・・。



ヤスノV「(チクショウッ!!!発生が一番早いのは・・・・これしかないッ!!)」



せめてセルティックの「ブラックジャック」を体に受けながらも『相打ち狙い』で「セルティックの気脈」を見つめようとした・・・。







その時ッ!!!






ヤスノV「!?(こ・・・これはッ・・・!?)」










・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


ドルロレ・・・テリィの家・・・。


何事もなく・・・ゆったりまったりと夕食を取り終え、リビングでくつろぐテリィ。


あくびをしながら「本」を読んでいる・・・。


食器を洗い終えた奥様が、食後の「デザート」を持ってくるのを待っているようだ・・・。






ビート「ちょっと!!テリィッ!この冷蔵庫で冷やしてる「アイスクリーム」・・・ものっそい「硬く」なってるよ!?」

純白のエプロンを着けた奥様がトレイの上に乗せて持ってきたのは、レンガのような形をしている「アイスクリーム」。



しかし、冷凍温度が低すぎたのだろうか?


レンガのような形をした「アイスクリーム」が、レンガのように硬くなってしまっている!!!


テリィ「あぁ・・・やすのぶくんの修行で温度下げたままだった・・・。こりゃビートは食べるのは無理かなぁ?」


銀のスプーンでコンコンっとアイスクリームを突っつくテリィ・・・。



キンッ・・・キンッ・・・・






スプーンの跡すら付く事がなく、コンコンと叩いたはずのアイスクリームからキンキンと鉄琴の様にいい音が聞こえてくる・・・。






その鉄琴の音に、テリィの奥様「ビート」は眉をしかめてテリィに怒鳴り上げた!


ビート「『私』は食べれないッ!!?もうッ!バカっ!!こんなに「硬く」したら誰だって食べれないわよ!!!」


ビートの大きな声がテリィの家に響き渡る!!


蒼い髪を靡かせつつも、それをサッとかき上げて・・・プンッと顔をテリィからそらすビート・・・。


ビートの怒る表情に口を尖らせるテリィは・・・、


小さな声で反論しながら「銀のスプーン」をアイスに向けて構える・・・。


テリィ「そうでもないよ・・・?ここで修行してた「やすのぶくん」だってこれを食べたのに・・・」





ズガッ!!!!!



ビート「エッ!?」


テリィ「ね?」


思いもしない「大きな音」に驚くビート!!


思わず、テリィに問いかける!


ビート「いッ!?今、何したの??テリィ!?」



レンガのように・・・鉄琴の様に硬かったアイスクリーム・・・。


しかし、テリィは一瞬にしてそれを掬い取ったのだ!!!



スプーンの上にはアイスクリームが「一口大の大きさ」で乗っかっている!!



テリィ「はっはっは・・・魔法使いのビートには解らないだろうが・・・どんな「モノ」にでも「弱点」や「狙い目」があるんだよ・・・。」


テリィは掬い取ったアイスクリームをゆっくりと自分の口へと運んでいく・・・。




ズガッ・・・・



テリィ「これを極めると、どんなに「硬いアイス」でも難なく掬える・・・食事奥義「千手観音」さ。」


どっちにしても「食べるだけ」なのに・・・なんかカッコイイ名前が付いている。



というよりも少し時間が経つのを待って「溶けて柔らかくなる」のを待つ方がいい様な気もする・・・。




ビート「まったく・・・そんなくだらない食べ方、「開眼」してないで・・・また「料理本」でも書いて儲けてちょうだいッ!!
家計を預かってるのは私なんだからね!?」


テリィ「はっはっは・・・まぁ、また近い内に「本」を出すから・・・怒らないでくれよ・・・。」


テリィは笑顔でゆっくりとビートの口へとアイスクリームを運んでいく・・・。


ビート「・・んっ・・・・ふふふ・・・美味し・・・。」


両手を頬に押し当てながら嬉しそうにアイスクリームを食べるビート・・・。


上手くはぐらかされている事には気付いてはいなかった・・・。








テリィ「「フードファイター」を極めた者・・・・・・それは「あの技の極み」に至る事を意味する・・・。


やすのぶくん・・・「剣士」として君が使う「あの技」はこれで・・・「極み」に入った筈だ・・・。」







やすのぶに「フードファイター」の修行しかしていなかったテリィが窓の外を見つめて不敵に微笑む・・・。



満月を見つめながら・・・弟子、やすのぶの事を思い出していた・・・。












・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・








・ ・・・・・・・・・









ヤスノV「(け、『剣の気脈』が見えるッ!?)」



ヤスノVの目に・・・「生物の気脈」以外に『剣の気脈』が見える事に驚く!!!



そう!!


テリィの修行の結果、「剣技ウィークターゲットのヤスノV版、ヤスノブレイダー」は「人体の気脈」以外にも・・・



『物質の気脈』を見る事が出来るようになったのだ!!



剣だけではない!!!

セルティックの着ている「服」にも同じように「気脈」が見える!!!



ヤスノV「(これ、テリィさんの家で・・・レンガみたいなアイスクリームを食べた時と同じッ!!?)」




セルティックの「マスターブレイド」に「一筋の光」を見つけるヤスノV・・・。




溢れかえる感謝の言葉を上げながら・・・それを狙って剣を振り下ろした!!!!








ヤスノV「有難う御座いますッッッ!!!テリィさんッッッ!!!!」




セルティック「バカめッ!!!ソノ技は「剣」には適用サレナイゾーーーーーーッ!!!!!!」




ガァァーーーーーーーーーンッ!!!!!










ヤスノVとセルティックの声が泉、森を突き抜けて!!!大きく木霊する!!!!






一本の剣が破壊されて・・・静かに刀身が泉に落ち、沈んでいく・・・。





そして・・・それと同時にヤスノVとセルティックがお互いに背を向けて地面に着地した・・・。



折れたのは・・・・・





セルティック「バ、バカナッ!!!!何故・・・マスターブレイドがオレルッ!?斬レ味は悪ケド・・・超硬質のコノ剣が・・・ナゼッ!!」

ある筈の刀身が無残に折れて無くなり・・・驚くセルティック・・・。


不可解な出来事をあまりに多く目の当たりにする「今日という日」に汗を垂らす・・・。



ゑゐ「す、すごいですッ!!!あの剣を・・・折ったです!!!」


クラージュに回復魔法を使いながら歓声を上げるゑゐ・・・。


よだれ丸「(*´▽`*)ノシ」


粘土に埋もれながら、よだれ丸は主人の勇姿に笑顔で腕をブンブン振る。



ヤスノVは誇らしげにセルティックの方を向いて・・・カッコ良く?剣を構えてこう言った・・・。




ヤスノV「  秘剣「ヤスノ・・・ブレイディスト」・・・・・・・」



ヤスノVが使用する中で、最も弱かった技「ヤスノブレイダー」・・・。



その「進化形」として発した「技名」だが・・・


なんとテリィとの「フードファイターの修行」で「秘剣」を既に一つ、開眼していたのだ!!!



部長クレスもこれを理解していたからこそ・・・「ま、いっか!」と言ったのだ!!!!!




セルティック「オ、オノレ・・・調子に・・チョウシニ・ノルナーーーーーーーー・・・!!!!!」


刀身の無い、折れたマスターブレイドを泉に放り投げて「黄泉の剣」だけでヤスノVに襲い掛かるセルティック!!


ヤスノVは怒声をあげて向かってくるセルティックを迎撃しようと剣を構える・・・



しかし・・・・






ヤスノV「ナッ!!???」


原因不明の眩暈に目の前が暗くなる・・・。








・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・







ビートと共にアイスを食べ終わったテリィ・・・。


アイスクリームの食器を笑いながら見つめ・・・脳裏で「千手観音の弱点」を思い返す・・・。



テリィ「(しかし・・・「千手観音」は・・・「JP」を異様に使うから「栄養」を取りながらじゃないと・・・
一発で滅入ってしまうのがダメな所なんだよな・・・・。)」



結局、「食事の時」しか使えない「千手観音」・・・。



使えるようで微妙に使えない技であった・・・。





・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


午後9時・・・クラージュ邸宅・・・。


誰かに「ささ」をかけ終えたモカが「ヤスノブのSS」に祈り続けるtomimariに話しかける・・・。


モカ「奥様、「依頼及び通報」・・・完了しました・・・。」


tomimari「ありがとう・・・モカ。これでイデア国外に「逃亡」は出来ないわね・・・GEIZUも・・・。」


未だに「犯人」がGEIZUと思っているtomimari達・・・


どうやら「国外逃亡」を出来ないように「国家警察」と「自警団」に連絡をして「緊急配備線」を引いたようだ・・・。

tomimari「奥様・・・「吐き気」の方はもう・・・大丈夫ですか・・・?」


心配そうに問いかけるモカ・・・。


tomimariはソファーへと移動するとへたり込む様に座り込む・・・。


余程「具合」が悪いようだ・・・。


しかしtomimariは唇をグッと噛み締めると息を整えてモカに笑顔を見せる・・・。





その時!!!






パーーーーーン!!!!!







tomimari「何ッ!?」


夜にもかかわらず!!!


大きな音と共に屋敷中の窓から「眩いばかりの光」が差し込む!!!






モカ「花火・・・?い・・いえ!「信号弾」!?」


イデア中を明るくする程の信号弾!!!!



誰が放ち・・・一体、何を意味しているのであろうか・・・・?




モカ「一体・・・何が・・・?」



「信号弾」の持つ意味が理解できない二人だが・・・



すぐにその理由を知る事になる!!!








フッ・・・・・





tomimari「!? や、屋敷中の灯りが・・・?」




モカ「き、消えたッ!!??」



一瞬で闇に包まれる「クラージュ邸」・・・。



バリ、バリバリ、バリバリバリーーーーーンッ!!!



その時、突然ロビーの窓ガラスが次々と割れる音がする!!!!


モカ「ッ!?」


tomimari「な、何者ッ!!?」


闇に視覚を封じられながらも、床が幾度も大きく震えて「多数の侵入者」が入ってきたと理解するtomimariとモカ!!!



満月の月明かりのお陰で「侵入者の影」がうっすらと見える・・・。


その足元には、あまりに多く群れた「黒おおかみ」の姿がある!!!



50匹を超える黒おおかみを従える侵入者、月明かりに微笑む「侵入者」の顔が僅かに見えていく・・・。



その顔は「人間」ではなく・・・「狼」の顔・・・。



『狼戦士』が侵入してきたのだ!!!





闇に紛れながら、紳士的な低い声でtomimariの質問に答えてきた・・・。




ランバート大佐「はじめまして・・・ご淑女方・・・。私めの名はランバート・・・。今宵、tomimari様の身柄を奪いし者です・・・。」


ニヤリと笑い、気品を溢れさせて自己紹介をするランバート大佐・・・。


モカ「なっ!?奥様を奪いにって・・・・」


tomimari「私を拉致してどうするというのです・・・?」


毅然とした態度でキッとランバート大佐を睨み返すtomimari・・・。



ランバート大佐は含み笑いをしながら、少しずつtomimariに近づいて答える・・・。



ランバート大佐「我々の崇める「神」の復活に是非、「聖なる涙」を持つ貴女に御協力頂きたいのだ・・・。
あぁ・・・なに・・・淑女相手に乱暴を働く気は毛頭ないのでご安心を・・・」


tomimari「せ、「聖なる涙」・・・・何故それを!?」



『家族』にしか喋っていない秘密にも関わらず、ランバート大佐から出た言葉に息をのむtomimari・・・。



モカ「よく分らないけどッ・・・うるさいわよッ!!私の主ッ!tomimari様に近づくんじゃないわッ!!!」



モカは大きくランバート大佐に怒鳴り上げると指輪を付けている手を空へと上げる!!


眩い光が闇に沈んでいたクラージュ邸を明るく照らし上げた!!!


黒おおかみ「ギャウッ!!!!」


ランバート大佐「ほぉ・・・変身・・・ですか・・・?」





シュシュシュ・・・・





光に紛れてランバート大佐に攻撃するモカ♪!!


ランバート大佐はそれを一瞬で受け流すと後退して、モカを見つめる・・・。



紅い「レイピア」に白い「天使の鎧」を身に付けたモカ♪!!



ランバート大佐を睨みつけて怒鳴り上げる!!




モカ♪「奥様に仇成す「不埒者」めッ!!「聖剣士モカ♪」の名においてッ・・・排除するッ!!」




ランバート大佐「はっはっは・・・・・・手癖の悪い使用人ですな・・・?」


ランバート大佐は指をパチンと打ち鳴らすとランバート大佐へと向かっていこうとするモカ♪の邪魔をするように・・・



50匹を超える黒おおかみが一斉に、モカ♪に襲い掛かった!!!


黒おおかみ達「ガルルルルーーーーーーーー」


双頭をもつ黒おおかみは だらしなく舌を出しながらヨダレを撒き散らす!!




モカ♪「邪魔よ・・・・」





モカ♪の表情は常に冷静・・・。




レイピアにJPを込めて大きな声を上げる!!!






モカ♪「刺殺ッ!!「エスプレッソ」!!!!」



超速のモカ♪の剣技、「エスプレッソ」から放たれたレイピアは黒おおかみを次から次へと刺し殺していく!!


最小限度の突きの動作は正に隙を見せることは無い・・・。



黒おおかみ6匹を刺し殺したモカ♪の剣技を見るや否や、手を引き戻し大きな声で指示を出す・・・。


ランバート大佐「PULLッ!!!!」



ササササッ・・・・・


モカ♪「っ・・・!?」


ランバート大佐の指示で一気にモカ♪から離れる黒おおかみ達・・・。


普通の黒おおかみよりも「統制」が取れている事が一見して解る!!


モカ♪「こ、こいつ等ッ!!!」



tomimari「気をつけなさいッ!!モカ♪ッ!!!私も援護します!!!」


そういうとtomimariは外した指輪を両手で包み込む様に手の平の上に載せる・・・。



指輪は光り輝きながら「剣」の形が形成されていき・・・tomimariの手元に舞い降りる・・・。




tomimari「この聖剣、エクスカリバーで貴方を倒すッ!!ランバートッ!!!」





ランバート大佐「私の目算誤りか・・・やれやれ・・・大事な「兵」を6匹も・・・」



大きな溜息をつくランバート大佐・・・。




目を瞑りながら、腕を上げて「何もない闇の中」をグッと握るとモカ♪に向かって・・・・


にっこり微笑み優しく語りかける・・・。



ランバート大佐「はっはっは、お強いですね、モカ♪?




貴女を瀕死にした後、「狼の丸薬」を飲ませて・・・・




『私の妻』にしてあげましょう・・・。




喜びなさい・・・。只の使用人の貴女が「シンデレラ」となれるのです・・・。」




モカ♪「じょ、冗談じゃないわッ!!アンタみたいな「魔物」なんて願い下げよっ!!」




tomimari「えぇ・・・とてもではないけど貴方の様な「下賎な魔物」にモカ♪は任せられないわッ!!!」






ランバート大佐を睨み付けてtomimariとモカ♪が連携をとって襲いかかるッ!!






ランバート大佐「ふっ・・・やれやれ・・・私の「ガラスの靴」はお気に召さないか・・・。




モカ♪・・・馬鹿な女よ・・・




しがない使用人で一生を終えるがいい・・・。」



「何もない闇の中」を更にグッと握っていたランバート大佐・・・。


突然、闇から現れる「眩い赤い光」に一瞬 視覚を奪われてしまう!!


ランバート大佐「『銀鈴の狼』と恐れられた私の『槍術』ッ!!喰らうがいい!!!」



「眩い赤い光」の正体は炎・・・。


槍の形になり、それを両手で勢いよく振り回す!!




超速で回転させる槍からは「風」が巻き起こりランバート大佐の腕からも炎が溢れてくる!!



炎を纏う真空を呼び起こして二人に襲いかかった!!




tomimari「あ、あり得ないッ!これはタダの「狼戦士」の強さでは・・・」


モカ♪「!!(こ、この威力は!?)」



ランバート大佐「我が槍術「豪風魔槍炎」で死なない程度に・・・あぁ・・・手加減を間違えた・・・。」



二人に襲い来る炎を纏う真空!!



予想だにしていない攻撃は二人を殺す威力を十分に秘めている!!



モカ♪「あ、あぶないっ!!奥様ッ!!!」


tomimari「モ、モカ♪!?」


ドレス姿のtomimariの前に・・・・庇う様に立ちはだかるモカ♪・・・。


モカ♪は一人でランバート大佐の「豪風魔槍炎」を受けてしまう!!



ゴォーーーーーー・・・ズバズバズバズバズバ・・・・・・



モカ♪「き、きゃぁぁーーーーーーーーーッ!!!」


tomimari「モカ♪ッ!!!」


「豪風魔槍炎」の壮絶な威力がモカ♪を傷つけ、吹き飛ばす・・・。


赤い血が舞い・・・モカ♪の体が強く地面に打付けられてしまった!!!



モカ♪「く・・ぐぐ・・・」



地面に広がる赤い血・・・。


tomimari「ウッ!!!」


しかし、その赤い血を目の当たりにして!!


tomimariに又も『吐き気』が襲いかかる!!


tomimari「ウゥ・・・・ウッ・・・・」


口を手で押さえ付けながら、膝を地面に付けるtomimari・・・。

顔からは血の気が引き・・・青ざめた表情でランバート大佐を睨む・・・。



ランバート大佐「おやおや?流石は「聖剣士」の名を持つモカ♪・・・。これで死なないとは恐れ入る・・・。


しかし聖女tomimariは血が苦手と見えるが・・・さすがに淑女ですなぁ?」




二人を笑って見つめるランバート大佐・・・。


モカ♪「奥様・・・わ、湧き上がれ・・・「ライフサイフォン」!!」


モカ♪の体が青白い光に包まれていく・・・。


モカ♪版、「ライフチェンジ」を使用して体の傷を回復させていくと慌ててtomimariに駆け寄っていく・・・。



ランバート大佐「ははは・・・先刻の攻撃で我々の力を確認して頂けた筈だ・・・。

無様な姿を見せずに観念して頂きたいのだが・・・?

さすれば、「血」を見る事も・・・もうありませんぞ・・・?」



あくまで紳士的に話しかけるランバート大佐・・・。




tomimariはモカ♪に支えられて体を起こすと体を震わせながらも・・・歯を食いしばりながら言った・・・・。



tomimari「お黙りなさい・・・ランバート・・・。」



モカ♪「お、奥様・・・?」


青ざめながらもキッと毅然とした態度でランバート大佐を睨み付けるtomimari・・・。












ランバート大佐の挑発的な態度に・・・





再度、剣を手に取り 大きな声でランバート大佐に怒鳴り上げた!!!















tomimari「『血』が苦手な様では「剣士」どころか「女」も勤まりませんわッ!!!」

















全員『・・・・・・・・・・・』








tomimariの言葉で時間が一瞬止まる「クラージュ邸」









ランバート大佐「はっ・・はっはっは・・・・これはこれは・・・失礼を・・・・。」



黒おおかみ「ガルーーーーーーーッ!!!!」





モカ♪「・・・・・( エッチィチィですッ・・・・・゜・(*ノ▽ノ))」


黙りながらも恥ずかしそうにするモカ♪・・・。



しかし、一瞬の静寂の為に「屋敷」の外から「多くの悲鳴」が聞こえてくる!!



その「多くの悲鳴」はイデア、「草原の街道、全体」から聞こえてくる・・・。






モカ♪「なっ!?街から人の悲鳴が・・・!?」


tomimari「ど、どういう事です・・・?」



二人が疑問を持った顔で窓の外を気にするが、余裕の顔つきでランバート大佐が二人のその答えを語り始める・・・。





その答えは・・・








最悪の答え・・・








ランバート大佐「先程の「信号弾」で私の部下達が暴れているのですよ・・・。

今頃、「草原の街道」は私の最も好む「血の海」となっているでしょう・・・。」





tomimari「なっ!?そ、そんな!!!」










・・・・・・・・・・・・・・・・

草原の街道・・・。

一般民家の多い「北地区」・・・。




一般人1「うわーーーーーッ!!く、黒おおかみがッ!!!」


ネズミを追いかけ弄ぶ猫の様に・・民間人に襲いかかる黒おおかみ・・・。






満月の光が、街中を明るく照らしている・・・。


40匹を超える黒おおかみが縦横無尽に我が物顔で走り回り、民家の中に侵入しては一般人を傷つけていく!!!




カツヤ「うぅぅ・・・・あぁぁ・・・・」


カツヤのママ「来ないでッ!!!こっちに来ないで!!!」



料理用の包丁をブンブン振り回して黒おおかみを追い払おうとしている・・・。


その外では、人々の悲鳴が響き渡っていた!!!





黒おおかみに傷つけられ・・・倒れる男の側で泣く少女・・・。



剣を破壊されて、無残に倒れる剣士・・・。



小さな男の子も泣きながら逃げ回る・・・。





その悲鳴を聞いて・・・その光景を見て・・・・ワーウルフが高笑う・・・。



ワーフ中尉「ハーーーーッハッハッハ・・・コロセ!!イデアをランバート大佐のお好きな「血の海」に変えろ!!!」








ドガーーーーーーーン!!!!




ワーフ中尉の少し離れた場所から大きな地響きが聞こえてくる!!!



??????「ガ・・・ガガガガガ・・・・・」


白目を剥いた通常の3倍は巨大なワーウルフが民家を素手で破壊する!!



そのあまりに強力な一撃は民家を「積み木で造った家」の様に簡単に破壊していく!!!



・・・・・・・・


草原の街道へと戻ってきていた☆はな〜♪☆とパンサー改(変身済み)。


北地区の反対側・・・街の「南地区」で二人が黒おおかみと対峙している・・・。



黒おおかみ「ガルゥーーーーーーッ!!!」



黒おおかみを目の前にパンサー改が汗を垂らして、「メッセ」を見終えた☆はな〜♪☆に問いかける!!!


パンサー改「ク、クソッ!!「国家警察」は何をしているんだ!?」



☆はな〜♪☆「「メッセ」の情報では「非常線」と言う事で隊員の殆どが国境付近に出てしまっているらしいわ!!

同じように大半の自警団も「国境」に向かっていて・・・イデアに強者は殆ど残っていないって!!」


黒おおかみ達「ガウーーーーーーッ!!!」

話している途中にも関わらず、パンサー改に襲いかかる黒おおかみ達!!!


パンサー改「ナリャーーーーッ!!!「炎よ・・・以下省略ッ!!」」



☆はな〜♪☆「咲き誇れ!!!「放閃花」ッ!!!」



二人の必殺技が黒おおかみ達に襲いかかる・・・。



しかし・・・あまりにも「多勢に無勢」・・・。






修行でHPとMPを消費し過ぎているパンサー改と・・・



「夜」と言う事で十分に「光」を使えない☆はな〜♪☆にはあまりにキツイ状態である。






黒おおかみに襲われながらもパンサー改は泣きそうな顔をしながら「ささ」を取り出して会社へと連絡を掛ける!!!



パンサー改「よ、夜遅だけど・・・誰か出てくれ・・・。」


時刻は午後10時・・・。



とてもではないが誰かが居るとは思えない・・・。





ガチャ・・・


ジェイツ「はーーーい。誰ですか??こちら新入社員のジェイツですーーー。」



パンサー改「な、ナニっ!?じぇいつんッ??お前、会社に入ったのか!?」



ジェイツ「おぅおッ!?その声は「ドルロレ、元国家警察のパンサーくん」ではないかねッ!?」



妙に説明チックなジェイツ・・・。


しかし、この口ぶりはパンサー改と知り合いなのであろうか?


パンサー改「いや、今マッタリ話してる場合じゃないんだ!!!街中に「黒おおかみ」が大量発生してる!!!」




☆はな〜♪☆「お願い!!誰かを派遣してッ!!!」




パンサー改と☆はな〜♪☆が黒おおかみと戦いながらジェイツに叫び上げる・・・。




ジェイツ「えぇぇーーーッ!?黒おおかみの事は知ってますけど・・・でも・・・ホワイトボードの情報ですけど・・・

おけな社長はいきなり走って何処か行っちゃいましたし・・・」




☆はな〜♪☆「他の誰か・・・!!かすみさんは!?」



ジェイツ「かすみさんはティモーレに「希望の杖」を取りに行ってます!!」


パンサー改「だ、だったら・・・眠傀さんはッ!?」



ジェイツ「それも無理っポ・・・ドルロレで「会議」だって・・・

あと、「あおざる」って社員の人は『探さないで下さい』って書き置きして何処に行ったか分かりませんし・・・。」






社員に恵まれない開発副局長あおざる・・・自分を見つめ直す為に旅に出た様だ・・・。







パンサー改「なんだって!?それ、まずいんじゃ!?・・・「火から・・・以下略」ッ!!!」


あおざるを心配して慌てふためくパンサー改・・・。



それでも黒おおかみに「火の魔法で包まれた石」を確実に投げつける!!!



☆はな〜♪☆「ま、また「あの人」は憂鬱になって・・・・大丈夫よ・・・あおざるさんはそういう人だから・・・。」



しかし、こういう事はよくある事で☆はな〜♪☆の話では2〜3日も経てばすぐに帰ってくるらしい・・・。



あおざる・・・早く帰ってきて欲しい・・・。




ジェイツ「あと、クレスさんと百絵さんは「未記入」になってますね?百絵さんは7日前から「休暇」を取っているようですが・・・。」



パンサー改「ク、クレスさんはいいとして・・・・頼りの百絵さんが居ないなんて・・・。」
(『クレスさんはいいとして』・・・?良くありません・・・ヾ(´Д`;))



☆はな〜♪☆「ク、クレスッ・・・まだあの子「ホワイトボードに予定を書かない癖」が直ってないの・・・?」


「上司ながらも年下」の部長クレスに俯いて首を振る、元次長☆はな〜♪☆・・・。



その時、「ささ」越しにジェイツの掛け声が聞こえてくる!!!



ジェイツ「テェリャーーーーーッ!!!!」



パンサー改「ど、どうした!?じぇいつんッ!?何かあったのか??」




ジェイツ「えへへ・・・実は私も黒おおかみの『掃除』をしながら「ささ」してたの!!
おけな社長に『掃除』をしっかりしろって言われて頑張ってるのよーーーーーー!!」



違う意味の『掃除』を頑張るジェイツ・・・。



ジェイツに向かって心配する☆はな〜♪☆が問いかける。


☆はな〜♪☆「そ、そっちは大丈夫なの??ジェイツちゃん??」



ジェイツ「任せて下さい!!「普通のお掃除」も得意ですが、『こういうお掃除』も大得意なんです!!

さっきも「殺気を撒き散らして窓から覗いていたストーカー女」と

「『ティモーレ』に行きたいっていう観光客風の男」を掃除しちゃいましたから!!!」




パンサー改「なるほど!!!やっぱり「じぇいつん」は頼もしいや!!!」


ジェイツの回答にニッと笑みを浮かべて頷くパンサー改・・・。






きっと社長おけなは『普通のお掃除』を一番頑張って欲しいであろうが・・・



それは敢えて伏せておいた方が良いだろう・・・。







☆はな〜♪☆「・・・・・・・・・・・・・・・」









周囲の黒おおかみを一掃し終えた☆はな〜♪☆・・・。






うーーんと唸って、ジェイツの回答に頭を捻る・・・・。




☆はな〜♪☆「!!!!!!」





突如、ハッとした様にジェイツに叫び上げた!!!!




☆はな〜♪☆「ジェ、ジェイツちゃん!!?「観光客風の男の人」は掃除しちゃダメでしょ!?」





パンサー改「そ、そうだッ!!「ストーカー女を掃除」はイイとしても・・・観光客はマズイよッ!!!!」








パンサー改の「遅れツッコミ」がジェイツに炸裂する・・・。





新入社員ジェイツ・・・この女の子も、微妙に「危険な香り」がプンプンしていた・・・。







イデアツーリストのメンバーが余りにも少ない・・・最悪の状況・・・。







それにもめげず、今はただ・・・乗り切るしかない・・・。





・・・・・・・・・・・・






一旦「ささ」を切って周囲の散策をするパンサー改・・・。



☆はな〜♪☆も屋根に上り、街を見渡して敵を探る・・・。



周囲はシーンとしているものの、未だ「北地区」は騒がしい・・・。



住民たちは避難を終えて、町からは人影が消えているが油断は出来ない状況だ・・・!







☆はな〜♪☆「これでこの周辺の黒おおかみは終わりかしら・・・?」



パンサー改「ですね・・・この周辺はこれで終わりでしょう・・・。」



民家の屋根の上から☆はな〜♪☆が飛び降り、笑顔を見せる・・・。


☆はな〜♪☆「じゃ、騒がしい「北地区」の方へ向かいましょう!!」



☆はな〜♪☆がダッと駆け出し、パンサー改も息を整えて「北地区」を目指す・・・。



5秒もしない内に☆はな〜♪☆とパンサー改の距離はかなり開いてしまう・・・。





パンサー改は☆はな〜♪☆の後姿を悔しそうに見つめて図書館前を駆けていく・・・。





パンサー改「(・・・・せめてオレに・・・あの『スピード』があれば・・・。)」



・・・・・・・・ドガーーーーーーン!!!!!





そう思った矢先!!!一般商店を抜けた所・・・。


背後で大きな破壊音が聞こえてくる!!!




パンサー改「な、なんだ!?」



☆はな〜♪☆「・・・・・・・・・・・・・・・!?」


☆はな〜♪☆に音が遅れて届き、振り返るのが一瞬遅れる!!



パンサー改の振り返った10m先には吹っ飛ばされ、血だらけになっている小さな子供が地面に体を打ち付けて倒れこんでいる!!!



黒おおかみ「ガルーーーーーーーッ!!!!!」


民家から飛び出て・・・倒れた子供に黒おおかみが勢いよく襲い掛かった!!!





パンサー改「!!!」


☆はな〜♪☆「・・・・・・・・・・・・・・・・・!!!」




☆はな〜♪☆もそれに気付いて全速力で子供の救出に向かうが最早70mという離れた距離・・・。


とてもではないが・・・・黒おおかみが、子供に襲い掛かる前に助ける事は・・・不可能だ!!!



パンサー改「・・・・!!!!!(オ、オレの火の魔法でも間に合わない!?)」



絶望がパンサー改の頭を過ぎる・・・。









今・・・・





目の前で・・・・





一つの命が・・・・





消えようとしている・・・・









その時、目の前の全てが『スローモーション』に変わり、一瞬がとてつもなく長く感じる・・・。


体を動かす動作・・・脳が体に命令を送る手順ですら、長く感じる空間・・・。







パンサー改「(イマノ・・・オレニ・・・ナニガ・・・デキル?)」













『オレハ・・・アノコヲ・・・・タスケルタメニ・・・・』












『ナニガデキル?』











今日まで、ずっと詰め込んできた知識の全てが光の速さで処理される・・・。











『オレガ・・・ヤスノブサンホド・・・・「ハヤク、ハシル」タメニハ・・・・』










『ミンクサンホド・・・「ハヤク、トブ」ニハ・・・』











『ソウダ・・・・・!!!!!』













『ナニモカモ・・・フキトバスホドノ・・・・・カリョク!!!!!』









『ソレガアレバ・・・・』







パンサー改の頭の中・・・弾き出す様に出した答え・・・。



















パンサー改は残りの魔法力のすべてを・・・・・・




















!!!!!!!!足に込める!!!!!!!!











パンサー改「火よ爆・・・・!!!以下略ーーーーーーーーーー!!!」









ドガーーーーーーーーーーーーーーーーーーン!!!!!!!!!!!!!!!!








黒おおかみ「!!!?」


黒おおかみが爆音に驚き、パンサー改の方を振り向く!!!





しかし、黒おおかみの振り向いた先には!!!




☆はな〜♪☆しか見える事が無い!!!




☆はな〜♪☆「・・・・・・!!」




☆はな〜♪☆の目の前・・・・。




驚くべき光景に汗を垂らす・・・!!







なんと!!! パンサー改は「何もかもを吹き飛ばす威力」を秘めた「爆発の魔法」を「足」から発する事により・・・・







自分の足元を爆発させ、体を吹き飛ばして子供を救ったのだ!!!





パンサー改はすでに子供を抱きかかえて・・・黒おおかみの背後、20m先にいる・・・。




☆はな〜♪☆「デリャーーーー!!!」



それから1秒遅れで黒おおかみの「二つの首」を長刀で一気に刈り取る☆はな〜♪☆!!!!



黒おおかみ「ギャインッ!!!!」



☆はな〜♪☆「・・・・・・・・」



鋭い眼光で黒おおかみを睨み、急いでパンサー改に駆け寄った・・・。




☆はな〜♪☆「ふ、二人とも、大丈・・・ッ!?」




口に手を押しつけながら、体を震えさせていく☆はな〜♪☆・・・。





パンサー改「・・・・・・・・・・」



子供「・・・・・・・・・・」




地面に倒れこむ子供の命には別状は無いようだが・・・



二人とも気を失っていた・・・。






穏やかに目を閉ざすパンサー改に、☆はな〜♪☆は涙を浮かべて屈み込み、声を震わせる・・・。



☆はな〜♪☆の目から溢れる涙は・・・止まる事を知らないかの様に流れ続ける。







☆はな〜♪☆の涙がポタポタとパンサー改の頬へと落ちて・・・





やっと、パンサー改が目を開けた・・・。




パンサー改「へへ・・・へ・・良かった・・・こ、この子を助けれて・・・。」



☆はな〜♪☆「よ、よく・・・あそこで、「アレ」を・・・出せたわね・・・。修行の成果だね?パンサーくん・・・・。」


涙声でそういうと、☆はな〜♪☆は残りの『MP全て』を使用して・・・パンサー改に「キュア」を掛けた。





パンサー改「あ・・・ありがとう・・・ございます・・・・☆はな〜♪☆さん・・・。」


虚ろとしたパンサー改の目は、☆はな〜♪☆の瞳に「焦点」が合っていない・・・。


パンサー改は消え入るような声で☆はな〜♪☆に話しかける・・・。






パンサー改「す、すいません・・・なんだか・・・眠くて・・す、・少し・・・休んでいいですか・・・・?

すぐ・・・「北地区」に向かいますから・・・」



☆はな〜♪☆「えぇ・・・なんだったら・・寝てる間に・・・担いで行って・・・・あげよっか?」





パンサー改「・・・は・・ははは・・・・・・・・・」



☆はな〜♪☆の言葉を聞くと笑みを浮かべて瞳を閉じる・・・。





あの時、パンサー改が身を挺した「魔法」を使わなければ、目の前の子供は救えなかった・・・。


☆はな〜♪☆はパンサー改が目を閉じ、気を失うように眠るのを見届けるとスッと立ち上がり涙を拭う。






☆はな〜♪☆「じゃ・・・行くよ・・・。」





☆はな〜♪☆は二人を腰に抱き上げて走り出した・・・。










しかし、☆はな〜♪☆は・・・・・・・








「北地区」に向かう事は無い・・・。









何故なら・・・・












魔法の威力で『パンサー改の両足』は無残にも骨が完全に砕け、肉の焦げる匂いを放っているからだ。








足の皮膚は黒く焼け焦げ・・・神経もズタズタになっている・・・。











パンサー改の両足は・・・最早「回復魔法、キュア」ではどうしようも無かった・・・。







☆はな〜♪☆「ぐうぅぅぅ・・・パ、パンサーくん・・・ごめんね・・・・・・私がもっと・・・近くに居てあげてたら・・・」




パンサー改の容態に涙を流して医者の下へと向かう・・・。







一人の子供の命を救った『代償』・・・・・。



それは・・・パンサー改の両足であった・・・。






しかし、パンサー改の心の中には『後悔』などという言葉は無い・・・。





今あるのは・・・・











『誰かを救う事が出来た』という・・・・


















『誇り』だけである・・・。







(●南地区の黒おおかみ VS ○☆はな〜♪☆&パンサー改  「パンサー改、決め技:飛火」  ▲但し、戦線離脱 )
















☆はな〜♪☆、パンサー改の活躍で「南地区の黒おおかみ」は殲滅できたが・・・






未だにこの『劣勢』を覆しきる事は出来ない・・・。






今、魔物に・・・・







少しずつ・・・









大切な物を奪われていく・・・。







・ ・・・・・・・・・・・・・・・


モカ♪「クラージュ様が不在の・・・・こ、こんな時に・・・」


tomimari「ク、クラージュ・・・早く戻ってきて・・・」


ランバート大佐「フッ・・・」


モカ♪から出てきた「クラージュ」の名前に笑みを浮かべるランバート大佐・・・。



tomimari「な、何が可笑しいのです!!?」



ランバート大佐「あぁ・・・失敬、「既に亡き者」を望む貴女が、あまりに滑稽で・・・つい・・・」


tomimariから顔を背けて笑いを堪えようとするランバート大佐・・・。



モカ♪「な、亡き者・・・?」




そのランバート大佐の表情に目を大きく開けて放心状態になるtomimari・・・。



tomimari「な・・・何を言って・・・」


ランバート大佐の発言に手が震えるtomimari・・・。


しかし、ランバート大佐はtomimariにまだ・・・吐き捨てる様に話し続ける・・・。



ランバート大佐「あぁ・・・先程の信号弾ですが・・・「剣聖クラージュを殺し終えた」という意味が有りましてね・・・。
その合図で貴女を迎えに来たのですよ・・・。」


tomimari「あ、有り得ないわ・・・ウ、ウソよ・・・。」


ランバート大佐から出てきた言葉を信じられないtomimari・・・。



目に涙を浮かべて、何度も首を横に振る・・・。




2歩、3歩と後退り・・・遂には背中を壁に付ける・・・。



モカ♪「クラージュ様は「悪」に屈したりはしないッ!!!そんなウソを言っても・・・・」


ランバート大佐「はっはっは・・・ここの使用人が殺してくれた・・・と言えば信用して頂けるかな・・・?
どの道、貴女に光明は無いのだ・・・。宴もたけなわ・・・そろそろお開きと致しましょう・・・。」


怪しく光る赤い槍を力強く構えるランバート大佐・・・。





tomimari「グ・・・・ウゥゥ・・・・・・・・。」






絶望の表情でtomimariとモカ♪が・・・あまりに多くの敵を前にしていた・・・。






・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・









ゑゐ「ひっく・・・・ひっく・・・・うぅぅぅぅ・・・・」


木々の姿が反射する・・・美しい泉の畔・・・



そこに見える影に・・・涙を流すゑゐ・・・。




よだれ丸「・゜・■■■( ゜Д゜)・゜・。」



粘土に埋もれながら無表情で・・・只々呆然とその光景を見つめるよだれ丸・・・。




セルティック「バカメ・・・闘気が無くなり・・・倒れたノが運ノツキ・・・。」




セルティックの「黄泉の剣」が・・・・空を見上げて倒れているヤスノVの胸に・・・




刺されている・・・。




ゑゐ「ヤ・・・ヤスノVさん・・・ヤスノVさん・・・・・。」



小さな声でヤスノVに呼びかけるゑゐ・・・。







しかし・・・









ヤスノVは答えない・・・・・・









セルティック「貴様に壊さレタ剣ノ変わリに・・・・コレを貰うカ・・・。」



両手に剣を持って戦うセルティック・・・。




破壊された「マスターブレイド」の変わりにと「ヤスノブレード」を拾い上げて刀身を見つめる・・・。




セルティック「クックック・・・クラージュの剣ハ「魔を拒む」ガ故、使えナイが・・・コレはイイ・・・。」




ヤスノブレードをニコヤカに数度振るとゑゐの方へと向かってくる・・・。





セルティック「信号弾も打チ終えタ・・・。次は・・・貴様ダ・・・コゾウ・・・。」



ゑゐ「うぅぅ・・・」



剣を抜き・・・ゆっくりとゑゐに迫るセルティック・・・。



月明りに見える緑の肌・・・赤く濁って光る目・・・不気味に脈打つ剣を振り上げて・・・・







迫ってくる・・・・・。







・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・









『あれ・・・・?』







『おれ・・・・なんで・・・こんな所に居るんだろう・・・?』







『ここ・・・真っ白だなぁ・・・?』








『何処にも誰も・・・何も見えない・・・??』












『・・・・・・・・・・・・』












『そうか・・・・俺・・・・』










『死んじゃったんだ・・・。』










『「ヤスノブレイディスト」を使って・・・そのまま・・・・・』










『クラージュさん・・・tomimariさん・・・・GEIZUくん・・・・モカさん・・・・ゑゐくん・・・・よだれ丸・・・』










『ごめんね・・・俺・・・・セルティックに勝てなかったよ・・・』








「ヤスノVさんが謝る事じゃないですよ・・・。」








『???・・・』







「あなたの側でずっと戦いを見てましたが、ヤスノVさんは強かったですよ・・・。」







『でも・・・俺にもっと力があれば・・・みんなを守る事が出来たのに・・・結局・・・』








「まだ、遅くはありません・・・。」







『えっ?・・・・???どういう事・・・?』








「僕に・・・貸して頂きたいんです・・・みんなを助ける為に・・・・。」








『貸す??何を貸せばいいんだい??』







「それは・・・・」






『俺が「何か」を貸して・・・みんなが助かるのであれば・・・この命も惜しくはないよ・・・?』







「・・・・・有難う御座います・・・ヤスノVさん・・・・。」











・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


蔑んだ・・・冷たい眼差しで向かってくるセルティック・・・。



ゑゐ「・・・・・・」





向かってくるセルティックに最早・・・怯える事しかできないゑゐ・・・。







その時・・・








よだれ丸の脳裏に悲しみと共に過ぎる・・・。













よだれ丸「(TーT;)oo00・・・・・」











よだれ丸「(こんな事になるのなら・・・)」












よだれ丸「(もっと早く・・・)」











よだれ丸「(「元」に戻っていれば良かった・・・)」







涙を流してセルティックを睨み付けるよだれ丸・・・。





よだれ丸は手を自分の顔に付けて・・・






何かしようとしたその時!!!!!







バーーーーーーーーーーーーーーーンッ!!!!!!!!!!





セルティック「な、何っ!?」




後ろからの、あまりに強い発光に思わず振り返るセルティック・・・。




なんと・・・・








ヤスノVが立ち上がっている!!!






よだれ丸「・゜・ΣΣΣ(つД`)シ・゜・。」


喜んでヤスノVに手を振るよだれ丸・・・。



セルティック「チっ!?何故生きテイルのダ・・・・貴様・・・。」




????「・・・・・・・・・・」






目を閉じながら懐から「白く輝く日記帳」を取り出すヤスノV・・・。


「日記帳」には大きな剣の切り口が付いている・・・。



ゑゐ「ヤ、ヤスノブくんの日記帳ですっ!!」




そう・・・「コレ」がヤスノVの命を救ってくれたのだ・・・。







スッと目を開けてセルティックを睨み付けるヤスノV・・・・。




しかし、セルティックに向けられたそのヤスノVの「瞳の色」が・・・









アクアマリンの様に青く輝いている・・・。





セルティック「フン・・・目ノ色を変エル??・・・ダカラ、ドウダトイウノダ・・・?」



自身有り気に剣を構えるセルティックに・・・ヤスノVは声すらも変えて話しかける・・・。





????「久しぶりだね・・・セル兄ィ・・・。」





セルティック「!!!!」



ゑゐ「!!!!」




よだれ丸「Σ(ノ゜o゜)ノ???」


いつもの主人の声とは違う事に驚くよだれ丸・・・。





????「ひどいじゃないか・・・・僕だけじゃ飽きたらず・・・ミンナを困らせるなんて・・・。」





ヒュ・・・・




セルティック「なっ!??ど、何処に・・!!?」



目の前から消えるヤスノVの姿に慌てるセルティック・・・。


ヤスノVはGEIZUを抱き上げて涙を零す・・・。



????「ママのアクアマリンの瞳から流れる涙は「呪い」を浄化する・・・。
僕の涙は「聖なるの涙」を引き継いでいるんだよ・・・。」



GEIZU「う・・うぅぅ・・・」



ヤスノVから零れた涙がGEIZUの頬に落ちる・・・。


すると、黒い波動で体の自由を奪われていたGEIZUが目覚めていく・・・。



GEIZU「う・・うぅぅ?お、お前・・・?」



目を開けて、眼前のヤスノVに問いかけるGEIZU・・・。




しかし、直後に聞いたヤスノVの声に目を大きく開ける!!!



ヤスノブ「大丈夫?G兄ィ・・・?パパを庇ってくれて・・・有難うね・・・。」



GEIZU「そ、その声ッ!!ま、まさか!!!」




ゑゐ「ヤ、ヤスノブくんの声です!!!ヤスノブくんです!!!!」



セルティック「馬鹿なッ!!!な、何故貴様が・・・何故貴様が・・・・」




驚愕するセルティック・・・。



余りにも信じられない状況に後退りをするが・・・



ビシャビシャビシャ・・・・





セルティックは後退りをし過ぎて・・・泉に足を付けてしまう!!!




ヤスノブ「ヤスノVさんが僕に・・・体を貸してくれたんだ・・・。

さて・・・後は「完全に汚染(よご)される前」に・・・

『黄泉の剣の宝玉』に封じられたパパの『魂』を救う番だ・・・。」



セルティック「ナッ!?何故ソレヲッ!?」



清い心を持った魂は、本来『天国』へと向かう。

『黄泉の剣』は『強制的に斬った者を地獄に送る』のだが、

そのためには宝玉に「魂」を一度封じて、悪の波動で包み込む必要があるのだ。





黄泉の剣の「秘密」をヤスノブが知る事に驚くセルティックは汗を垂らして剣を構える・・・。




ヤスノブ「僕の時は、この「青い瞳」が守ってくれたんだ・・・。
ママの「聖なる瞳」が無かったら「魔剣」に「魂」を汚染されてたろうけどね・・・。」


セルティック「グググ・・・デハ・・・キ、キサマは・・・ホントウニ・・・・」




ヤスノブ「うん・・・そう。ヤスノブだよ・・・。 G兄ぃッ!!ゑゐくんを頼んだよッ!!」




GEIZU「は、はいッ!!!ヤ、ヤスノブ様ーーーーーーーーッ!!!!」


ゑゐ「ヤ、ヤスノブくんッ!!!!!」



よだれ丸「・゜・(つД`)・゜・。」





セルティック「ギィァァァァァァァァァァァァァァーー!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」



ヤスノブの言葉に赤く目を光らせて叫び上げる!!




ヤスノブは「堕ちたセルティック」に向かって・・・冷たく呟いた・・・。






ヤスノブ「「騎士ヤスノブ」の名において・・・セルティック・・・滅する・・・。」




セルティック「いマサら貴様が出てきテも無駄だッ!!!ヤスノブーーーーッ!!!!」



ヤスノブ「フンッ・・・よくも僕の親友を傷つけてくれたね??お返しするよ??」




ヒュ・・・


ドカドカドカ・・・・・・




ヤスノブのコブシ、三連撃が一瞬にしてセルティックに襲いかかる!!!



セルティック「ブグォッ!!!!」



ヤスノブ「  裂『拳』三連撃・・・・なんちゃって・・・」




ゑゐの技を模してセルティックの顔面に一瞬で3発ぶち込むヤスノブ・・・。




ヤスノブは倒れるクラージュの側へと既に移動している!!!




ヤスノブ「すぐ助けるからね・・・パパ。持とうとしたら、よく怒られたけど・・・この剣を借りるよ・・・。」


ヤスノブはクラージュの剣を取り上げてセルティックを睨み付ける・・・。







二、三度 剣のグリップを確かめる様に持ち替えるとセルティックに微笑みながら言った・・・。



ヤスノブ「へへへ・・・セル兄ぃには悪いけど・・・やっぱりパパの剣が一番いいや・・・。」



セルティック「オノレ・・・オノレ、ヤスノブッ!!!イイ気ニナルナヨ!?

コウシテイル内ニモ・・・キサマの母親tomimariハ・・・」


GEIZU「な、ナニッ!?セルティックッ!!貴様・・・tomimari様の身に何を・・・!?」





セルティックがtomimariをダシにヤスノブを翻弄しようと言葉を掛けようとする・・・。







しかしヤスノブは笑ってセルティックに言い返す・・・。



ヤスノブ「知ってるよ・・・?」




セルティック「な、ナニッ!?」





ヤスノブの笑顔の回答・・・逆にセルティックが翻弄される・・・。







ヤスノブ「だから僕は「何でも知っている」って言ってるんだよ・・・。セル兄ぃ・・・。」




・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・









黒おおかみ達の猛攻に劣勢を強いられるモカ♪・・・。









モカ♪「グッ・・・剛剣「カフェ・ザ・ブレイク」ッ!!!」



黒おおかみ「ギャウンッ!!!」

モカ♪が残り少ないJPを振り絞り・・・大技を黒おおかみに撃ち放つ・・・。



しかし、黒おおかみはまだまだ・・・15匹も残っている・・・。




tomimari「ま、まだ・・・負けません・・・。」


ガギィィーーーンッ!!!


青い顔でランバート大佐の槍を捌く・・・。


そのtomimariの剣技に眉を歪ませるランバート大佐・・・。



ランバート大佐「た、体調不全で、この威力・・・この剣捌き・・・。「剣聖の妻」の名は伊達ではない様だ・・・。」


ランバート大佐もtomimariの剣技に体をかなり傷つけられている・・・。



しかし・・・




tomimari「ハァハァ・・・ハァハァ・・・ハァハァ・・・・」

息を荒げてランバート大佐と対峙するtomimari・・・。


ここまでランバート大佐の攻撃全てを避けきり、攻撃していたが最早限界に来ていた・・・。


そのtomimariを見るやランバート大佐は大技を仕掛けてきた!!!




ランバート大佐「だが!!これで終わりだ!!「魔槍連割破」ーーーーーッ!!!
(・・・・・・って・・・また手加減を間違えてしまった・・・。)」




ランバート大佐の槍が歪みながらtomimariの心臓に目がけて襲いかかる!!!




「奥の手」とも言うべきランバート大佐の大技がtomimariの鼓動を増加させていく!!!!




tomimari「(もう・・・だめ・・・。)」



tomimariの脳裏に一瞬過ぎる絶望・・・。


モカ♪「お、奥様ッ!!!」


tomimariの必死に青ざめるモカ♪が懸命に目の前の黒おおかみを斬り除けようとするが・・・最早、間に合わない・・・。





炎を纏う「銀鈴の狼」ランバート・・・・。






その表情・・・笑みを浮かべて「勝利」を確信している!!!








しかし・・・・











ドガッ!!!!





ランバート大佐「グブアァァーーーーーーーッ!?」





tomimariへの攻撃を潰す様に見知らぬ一人の女探検家がランバート大佐の顔面に蹴りを食らわせた!!!





ランバート大佐「!?なっ!?なんだ??貴様は!!!」



リューイ「ふふ・・・あたいの名前かい??ホントは教えたくないんだけど・・・リューイっていうんだ・・・。」



妖しげに、艶やかに・・・褐色の肌を露わにしてボーイッシュなショートカットの女性がランバート大佐に笑みを見せる・・・。





♪♪♪♪〜〜〜〜〜♪♪〜〜〜♪♪〜〜〜〜〜♪♪♪♪♪♪♪♪〜〜〜〜






更に、何処から聞こえてくるのか!?




美しい笛の音色が・・・・





優しい風に乗って、聞こえ来る!!







モカ♪「こ、これは??」


ランバート大佐「これは・・・ふ、笛の音ッ!?ど、どこだ!?何処にいる!?」


歯を剥き出して周囲を探るランバート大佐・・・・。





笛の音が鳴り響いてくる窓の外をキッと睨む!!!









〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜








黒く伸びる針葉樹(き)の天辺(うえ)に・・・












清かに吹くる、その笛は・・・・







『白銀(シロ)』に輝く聖なる横笛・・・・











月の明りに照らされ見える・・・・




紐で括った長い髪・・・・











白きコートを靡かせて・・・。










!!!!正義の音色を奏でる男!!!!













stall「正義の危機に、それとなくッ・・・・通りすがりの魔法使い、stall・・・あらわるッッ・・・!!!」




ランバート大佐「き、貴公ッ!!!ドルロレはイルザーク侯爵家の・・・・stallッ!?ドルロレの民の貴公が・・・ナゼッ!?」




突然のstallの出現に慌てるランバート大佐!!!



モカ♪「ス、stall様ッ!?何故ここに!?」





リューイ「stall様はクラージュ公爵家の危機を一早く感づいていらっしゃったのさ・・・。」




笑いながらモカ♪の援護をするリューイ。


元気満々に黒おおかみを一瞬で3匹仕留める!!!



?????「それに・・・ワタクシも馳せ参じました☆」




ヒラリ・・・


窓から一人の女性が赤い魔法衣を靡かせてtomimariの前に舞い降りる。




tomimari「ま、まさか貴女は・・・・」


?????「stall様に無理を言って『課外授業』に連れ出して貰いました☆ tomimari様、もう安心して下さいませ☆」



『キャピっとした魔女っ娘』という言葉が明らかに似合う魔法使いの女性・・・。



しかし、その女性は「三国皇族交流会」でよく顔を合わせる「ドルロレ、第2皇女」と瓜二つ・・・。



『詠唱無し』で両手をtomimariに合わせると一気に体力、気力を回復させていく!!!



エスリーン「お久しゅう御座います、tomimari様・・・。エスリーン、危機を聞き付け参りましたわ☆」




tomimari「や、やはりエスリーン様ッ!?まさか・・・貴女までが来てくれるなんて・・・・。」


エスリーンの救援に涙を浮かべるtomimari・・・。




思いもよらない援軍に只々、涙が溢れかえる・・・。




stall「ランバート・・・。『白銀の翼』の名前を・・・。聞いた事ぐらいはあるだろう?」




ランバート大佐「ア・・・アァァ・・・た、・確か・・・あの・・・秘密裏に暗躍する『対魔族用』の殲滅部隊・・・ッ?」





ランバート大佐の答えにフッと笑みを浮かべるstall・・・。









・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

超一級魔族犯罪者、特別殲滅部隊・・・『白銀の翼』




『白銀の翼』とは1年前、『通りすがりの魔法使い』を筆頭として設立された『対魔族用』の特別殲滅部隊である。


公に活動する事が一切無い『白銀の翼』は常に、「闇のベール」で包まれているのだが、


登録されているメンバーは全員が超A級の武芸者で「ドルロレ」に仇成す魔族に対して秘密裏に殲滅を決行する。


主だっては『特級の賞金首』を常に追いかけ、世界の平和を保つ為に「民間人」として潜み、


『魔族』の情報を得ては迅速に殲滅を決行している・・・。


この『白銀の翼』の情報を得て、フリージャーナリストの血が騒ぎ、ワタクシ「せきらく」もベールを脱がそうと努力したのだが・・・


『巨大な権力』の前に『白銀の翼』の詳しい真相に迫る事は不可能だと5分で知った・・・。


ぶっちゃけ、こんな危ない情報を得るなんて・・・ヤッテられないと思ったよ・゜・(つД`)・゜・。


あまりに乏しいこの記録では、その一切は公にする事はできないであろう・・・。




                       『せきらく、手記』より・・・・


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


tomimari「まさか・・・?stall様があの『白銀』の・・・?」


イデアの公爵であり、夫であるクラージュから「存在」だけは聞いていたtomimari。



驚いて『通りすがりの魔法使い、stall』を見つめる!!



stall「ははは・・・普段は「大学の助教授」ですが・・・そういう事です・・・この事は・・・秘密裏に・・・。」


エスリーン「ちなみに私、大学ではstall様の「聴講生」ですわ☆」




ウインクしてtomimariに話しかけるstallと笑顔のエスリーン・・・。





リューイ「観念しな!!あたい達がここに来た以上・・・」






エスリーン「最早、カゴの鳥ですわ☆ 特級賞金首No.26 『銀鈴の狼、ランバート』・・・。」






stall「その首は確実に我ら、『白銀の翼』が貰い受ける・・・。」




ランバート大佐「お、オノレ・・・まさかここで『白銀の翼』とは・・・どこまで私の計算は狂うのだ・・・。」


両手から炎を巻き上げて憤怒するランバート大佐・・・。



勝算があるのか?ランバート大佐はstall達へと挑んでいった・・・。







・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・



未だ戦火の衰えない「草原の街道、北地区」・・・・。




washinko「い、何時の間にこんな事になっていたのだ・・・?」


空の上から「北地区」を見渡して汗を垂らすwashinko・・・。


眠傀も普段見せることの無い、鋭い眼差しで「アリの様に地面を駆け回る黒おおかみ」を睨んでいる。



眠傀「俺が居ない間に・・・好き放題しやがって・・・。」


溢れかえる静かな魔力・・・。


研ぎ澄まされた眠傀の魔力は最早「人の領域」を超えている・・・。




washinko「くっ・・・「手配書」の影はレットの言っていた「ランバート大佐」とは分かっていたが・・・

まさかこんな大胆な行動に出てくるとは・・・。」


眠傀「・・・・・・・。」


その時、washinkoがあまりにも大きなワーウルフの暴走に大声を上げる!!!




washinko「ナッ!?なんだ?あの馬鹿でかいワーウルフはッ!?」




眠傀「普通の3倍はデカイな・・・。」




草原の街道「北地区」、最早「地獄絵図」である・・・・。




遥か50m空中から見下ろしているものの、その大きさはあまりにも大きい・・・。





washinko「私はここで降りる!眠傀ッ!!向こうの木の上に見える「バカ」を倒せ!!!」




遠くに見える木の上・・・。




騒いでいる「ワーウルフ、ワーフ中尉」を指差すwashinko・・・。



眠傀「あぁ、あの周りにも「黒おおかみ」が多そうだなァ??」



全てを「消してしまいそうな瞳」でワーフ中尉を睨みつける眠傀・・・。




washinko「殲滅後に再度、合流だ!!」



眠傀「直ぐに終わらせる・・・ってか・・・バカ狼の『着地点』から直ぐに非難してくれ・・・。」




washinko「んっ!?眠傀ッ!!まさか・・・ッ!?」



washinkoが杖から飛び降りてすぐ、眠傀を見上げる!!





パッ・・・・




ワーフ中尉「えっ・・・?」



すると眠傀の居た場所にワーフ中尉がいきなり現れたのだ!!!




washinko「ったく・・・楽をする奴め・・・。まぁ、合理的といえば・・・合理的だが・・・。」




眠傀謹製の魔法がワーフ中尉に掛けられる!!



存在場所の交換を終えた眠傀は今頃、先ほどまでワーフ中尉が居た場所で黒おおかみを殲滅しているのだろう・・・。


片眉を下げて呆れがちな顔で、ワーフ中尉に「手向けの言葉」を贈るwashinko・・・。




washinko「会った直後で、なんだが・・・・サラバだ・・・。」



ワーフ中尉「エーーーーーーッ!?ナニコレーーーーーーーッ!?」





ブオンッ!!!

地面に到着する寸前!!


washinkoはビンタで空を切り、自分の体を一瞬、宙に止める!!





スタッ・・・・・




軽く着地するwashinko・・・・。






グチャ・・・・




撒き散らすモノを撒き散らして・・・纏めて命も散らすワーフ中尉・・・。




washinkoはワーフ中尉を気にする事無く、ドデカイワーウルフにイキナリビンタを仕掛けた!!




washinko「でりゃーーーーーーッ!!!」



washinkoのビンタが空気の壁を破り、ドデカイワーウルフに襲い掛かる!!!





??????「!!」




washinkoに振り向き様、トルネードフック気味にパンチを繰り出すワーウルフ!!!





ドゴーーーーーーーーン!!!!!





なんと!!



washinko と ドデカイワーウルフの攻撃力は同等なのか!?




お互いに微動だにしないまま衝撃だけを撒き起こして、ぶつかり合っている!!!


その衝撃で発生した突風は、周囲の黒おおかみの死体をゴロゴロと3〜4回転がし、民家をビリビリと震わせる程!!




washinko「!!!(こ、このワンコロッ!!私のビンタを止めた!?)」



washinkoのビンタは一発で「巨岩」を破壊する力を秘めている・・・。




デカイとはいえワーウルフに後れを取る事など有り得ない!!



しかし、このワーウルフはwashinkoの攻撃を止めた次の瞬間、凄まじい反撃を繰り出してきた!!!



その反撃は通常のワーウルフからは考えようも付かない威力!!!




ドドドドドドドドドドッ!!!




washinko「ッ!!!」




ワーウルフの全ての攻撃を紙一重で避けるwashinko!!!


体格差から言って『一撃』でも喰らえば、即!!あの世逝きである!!!




しかし・・・・





ドゴーーーーーーン!!!!!



washinko「グフッ!!!」



なんと!!washinkoの胴回りはあろう腕から放たれたパンチがwashinkoにHITしてしまった!!!!





ドガーーーーーーーン!!!!



壁を貫通して凄まじい振動と共に、民家の中に叩き込まれる!!!




??????「グゥゥ・・・・・オォォォーーーーー!!!!!!!」



ただただ、唸り声を上げるワーウルフ!!


今まで出会った人語を解するワーウルフとは違い、「暴走」している様子・・・。



先程から喋る事が一切無い!!



勝利の雄叫びを高々と上げている・・・。

















ドンッ!!!!




??????「  !?  」



民家の屋根を突き破るように何かが打ち上げられた!!




小さな影が月明かりに照らされて見える・・・。



不敵に輝くメガネ・・・。




影は地面にスッと舞い降り着地した。


スタッ・・・・









washinko「フンッ・・・よもや、この私に一撃を入れるとはな?」



なんと!!!アレだけの攻撃を受けているにも拘らずノーダメージを思わせる程、ピンピンしている!!!








腰に手を据えながら、眼鏡のズレを・・・・




クイッと直す・・・。




washinko「!?(何故、この周囲の黒おおかみは死んでいるのだ?)」



washinkoの周囲、黒おおかみの死体がゴロゴロと転がっている・・・。



ドデカイワーウルフの拳を見てみると血がへばり付いているのが見て取れた・・・。





washinko「なるほど・・・。所詮は「ケモノ」・・・。そういう事も・・・間々あるか・・・。」





どうやら・・・・・





この暴走するワーウルフが殺した様だ・・・・。




washinkoの眼差しが凍り付いていき、敵を倒す為の「ねらい目」を探り出す・・・。





washinkoの眼鏡のレンズが・・・月明りに反射して、妖しく光り輝く・・・。



しかし、その眼鏡に当たっていた月明りの光が消えていった・・・。





満月が厚い雲に少しずつ覆われ、光が届かなくなっていったのだ・・・。


washinko「・・・・・・・・・・・」




月に照らされ、出ていたwashinkoの影が消えていく・・・。


影が闇に紛れて・・・立っているのは、washinkoと暴走しているワーウルフ・・・。




一瞬で勝負を決めようとしているのが、張り詰めた鋭い空気を通して理解できる・・・。






??????「ゴォォォーーーーー・・・・・グォォォォ・・・・」


咆吼して止まないワーウルフ・・・





しかし・・・・






??????「うぅぅ・・・・ぐぅーーーーーーーーーーーーーーーーッ!!!!!!!!!!!」



washinko「な、なんだ!?」




急に暴走しているワーウルフが苦しみだしたのだ!!!




??????「ひぃ・・・・ひぎぃぃーーーーーーーーッ・・・・!!!」



自分の体を抱える様に爪を立てるワーウルフの瞳に光が戻り始める・・・。



そして・・・・






washinkoは暴走するワーウルフから発せられた声に目を大きく開ける!!!




??????「ゴ、ごろじで・・・ぐだざい・・・・。」




washinko「な、何ッ!?キサマッ・・・・そ、その声は・・・まさか・・・?」




レット二等兵「レ・・・レット・・・です・・・。」




そう!以前、washinkoが命を助けたワーウルフ、レット二等兵だったのだ!!!



あの頃の面影は一切無く・・・以前とは打って変わり、体は肥大して大きくなり、凶暴化していた!!



しかし、それはレット二等兵が望んだ物ではない・・・。



涙を浮かべて、苦しそうに・・・・・・washinkoと向かい合っている・・・。



washinko「どういう事だ!?キサマッ!!国に帰ったのでは無かったのかッ!!!?」



大きな声でレット二等兵に怒鳴り上げるwashinko・・・。




しかし、レット二等兵は・・・悲しそうにwashinkoに話しかけていく・・・。



レット二等兵「あ、あの後・・・ランバート大佐に捕まって・・・オ、オデの・・・体に・・毒を・・・」





washinko「な、ナニッ!?」





レット二等兵「月の・・出ている間・・・もの凄く強ぐなるけど・・・ワケが分からなくなって・・・・」




washinko「で、では・・・毒のせいで「暴走」しているというのか!!?」



レット二等兵「ヴウゥ・・だ、たいぜつな・・イモウト・ヲ・ゴロシテ・・しまっだ・・・。」





washinko「!!!!」




レット二等兵の言葉にwashinkoは辺りを見渡す・・・。







すると・・・・









普通よりも少し体の小さい・・・・












黒おおかみが三匹・・・














涙を流して死んでいた・・・。






レット二等兵「モゥ・・・オデ・・・ダメ・・・・」






washinko「き、キサマ・・・・」



心より愛していた妹おおかみを自ら殺してしまい・・・



今、また望みもしない「破壊」への衝動に苦しむレット二等兵・・・。






レット二等兵「ゴノママジャ・・・また・・・ダレガを・・・・・・」




レット二等兵から溢れ出ていく膨大な量の涙・・・。


レット二等兵「雲で・・・月が隠れでいる内に・・・はやぐ・・・」



その涙が・・・「血の涙」へと変わっていく・・・。




血が溢れ流れる程・・・爪を立てて、肩を抱きしめているレット二等兵・・・。




しかし、レット二等兵は苦しみを耐えるという理由だけで肩を抱いているのではない・・・。








掛け替えのない妹を自らの手で殺してしまった「暴走」を押さえ込み、



これ以上、washinkoを傷つけない様にと戦っている姿なのだ・・・。






washinko「ぐっ・・・・」




歯を食いしばり、レット二等兵を睨み付けるwashinkoだが・・・それはレット二等兵への憎しみの眼差しではない・・・。





レット二等兵「おねがいでず・・・これ以上・・・だれも・・・きずつけたぐ・・・ない・・んでず・。」




レット二等兵の余りに悲しい・・・「一撃」の要求・・・。




それは「死への要求」である・・・。




そうしている内に少しずつ、雲は流れ・・・満月が顔を出していく・・・。




レット二等兵「アア・・・ア・・オネガ・・・ゴロジ・・・・グ・・・・ゴォ・・・・オオオォォォ・・・・・」





体を震わせて又も咆吼するしかできないレット二等兵・・・。


涎を撒き散らし、目の瞳孔が開いていく・・・・。



ジャキンッ・・・・・ジャキンッ・・・・



指から鋭い爪を剥き出しにする・・・。



体の小さいwashinko等・・・一瞬でバラバラにしてしまいそうな程、危険な大きい爪・・・。



小さくなりかけていた筋肉が更に肥大するが・・・「毒」で無理矢理に肥大させた筋肉は「風船」の様に危険な膨れ方をしている・・・。




引き延ばされた皮膚はひび割れ、「血」が吹き出し、筋肉を収縮させる度・・・激痛が走っているのだろう・・・。


見るに耐えない血管の浮き出方をしている・・・。



washinko「・・・・・・・・」




うつむき、レット二等兵に表情を隠すwashinko・・・。





眼鏡に手を掛け、washinkoは消え入りそうな声で・・・・







言った・・・。








washinko「ならば・・・・せめて・・・苦しまずに・・・・逝け・・・・。」





スッと外した眼鏡の影・・・washinkoの頬から一筋の涙が零れる・・・。




washinkoの眼差しからは鋭さが消えていき・・・






優しい「少女」の眼差しへと変わっていく・・・。









washinko「ごめんね・・こんな・・・こんな事しか・・・・できなくって・・・ゴメンネ・・・。」





レット二等兵「ゴォォォーーーーー・・・・・グォォォォ・・・・」







washinkoはポロポロと涙を流して・・・「誰か」に話しかける。








washinko「お願い・・・ゆき姉ちゃん・・・あの「人」を楽にしてあげて・・・」







汚れを知らない少女は、ただ目の前のレット二等兵を慈愛の眼差しで見つめ続ける・・・。




レット二等兵「グォォ・・!?」




すると!!









空から舞い落ちる無数の小さな白い粒子・・・?







いや!粒子などと言う「無粋な物」ではない!!!






肌に触れれば消えていき、汚れ無き「水」に変わっていく・・・。







しかし、余りに量の多い「ソレ」は溶ける間も無く、washinko、レット二等兵の周囲にドンドン降り積もっていく・・・。









なんと暖かくなり始めた「イデア、草原の街道」にも関わらず!!!










雪が降り出したのだ!!!!





積もった雪から白い煙が湧き立ってくるとwashinkoを包み込む様に光を放ち始める・・・。



それは形を持たない「雪の精霊」・・・・。




washinkoを妹の様に育ててくれた優しい・・・washinkoにとっての姉・・・。





雪のトーテム「washinkoちゃん・・・わかったわ・・・苦しまない様に・・・・・・。」




washinko「ひ・・・うく・・・うっく・・・・」




たまらず、レット二等兵から目を背けて涙を流すwashinko・・・。




レット二等兵「グァッ!!?」



一瞬・・・・




驚く暇(いとま)すらも与えない程、一瞬・・・・






ほんの一瞬でレット二等兵を凍り付けにしてしまったのだ!!!










雪のトーテム「氷のオブジェにした以上・・・もう、痛覚は死んでいます・・・。

さようなら・・・「悪」に操られし「善なる者」よ・・・。

あの世への旅路・・・迷わぬ様・・・お気を付けて・・・。」




washinko「ウゥゥヴヴ・・・・・ウワァーーーーーーーン・・・・!!!」








両手で顔を隠して・・・


大声を上げて泣き出してしまうwashinko・・・!!!








ガシャーーーーーーーーン・・・・・・・





washinkoが大きな泣き声を上げたと同時に・・・レット二等兵の凍り付いた体が粉々に砕け散る・・・。



雪で白く染まった地面に、細かな朱い氷の粉が舞い散っていく・・・。



朱を混じらせたその氷の上に、深々と降り積もる白い雪・・・。



黒おおかみ達の死体も覆い隠す様に降り積もる・・・。






レットの思いも悲しみも・・・・何もかも埋め尽くして一面が白く染まっていった・・・。









眼鏡を外すと・・・心が子供の様になってしまうwashinko。










その心優しいwashinkoにとってこの勝利は・・・













あまりに悲しい勝利であった・・・。









   ○washinko VS ●暴走レット二等兵 (決め技 : 三大精霊の一角、雪のトーテム「アンペイン・パウダー」)




・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・



ヤスノブ「全ての「悪」がイデアからドンドン消えていく・・・。」



セルティック「馬鹿な・・・あのクソ狼共が・・・何の為に「協力」シテやっタト思っていルノダッ!!!」



ワナワナと剣を握りしめ、歯を食いしばるセルティック・・・。



その表情は歪みに歪んでいる・・・。



しかし、セルティックはヤスノブに赤い目を光らせて剣を再度、構える・・・。



セルティックの「謀略」、ランバート大佐の「策略」・・・全ての「作戦」が失敗に終わりながらも、


ヤスノブに向かって剣を振りかざして走っていく!!


セルティック「マダだ!!コノママデハ・・・終わランゾッ!!!!」


ヤスノブ「秘剣ッ・・・メガクロスッ!!!!」



ヤスノブはセルティックの二刀流の剣撃に対して一瞬で応対する!!


剣撃3発は打ち込んできた「ヤスノブレード」に・・・そしてもう一発を・・・・






パキーーーーン・・・・




セルティック「グァッ・・・!!「黄泉の剣」の・・「宝玉」ガッ!!!」



黄泉の剣の「刀身」に触れない様に、柄に埋め込んでいた「宝玉」のみを叩き斬る!!!


割れた「宝玉」から「青い煙」が吹き出していくとクラージュの体へと向かって吸い込まれる様に入っていった!!




クラージュ「ゴ・・・ゴフッ・・・」



クラージュの口から血が溢れ出る!!


なんと!!クラージュが息を吹き返したのだ!!!




GEIZU「クラージュ様ッ!?クラージュ様ァーーーーーーッ!!!」


主の復活に涙を流して歓喜するGEIZU!!



ゑゐ「良かったです!!!良かったですッ!!!!」


よだれ丸「・゜・(つД`)( 、 、)・゜・。」

よだれ丸もクラージュに抱き付きながら喜んでいる!!




ヤスノブ「これで「黄泉の剣」は只の「剣」になったわけだ・・・。「波動」も「粘土」も、もうでないよ・・・。」







セルティック「アァア・・・・ソンナ・・・・オレノ・・・オレノ・・・10年ガ・・・クズレテイク・・・・。」


緑の肌を振るわせて愕然としていくセルティック・・・。


魔物の姿にまでなり、剣聖クラージュを追い詰めた筈なのに狂い尽くした歯車に思考が凍っていく・・・。


あまりに信じ難い結末・・・予想だにしていなかった「180度反対の結末」・・・。




セルティック「マ、マダだ!!!オレニハ・・・秘剣ガ・・ソウダ!!「秘剣」ガアルッ!!!!」




セルティックの脳裏に「最後の切り札」が過ぎる。



セルティックの最後の希望・・・。


それは剣聖、クラージュの秘剣・・・。






「秘剣、無双乱舞」





GEIZU「ま、まさか・・・セルティックがクラージュ様の秘剣を使うというのか!?」


ゑゐ「うぅぅ・・・い、一体どんな技なんですか??」


GEIZUやゑゐはセルティックを畏怖の目で見つめる・・・。





ヤスノブ「・・・・・・・」


しかし、無言でセルティックを見つめるヤスノブ・・・。


目を瞑り、俯くと溜息をついてセルティックに答えた・・・。






ヤスノブ「やってみなよ・・・セル兄ぃ・・・。「無双乱舞」。」


セルティック「ナ、何ッ!?」


ヤスノブ「出来る物なら・・・ね・・・」


眼差しを鋭く、剣を身深く構えて刃先をセルティックに向けるヤスノブ・・・。




その「構え」はこれからセルティックが取ろうとしていた「構え」・・・。



セルティックはそのヤスノブの構えを見て、汗を垂らして問いかけた!!


セルティック「マ、マサカ・・・キサマも・・・使えるト言ウノカ・・・!!?秘剣、無双乱舞ヲ・・・!!?」



ヤスノブ「・・・・・・」




セルティック「フ、フザケルナッ!!!秘剣ハッ!!!秘剣ハ俺ダケノ・・・・俺ダケのモノだーーーーーッ!!!」




セルティックは息を荒げて、ヤスノブに両手の剣を「円を描く様に」振りかざす!!!



幾重に重なる「剣の舞」がヤスノブの体を刻もうと風を纏わせ、襲いかかる!!!



しかし・・・


ヤスノブ「やっぱり・・・」


と漏らして・・・



ヤスノブは秘剣の構えを取りながらもセルティックの猛攻とも言うべき剣撃をヒラリ、ヒラリと避けていく!!



セルティック「ナ、ナゼダッ!?「出せば必殺、避ければ惨殺」の「無双乱舞」ガ・・・ナ、何故避ケレルッ!?」


涼しい顔でセルティックの猛攻を避けるヤスノブが蔑んだ声色でセルティックの問いに答えた・・・。



ヤスノブ「コレは「無双乱舞」じゃないッ!!!」



ガンッ!!!


セルティック「ぐ・・グォォーーーーーッ!!!!」


ボシャーーーーン!!!!



ヤスノブの「パワーブレイク」がセルティックの剣を弾き、体ごと吹き飛ばす!!


セルティックは泉に身を落とし、ずぶ濡れになりながら尻もちを付いてヤスノブを見つめている・・・。




そのセルティックの眼差しは一色・・・







絶望の色・・・。





ヤスノブ「セル兄ぃは「斬った者の剣技を使える様になる」って言ったけど・・・

実際は「肉体が耐えられる範疇だけ」みたいだょ・・・?

セル兄ぃの「悪の闘気で汚れた肉体」じゃ使うのは無理だよ・・・。

『聖騎士試験目録』を読んだ事が無いんじゃないのかい・・・?」





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『聖騎士の秘剣』とは・・・・


正義の闘気を使用し、独創性溢れる『剣技』は総称して『秘剣』と呼ばれるのだが『簡単に真似をする事ができない』のが基本である。


『秘剣』を伝承する、される事は勿論許される事ではあるが『聖騎士の称号』を得る為には『自らの秘剣』を編み出す事が必須。


聖騎士を目指す者は常に試験の時、『自ら考案した剣技』を審査員に披露する必要があるのだ。


もしも、「聖騎士試験」で「過去、誰かが編み出した秘剣」を披露しても「称号」を得る対象にはなりはしない・・・。


なぜなら「聖騎士」とは『自分で考え、生み出す力』を最も重用視しているからである。


「考える力」こそが「無限の力」になり、「無限の可能性」を引き出していく・・・。


つまり、『聖騎士の秘剣』の本質は『考える力』なのである。


『聖騎士』とは常に「心」、「技」、「体」、「知」を


自らの力だけで鍛えていく事の出来る人物の総称である事を理解して試験に望んで頂きたい。


                        (聖騎士試験目録、緒言の一説より抜粋)


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セルティック「そ、そんな・・・ど、どういうことだ・?」

あまりに愕然とするヤスノブの答えに「声」が元に戻るセルティック・・・。


ヤスノブの説明でも最早、思考が働かない・・・。



青ざめた表情のセルティックにヤスノブは手の平で「クラージュの剣」を包む様に撫でていく・・・。


すると先程まで露わとなっていた刀身を包む様に「鞘」が現れた!!!


セルティック「ば、馬鹿なッ・・・お、教えろッ!!お、俺は・・・俺は剣聖クラージュの秘剣を・・・」







ヤスノブは続きの言葉を出せないセルティックの為に、誰でも理解できる様に簡単に「続き」を言った・・・。









ヤスノブ「そう、『使えない』・・・。」




セルティック「キ・・ヒ・・ヒヒヒヒ・・・ヒヒ・・・・・」

思いがけない真実に気が触れていく・・・。



丁度その時、目眩を伴いながらも目を覚ますクラージュ・・・。


クラージュ「ぐ・・・わ、私は・・・い、一体・・・?」


GEIZUの腕に抱かれて・・・虚ろにヤスノVの方を見つめる・・・。


頭に血が上っていない為・・・夢を見ている様に感じる・・・。



GEIZU「ク、クラージュ様ッ!!目がお覚めになりましたか??ご覧下さい!!ヤスノブ様が・・・ヤスノブ様が・・・」




満月の光に泉が輝く中・・・一人の男が立っているのが見える・・・。



ヤスノブ「・・・・・目が覚めたんだね・・・?パパ・・・。」



ヤスノブは「鞘に収まったクラージュの剣」を左手に持ち、背を向けている・・・。



靄が掛かる中に青白く輝くヤスノブ・・・


クラージュの目には幻想的な世界に居る様に映っている・・・。






セルティックはヤスノブを睨み付け、「無力と化した黄泉の剣」を力強く握り直して「現状使用できる最強の剣技」で襲いかかった!!



セルティック「い、今一度死ねッ!!我が「ブラックジャック」で・・・「ブラックジャック」でーーーーーーーッ!!!」


声を荒げて「醜い最後の特攻」を仕掛けるセルティック・・・。


最早、無駄だと理解しているのにも関わらずヤスノブに挑むのは・・・セルティックの「最後のプライド」なのであろうか?


それとも、もう「思考不能」なのであろうか・・・?




しかし、ヤスノブはそれを無視する様に、みんなの居る後ろを振り向く・・・。




クラージュに微笑みかけて・・・・





手を付きだした・・・。





クラージュ「・・・・・・?」




ヤスノブ「パパ・・・見ててね・・・。」




クラージュ「!!!!!」






目を大きく開けるクラージュ・・・。










クラージュが見た物・・・。








それは・・・・








突き出された右手に立っている・・・










親指と、人差し指と・・・小指・・・。






「家族しか知らないサインの意味」にヤスノVの姿を見つめながらも・・・・「誰」が話しかけたかを一瞬で理解するクラージュ!!!



「親指と人差し指と小指」を立て、笑顔を向ける青年に大声で「彼の名前」を叫び上げた!!!






クラージュ「ヤ、ヤスノブーーーーーーーッ!!!!」






鞘に収まったクラージュの剣にJPを込めると・・・右手を剣に向ける・・・・。




セルティックに鋭い眼差しを向け、それと同時に「身」を「影」へと変えてセルティックに駆け出した!!



セルティック「グォーーーーーーーーーーーーーーーーーーーッ!!!」





水面の上を滑るように『影』が高速でセルティックへと向かっていく!!







弾ける水飛沫を無視する様に・・・









『『『シャキン・・・・!!!!!』』』










高い金属音が鳴り響く・・・。





静寂の中・・・泉に波紋を交差(クロス)させたセルティックと「影」・・・。




たった一瞬で決着が付いた様だ・・・。






泉に足を浸け・・・立っているヤスノブ・・・。


先程まで鞘に収められていたクラージュの剣は既に抜かれて、右手に持ち直されている・・・。



GEIZU「な・・・こ、この技は一体・・・?」

ゑゐ「み、見えなかったです・・・。」


よだれ丸「Σ(´Д`;=;´Д`)」

GEIZUの顔を見た後、クラージュの表情を見るよだれ丸・・・。



クラージュ「こ、この技は・・・。」


一度としてヤスノブとの修行で見たことのない技に目を大きく開けるクラージュ・・・。









クラージュの記憶に甦る「ヤスノブとの一時」・・・。












・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

ヤスノブが辻斬りに合う10日前・・・

クラージュ邸・・・剣闘場、出入り口・・・



クラージュ「2ヶ月後に控えた「聖騎士試験」で披露する剣技は出来上がったのか・・・?」


修行を終え、剣闘場でヤスノブに話しかけるクラージュ・・・。


常に冷静な眼差しで息子を見つめている・・・。




最近は修行で体に傷を負う事も少なくなり、「騎士」としての実力を十分、身に付けているヤスノブ・・・。


ヤスノブが「聖騎士」となることで、クラージュの修行も「終わり」を迎えようとしていた・・・。


ヤスノブ「えへへ・・・できたよ。」


恥ずかしそうに、父クラージュに答えるとタッタッタっと中庭の花壇の方に駆け出していく・・・。


クラージュ「そうか・・・」


フッと笑みを浮かべて、走っていくヤスノブを見つめるクラージュ・・・。


ヤスノブは立ち止まってクラージュに振り向くと・・・



「親指と人差し指と小指」を立て、満面の笑顔でこう言った・・・。






ヤスノブ「僕の編み出した『秘剣』は世界で一番強くって・・・カッコイイ技だから・・・最高の『名前』を付けたんだ!!!」



クラージュ「そうか・・・試験の日を楽しみにしているぞ・・・ヤスノブ・・・。」






花が美しく咲き誇る中庭・・・ヤスノブの笑顔を見つめて、腕を組みながら笑顔で頷くクラージュ・・・。







・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・








そのヤスノブの編み出した『秘剣』は最早・・・目にする事は出来ないと思っていた・・・。





クラージュ「こ、これが・・・ヤスノブの『秘剣』・・・?」




ヤスノブ「・・・・・・・・・・・」


ゆっくりと・・・剣を「鞘」に戻していく・・・。





そよ風が泉を駆け、ヤスノブの髪をフワリと撫でる・・・。






小刻みに震え、手に持つ剣をボチャリと泉に落とすと、懸命にヤスノブの方を振り返る・・・。








静寂の中、絶望の渦中に堕ちながら愕然と、ヤスノブに問いかけた・・・。






セルティック「な、なぜ・・・こんな・・・結末になる・・・?



『A(エース)の貴様』を殺し・・・



『K(キング)』からは「秘剣」を奪い・・・



『Q(クイーン)』は「狼」に連れ去られ、



『J(ジャック、門下)』達は悉く・・・無力と共に消えていく筈だったのに・・・。」






ゑゐ「・・・・・・」



GEIZU「・・・・・・」



クラージュ「愚か・・者め・・・・・。」


眉をしかめてセルティックを見つめる・・・。


ヤスノブ「・・・・・・・・・」


セルティックの言葉を無視する様に、ゆっくりと剣を鞘に入れていく・・・。




セルティック「ガ、ガフッ・・・!!」


ヤスノブの後姿しか見えていなかったセルティック・・・。


表情を歪めて、血を吐き出す・・・。





手の平に乗った僅かな「赤い血」に・・・。


セルティック「ヒ・・・ヒィ・・・・」


と、小さな悲鳴を上げる・・・。




今までもっと多くの「赤い血」を見てきたセルティックだが、目の前の僅かな「赤い血」に恐怖する・・・。




今までとは「持っている意味合い」がまったく違う「赤い血」・・・。






その「赤い血」は・・・・『他人』を傷つけ「命を奪う血」ではない・・・。






手の平に乗った、自らの僅かな「赤い血」の意味・・・・・。








それは・・・










「  『地獄』への片道切符  」・・・・





セルティック「な、何故俺が・・??・何故、俺が・・・死ななければいけないのだ??」






苦しみのあまりにガクガクと全身を震わせ、じわりと涙を浮かべるセルティックが再度ヤスノブを見つめる。




涙目の向こうに見えるのは眩い程・・光り輝く蒼いマント・・・。





今までヤスノブと思って戦ってきたセルティックだったが、光り輝きながら風に靡く「蒼いマント」に歯を食いしばる。







セルティック「キ、キサマが現れなければ・・・すべて上手くいったのに・・・




我らの中で最も弱かった貴様が・・・す、全てを狂わせてしまった・・・。




愚にも付かない「クズ札」のッ!!・・・「クズ札」の分際でェェーーーッ・・・・・」







蒼いマントに感情を昂らせて、恨みがましく憎しみの声をぶつける・・・。




ヤスノブではなく・・・もう一人の「やすのぶ」に話しているのだろう・・・。









ヤスノブはセルティックの罵声に睨みを強くすると、


剣を「鞘」に仕舞い込む寸前、ようやくその重い口を開いた・・・。





ヤスノブ「セル兄ぃ・・・やすのぶさんは「クズ札」なんかじゃない・・・。





まだ解らないのかい・・・?やすのぶさんは「僕(ヤスノブ)」になってくれたんだょ・・・?」












最後の最後で・・・














『クズ札:やすのぶ』から『J(ジャック):ヤスノV』に変身し、















更には『A(エース):ヤスノブ』に化けたヤスノV・・・・・。















その『ヤスノVの成し得た過程』は・・・53枚のカードの中で「たった1枚の称号」を与えるに相応しい・・・。

















ヤスノブ「ヤスノVさんこそ・・・「JOKER:(切り札)」だったんだッッ・・・!!!!」












セルティック「ク、クソッ!!!クソォォーーーーーッ!!!!」




セルティックのチープなカードゲームに「レイズ」はもう・・・通用しない・・・。



バサッ!!!!







ヤスノVの蒼いマントが全ての終わりを告げるように大きく翻る!!!










ヤスノブ「去らば、セル兄ぃ!!!永久に眠れッ!!!これが僕の編み出したーーーーッッ・・・・・」










セルティック「い、嫌だ!!死にたくない!!・・・俺はッ・・・俺はまだァァァーーーーーーーッ!!!!」



正義の秘剣を前にして、手足すら動かす事も出来ず大声を上げて醜く足掻く・・・。


大きく目を見開き、救いのない呪われた断末魔が闇夜に響く・・・。













その呪詛をかき消すのは・・・正義の光の中で編み出した「ヤスノブの秘剣」・・・!!



















今、ここに産声を上げ、何処までも・・・何処までも響き渡る!!!
























ヤスノブ「「「「「「「!! 秘剣ッ!クラーージュッッ !!」」」」」」」


















チンッ・・・




ズパッ!!!!!!!!!



セルティック「死ッ!!!!!!!!!!!!???????????」




セルティックの体がヒビ割れると同時に眩いばかりの「正義の光」が放出される!!


一瞬でセルティックの体を切断すると、光と共にセルティックの体も・・・消えていった・・・。





GEIZU「や、やったッ!!!!」


ゑゐ「ウ・・・ウェェェェーーーーーーーッ!!!」


よだれ丸「・゜・(つД`)シ・゜・。」


手を握り歓喜するGEIZUに感動のあまり泣き出す ゑゐとよだれ丸・・・・。






クラージュ「 ・・・・・ひ、『秘剣、クラージュ』・・・・見事だった・・・ヤスノブ。」


目を閉じ、頬に涙を伝わせる・・・・・・。












今、ここにようやく・・・辻斬り魔、セルティックとの長い戦いに終わりが告げられたのだった・・・・・。








・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・






血の匂いが消え、木々の澄んだ空気がザァッと通り過ぎる・・・。







ヤスノブ「・・・・・・・」






俯き、ただ頭を垂れたまま微動だにしないヤスノブ・・・。



泉に立ち尽くし、ただ静寂に身を任せる・・・。


クラージュ「ヤ、ヤスノブ・・・。」


ヤスノブとの突然の邂逅にクラージュは声を震わせて泉へと足を運ぶ・・・。





ゑゐ「ヤスノブくんッ!!すごかったです!!」

よだれ丸「ヾ(´▽`)シ」

GEIZU「ヤスノブ様・・・。」


みんながヤスノブの方へと近寄ろうとするが・・・




ヤスノブの体がドンドン震えていく!!




GEIZU「ナッ!?ヤスノブ様ッ!?」



グラリと体を崩して泉に倒れそうになるヤスノブを見て、クラージュは身を影に変える。



クラージュ「ヤ、ヤスノブーーーッ!!!」




ガシッ・・・・





ヤスノブ「・・・・・・」


クラージュ「な、なにッ!?」


抱きしめたヤスノブの体温に汗を垂らすクラージュ・・・。


ヤスノVの体を借りているヤスノブの表情は完全に血の気が引き、青白い顔をしている。


額からは汗が迸る程溢れかえり、息も絶々である・・・。



ヤスノVの体を借りる事は、ヤスノブにとって『魂に負担を掛ける行為』だったのだ。




ヤスノブ「パパ・・・・」



クラージュ「喋るなッ!!直ぐに私が病院へ連れて行く!!心配する事は・・・」


ヤスノブ「違うんだ・・・」


クラージュがヤスノブに言い放つが、それに対して首を横に振りながら涙を浮かべる・・・。




ヤスノブ「僕は、もう逝かないといけないんだ・・・。」



クラージュ「ッ!!」


息子ヤスノブの言葉に唇を噛み締めるクラージュ・・・。


GEIZU達も泉に入り込み、ヤスノブに顔を見せる・・・。



GEIZU「ヤ、ヤスノブ様ッ?お気を確かにッ!!!」

よだれ丸「・゜・(つД`)つ・゜・。」

ゑゐ「頑張るのです!!頑張るのですッ!!」



皆が涙を浮かべてヤスノブを心配するが、最早ヤスノブには・・・現世に止まる力は無い・・・。

それを理解するようにヤスノブはゑゐに消え入りそうな声で話しかけた。



ヤスノブ「ゑゐくん・・・。君がパパに『キュア』を掛け続けてくれなかったら・・・パパは大変な事になってたよ・・・。

     本当にありがとうね・・・。」


ゑゐ「お、お礼なんていいのですッ!!ヤスノブくんッ!!」


ヤスノブの震える左手をギュッと握り締めるゑゐ・・・。


ヤスノブ「G兄ィ・・・。パパを守ってくれて・・・ありがとう・・・。

G兄ィがいなかったら・・・きっと何もかも手遅れだったよ・・・。」



GEIZU「な、何をおっしゃるのです!?まるで・・・今生の別れみたいにッ!!」





歯を食いしばり、涙を懸命に堪えるGEIZU・・・。









最後に・・・








ヤスノブはクラージュの方へとゆっくりと顔を向ける。











ヤスノブ「パパ・・・」



クラージュ「ど、どうしたッ!?なんだ?ヤスノブッ?」















ヤスノブ「ごめんなさい・・・。」






クラージュ「!?」






ヤスノブは目に涙を浮かべて目を閉じる・・・。







ヤスノブ「僕の油断がこんな結果を招いてしまったんだ・・・。本当に・・・本当にごめんなさい・・・ごめんなさい・・・。」



よだれ丸「 ・゜・(つДT)・゜・。」


GEIZU「う・・・うううっ・・・。」

ゑゐ「びぇ〜〜〜〜〜ッ・・・・。」



健気なヤスノブの言葉に涙を流す事しか出来ない・・・。






しかし、クラージュは涙を流しながらも・・・





ニッと笑顔を見せてヤスノブにこう言った・・・。



クラージュ「謝るな、ヤスノブ。お前が助けてくれなかったら・・・父さんは死んでたんだぞ?」



ヤスノブ「パ、パパ・・・?」



ヤスノブの頭に頬をつけて更に抱きしめるクラージュ・・・。







クラージュ「お前は私の自慢の息子だ・・・ヤスノブ。」





ヤスノブ「う・・うぅぅぅ・・・・・・」








尊敬する父、クラージュからの言葉に溢れる気持ちを抑えきれない。







ヤスノブは唯々、父に体を預けて・・・そのぬくもりを感じていた・・・。















○ヤスノブ vs ●セルティック  (決め技 : 秘剣、クラージュ)












・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・



stall「チッ!しぶといッ!!!」



黒おおかみが全滅し、残すはランバート大佐のみとなったクラージュ邸・・・。




ランバート大佐「お、オノレ・・・愚鈍な「人間」の分際で私をここまで追い詰めるとは・・・「想定範囲外」だ!!!」



tomimari、モカ♪、エスリーン、リューイ、もランバート大佐を囲むように円陣を組んでいる・・・。




誰もが『白銀』の勝利を確信している状況・・・。



リューイ「そろそろ『首』を自分で落としたらどうだい?その方が男らしいってもんだょ?」




ランバート大佐「ぐっ・・・確かに・・・外の「宴」も誰かに邪魔された様子・・・。最早これまでか・・・。」



ランバート大佐の言葉に必殺の一撃を放とうとする全員・・・。



しかし、ランバート大佐は懐から「丸薬」を取り出した!!


tomimari「な、何を!?」








ランバート大佐「フッ! どうせ死ぬのならば、こういう『幕下ろし』も面白かろう!!せめて「道連れ」を所望したいッ!!!」







弾く様に口に運んだその「丸薬」をガリッと噛み砕く!





するとランバート大佐の筋肉がドンドン肥大していったのだ!!


この丸薬は「レット二等兵」に飲ませた物とまったく同じである!!!



口から煙を吐くランバート大佐・・・。



壁に叩きつけるようにコブシを振るう!!













「「「「「「「「「ドガーーーーーーーーーーーーーーーンッ!!!!!」」」」」」」」」










エスリーン「きゃ、きゃぁ〜〜〜〜〜〜ッ!!」


リューイ「チ・・チィッ!!!」



stall「エ、エンジェルガードッ!!!!」


とっさにエスリーンに魔法を掛けて攻撃を防ぐstall!!


モカ♪「クッ!!」


tomimari「モカ♪ッ!?」


飛び散った壁の破片からtomimariを庇うように盾になるモカ♪。




飛び散った煙が晴れていくとランバート大佐の変わり果てた姿が見えてくる。



体は「3倍以上」に膨れ上がり、街で暴れていたレット二等兵等 最早、問題では無いほどの強さを身に付けている。




その強さを目の当たりにして、その場にいる全員が・・・






汗を垂らして息を飲む・・・。






リューイ「ま、まさか・・・?」












エスリーン「こ、ここまできて・・・まだ・・・・?」













モカ♪「まだ・・・終わらないっていうのッ・・・!?」














stall「往生際が悪いぞッ!!!ランバーーーーートッ!!」






tomimari「・・・・・・・」






tomimariの体調不全も最早限界が来ている様だ・・・。





言葉を発する事すらも困難な状況になっている。









それでも・・・・・

















心の中で・・・・・

















tomimariは呼び続ける・・・・

















来てくれる事を信じて・・・・


















ずっと、叫び続ける・・・・・






















『お願い・・・・・』

























『早く来て・・・・・』






























『クラージュ・・・』























・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・



ヤスノブ「!!!」



クラージュに抱きかかえられていたヤスノブが急に目を大きく開ける!



クラージュ「だ、大丈夫か!?ヤスノブッ??」




力を込めギュッと抱きしめるクラージュだがヤスノブは慌てふためいてクラージュに伝える・・・。


ヤスノブ「マ、ママを助けて・・・パパ・・・。」


GEIZU「な、ど・・・どういう事ですかッ!?ヤスノブ様ッ!?」




ヤスノブ「「物凄く強い魔物」に今、ママが襲われてるんだッ!!!」



よだれ丸「Σ(゜Д゜;)!!」



青ざめたヤスノブの表情に汗を垂らすクラージュ。



クラージュ「し、しかし「ここ」からだと走っても40分は掛かる・・・。どうすれば・・・」



ヤスノブは真剣な眼差しでクラージュに目を向ける。



ヤスノブ「『心』でママの声を感じ取って・・・パパならきっと・・・一瞬でママの所に行ける筈だから・・・。」


ゑゐ「そ、それはどういう事なのですかッ!?」




クラージュ「失われし古代魔法・・・『ハニー』か・・・。」


よだれ丸「!!Σ(゜Д゜;)!!」


GEIZU「そ、そんな魔法があったのですかッ!?」



驚いてクラージュを見つめるGEIZU・・・。



クラージュ「危機に瀕した伴侶の下へ一瞬で移動する古代魔法・・・。私に・・・出来るのか・・・?」




手を握りしめ・・・それを見つめるクラージュだが、ヤスノブは笑顔で話しかける・・・。




ヤスノブ「大丈夫・・・できるよ。だってパパは・・・僕の・・・最高の『ヒーロー』だもん・・・。」




クラージュ「・・・・迷っている暇は無い・・・か・・・。」



息子を抱きしめながら目を閉じるクラージュ・・・。


この魔法を使った瞬間・・・ヤスノブの元から離れる事になる・・・。


弱々しく体を震わせるヤスノブを置いていく事があまりに辛く哀しい・・・。



ヤスノブ「マ、ママを・・・助けてね・・・。」



クラージュ「あぁ、任せておけ。私はお前の父なのだぞ・・・?


ヤ、ヤスノブも・・・後で屋敷に・・・直ぐに戻るのだぞ・・・?」



離れた瞬間・・・ヤスノブが「逝ってしまう」様な不安がクラージュを襲う。





ヤスノブはクラージュの心中を理解してか・・・・




笑顔で言った・・・。







ヤスノブ「うん・・・。直ぐに・・・戻るからね・・・パパ・・・。」




クラージュ「・・・・ヤスノブッ・・・」




少しずつ青い光がクラージュを包み込んでいく・・・。




GEIZU「こ、これが・・・古代魔法?」


よだれ丸「・・・(´Д`;)・・」


ゑゐ「ヤスノブくんのパパさんが・・・・き、消えるです!!」








一時の別れと信じてクラージュが魔法発動間際に大きな声で言い放つ!!!








クラージュ「ヤスノブたんッ!!帰ったらパパとママと三人で『全てを捨てて「ティモーレ」でマッタリと過ごそう』じゃないか?

なぁ、いいだろッ!?」


GEIZU「良くないっスッよゥッッッッッ!!!!」


よだれ丸「・゜・Σ(゜Д゜;)・゜・!!」

ゑゐ「ヤ、ヤスノブくんのパパさんッッ・・・!!」



最後の最後・・・クラージュの唐突なボケに一斉に突っ込む一同・・・。





しかし、ヤスノブはクラージュの発言に笑顔で答えた・・・。




ヤスノブ「あはは・・・ダメだよ・・・僕はパパと一緒に「イデア」を守るんだから・・・。」




クラージュ「ッ・・・!!!」





目を閉じて・・・青い光と共に一瞬で『草原の街道』へと飛んでいくクラージュ・・・。








ヤスノブはそれをうっすらと涙を浮かべて見送った・・・。














・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・






イデアには剣を操る事を得意とする「剣士」という者達がいる。









常に剣士は、技を磨き続けて人々の平和を守るために切磋琢磨する。





その頂点に位置する皇族・・・。






公爵、クラージュ・・・。






彼の操る秘剣は「無双乱舞」と呼ばれ、その威力は真空を帯びた風を巻き起こし最強の生物「ドラゴン」をも薙ぎ倒す。





・・・・・・・・・・・・・・・




stall「まさか・・・これ程とは・・・。」




ランバート大佐「ギギギ・・・ガァァァアアアーーーーーーーーッ!!!!」




ランバートによって屋敷は半壊し、中庭へ誘い出して戦いを繰り広げている・・・。





あまりに強靭になり過ぎたランバート大佐の肉体を前にして、全ての攻撃が無力となっている!!





エスリーン「くぅッ!!tomimariさんとモカ♪さんに「アヴィリティア」を掛けても・・・ダメなんて・・・。」




現状、最強の物理攻撃能力を有するモカ♪を先陣として戦っているがレイピアでの攻撃では致命傷は与えられない・・・。



tomimariも震える手を押さえつける様に剣を振るうがその攻撃力は「普段の10%」にも満たない・・・。





stall「諦めてたまるかッ!!!「ストール・ラ・ストーム」ッ!!!」




stallの得意とする「水の魔法」。


強酸性の大量の水がランバート大佐に襲い掛かる!!!






ランバート大佐「ギィーーーーーーーーーッ!!!!!」



しかし、炎を操るランバート大佐は肥大した腕から炎を巻き起こし、それを一瞬にして蒸発させる!!





リューイ「や、焼け石に水って・・・この事なのかいッ!?」



決め手に欠けるstall達の攻撃・・・。



それの間を縫う様にッ!!!ランバート大佐がtomimariに襲い掛かってきた!!





リューイ「ヤ、ヤバッ・・・」




エスリーン「と、tomimari様ーーーッ!!」


モカ♪「い、いやーーーーッ!!」









stall「(ティ、『ティリス』よッ!!・・・・)」










ランバートの猛攻に「stallの有する最強魔法」を放とうとするが・・・間に合いそうもない。










目前に迫ったランバートの猛攻がtomimariに襲い来る!!!







tomimari「ク・・クラージュ・・・・」













涙を浮かべて、愛する者の名を口にするtomimari・・・・。













ヒュッ・・・・






その時、tomimariを庇うように現れた一人の剣士の影・・・。






tomimari「   !!!   」





あまりに久しく感じるその背中に息を止めるtomimari・・・。












その場にいる全員がその剣士に驚きの眼差しを向ける!!!








クラージュ「・・・・・・・・終わりだ・・・。賊よ・・・。」













鬼の様な闘気・・・。
















魔物達はその闘気を前にして・・・・微動すらも許されなくなるという・・・。



















「正義」を愛し、「人の笑顔」を心の底から望む『鬼』・・・・





イデアの聖騎士・・・『鬼の公爵、クラージュ』・・・。









































人は彼を・・・・・・





































『剣聖』と呼ぶ・・・・・。











クラージュ「秘剣ッ!!!!『無双乱舞』ーーーーーーッ!!!!!!!」








・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・








・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・







・ ・・・・・・・・・・・・・・・・・








・・・・・・・・








あまりに多くの血が流れた今回の「黒おおかみ」の事件。


黒おおかみ、ワーウルフに街への侵入を許し、破壊の限りを尽くされてしまった。








しかしながら、ここまで悲惨な状態にも拘わらず奇跡的にも死者は「0名」。


雪までが降ったこの日をイデアの国民は「雪の精霊に護られた日」として後生まで伝えていく事となる。








今回の事件の主犯格「ランバート大佐」は剣聖クラージュによって抹殺され、その首は「ドルロレの秘密機関に渡された」とされるが


この事実を知る者は少ない。








また、主犯格セルティックの「辻斬り事件」も解決に至ったが、辻斬りで殺された騎士ヤスノブによって撃退。


その「虚偽のような真相」を知る者は少なく、その諸事実は完全に闇に葬られる事になる。











イデアを大きく脅かしたこの2つの事件・・・。










イデア、クラージュ公爵家の「親子鷹」によって解決された事は、誰もが知る事もなく、また、信じる者もいないであろう。



真実は謎のまま・・・何事もなかったかの様に、イデアは復旧されていく。








・・・・・・・・・・・・・・・・・




クラージュがtomimariの元へと飛び立ったあとの「泉」




ゑゐ「でわ、僕達も『草原の街道』に戻るのですッ!!」


よだれ丸「ヾ(´▽`)シ」


GEIZU「えぇ、クラージュ様が屋敷に戻れば全ては安心!!さぁ、ヤスノブ様も・・・。」



ヤスノブ「・・・・・・」



目を閉じたまま・・・黙っているヤスノブ・・・。



GEIZU「ヤ、ヤスノブ様・・・?」


よだれ丸「Σ(´Д`;=;´Д`)!!」






ゑゐ「ヤ、ヤスノブくん・・・?起きてです・・・。」







目に涙を溢れ返させていくゑゐ・・・。





ゑゐ「又、一緒に遊ぼうって・・・心の中でも、お話していたじゃないですか・・・。」








声を振るわせていくゑゐ・・・・。






ゑゐ「お、大きく・・・なったら、一緒に・・悪者・・を・退治しようって・・・約束したじゃないですかッ・・・?」





そのヤスノブの・・・目を閉じたままの笑顔に・・・









「別れ」を理解してしまう・・・・。











ゑゐ「う・・・・うわーーーーーーーーんッッッッッ!!!!!」


GEIZU「ヤ、ヤスノブ様ーーーーーッ!!!!」


よだれ丸「・゜・(つД`)つ・゜・。」



笑顔で目を閉じるヤスノブにゑゐ、GEIZU、よだれ丸が泣き叫ぶ・・・。




しかし、それでも・・・












ヤスノブがみんなに答える事は無かった・・・。














・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・







『やすのぶさん・・・ありがとうございました・・・。』



















「・・・・・・・・・・」



















『あなたに体を貸していただいた事は絶対に忘れません・・・。』



















「・・・・・・・・・・・」



















『・・・・?  あの・・・やすのぶさん・・・?』



















「やすのぶは今・・・眠っている・・・。」







『   !!   』






「今は、ソッとしておいてやってくれないか・・・?」






『だ、誰ですか!?あなたは!!!』

















「オレは・・・やすのぶを『守る』者・・・。」






『や、やすのぶさんを守る・・・?』








「正義の闘気に満ち溢れた・・・『秘剣、クラージュ』・・・。見事だったよ。」







『あ・・・いや・・・』







「父君、クラージュも喜んでいるだろう・・・。私の目から見ても『聖騎士の称号』を得るに相応しい秘剣だった・・・。」









『あ、ありがとう・・・ございます・・・。』







「ははは・・・ヤスノブくん。いずれまた、会うことになるだろう・・・。」







『ど、どういう意味ですか?』




























「簡単な事さ・・・。」


























「「君の行くべき場所」は・・・もう決まっているという事だよ・・・。」
















・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・







・ ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・









・・・・・・・・・・・・・・・・・・










・・・・・・・・・・








10年前・・・










イデア、草原の街道・・・やすのぶのアパート・・・。





やすのぶ「ふっく・・・えっぐ。ふく・・・ひく・・・。」



ドルイ戦争から5日後・・・。


やすのぶは避難所から戻ってきてから、ずっと膝を抱え込み・・・玄関で泣き続けていた。




外では戦争が終結を迎えたと言う事で街に人々が帰ってきている・・・。







しかし、やすのぶの待ち人は誰一人として・・・イデアには帰って来なかった・・・。




・ ・・・・・・・・・・・・・・




6日目を過ぎ、7日目の深夜・・・。






何も口にせず、ただ玄関で膝を抱えて座っているやすのぶ。






隣に住む闇慈が何度もやすのぶの家のドアを叩いたが・・・ドアを開ける事はしなかった・・・。





やすのぶ「嫌や・・・・一人なんて・・・・俺・・・嫌や・・・兄ちゃん・・・。兄ちゃん・・・・ッ。」





真っ暗の闇に身を置くのを拒み、部屋中の灯りを付けて決して眠らない・・・。





やすのぶ「う・・うぅぅ・・・・」








不意に眠気がやすのぶを襲う・・・。


















ザシュ・・・











何かを刺す様な音が部屋の中を響かせる・・・・。














よく見ると・・・やすのぶの右手に血で塗れたナイフが持たれている・・・・。










ザシュ・・・・ザシュ・・・・・・










眠気が襲うと左肩にナイフで傷を付ける・・・・。






痛みで眠気を殺しているのだ・・・。





そう・・・やすのぶはもう7日間も・・・・ずっと眠っていない・・・。




ドルイ戦争はやすのぶの大切なものを・・・非情にも・・・全て奪ってしまった・・・。









意識が遠くなり・・・明るい筈の部屋が薄暗くなる・・・。










ザシュ・・・







それでも、眠る事を拒み・・・また自分を傷つける・・・。




7歳のやすのぶの体は「生きる」という事に拒絶を始めて・・・・少しずつ目を閉じていった。

























その時・・・・















????「や、やすのぶ・・・何をしてるんだッ・・・?」





一人の男が・・・やすのぶに声を掛ける!!!




やすのぶ「あ・・・あぁぁぁぁ・・・・・。」




????「こ、こんなに肩を傷つけて・・・今、「天使の水」を掛けてやるからな・・・?」



誰もいない筈の部屋の中に・・・当然の様に現れた「青いマントの男」!!!



やすのぶの肩をグッと持つと「天使の水」を掛けて回復させていく!!



やすのぶ「い、生きてたんッ!?な、なんでここにいるんッ!?」



目を大きく開けて「んッ」といった顔でやすのぶを見つめる「青いマントの男」。






????「何でここにって・・・俺は「やすのぶのヒーロー」だからなッ?お前のピンチには来てやらないと・・・。」



そう言って笑うと「青いマントの男」はやすのぶの頭を撫でて、ゆっくりと立ち上がる。


やすのぶ「そ、それやったらお願いがあるねんッ!!

兄ちゃんが・・・兄ちゃんが帰ってこうへんねんッ!!!つ、連れて帰ってきてッ!!」




????「『ふっきぃ』か・・・。か、彼は・・・必ず戻ってくるよ・・・。」




やすのぶ「そ、そうなんッ!?じゃ、あかり姉ちゃんも・・・帰ってくるんッ!?」



「青いマントの男」の言葉に活気を取り戻すやすのぶ・・・。



しかし、やすのぶのその質問には黙ったままである・・・。






????「なぁ、やすのぶ・・・。俺と昔「約束」した事・・・覚えているか・・・?」




やすのぶ「ッ!?「一緒に世界の人達の平和を守るッ!!」ってヤツちゃう??」




フッと笑みを浮かべて、やすのぶの頭を撫でる「青いマントの男」。



????「その気持ちは・・・まだ消えてはいないか・・・?」






やすのぶ「当然やんッ!!兄ちゃんも一緒に・・・あかり姉ちゃんも一緒に・・・4人で守るねんッ!!!」



屈託の無い笑顔を「青いマントの男」に向けるやすのぶ・・・。




それを聞くと「青いマントの男」は懐から「ブレスレット」を取り出した・・・。



やすのぶ「・・・・?何なん・・・?これ・・・?」




????「俺は今の「やすのぶの言葉」を信じてコレを渡すよ・・・。」



青く輝く、美しい腕輪・・・。



それには「特殊な能力」が込められている・・・。



????「その腕輪は『変身』する為に必要な腕輪さ。この前「露店」で売っててな。俺が更に「細工」を施した。」




やすのぶ「そ、そうなんッ!?」


目を輝かせて腕輪を装着するやすのぶ。



グッと腕に力を込めて、ブレスレットを空に掲げる!!




すると・・・・




眩いばかりの光がやすのぶを包み込む・・・・








その光を受けると・・・・目の前にいた「青いマントの男」が少しずつ光の中に消えていった・・・。











????「もしもこれから先、「約束」を忘れず「努力」を続けるならば・・・」













????「やすのぶはきっと・・・素晴らしい「ヒーロー」になれるだろう・・・。」












????「その時・・・・」













????「残念だが・・・俺は・・・」














????「「剣」を持って・・・お前を守る事は・・・・・・もう・・・できない・・・。」














????「だけどせめて・・・」















????「俺を最後まで信じてくれた・・・お前の背中だけは・・・」



















????「俺に守らせて欲しいんだ・・・やすのぶ・・・。」














・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・










・ ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・










・・・・・・・・・・・・・・









やすのぶ「うぅぅ・・・・」


鼻を突く消毒液の臭いと感じた事のないベッドの感触に目を覚ますやすのぶ。


ふとんを無造作に剥いで目を数度擦り、大きなあくびをする。



やすのぶ「・ブファァ〜〜〜〜〜・・?  こ、ここ・・・どこだ?」



白い壁に白いベッド。


点滴の装置が置かれて、それが自分の腕に刺さっている。



やすのぶ「・・・?病院・・・?」


ベッドの隣には「花」が花瓶に生けられていて芳しい匂いが漂ってくる。


そのベッドの隅で眠っている一人の少女に目を留める。


やすのぶ「???誰だ?この子・・・?」



パッと見は10歳以上ではあるが見た事のない少女に頭を捻るやすのぶ。


おそるおそる声を掛ける。


やすのぶ「あ・・・君・・?ここで、何してるの・・・?」




????????「・・・・・・・?」


眠そうに目を擦る少女。


ポーっとやすのぶの顔を見つめると嬉しそうに話しかけてきた。



???????「よかったぁー。目がもう覚めないと思ったんだよ?」




やすのぶ「・・・?えっ?あ・・・いや、あの・・・?」


会話がズレている事に混乱するやすのぶ。



washinko「わたしは、washinkoちゃんだょーーー。」


両手で顎を支えながら笑顔でやすのぶに話しかけるwashinko。







眼鏡を掛けていない為、その心は少女の様に澄み切っている。







やすのぶ「あ?あぁ・・・washinkoちゃんっていうのか?ところで、俺がどうしてここにいるか・・・知ってる?」



washinkoの頭を撫でながら問いかけるとwashinkoはゆっくりとやすのぶに話しかけていく。




washinko「えとー、やすのぶくんは死にそうだったから・・・ここに来たんだと思う。」


やすのぶ「!!」





washinkoの言葉で気を失う前の状況を思い返す!!





やすのぶはセルティックに敗れたのだ!!



やすのぶ「そ、そうだ!!セルティックはどうなったんだッ!?」


慌ててベッドを立ち上がろうとするが、病室の外から一人の男がキザな声色でやすのぶに話しかける。




????「はんっ・・・。無理をすんなッ!!何もかも解決済みさ・・・。弱い癖にイキがるんじゃねぇよ・・・。」



やすのぶ「な、なんだとっ・・・って・・・この声・・・・まさか・・・・・・・?」



久しく聞く事のできなかった男の声・・・。




やすのぶの・・・・友の声・・・・。





たけやす「目が覚めたんだな?やすのぶ・・・。」




やすのぶ「目がって・・・お、お前こそ覚めたのかょ?目ッ!!!」



前までただ、ベッドの上で呆然としていた たけやすが元気な顔でやすのぶに笑顔を見せる。


たけやす「あぁ、かすみさんがアイテムを探し回ってくれたお陰と、


そこにいる先輩「「washinkoちゃん」さん」に「希望の見える眼鏡」を寄付してもらってな・・・。


kokolo先生に特効薬を作って貰ったのさ・・・。」


「希望」と名の付く4種のアイテムの効果を使用しての特効薬の作成。

これにより、たけやすは復活を成し遂げたのだ。



やすのぶ「そ、そうだったのか?あ、有り難うございますッ!!washinkoさんッ!!」







目を輝かせてwashinkoに頭を下げるやすのぶだが、washinkoは不機嫌そうに口を尖らせる。








washinko「washinko『さん』じゃないもん・・・。washinko『ちゃん』だもん・・・。」




やすのぶ「あ、す・・・すいません。「washinkoちゃん」さん・・・。」



たけやす同様、『ちゃん』を付けた後に『さん』をつけるやすのぶ・・・。



たけやすはベッド際まで歩いてくると椅子に腰を掛けてこれまでの経緯を説明した。





・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・




やすのぶ「そうか・・・。じゃぁ、これですべて解決したって訳だ・・・。」



たけやす「あぁ、解決だ。行方不明だった百絵さんも帰ってきたし、半壊状態だった「草原の街道」や「クラージュさんの屋敷」も

今じゃ元通りに直ってるよ・・・。」



やすのぶ「・・・・・?」



たけやすの言葉に首を傾げるやすのぶ。



やすのぶ「なぁ、あの大きな「お屋敷」が半壊したのに・・・数日で直る物なのか・・・?」



たけやす「??お、お前・・・自分がどれだけ気を失っていたのか・・・分かってないのか・・・?」






washinko「わかってないのかぁー?」




笑顔で声を上げるwashinko・・・。





気を失って一瞬で目覚めた記憶しかない やすのぶ。


確かに体に倦怠感を感じる為に「数日」は眠っていたと考えられるが・・・?






眉をしかめて再度、やすのぶは たけやすに問いかける。




やすのぶ「いや・・・ど、どのくらい寝てた?おれ・・・?」




たけやす「に、2ヶ月だよ・・・。」



washinko「もう、死んじゃったかと思ったよ・・・。」





・・・・・・・・・・・・










やすのぶ「な、なんやてぇ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜ッ!!!????」




2ヶ月・・・。



そのあまりに長い月日はやすのぶの体を「たるませる」には十分の時間であった・・・。



一時とはいえ、超人の様な肉体を手に入れたやすのぶだったが 今では筋肉はそげ落ち・・・ガリガリに痩せ細っていた。





目を大きく開けて鏡を見つめるやすのぶだったが・・・


その時、隣の病室から魔法使いの男が松葉杖を突いて入り込んでくる。




パンサー「あぁ、目が覚めたんですね?やすのぶさん。」



笑顔で病室に入ってきたパンサーだったが両足をギプスでガチガチに固めている。


やすのぶ「パ、パンサーくん?そ、その怪我は・・・?」




パンサー「ははは、名誉の負傷ってヤツですよ。もうそろそろ、ギプスも取れそうですが・・・。」



たけやす「おっと、パンサーくんが来たなら俺がここにいる理由も無いな・・・。用事を済ませて帰るとするか・・・。」



そういうと目を閉じてスッと立ち上がる たけやす。


ゆっくりとwashinkoの方へと歩いていく。



やすのぶ「よ、用事・・・?」



たけやす「あぁ、「stall」に頼まれてな・・・。「washinkoちゃん」さんをドルロレに連れ戻しにきたのさ・・・。」




幼児化してしまったwashinkoではあるが、あくまで本職は大学教授・・・。



聞けば度々ドルロレを抜け出してはイデアに来て、やすのぶの看病をしていたらしい。



連れ戻そうにもその都度に帰ろうとせず、stallを困らせていた様だ。








たけやす「さぁ、「washinkoちゃん」さん。そろそろ帰りますよ・・・?」



笑顔でwashinkoの手を取るたけやすだが、washinkoは目に涙を浮かべてそれを拒否した!!


パシン!!



たけやす「い、痛ッ・・・?」






パンサー「あぁ!?だ、大丈夫ですか?」








washinko「やだもん!!やすのぶくんは身寄りもないし「一人」なんだよ?心配だから帰らないんだもん!!!」









やすのぶ「わ、washinkoちゃんさんッッッ・・・・・。」






washinkoの心優しい言葉に感動するやすのぶ・・・。








感動のあまり、涙を浮かべている・・・。















たけやす「そんな事ばっかりいってると「怖い看護婦さん」がwashinkoちゃんさんに

「でっかい注射」しに来ますよ?ここ病院なんだから・・・。」



washinko「帰るッ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」



涙を浮かべて たけやすの手にしがみつくwashinko・・・。



一枚上手のたけやすの言葉によって、簡単に手の平は返されたのだった・・・・。





やすのぶ&パンサー「・・・・・・・・・・・・」












・・・・・・・・・・・・・・





・ ・・・・・・・



やすのぶ「よし、体もこれ以上鈍るとマズイし・・・」




パンサー「えぇ、僕も同じ事を考えていました・・・。」





たけやす、washinkoが帰った後、やすのぶとパンサーは脇目も振らずにリハビリ室へと向かっていった。










・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・





・ ・・・・・・・・・・・・・・・・・











・ ・・・・・・・・・・・・








2日後・・・・











復旧を完全に終えたクラージュの邸宅・・・。










フェイト「 m(=゜▽゜)m」




裏庭には「豪華なうさぎ小屋」が建てられ、満足そうにデビル因・・・いや、フェイトが顔を出している。









そして屋敷の中・・・。




新しくなったばかりの来賓室でネクタイを締めた男が座っている・・・。



その来賓室へと体中包帯を巻いた一人の執事がコーヒーを二人分持って入ってきた。




GEIZU「お口に合うかどうか分かりませんが、お飲み下さい。」


スッとコーヒーを差し出すが、その手にも包帯が巻かれていて痛々しい。




おけな「あぁ、GEIZUくん。ありがとう・・・。しかし・・・随分とヤラれたねぇ・・・?」




GEIZU「ははは・・・まさか奥様やモカが俺の事を犯人だと思っているなんて思いませんでしたよ・・・。」




傷だらけのやすのぶを担いでクラージュ邸宅に戻った日。



真相を知るクラージュはtomimariやモカに「誰が犯人だったか」を言っていなかったらしく、



屋敷に戻り、二人に会うや否や瞬間的にボコボコにされたらしい・・・。



tomimariの秘剣の効果は「傷の治りを遅くする」効果があるらしく、未だに包帯が取れないでいた・・・。








GEIZU「まぁ、日常生活に問題はありませんし・・・この位は大したこと無いのですが・・・。」











正直、心に大きな傷を負った様だ・・・。










GEIZU、一生懸命頑張っていた割には可哀想な程・・・酷い仕打ちである。









おけな「ま、まぁ・・・元気を出しなよ?GEIZUくん・・・。」




GEIZU「有り難うございます。まぁ、僕の場合「ドラン等のペット」の写真を見るだけで癒されますので・・・・」


そういうと懐から最近撮った「よだれ丸」の写真を取りだして見つめる。




GEIZU「えへへへへへ・・・誰かみたいに戦いに参加させるなんて・・考えられないや・・・。」



目尻が下がり笑みを浮かべるGEIZU。




GEIZUはペットを愛するあまり「敵からペットを護ろう」とする事がある。



過去、ペットを飼っていた事があるが・・・戦闘時にペットを護り、それが原因で瀕死に陥ったことが数度あった。




GEIZU「ペットと一緒だと「実力」を発揮できないっていうか・・・いろいろ問題があるので飼えないでいるんですよ・・・・。」




おけな「そ、そうなのか・・・。」




おけなはGEIZUをニコヤカに見つめているが・・・・











おけな「(微妙に「鼻血」・・・出てないか・・・?)」










ツッコミをあえて「心の中」に封じ込めているのは・・・おけなの優しさであった。







そうこうしている内に大きなドアからクラージュが入ってくる・・・。







クラージュ「すまない、待たせたな・・・・?」





おけな「あぁ、いや・・・久しぶりだなぁ・・・。」




クラージュの顔を見つめて笑顔を見せるイデアツーリスト、社長おけな・・・。



GEIZUは会釈をして来賓室を後にする。




クラージュ「あぁ・・・もう、2年ぶりか・・・?」




お互いに生活及び仕事面で接する機会の少ない二人。




久々の再会を心から喜び、コーヒーを飲みながら懐からタバコを取り出す。






おけな「やすのぶくんの修行の一件。すまなかったな。」



火を付けながら片目を閉じて眉をしかめる・・・。




クラージュ「そうだ!!やすのぶた・・・くんは、容態はいいのか・・・?」




入院中、気を失っていたやすのぶのベッドに幾度と無く忍び込み、添い寝をしていたクラージュ・・・。




最近ではクラージュの病院への訪問は「制限」が引かれている為、やすのぶの容態を知る事が困難になっている。




おけな「やすのぶくんも退院に向けてリハビリを始めた・・・。


また、ここに来させる事になるかもしれないが・・・


大したもんだよ、やすのぶくんをあのレベルまで上げてくれたんだからなぁ・・・。」








クラージュ「いや、俺は大したことはしていないぞ?第一、やすのぶくんは「クロスソード」を元々知っていた様だったしナ?」




おけな「ふふふ・・・そりゃそうさ。」



クラージュ「えっ・・・?」



社長おけなの不敵な笑みにクラージュが眉をしかめる。




おけなはニヤッと笑いながらクラージュに問いかける。



おけな「「紹介状」にも書いていただろう?「やすのぶくんの経緯」を・・・。」




クラージュ「紹介状? 経緯・・・?」


首を傾げて頭を捻るクラージュ。


おけなの紹介状はやすのぶ訪問時、GEIZUに破られている為にクラージュは目を通していない。



おけなはタバコの煙をフッと吐き出しながら足を組み換える。



おけな「やすのぶくんは昔、イデアで一番最初に「クロスソード」を伝授されたんだょ?

やすのぶくんの『青いマント』を見なかったのか?」





クラージュ「 !! 」



おけなの一言に目を大きく開けるクラージュ。





かつて10年前、「青いマントを着けたドルロレの騎士」に「剣技、クロスソード」を伝授されたクラージュ。




心優しく、人望に溢れた「ドルロレの騎士」は、当時のおけなにとって上官であり、

クラージュにとっては「先輩騎士」にあたる。







青いマントを着けたドルロレの騎士、それはもちろん・・・・





やすのぶの憧れた「青いマントの男」・・・。








クラージュ「あ、あの「青いマント」・・・?レプリカじゃなかったのか!?」


おけな「あぁ、オリジナルだよ。あのマントは「この世で1枚」しかない。」






クラージュ「・・・・・・・・・・」





おけな「・・・・・・・・・・」





長い沈黙の間におけなのタバコの煙が舞う。







少し汗を垂らすクラージュだが、コーヒーを口に含むと大きく息を吐く。



クラージュ「ふぅーーー・・・・。ナルホドな・・・。

俺の使用するこの「剣」もかつて『師匠』に伝授されたものだが・・・

「マント」はやすのぶくんの元に・・・。だから『師匠』は 


“もしも子供がいたら・・・「ヤスノブ」と名付けたい“ 


なんて言っていたのか・・・。」



今は亡き、「青いマントの男」を尊敬の念から「師匠」と呼ぶクラージュ。



かつては「ドルロレ」の全騎士団を一手に束ね、その屈強な強さと統率力から「青き英雄」と呼ばれたドルロレの騎士。




クラージュは「青いマントの男の遺志」を継ぐつもりで、息子に「ヤスノブ」と名付けたのだ。





おけな「ふっ・・・面白い話を思い出した・・・。」




クラージュ「・・・?  「面白い話」・・・?」





ふと、昔の「笑い話」を思い出し・・・話し始めるおけな・・・。








おけな「かつて「剣技、クロスソード」はクロスソードという名前ではなかったんだ・・・。」



クラージュ「 ? そ、そうなのか? 」




おけな「イデアで一番最初にこの技を教えた「少年」に、技の名前がオカシイ・・・と言われたらしい。」




クラージュ「・・・・・・」



おけな「十字に敵を切るのであれば「クロスソード」が正しいと言ってな・・・。」





クラージュ「 ? も、元々は何という「技名」だったんだ・・・?」







おけな「 『クロノソード(chrono sword)』だ。

『十字、クロス』と『自分の名前』をモジッテ、わざわざ付けた名前だったらしいが・・・

マントに「鼻水」を付けられるのが嫌だったらしく「クロスソード」という名前にしたらしい。」



クラージュ「ははは・・・・なるほど。自分の名前をモジッテか。あの人ならやりそうだょな?

確かに「おけなの使う秘剣の名前」にその名残がある・・・。」






二人、笑みを見せてコーヒーを飲んでいく。









「クロスソード」2発分の威力を秘めた『秘剣、メガクロス』・・・。




その『秘剣、メガクロス』を更に3発同時に繰り出す秘剣。





秘剣「クロノ・トゥエルブ」も、かつて「青いマントの男」から おけなに伝授された秘剣である。





クラージュ「『師匠』が生きていたら・・・この世の中はもっと平和な世界だったろうに・・・。」




窓の外を見つめて悲しげな瞳を見せるクラージュ・・・。



白い雲が飄々と流れていくのが悲しみを煽る。




おけな「あぁ・・・生きていれば・・・な・・・。」







・・・・・・・・・・・・・・・・・・・







・・・・・・・・・



イデア、草原の街道 病院の裏口・・・。


二人の男が「唐草模様のほっかむり」をしながら外に出て行こうとしている・・・。








パンサー「や、やすのぶさん?病院を勝手に抜け出して怒られませんかね?」






やすのぶ「何言ってるんだよ?リハビリなんて悠長な事、これ以上やってられないよ!!

俺達を必要としてくれている人はイデアには、まだまだ沢山居るんだ!!」



パンサー「そ、そうは言っても基本的にウチの会社「観光会社」じゃないですか・・・。」




服を引っ張りながら、やすのぶを宥める様にして引き留める。






しかし、やすのぶは強い口調でパンサーに言い放つ。






やすのぶ「そうさっ!! 心が「闇」に閉ざされ、道を失った旅人に「光」を示して導くッ!!!

それが俺たち「イデアツーリスト」の仕事じゃないかッッ!!!」




パンサー「 !!! 」




目を輝かせて親指を立てるやすのぶ。


「微妙にカッコイイ言い回し」にテンションが上がっていくパンサー。



パンサー「そ、そうかッ!!そ、そうですよね!?僕たちが立ち止まっていたら・・・ダメですよねッ!!!」




目に涙を浮かべて手を強く握りしめるパンサー・・・。


勢いに乗ってパンサーは両足のギプスを近くに落ちていた石で叩き割った!!!





パンサー「よ、よしっ!!思っていた程、痛くない!!」




やすのぶ「うんッ!!行こう!パンサーくん!!!」






バッ・・・・








病院の塀を乗り越えて、二人の観光社員が「草原の街道」を駆け抜けていく。












『『イデアの中心部、「草原の街道」は田舎町ながらもたくさんの建物が立ち並ぶ。』』













やすのぶ「へへへ・・・俺は走り続けるんだッ!!!」



久々の地面の感触に笑みを浮かべる・・・。













『『病院、教会、銀行等、イデアの国民にとっては無くてはならない施設ばかりだ。』』












パンサー「くぅ〜〜〜〜〜ッ!!!久々に見れますね・・・ウチの会社・・・。」




銀行を目前に走るスピードを上げる・・・。














『『その銀行の隣の細道を抜けた所に・・・』』






やすのぶ「おぉーーーーー!!見えてきた!!見えてきたーーーーーッ!!!!」



















『『イデアツーリストは存在する。』』








やすのぶ「一日だって無駄にできるわけがない・・・。

俺は「ヒーロー」になるまで「走り続ける」んだ・・・。」












やすのぶ「それが俺の・・・交わした約束・・・。」













やすのぶ「青いマントを受け継いで・・・交わした・・・約束・・・。」








蒼く冴え渡る大空の向こうに・・・フッと「青いマントの男」の笑顔を思い描く・・・。




























やすのぶ「そうですよね・・・? クロノスさん・・・。」





























クロノス・・・それはかつて「青き英雄」と謳われたドルロレの騎士の名前・・・・。








やすのぶの憧れる・・・いや、世界中の人が憧れた「伝説の英雄」の名前である・・・。







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                   報告書

 氏名 : やすのぶ 


 ヒーロー名 : ヤスノV


 依頼内容 : 辻斬り魔の捕獲、及び殲滅の協力


 今回の報酬 : tomimari様より ルビーリング 水+28
         ゑゐくんより  デビル因幡の人形


 月賦 : 9,800ドニア



 遂行可能ミッションレベル : C± (※備考記載)



査定評価


 イデアツーリスト内ランク  最下位


 勤務期間  161日
備考

・ 病院での60日間に及ぶ入院の為、体の筋肉が削げています。遂行レベルCに降格しました。

  ・ 病院を抜け出したので殴って意識を奪った後、再度入院させました。

  ・ ヤスノV用装備「ヤスノブースター」の『改造』を検討します。
  

     ヤスノV 必殺技

・ヤスノブランチ    最大4体まで分身を作る。(ディフェンサー×3)
・ ヤスノブレイダー   敵の気脈を断ち切る(ウィークT×2)
・ヤスノブーム     泣きながら消さないでというので残しています・・・。( ??? )
・ヤスノブーメラン   飛ばした武器が戻ってくる。(ヤスノブーム失敗対策?)
・ヤスノブラボー    剣の残像を放ちます。(マージン×3)
・ ヤスノブレイク    剣に闘気を込めての居合斬。(パワーブレイク×2)
・ ヤスノブレイディスト 生体のみならず「物質の気脈」を探る。(但し、JPを全部使用) 


                       査定員  百絵
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ここから先は余談である。













あの忌まわしい事件から約8ヶ月・・・。




イデア、草原の街道の中心部にある「イデア国立総合病院」のとある病室・・・。


クラージュがそわそわしながら妻、tomimariの容態を心配する。










クラージュ「だ、大丈夫なのか?そ、そろそろじゃないのか・・・?」




慌てて汗を垂らしながらもtomimariの心配をするクラージュだが、ベッドに横たわるtomimariの表情はとても明るい・・・。







tomimari「ふふふ・・・大丈夫よ。あんまり心配しないで。」




その時、病室の外からモカがゆっくりと入ってくる。





モカ「お、奥様?言われた通りにクローゼットから、これを持ってきましたけど・・・これでいいのですか??」




tomimari「えぇ、そうよ。ありがとう、モカ。」



モカがtomimariにおそるおそる持ってきたのは「赤子を包む布」。




その昔、息子ヤスノブを産んだ時に使用したものである。





ベッドからゆっくりtomimariが起き上がるとその「お腹」は大きく膨らんでいた。




クラージュ「はぁぁ〜〜〜〜ッ!!起き上がるな!!頼むから起き上がらないでくれ!!」


tomimariが心底、心配なクラージュは常に慌てている。


ガンッ!!!!


クラージュ「い、痛ッ!? ち、ちくしょッ・・・・この椅子〜〜〜ッ!!」


tomimariを庇おうと駆け寄った瞬間、椅子に足をぶつけてしまう・・・。


tomimariが何かの動作を取るたびに、慌てふためきドジを踏むのがクラージュの日課の様になっていた・・・。




モカ「ふふふ・・・予定では「今日の夜」なんですよね?奥様・・・。」




tomimari「えぇ、きっと元気な子が産まれてくるわ・・・。何度もお腹を蹴っているのよ?」




ニコヤカにモカに話しかけ、お腹を擦る。

モカも嬉しそうにtomimariのお腹に耳を付けるがtomimariとは違う「命の息吹」を感じる事が出来た。





なんと子供を産めない体になっていた筈のtomimariが「妊娠」していた。


かつてtomimariに襲い掛かっていた「吐き気」は子供を宿していた為である。



息子ヤスノブが死に至り、精神的に参っていたがこの奇跡的な状況にクラージュをはじめ、屋敷の皆が狂喜乱舞した。





クラージュ「tomimariッ!!きっと・・・きっとヤスノブたんの生まれ変わりだよーーーーッ!!」



足を擦りながらもモカと同様、tomimariのお腹に耳をつけるクラージュ。





tomimari「うふふ・・・そうね・・・。きっと・・・きっとそうよね・・・。」



二人に訪れた幸福は、この日の夜に最高潮を向かえる・・・。









二人の笑顔はまるで太陽の様に眩しい。






・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・











この日の夜、クラージュとtomimariの間に赤子が生まれる・・・












その産まれたばかりの赤子の手を見ると・・・・















「親指と人差し指・・・そして小指」が立っていたという・・・。

















題名:走れ!イデアツーリストのヤスノV

第6話 「秘剣、クラージュ」(クラージュ&tomimari編)〜〜〜後編〜〜〜  

  

              〜〜〜END〜〜〜




                      紅の氷 イデア YasunoV著











そして・・・・・・・









歯車は「また」動き始める・・・・・















?????「はぁ〜〜〜〜〜・・・つまらない・・・。」






?????「死肉で埋め尽くされたイデアを散歩できると思ったのにナァ〜〜〜・・・・」





?????「しかしセルティック・・・。お前さんも弱いねェ? あの程度の剣技に敗れるなんて・・・。」





セルティック「ギギギ・・・キサマハ・・ダレダ?・・・オレノ・・・カラダハ・・・?」






?????「ランバートが君に渡したあの薬ィ〜・・・「僕ちゃん」が配合したんだよぉ〜〜〜??」











セルティック「ナ・・・ニ・・・?」







?????「はっきり言ってェ〜〜〜〜〜、あの程度じゃダメだよォ・・・。」







セルティック「ギギギ・・・・・」





?????「まぁ、「落ち目」のランバートに比べたらマシな方かもしれないけどね〜〜〜〜〜☆」








セルティック「オレノ、オレノ・・・タマシイヲ・・・ドウスルツモリダ・・・?」




?????「えへへ・・・もう一回、君にィ〜〜〜・・・チャンスをあげようと思ってね?」





セルティック「チャンス・・・?」





?????「そう、アヴィディダの「カード兵の体」をあげるから僕ちゃんの主に忠誠を誓って欲しいんだよ〜〜〜。」










セルティック「オレニ・・・カラダヲ・・・クレルノカ?」








ジョーカー「そうッ!!とりあえずはこの僕ちゃん!!ジョーカーの部下になって貰うけど〜〜〜?

悪い条件じゃないでしょう〜〜〜☆?」













セルティック「・・・・・・・・」





ジョーカー「あれ・・・?  君を殺した奴らに「復讐した〜〜〜〜い!!」 とか思わない???」








セルティック「・・・・・・・・」














ジョーカー「☆〜〜〜・・・・・・・・」












セルティック「イイダロウ・・・キサマニ・・・チュウセイヲ、チカオウ・・・。」









ジョーカー「OKッ!!契約成立ッ!!君みたいに「汚れた人間の魂」を『2つ』も持ち帰れたなら〜・・・




十分喜んでもらえるだろうな〜〜〜〜〜。」











セルティック「ヨロコブ? ダレガ・・・ヨロコブトイウノダ?」



















ジョーカー「んっ???    それはもちろん〜〜〜〜〜・・・。」




























ジョーカー「僕ちゃんの主ッ!!! クロノス様さッ!!!!」


























10年前に外された歯車が再度噛み合う・・・。




動いてはいけない歯車が・・・・又、動き始めるのだ・・・。







See you next stage・・・。 

「RUN!! Idea tourist’s YasunoV  」



題名:走れ!イデアツーリストのヤスノV
                      著者:紅の氷 YasunoV
             〜〜〜第1部 FIN〜〜〜
         ↓ ※重要  「後書」






〜〜〜後書〜〜〜


今回、「辻斬り犯人役」となって頂きました『セルティック』様ですが、

PCゲーム内では本当に紳士的に接して下さる方です。

「リアル」と「小説」の誤解の無き様にと思い、

この場をお借りして皆様にご報告させて頂きます。





あと、遅ればせながらで申し訳ありませんが「第3話」を製作中・・・。

アッピーオンライン、ゲーム中にて小説に出演して下さっていたプレイヤーキャラクターへ

「小説の内容に沿った罵声」を浴びせられたという報告を受けております。


その点に関しまして、HP中にも記載致しておりますが、

私の書く小説「走れ!イデアツーリストのヤスノV」は、

あくまでフィクションであると共に、キャラクターの性格及び特性に置いても

空想であるとご報告させて頂きます。



次回作品のUP予定は、

「第1回、主役はあなただ!!主役争奪サイコロバトル」で優勝された「B10」さん主役の小説を

書く予定でおります。


そして、第7話ですが・・・


このお話も頭の中では「構想済」ですので楽しみにして頂けると幸いです。


また、小説そしてゲーム中であなたに会える事を楽しみにしております。



長々の作品に最後まで目を通して下さり、本当に有り難うございました。



                      紅の氷 YasunoV