題名:走れ!イデアツーリストのヤスノV





謎の究明・・・・。





それは未知への挑戦である。


新たなる発見を求めた先に、栄光があるのか?


それとも・・・破滅があるのか?


それは誰にもわからない。




他愛のない謎であれば、それを隠す必要は無い・・・。


自然に発生した謎であれば究明は楽なものである・・・。





しかし・・・謎を隠す者が存在した場合・・・。


謎を隠すものは「命」をかけて「挑戦者」に襲い掛かる・・・。








果てに待つのは「栄光か破滅」・・・「生か死」・・・。









闇の中に眠る「残りの謎」にイデアツーリストの社員が挑む・・・。












結末の結末は・・・いかに・・・?












第5話 「kokoloの依頼、イデア七不思議を究明せよ!」 〜〜〜後編〜〜〜



やすのぶ「参ったなぁ・・・?ルゥクの親父さん・・・いないのか?」




kokoloの依頼を受けて3日目・・・。


やすのぶはルゥクの家の鍛冶屋に来ていた・・・。


社長おけなに助言されて朝から剣を修理しに来た様子だ・・・。


店のドアには「息子、入院のため暫く休業」と書かれた張り紙がしてある・・・。



やすのぶ「まだ朝の8時なのに・・・親父さん・・・息子思いだな・・・」


ルゥクは先日「緑色の野うさぎ」に突然襲われてイデア国立総合病院に入院しているようだ・・・。




口を尖らせて鍛冶屋のあたりを見回すやすのぶ・・・。

やすのぶの予定では「ルゥクの親父さん」に剣の修理をしてもらった後、

親父さんと一緒にルゥクを見舞い・・・そしてクレスと闇慈の見舞いに・・・

そして、☆はな〜♪☆から後任を受けた黒おおかみの捜索と・・・そういう予定だった・・・・。




予定の最初からつまづく辺りは・・・やすのぶの「運の無さ」がモノを言っているのだろう・・・。




やすのぶ「はぁ〜〜〜・・・野うさぎに負けるなんてルゥク・・・運動不足過ぎだよ・・・。」



緑色の野うさぎの「戦闘能力」をまったく理解していないやすのぶは親友ルゥクにため息をつく・・・。



やすのぶ「このままじゃ・・・戦闘できないかなぁ?」


大きなかばんから「ヤスノブレード」を取り出して刃先を見るやすのぶ・・・。


刃を見てみると大して傷も見当たらない・・・。

刀身にやすのぶの顔が、鏡のように映し出される・・・。


やすのぶ「おけなさん・・・本当にコレ・・・壊れるの?」


首をかしげて剣を「大きなかばん」に戻すやすのぶ。

しかし、社長おけなの言うことは・・・まず間違った例は無い・・・。




やすのぶ「・・・・・・・」


やすのぶ「まぁ・・・修理しておいた方が間違い無いなぁ〜・・・・。」


頭をかきながら・・・仕方が無さそうに、やすのぶは公共の鍛冶屋を目指して歩いていった・・・。




・・・・・・・・・・


やすのぶ「あれ?」


鍛冶屋に向かう途中のちょうど「広場のモニュメント」が見える辺り・・・・。

イデアツーリストのパンサーが大慌てで走っているのを見つける・・・。

その表情は鬼気迫るものがあった・・・。



やすのぶ「お〜〜〜〜い!どした?パンサくん?」


パンサー「あぁ?やすのぶさん!?「ささ」に答えてくれないから探してたんですよ?」


やすのぶは最近、不要なときは「ささ」の電源を切っている・・・。


僅かながらの「電気代節約」のためである・・・・。







ここまでくると・・・やすのぶの貧乏も、もはや極まっていると言えよう・・・。




やすのぶ「ははは・・・悪い・・・で、どうしたんだい?」


パンサーの慌て様を理解できないやすのぶがパンサーに問いかける・・・。


息を整えてパンサーが理由を説明する・・・。






パンサー「一般人の通報で・・・黒おおかみが出たんです・・・。西の草原に・・・。」


やすのぶ「ナニッ!?マジでかッッ??」


パンサー「はい!すぐに西の草原に行きましょう!!僕も一緒に手伝います!」



やすのぶ「う・・・うん・・・。」


少し不安げに「大きなかばん」に目をやるやすのぶ・・・。


眠っている「よだれ丸」の隣にある「ヤスノブレード」が気になるようだ・・・。




パンサー「どうしたんですか?何か不都合でも・・・?」


やすのぶ「(参った・・・剣が壊れたら・・・おけなさんに面目が立たない・・・でも・・・黒おおかみ出ちゃったしなぁ・・・)」



やすのぶがマゴついている時・・・モニュメントの影から歩いてくる人影が見える・・・。

いかにもキザったらしいその風貌・・・。


やすのぶと同じ会社の社員「たけやす」である・・・。




たけやす「はん!?何してんだ?そんなところで?」


ニヤリと笑い・・・やすのぶの困っている表情を楽しげに見ている・・・。

今日は社長おけなの様な「スーツ」を着ての登場だった・・・。

スーツの色は何故か明るい青である・・・。





パンサー「こ、こんにちは・・・たけやすさん。」




たけやす「あぁ?パンサーくん。元気かい?そんなヤツと一緒にいたら「貧乏」が伝染っちゃうよ?」




たけやすを睨み、一歩前に出るやすのぶ・・・。


やすのぶ「うるさいよ・・・お前なんかと居るよりずっとマシだ・・・。」





パンサー「ま、まぁまぁ・・・二人とも・・・(何でこの二人こんなに仲が悪いんだろう?)」



やすのぶ「パンサーくん「たけやす」と一緒にいたら「モテナイ病」が発動するから気をつけてネ!」





真剣なまなざしでパンサーの肩をたたくやすのぶ・・・。

困った表情でパンサーは二人をなだめようとするが一向にケンカが治まる様子は無い・・・。



むしろエスカレートしていく・・・。




たけやす「ふざけんなッ!!「高校」の時なんか毎日「日の丸弁当」だったくせにッ!!!!」



やすのぶ「うわあぁ!!?今そんなこと言わなくってもいいだろ!?」



パンサー「ふ・・二人とも止めましょうよ・・・。」



やすのぶ「ぐぐぐ・・・・お前なんか告白して「女子高生60人」にフラレタくせにッ!!!!」



たけやす「ぐおおぉ〜〜〜ッ!俺の「メモリアル」を公開しやがってッ!!!」



パンサー「あぁ・・・ちょっと・・・ちょっと・・・・?」



パンサーは二人の間に割って入っているが・・・どうにも熱くなっている二人に翻弄される・・・。



やすのぶ「たしか女の子に「半径5m以内に近寄ったら「たけやす」に好きになられるから注意!」って噂も出たしなぁ?」




たけやす「ち・ちち・畜生!「絶対結婚したら不幸になる相手!NO.1」で「キング」に輝いた奴に・・・

そんな事、言われたくねぇ〜〜〜〜ッ!!!!!!」



やすのぶ「そ・・そんな「王座」競った憶えはねぇよ〜〜〜ッ!!!!」




パンサー「マ・マ・・・マジで止めてください〜〜〜〜〜〜ッ・・・・。」





ボムッ!!!!!!!!ボムッ!!!!!!!!!!!!



やすのぶ「ブファ〜〜〜〜〜〜!!!!」


たけやす「あ、熱っ!!!熱いよコレ!!??」


パンサーの両手から「炎の魔法」が飛び出す・・・。

公共での魔法は使用不可だが・・・この場合は良いのであろうか・・・?



パンサー「たけやすさん!!!今からやすのぶさんを連れて「西の草原」に行かなきゃいけないんです!!!」


パンサーの迫力に圧倒されるたけやす・・・。


たけやす「つ・つい熱くなっちまったな・・・悪い、パンサーくん。俺も「依頼」があるんだったよ・・・。」


やすのぶ「ごめん・・・、くだらない時間を過ごしちゃったね・・・。早く西の草原に行かなくっちゃ・・・。」


やすのぶはパンサーを連れて西の草原に走って向かおうとする・・・。






たけやす「ふん!パンサーくんの足を引っ張らないように精々気を付けな・・・・。」



やすのぶはたけやすの言葉にいい加減、頭にきたのか・・・急に立ち止まり振り向く・・・・。



たけやすはすでに・・・・やすのぶに背を向けて歩き出している・・・。




やすのぶはたけやすに思いっきり怒鳴ろうとした・・・。




やすのぶ「このっ・・・・・・」





その瞬間・・・・





ビュワ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜ッ!!!!!!!!!!!!!!








やすのぶ「  !?  」



何故か急に冷や汗の出るような胸騒ぎに不安を覚えるやすのぶ・・・。


今までにも数度・・・感じた事のある「風」・・・。


背筋の凍りつく様な・・・・胸を締め付けられるような・・・身を切られるような・・・・。


その「風」は・・・「やすのぶの兄」や・・・「青いマントの男」と最期に別れた時と同じような・・・

哀しく冷たい「風」である・・・。


パンサー「やすのぶさん!行きますよ?」


やすのぶ「あ・あぁ・・・・。」



やすのぶは大きな声でたけやすに怒鳴りつける・・・・。





やすのぶ「たけやす!!油断だけは絶対にするなよ!?」




たけやす「はんッ!!!誰に向かってモノを言ってやがる!!!」



たけやすは・・・やすのぶに振り向く事無く・・・海岸の方へと歩いて行った・・・。



やすのぶ「・・・・・・・。」



やすのぶ「・・・・くそっ・・・」



やすのぶは少し、うつむき気に・・・パンサーの後を追いかけて走っていた・・・。








・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


イデア、西の草原・・・。

特に「何かあるか?」と問われれば・・・・何も無いただの草原・・・。
時折見える魔物は精々「アッピー」や「ビッグアッピー」が関の山の本当に・・・ただの草原である・・・。
そのアッピー達も人間の姿が見えるとソソクサっと逃げてしまう。
逆に言うと「黒おおかみ」が発生したら一目瞭然の草原である・・・。



パンサー「・・・・・・・あれ・・・・?」




やすのぶ「・・・・・・・・・?」




辺りを見回す二人・・・。

草原に・・・木々が数本見えるだけで・・・後は青空が広がっている・・・。


普段どおり・・・何の変哲も無い草原・・・。



やすのぶ「あの・・・・パンサくん?」


汗を垂らしてパンサーに恐る恐る問うやすのぶ・・・。



やすのぶ「何処にも・・・おらへんやん? 「黒おおかみ」・・・・。」


パンサー「ですねぇ・・・・?」


黒おおかみが一匹もいない草原に戸惑う二人・・・。



それでも・・・しばらく二人は黒おおかみを探し、歩いてみることにした・・・。


もしかしたら見えない茂みに隠れているのかもしれない・・・。



そう思い・・・注意深く辺りを捜索する・・・・。




しかし、黒おおかみの姿は一向に見えない・・・。





やすのぶ「・・・・・・・」




パンサー「おかしい・・・ガセだったのか?」


顎に手をやり、考え込むパンサー・・・。

しかし、草原に一度姿をあらわして・・・どこかへ移動したとも考えられる・・・。




やすのぶ「まいったなぁ・・・・・・・って・・・そうだッ!!!!!」



何か思いついたのか・・・やすのぶは「大きなかばん」からよだれ丸を抱き上げる・・・。



やすのぶ「おい!よだれ丸・・・起きてくれ・・・。」



よだれ丸「・゜・(ノД`)・゜・。?」



あくびをしながら眼をこするよだれ丸・・・。

主人、やすのぶに起こされて首をかしげている・・・。



やすのぶ「眠ってるところゴメンな・・・。黒おおかみを探したいんだけど・・・上空に飛んで探してくれないか?」


パンサー「おぉ〜〜その手があったか!!!」


よだれ丸「(´▽`)シ」



にこやかに手を振り、やすのぶの言うとおり空へ飛び出すよだれ丸・・・。



よだれ丸「 ヾ(`д´)シ ・・・・・・・・・・・」




30m程上空に飛んで辺りを見回す・・・。


パンサー「いますかね?黒おおかみ・・・?」


やすのぶ「いや〜〜〜・・・どうだろう?」




二人が話し・・・・しばらくしてよだれ丸がやすのぶの元に帰ってくる・・・。




よだれ丸「・・・・・・・・・・(;´д`)つ」


汗を垂らして首を横に振るよだれ丸・・・。




どうやら「黒おおかみ」はこの周辺にはもう、いないらしい・・・。





やすのぶ「まいった・・・もしも俺たちの知らないルートで町に入り込まれたら厄介なことになるぞ?」




パンサー「えぇ・・・町の「一般人」では「黒おおかみ」には勝てないですからね・・・。」


パンサーは大きなかばんから「マップ」を取り出して「黒おおかみ」たちが進みそうなルートを検索する・・・。




よだれ丸「・・・・ヾ( ´▽`)シ」


マップを見ているパンサーの肩に舞い降りるよだれ丸・・・。


パンサー「むぅ・・・よだれ丸は「黒おおかみ」がどこにいると思う?」


やすのぶ「はっはっは・・・よだれ丸にそんなことがわかる訳・・・」


やすのぶがパンサーの言葉を一笑に伏せようとした瞬間・・・・・








よだれ丸「(ノ゜o゜≡≡≡≡≡≡≡≡ΣΣ[MAP]   」


よだれ丸はパンサーのマップに向って水を放射した!



やすのぶ「おぃ!!?どうしたんだ?よだれ丸・・・?なんでマップに攻撃なんか・・・・」


マップから跳ね返った水を体に受けて声を落とすパンサー・・・。


パンサー「うぅぅ・・・冷たいょ・・・・よだれ丸・・・・って・・・あれッ????」




よだれ丸「(*´−`*)」



よだれ丸が自信満々な表情でやすのぶの顔を見る・・・。


やすのぶ「どうした?パンサーくん?」



やすのぶが眉をしかめてパンサーのマップ書を見てみると・・・


現在地の数キロ先の「北」・・・。

森の方の箇所に6個のキラキラと「赤く光る液体の丸印」が付いていた・・・。

驚くことにその液体は重力に反して「上」に向いて動いていく・・・。



パンサー「ま・・・まさかこれ・・・・」



驚いてよだれ丸の顔を見るパンサー・・・。




また同様にやすのぶもよだれ丸を大きな目を開けて見る・・・。




やすのぶは大きな声でよだれ丸に言い放つ・・・。





やすのぶ「大丈夫か!?この赤いの・・・血ぃや・・・ないんかァァ〜〜〜〜〜〜ッ!!???」



よだれ丸「Σ(´Д`;=;´Д`)シ」



抱きついてくるやすのぶに驚くよだれ丸・・・。手をバタつかせて首を横に振る・・・。




パンサー「ちょ・ちょっと!?血なんですか!コレ??」


やすのぶ「ごめんやで!毎日の自分の食生活でイッパイイッパイで・・・ちゃんとしてやれへんかったから・・・・」


よだれ丸「・゜(つД`;=;つД`)・゜・。」


一生懸命首を横に振るよだれ丸・・・。言葉が通じないのは不便である・・・。



パンサー「あのぉ・・・これ・・・血では・・・ないのでは・・・?」


赤く光る液体を指で触るパンサー・・・。

どうやら、ただの「色付きの水」のようである・・・・。



やすのぶ「うぅぅ〜〜〜よだれ丸の毎日の食事に・・ペットシロップをケチって「砂糖水」にしたんが悪かったんや・・・。」




パンサー「そ・・そんな事してたんですか?」




よだれ丸「Σ(゜д゜;)」


初めて自分の食事の事実を知ったよだれ丸・・・。


びっくりして汗を垂らす・・・。





パンサー「きっとよだれ丸はここに「黒おおかみ」がいるって言いたいんでしょう? ねぇ?よだれ丸・・・?」





よだれ丸「(´▽`)(。。)(´▽`)(。。)」



笑顔でうなづくよだれ丸・・・。


やすのぶ「ううぅ〜〜〜そうなのかなぁ〜〜〜?」



飼い主よりも心を通じ合わせているパンサー・・・。


よだれ丸に導かれるように「北」へと足を急ぐ・・・。




やすのぶも涙を拭ってパンサーとよだれ丸の後を追いかけていった・・・。









・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・




しばらく進むと森に差し掛かる・・・。


名も無いその森はウッソウと茂り・・・昼間であるにも関わらず日の光を遮断する・・・。


暗く寒いその森の中を勇敢にパンサーは進んでいく・・・。




よだれ丸「(´Д`;=;´Д`)ハァハァ」

辺りの雰囲気に汗を流して警戒するよだれ丸・・・。



やすのぶ「この雰囲気・・・背筋が凍るな・・・。」


そういうとやすのぶは目を瞑って左腕を空へ向ける・・・。




左腕のやすのぶのブレスレットが光だし・・・その姿を戦士へと変える・・・・・。




・・・・・・・・・





ヤスノV「へへへ・・・この姿じゃないと攻め込まれたらまずいや・・・。」




パンサー「おぉ〜〜〜〜すごい!!!やすのぶさん  も  変身できるんですね!?」



目を輝かせてヤスノVを見るパンサー・・・。


ヤスノVはパンサーの言葉に疑問を感じる・・・。





ヤスノV「やすのぶさんも・・・?ってことは・・・・」




パンサー「へへへ・・・「炎の精霊の加護の下に・・・・その衣に力を与え・・・姿を変えよ」・・・ッ!!!!」





ボォ〜〜〜〜〜〜〜ッッ!!!!!!!!!!!!!!






ヤスノV「うっ・・・・うわあぁ〜〜〜〜〜〜ッ!!!!!!」




よだれ丸「!!Σ(゜д゜;)!!」




パンサーから吹き出る激しい焔に驚くヤスノVとよだれ丸・・・。



焔柱の中から赤い魔法着を身に付けたパンサーが現れる・・・・。





パンサー改「えへへ・・・どうですか?」




ヤスノV「うお〜〜〜〜ッ!!!!!ヤバイッ!!!ヤバイッ!!!!!」


興奮して大声を上げているヤスノV・・・・。



よだれ丸「 ・゜・ヾ(´Д`;)シ・゜・゜・。」



よだれ丸も両手を思いっきりバタつかせている・・・・。








パンサー改「ふ・二人とも・・・びっくりしすぎですよ・・・。」



笑顔で照れているパンサー改・・・。

その姿は「アメジストのボタン」が三つ付いた・・・美しく・・赤い魔法衣・・・。

そして・・・火の紋様が背中に縫い込まれた上質のもの・・・。








しかし、二人はその服装には目もくれず・・・パンサー改の背後を気にしている・・・。









ヤスノV「か・か・・か・・・・火事だ〜〜〜〜〜〜〜ッ!!!!!!」




パンサー改「え゛え゛えぇぇ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜ッ!!!!!!?」




焔を噴出しながら変身するパンサー改・・・。

森の中での変身は「火事の元」であったようだ・・・・。



鳥「ギャアッ!!!ギャアッ・・・!!ギャアッ・・・・・!!」


バサバサバサバサバサバサバサバサッ!!!!!!

鳥達が大慌てで逃げていく・・・。



闇に染まっていた森の中が・・・パンサー改の変身効果で噴き出した焔のせいで・・・・


赤く・・・真っ赤に染まっていこうとする・・・。




モクモクと巻き上がる黒い煙はヤスノV達をあざ笑うかのように少しずつ・・・

その勢力を強めながら魔物のように襲い掛かる・・・。






ヤスノV、パンサー改・・・・黒おおかみと戦う前に・・・すでにピンチである・・・。







ヤスノV「ひ・・火を消そう!!!パンサーくん!!!」



パンサー改「すいませんッ!!!本当にすいませんッ!!!!」



着ている赤い魔法衣を脱いで・・・それで火を消そうとするパンサー改・・・。


ヤスノVも必死で「青いマント」で火を消そうとする・・・。


変身して装着した戦闘服を・・・よもやこの様な形で使用するヒーローは史上初めてであろう・・・。




よだれ丸「ブ〜〜〜〜〜ッ!!!! (ノ゜o゜<<≪≪≪≪≪≪   ξξξξ炎ξξξξ )


その時、口から目一杯・・・シャワーのように水を噴き出すよだれ丸・・・。


見る見る内に火が消されていく・・・。


魔物のような「黒い煙」も・・・よだれ丸の「水」の前に成す術無く散っていく・・・・。



パンサー改「う・うわあぁっ!!よだれ丸?」


ヤスノV「すごいッ!!!なんて威力だ!?(このよだれ丸の技・・・「よだ・レイン」と名付けよう・・・。)」



よだれ丸「・・・・・・・ヾ(*´▽`)シ」


火を消し去り、笑顔で二人に近づくよだれ丸・・・。


もはや人間二人に立つ瀬は無いが・・・能天気に二人は笑顔でよだれ丸を撫でる・・・。




ヤスノV「よだれ丸ッ!さすが俺の相棒だぞッ!!!」


パンサー改「うんうん!!すごいねッ!!!」




よだれ丸「(*´▽`*)」


屈託の無い笑顔で、二人の笑顔を心から喜ぶよだれ丸・・・。



パンサー改・・・・「炎の魔術師」の二つ名を返上し・・・「放火魔」になるところであったのは・・・



誰にも知られてはいけない秘密である・・・。






・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


気を取り直してヤスノVとパンサー改はマップを頼りに「北の赤い印」を目指す・・・。





6個あった赤い印・・・。




パンサー改の言う通り、たしかに「黒おおかみ」が6匹いる・・・。




よだれ丸の能力によって「黒おおかみ」を発見することが出来たのだ・・・。




茂みに身を隠し・・・ヤスノVとパンサー改は相談する・・・。



パンサー改「やっぱり、この「赤い印」・・・「黒おおかみ」でしたね・・・。」




ヤスノV「あぁ・・・流石は「よだ・レーダー」だよ・・・。」


勝手によだれ丸の「能力」に名前をつけるヤスノV・・・。


肩に乗っかっているよだれ丸を優しく撫でる・・・。



よだれ丸「 ((´▽`)) 」



パンサー改「じゃ、僕は3匹倒しますから・・・やすのぶさんも3匹・・・お願いできますか?」




ヤスノV「よし、じゃ・・・そうしようか?」


軽く笑みを見せるヤスノV・・・。

社長おけなとの特訓が「ヤスノVの自信」になっていることは間違いない・・・。



よだれ丸「ヾ(`д´)シ」


二人の会話を聞いて怒り気味にバタバタするよだれ丸・・・。


ヤスノV「おぉ?よだれ丸も戦うのか?」



パンサー改「ん〜・・・大丈夫かい?よだれ丸・・・?」



よだれ丸「(゜-゜)(。。)(゜-゜)(。。)」



ヤスノV「よし!じゃ・・・俺のサポートを頼むぞ!?」




よだれ丸「(´▽`)/」





パンサー改「では・・・3,2,1・・・GOッッ!!!!!!!!」








二人と一匹の意見が合意し、一気に「黒おおかみ」に奇襲をかける・・・。




森の奥深く・・・ヤスノV達の戦いが始まった・・・。






・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・





所変わって、イデアの「草原の街道」・・・・。




観光会社「イデアツーリスト」は珍しくも社長おけなが留守番をしている・・・。




台所からもう一人・・・お茶を持ってくる人影が見えてくる・・・。




百絵「どうぞ・・・社長・・・。」



お盆からゆっくりとデスクにお茶を置く百絵・・・。


おけな「あぁ・・・ありがと・・・」



百絵の書いた「査定書」に目を通しながらお茶をすする社長おけな・・・。


椅子に深く腰を据えて・・・百絵に問いかける・・・。


おけな「なぁ・・・パンサーくんだけど・・・「A−」ランクって・・・実際どうなんだ?」


眉をしかめて顎に手をやる・・・。


百絵も自分のデスクに座り・・・社長の方を向いて問いかけに答える・・・。


百絵「かすみさんの指示で「A−」にしてますが・・・詳しい事は私もちょっと・・・。」



おけな「ふ〜〜〜ん・・・彼女がそう言うなら大丈夫なんだろうが・・・」




胸のポケットから箱に残った最後の一本のタバコを取り出す・・・。


タバコに火をつけたその瞬間・・・


会社のドアに二人の人影が見える・・・。





ガチャ・・・・





☆はな〜♪☆「・・・・・・・・・こんちわ・・・・・」




かすみ「ただいま・・・です・・・。」



百絵「あっ!!おかえり・・・・なさい?」



明らかに不機嫌そうな☆はな〜♪☆と・・・困った表情のかすみが会社の中に入ってくる・・・。


☆はな〜♪☆の不機嫌そうな表情が気になる百絵・・・。


恐る恐る☆はな〜♪☆に問いかける・・・。


百絵「あの・・・どうしたんですか?☆はな〜♪☆さん?」


すると☆はな〜♪☆は目に涙を少し浮かべ・・・百絵に抱きついてくる・・・。




☆はな〜♪☆「うわ〜〜〜〜〜ん!!!!!!信じられないッ!!!信じられないよぉ〜〜〜〜ッ!!!!!」



百絵「な!?・・どうしたんです? 何か・・・遭ったんですか!?」


メソメソと泣きながらも・・・涙を指で拭い☆はな〜♪☆が口を開く・・・。



☆はな〜♪☆「実はね・・・・」



かすみ「・・・・・・・」



おけな「・・・・・・・」



寡黙な社長おけな・・・。






「理由の見当」が付いているのだろうか?











☆はな〜♪☆「主人が・・・後3日・・・帰ってくるのが遅くなりそうなの・・・。」







百絵「・・・・・・・・」





かすみ「・・・・・・・」






おけな「・・・・・・(そんな所・・・だろうな・・・・・)」



だいたいの見当がついていた様子のおけな・・・。

はな〜♪☆は半年ほど前の誕生日・・・旦那様にケーキをプレゼントしてもらったのだが・・・

大好きな「生クリームのケーキ」でなく「チョコケーキ」だった・・・

自分の事を理解してくれてないッ!!と怒りを露わにして・・・

泣きながら社長おけなに「ささ」をしてきた事がある。

旦那様が絡むと子供のような精神状態になってしまう所がはな〜♪☆の困った所であった・・・。




百絵「・・・・・・で?・・・」


汗を垂らして☆はな〜♪☆に「その他の理由」を尋ねる百絵・・・。

はな〜♪☆の気性を理解していたら問い掛けはしなかったのであろうが・・・


理由がそれだけだった☆はな〜♪☆は・・・百絵のその言葉に逆ギレする・・・。


☆はな〜♪☆「ちょっと!あと3日も帰ってこないのよ!?愛が薄れた証拠よッ!!

あの人・・・もう・・・私のことなんて・・・どうでもいいんだわぁぁ〜〜〜ッ!!!!」




かすみ「・・・・ずっとこんな調子なの・・・」

汗を垂らし・・・頭を手で支えるかすみ・・・。

かすみは朝からずっと☆はな〜♪☆をなだめていたらしい・・・・・・。

興奮する☆はな〜♪☆は百絵の胸倉を掴んで離そうとしない・・・。


☆はな〜♪☆「びえぇぇ〜〜〜〜〜〜んッ!!!!!!」


百絵「☆はな〜♪☆さん・・・お・落ち着いてッ!!!く・首・・・絞まってる・・・・」



☆はな〜♪☆「うわ〜〜〜〜んッ!!!!ひどいよぉ〜〜〜!!!ひどいよぉ〜〜〜〜〜ッ!!!!!」



目一杯の力で・・・何故か百絵の首を絞める☆はな〜♪☆・・・。



旦那様への愛、深き故・・・・こうなったのか?



おけな「え・えと・・・タバコきれたか・・・。」



そそくさと会社を出ようとする社長おけな・・・。



それを見て百絵はデスクの引き出しから・・・☆はな〜♪☆の首絞めを喰らいつつも


「買い溜め」している新しいタバコを社長に放り投げる・・・。




おけな「あぁ・・・タバコ・・・あ・あったの???」



目でアイコンタクトを取る二人・・・。









百絵「(逃げないで・・・下さいッ・・・社長ォッ・・・!!!)」


物凄い形相の百絵・・・。










おけな「(だって・・・怖いじゃないかッッ!!・・怖いじゃないかッッ・・!!!)」

哀しそうな表情で・・・首を振る社長おけな・・・。




かすみ「はい!☆はな〜♪☆ちゃんも・・・そろそろ落ち着いて!!!」




☆はな〜♪☆を猫でも持ち上げるかの様に百絵から引き離すかすみ・・・。









☆はな〜♪☆「ふっくえっぐ・・・・・゜・(つД`)・゜・。」








かすみ「どう?少しは落ち着いた?」






☆はな〜♪☆「は、はい・・・落ち着きました・・・。」









百絵「(私は、もうちょっとで「落ち尽きる」所でした・・・。・゜・(つД`)・゜・。)」

首を撫でながら自分の生存を確認する百絵・・・。





バタバタと騒がしいイデアツーリストだが・・・眠傀からかすみへの「ささ」で状況が一変する・・・。




ピ〜〜〜〜ピ〜〜ピ〜〜〜〜ピ〜〜・・・・





かすみ「あれ?眠傀からだわ?」




☆はな〜♪☆「うぅぅ・・・イイですね・・・仲がとっても良くって・・・・。」



少し妬きもちをやく☆はな〜♪☆・・・。



かすみ「ふふふ・・・あなた達もじゅうぶん仲イイでしょう?」


笑顔で眠傀からの「ささ」に出る・・・。


かすみは少し・・・深刻そうな顔で眠傀との会話を進めていた・・・。



おけな「・・・・・・」





・・・・・・・・・・・・



ピッ・・・・



かすみは眉をしかめて・・・指で頬をかきながら社長おけなに「眠傀からの内容」を報告する・・・。




かすみ「社長・・・「西の草原の黒おおかみ」の一件ですが・・・」




おけな「ん??」



かすみ「どうやら「群れ」のようです・・・。」



百絵「群れ?」




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黒おおかみの群れ・・・。

普通の狼とは違い・・・本来一匹で活動することが多い「黒おおかみ」・・・。

その「黒おおかみ」が群れで活動するという事は・・・「リーダー」が存在することになる・・・。

黒おおかみは「双頭」を持つが故、知能もそれ相応に高い。

自分たちよりも弱いと感じた「リーダー」に対しては絶対服従することは無いのだ・・・。

例えば「15匹の黒おおかみ」がいた場合・・・

その15匹を一度に相手にしても負けないという実力を持ったものでしか「リーダー」になることは出来ない・・・。

関係式は以下のようになる・・・。



  (黒おおかみ×15匹)+α < リーダー


もしもこの均衡が破られた場合、リーダーの座から即刻、追いやられてしまう・・・。


黒おおかみは「下克上社会」の中で生きているといっても過言ではない・・・。




「 ドルドル出版社 「魔物たちの暗い生態」 著者:せきらく 」より抜粋・・・
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☆はな〜♪☆「じゃ・・・かなり強い「リーダー」が存在するの?」


濡れたタオルで目を拭く☆はな〜♪☆・・・。

少し心配そうにかすみの話を聞く・・・。


かすみ「えぇ・・・眠傀の報告では・・・「25〜30匹の群れ」らしいわ・・・。」



百絵「ええっ!?だとしたら・・・かなりの強さですよ!?」


汗を垂らし・・・勢いよくデスクから立ち上がる百絵・・・。



おけな「そか・・・まぁ、やすのぶくんとパンサーくんの二人が取り掛かってるから心配いらないだろ?」


新しいタバコの封を切り・・・タバコを口に咥える社長おけな・・・。




かすみ「なっ!?☆はな〜♪☆ちゃんの「任務」では無いんですか!?」



☆はな〜♪☆「昨日の夜、代わってもらったんです。パンサーくんも同行しているとは知りませんでしたけど・・・」

少し笑いながら、かすみに報告する☆はな〜♪☆・・・。

すると、かすみは汗をかきながら・・・・・考え込む・・・。



かすみ「もしも・・・黒おおかみが・・・数度に分けて襲って来たら・・・分が悪いわ・・・。」



おけな「!?」



☆はな〜♪☆「???」



百絵「どういうことですか!?」


かすみの発言に疑問を持つ三人・・・。



その理由は・・・





かすみ「実は・・・パンサーくんは・・・・・」





かすみ「・・・・・・・・・」







・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・






元気よく駆け出し・・・杖を振るうパンサー改・・・。





パンサー改「いくぞ〜〜〜〜ッ!!  「炎よ!以下省略」ッ!!!!  」




ボワ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜ッ!!!!!!!!






黒おおかみ次郎「ギャウ〜〜〜〜〜ッ!!!!」


パンサー改の「炎の魔法」が・・・詠唱を省略されて放出される・・・。


完全には詠唱を省略できないが・・・十分に魔法構築速度が速い・・・。


ヤスノV「おぉ!?「以下省略」ッ!?」



黒おおかみ四郎「ガゥゥ〜〜〜〜〜ッ!!!!!!!」



ヤスノVの背後から襲い掛かる黒おおかみ・・・。





パンサー改「あぶない!やすのぶさんッ!! 「火の・以下省略」ッ!!!!」





ボフ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜ッ!!!!!!!!  ド〜〜〜ンッ!!!!!




黒おおかみ四郎「ギャウ〜〜〜〜〜ッ!!!!」




よだれ丸「ヾ( `д===========ΣΣΣバシュ〜〜〜〜ッ)


よだれ丸の口から「高圧の水」が噴出される・・・。

「レーザー」の様なその水は・・・敵を貫通して一度に二匹の黒おおかみを仕留める!!!



黒おおかみ一郎「キャウ〜〜〜〜〜ン!!!!」




黒おおかみ五郎「ギャイ〜〜〜〜〜ンッ!!!!」



やすのぶ「おぉ〜〜〜〜ッ!!! 「よだ・レーザー」 だな!?」




よだれ丸「  ヾ(´▽`)シ  」



どんどん「よだれ丸」の「技」に馬鹿げた名前を付けていくヤスノV・・・。



しかし、技自体はヤスノVの「技」よりも十分に頼もしい・・・。




次回から「飛べ!やすのぶさんトコのよだれ丸」が始まってしまいそうな勢いである・・・。



パンサー改「はははッ!!よだれ丸に負けてられないぞ!!!」



パンサー改は杖を踏み台にして空高く飛び跳ねる・・・。



10mは飛び跳ねて・・・両手に炎を勢い良く作り出す・・・・。






パンサー改「「火の・以下省略ッ×50」ゥゥ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜ッ!!!!」







ドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドド!
ドドドドドドドドドドドドドド!!!!!!!!!!
ドドドドドドドドド!!!!!!!!!!!!!!!
ドドドドッ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!



よだれ丸の「かっこ良さ」に感化されてテンションを上げるパンサー改・・・。


火の玉を50発・・・二匹の「黒おおかみ」に向けて打ち込む・・・。

その威力は凄まじく・・・・黒おおかみなど問題無いほど・・・黒焦げにしていく・・・。


結局・・・パンサー改に「獲物」を捕られたヤスノVは活躍する事無く、戦闘は終わってしまった・・・。



黒焦げになった黒おおかみをマジマジと見るヤスノV・・・。

ヤスノV「す・すごいッ!!!これが「パンサーくんの力」なのか?」




よだれ丸「 ヾ(´▽`)シ 」


手をバタつかせて喜ぶよだれ丸・・・。




ヤスノV「(で・でも・・・これって・・MPが・・・・)」




よだれ丸とは違い・・・その光景を少し心配そうにヤスノVは見ていた・・・。




・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


かすみ「実は・・・パンサーくんは・・・・」




固唾を呑んでかすみに注目する三人・・・。


かすみは斜め下を向きながら・・・溜め息をついてこう言った・・・。






かすみ「・・・・極度の「負けず嫌い」なのよ・・・。」






百絵「・・・・え・・・?」


☆はな〜♪☆「負けず嫌い?」




理由のわからない百絵は眉をしかめて・・・首をかしげる・・・。



かすみは椅子に座り・・・百絵にわかる様に・・・丁寧に答えてくれる・・・。




かすみ「つまりね・・・「実力が近い相手」とか「カッコイイ戦い方」とか見てテンションが上がると


・・・負けず嫌いのせいで・・・MPを気にせずに一気に全部使っちゃうのよ・・・。」



おけな「おいおい・・・そんな配分で戦ったら・・・一発で息が上がってしまうだろ?」



かすみ「えぇ・・・そうなの・・・前にパンサーくんが魔物に殺されそうになっていたのを助けた時も・・・

MP・・・0だったのよねぇ・・・・・。」




☆はな〜♪☆「や・やり過ぎだよ・・・パンサーくん・・・。」


ちょっと汗をかきながら・・・苦笑いを見せる☆はな〜♪☆・・・。



かすみ「でも・・・「炎の魔法」に関しては、本来Sランクを付けてもいいぐらいの能力は持っているわ・・・。」



おけな「・・・・う〜〜〜ん・・・難しいところだなぁ・・・。」


タバコの火を灰皿で消して・・・腕を組む社長おけな・・・。


パンサーの評価が難しい様子である・・・。



かすみ「パンサーくん・・・・大丈夫かしら・・・っていうか・・・やすのぶくんも・・・」




かすみ「・・・・・・・・・」




・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・








かすみが心配しているちょうどその頃・・・・。


















パンサー改「はぁはぁはぁはぁ・・・・はぁはぁはぁ・・・・はぁはぁはぁ・・・・はぁ・・・」




かすみの心配通り・・・かなり息の上がっているパンサー改・・・。



ヤスノV「だ・大丈夫かい!?パンサーくん?」




よだれ丸「ヾ(´Д`;)シ」


心配してパンサー改に近寄るヤスノVとよだれ丸・・・。


パンサー改「えへへ・・・大丈夫です・・・。 MPは限りなく「0」になっちゃいましたけどね」



さわやかに微笑むパンサー改・・・。


地面に倒れた杖を拾い上げてヤスノVに話しかける・・・。




パンサー「さぁ・・・これで任務は完了です!「入社、初戦闘」だったんでちょっと頑張っちゃいましたよ!」


パンサー改は大きなかばんから「濡れたマップ」を取り出して帰り道を調べようとする・・・。





パンサー改「え〜〜〜と・・・帰り道は・・・っと・・・・・」




おもむろにマップを広げるパンサー改・・・。




ヤスノVも広げたマップをパンサー改と一緒にのぞいて見る・・・。






すると・・・・先ほどまで6個だった「赤い印」が・・・・









パンサー改やヤスノVを中心にして・・・円で大きく囲むように「赤い印だらけ」になっていたのだ!!!!












ヤスノV&パンサー改「・・・・・・・・・・・」
















ヤスノV&パンサー改「・・・・・」
















ヤスノV&パンサー改「え゛?」






・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・



プカ〜〜〜〜〜〜〜〜・・・・・・



タバコの煙で「ドーナツ」を作る社長おけな・・・。


その姿を見て・・・査定員百絵が焦って社長に物言いをする・・・。



百絵「ダメです・・・どう計算してもあの二人では「任務成功率」が低すぎますッ!」



手の平を頬に当ててかすみも困ったように意見をする・・・。



かすみ「確かに・・・パンサーくんが魔力を失ったら・・・全滅必至ね・・・・。」



ヤスノVの戦力が最初から「計算外」の専務かすみ・・・。


すこしヤスノVが可哀想になる・・・。




天井を見上げて、ぼんやり何かを考えている社長おけな・・・。





おけな「・・・・・・・・・・・。」






おろおろしながら・・・恐る恐る百絵に・・・☆はな〜♪☆が問いかける・・・。



☆はな〜♪☆「あの・・・百絵ちゃん? やすのぶくんって・・・Sランクなんだよね・・・?」




百絵のデスクマットの下にしまっていた「ヤスノVの査定書」の内容を思い出す☆はな〜♪☆・・・・



Sランクであれば・・・ヤスノV一人でも任務は完了するはずだからだ・・・。




それを聞くと・・・百絵は目を大きく開けて汗を流す・・・。


百絵「どこでそんな「ガセ情報」を仕入れたんですか? 


やすのぶくんは・・・「C+」ランクですよ!!!???」



☆はな〜♪☆「えっ!?えっ!?・・・だって・・・百絵ちゃんの・・・デスクマットの下に・・・・」


手を握り締め・・・少し涙ぐんでくる☆はな〜♪☆・・・。



やすのぶに依頼を任せたことを申し訳なく感じているようだ・・・。


百絵「デスクマットの下・・・・・・・って・・・・・・あぁ〜〜〜〜〜〜〜〜ッッ!!!!!!!」



大きな声を張り上げて、デスクマットの下の・・・・・「遊び半分でかいた査定書」を取り上げる・・・。


汗をかきながら恐る恐る・・・☆はな〜♪☆に説明する・・・。


百絵「こ、これ・・・・タダの落書きなんです・・・。」


☆はな〜♪☆「え゛ぇ〜〜〜〜〜〜〜〜〜ッ!!?? そうなのッッ!!??」



事実を知り・・・とめどなく汗が噴出してくる百絵と☆はな〜♪☆・・・。



その時、社長おけなが灰皿でタバコの火を消しながら、二人に笑顔で話しかける・・・。





おけな「はっはっは・・・大丈夫だよ・・。やすのぶくんも最近の「特訓」でBクラスにはなっているし・・・」


すくっと立ち上がり☆はな〜♪☆と百絵の肩をポンっと叩く・・・。



おけな「どんな相手だろうとッ! 「指先一つでダウン」させているさッ!!! 」


笑顔で親指を立てる社長おけな・・・。




百絵「・・・・・・・・」



☆はな〜♪☆「そ、そうですよね?やすのぶくん・・・大丈夫ですよね!?」



かすみ「う〜〜ん・・・社長がそう言うなら・・・・。」




☆はな〜♪☆とかすみは・・・社長おけなの一言で安心するが・・・




社員をいつも間近で見ている百絵は・・・頬をヒクつかせて汗を流す・・・。



百絵にとっては・・・社長おけなの発言は「現実味」が無いらしい・・・・。





百絵は手を顔に押し当てながら・・・社長、☆はな〜♪☆、かすみに問いかける・・・。



百絵「皆さん・・・ちょっといいですか・・・?」



おけな「なんだい?百絵ちゃん?」



☆はな〜♪☆「?」



かすみ「どうしたの?」






百絵「・・・・・・・・・・」













百絵「目を瞑って・・・「敵を指先一つでダウンさせるヤスノV」を想像して下さい・・・。」



百絵がそういうと・・・三人は目を瞑る・・・・。




☆はな〜♪☆「・・・・・・?(私・・・やすのぶくんの戦ってるところあんまり知らないなぁ・・・?)」





かすみ「・・・・(???何でかしら?・・・ちょっと想像出来ない・・・?)」





おけな「・・・ぐぐぐッ・・・」



汗を流し・・・歯ぎしりする社長おけな・・・。



想像するのは「かなり困難」らしい・・・。








百絵「・・・・・・・・」




三人の表情を見て・・・質問を変える百絵・・・。










百絵「はい・・・・では次に・・・「指先一つでダウンするやすのぶくん」を想像してください・・・。」






☆はな〜♪☆「・・・・(あれ?戦い方知らないのに・・・シックリくる・・・?)」


先程とは打って変わって・・・妙に想像力が発揮できる☆はな〜♪☆・・・。



かすみ「・・ううぅぅぅぅううう〜〜〜〜〜〜〜(なんで・・・こんなに想像しやすいのッッ!!???)」


哀しそうにポロポロと涙を流すかすみ・・・。




おけな「ぶふ〜〜〜〜〜〜ッ!!!!!」



目を瞑りながら・・・・思いの他、簡単に想像できた様子の社長おけな・・・。


堪らず「笑い」を噴き出してしまう・・・。



百絵「・・・・・どうですか?皆さん・・・・。」



苦笑いを見せて・・・皆に問いかける百絵・・・。



おけな「はっはっは・・・簡単に負けちゃったよ!やすのぶくんッ!!!」



☆はな〜♪☆「ヤラレ役が・・・妙にハマっているというか・・・・その・・・」




純粋な解答であろう・・・・。



かすみ「うぅぅううッ・・・やすのぶくん・・・無残に可哀想だった・・・・。」



両手で顔を覆い・・・ポロポロ泣くかすみ・・・。


ヤスノV・・・どんなダウンの仕方をしたのだろうか?



百絵「・・・・・・・・・・」






☆はな〜♪☆「・・・・・・・・・・・・」








かすみ「・・・・・しくしく・・・・・・・」







おけな「・・・・・・・・・・・・・」









全員が・・・・暗く・・・・落ち込んで下を向いていく・・・・。








みんなが社長の方をチラッと見た瞬間・・・










社長は大きな声で言い放つ!!!!







おけな「やっぱりッ!!助けに行こうッッ!!!!」






かすみに留守番を任せて・・・少しの罪悪感を持つ百絵、☆はな〜♪☆・・・・


そしてイデアツーリスト、社長おけなが「西の草原」を目指して走って行った・・・。






・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・






一方・・・その頃・・・・。






ドカッ!!!!!

ヤスノV「ぐわぁ〜〜〜〜〜〜ッ・・・・・」




パンサー改「やすのぶさん!!!って・・・・うわ〜〜〜〜っ!?」



20匹の黒おおかみに襲われているヤスノVとパンサー改・・・。




よだれ丸「・・・・・〜〜〜〜・゜・(つД`)つ・゜・。」


「水切れ」になったよだれ丸も必死に逃げ回っている・・・。

どうやら「火事」の火を消すのに大量の水を吐いてしまっていたようだ・・・。


ヤスノV「(くそっ!黒おおかみ・・・こんなにいたのか??)」


膝を突き・・・口の中から出てくる血を拭うヤスノV・・・。


しかし、自慢のヤスノブレードは抜いていない様子だ・・・。



パンサー改「やすのぶさん! 剣をどうして抜かないんですか!?」



よだれ丸「・゜・(つД`)ノシ・゜・。」

MPが尽き果て・・炎を出せないパンサー改・・・。


水を吐き過ぎ・・水を出せないよだれ丸・・・。




最早、戦えるのはヤスノVしか残ってはいない・・・。




ヤスノV「(・・・くっ・・・・耐えてくれよ!?ヤスノブレードッ!!!)」




ヤスノVは「大きなかばん」からヤスノブレードを取り出す・・・。



刃こぼれの見えないヤスノブレード・・・。




一体・・・何体の黒おおかみを仕留めることが出来るのだろうか?





黒おおかみ12郎「ギャウ〜〜〜〜〜〜〜ッ!!!」


黒おおかみがヤスノVの背後から襲い掛かる・・・。


よだれを垂らして双頭を唸らせてヤスノVの首筋を狙う!


しかしヤスノVは冷静に黒おおかみの動きを察知する・・・。

すばやく振り向き・・・黒おおかみを迎え討つ・・・。


ヤスノV「(弱点は・・・首の付け根だ・・・!)」




黒おおかみの体に流れる「気脈」を見つめる・・・。

闘気(JP)を脳から眼に集中する事により敵の弱点を見つける事が可能になる・・・。

世間一般では「ウィークターゲット」と呼ばれる「戦士の基本必殺技」であるが・・・

社長おけなに特訓を受けた末、ヤスノVは自分風にアレンジしている・・・。



ヤスノV「ヤスノッ・・・ブレイダーァァッ!!!」




スッ・・・・・







今までのように「なんとなく当てずっぽう」ではなく・・・一瞬でかがみ込み・・・

確実に敵の弱点を目掛けて、すばやく剣を振る・・・。

その動きには・・・無駄が無い・・・。



パンサー改「  !!!  」





ヤスノVと黒おおかみは・・・お互いに背を向けて動きを止める・・・。








黒おおかみ十二郎「・・・・・・・・・」




ヤスノV「・・まず・・・・・一匹・・。」










黒おおかみ十二郎「ギャウ〜〜〜〜〜〜ンッ!!!!!!!」




見事、黒おおかみを一撃で仕留めるヤスノV・・・。






社長、おけなとの特訓の成果である・・・。





この数日でヤスノVは見違えるほどの「レベルアップ」を果たしていた・・・。



パンサー改「いけるッ!!これはいけるぞ!!!」



よだれ丸「 ヾ(´▽`)シ 」



満面の笑顔で喜ぶパンサー改とよだれ丸・・・。



残り19匹の黒おおかみがジリジリと間合いを取っている・・・。







ピィ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜ッ!!!!!!!!!







ヤスノV「な、なんだ!?」



パンサー改「笛の音ッ!?」



よだれ丸「Σ(゜д゜;)」




黒おおかみ達「!!!!!」


先程まで敵意ムキ出しだった黒おおかみ達が・・・急に先程の・・・ヤスノV達を取り囲んでいた円形に陣形を変える・・・。



正に「訓練されている黒おおかみ達」であることが・・・パンサー改にもすぐに理解できた・・・。




パンサー改「まさか・・・「親玉」が・・・くるのか?」



ヤスノV「お、親玉だって!?」




よだれ丸「(´Д`;=;´Д`)ハァハァ・・・」



辺りを見回すよだれ丸・・・。




その時、暗い森の木々を抜けるように・・・3つの影が空中から現れる・・・。




パンサー改「何ッ!?「狼剣士」に・・・・「ワーウルフ」だと!?」



よだれ丸「Σ(゜д゜;)」



目の前に颯爽と現れたのは・・・目が赤く輝く「狼剣士」と・・・二匹の「ワーウルフ」である・・・。


3匹はそれぞれ・・・血で汚れた「剣」を抜く・・・。




ロウガ大佐「きさまら・・・・我輩の部下を・・・よくも殺してくれたな!?」





リー少尉「われわれの同胞を殺した罪・・・「万死に値する」・・・・。」


ビル大尉「くくく・・・・殺してやる・・・。」




いかにも「悪者のセリフ」を吐き出す「狼剣士、ロウガ大佐」と「ワーウルフ、ビル大尉とリー少尉」


この三匹が・・・黒おおかみ達の「親玉」らしい・・・。



ヤスノV「なっ・・・・こいつら・・・黒おおかみと違うやんッ!!??」



依頼内容で「黒おおかみ」発生と聞いていたが・・・・

よもや「狼剣士」、二匹の「ワーウルフ」に出会うとは思ってもいなかったヤスノV・・・。


堪らずに汗をダラダラと流す・・・。



パンサー改「くっ・・・これは・・・分が悪い・・・・。」



MPが尽きたパンサー改・・・。


「大きなかばん」に「マナの水」が無いか調べる・・・。



パンサー改「 !! 」



パンサー改「やった!1本だけ・・・残ってたぞッ!!」

うれしそうにマナの水を空にかかげるパンサー改・・・。



しかし・・・




黒おおかみ十四郎「がうぅ〜〜〜〜〜ッ☆」


ドンっ・・・。




パンサー改「あうっ・・・!」



ガチャン・・・




背後から黒おおかみに体当たりをされて・・・大事なマナの水を落としてしまう・・・。



パンサー改「うわぁ〜〜〜〜〜ッ!!!!」




リー少尉「くっくっく・・・バカめ・・・」




ヤスノV「く、くそっ!「最後の望み」が・・・・ッ・・・。」



かなり青ざめてヤスノVは声を落とす・・・。



しかし!!パンサー改の目はまだ・・・闘志が消えていない・・・。

自信満々でヤスノVに声をかける・・・。






パンサー改「やすのぶさん!心配しないでくださいッ!まだまだ燃やしますよッ!」




ヤスノV「なんだって?(まだ・・・敵を燃やす方法があるのか・・・?)」


ロウガ大佐「・・・・・・ふん・・・・」


にやりと笑うロウガ大佐・・・。

望むところだ、といった表情でパンサー改を睨みつける・・・。




パンサー改・・・MPが無くなっても「奥の手」でもあるのだろうか?




手を力強く握り締め・・・ヤスノVに向ってガッツポーズを見せる・・・。





パンサー改「魔法は使えませんが・・・俺の心 だけ は真っ赤に燃えてますからッ!!!」




ロウガ大佐「ぶっ・・・ww」

パンサー改の発言・・・ロウガ大佐にうけている様だ・・・・。



ビル大尉「くだらない・・・・」



よだれ丸「・゜・(つД`)・゜・。」


ヤスノV「ぐ・・・ぐぅぅ〜〜〜〜〜〜〜ッッ・・・・・」



涙を目一杯流すヤスノV・・・。





パンサー改・・・もはや「ただの元気のいいお兄ちゃん」決定である・・・。



ヤスノVは剣を握り直して再度、ロウガ大佐たちに怒鳴りつける・・・。




ヤスノV「くそっ!腹を決めたぞ!!俺一人で・・・お前ら全員・・・相手にしてやるッ!!」





ロウガ「ふふん・・・貴様一人で・・?」




ビル大尉「馬鹿にしているのか?貴様ごときが我々に敵うとでも・・・・?」


黒おおかみ「がううぅぅ〜〜〜〜〜☆」



ニタニタしているロウガ大佐や黒おおかみたち・・・。





ヤスノV「よだれ丸ッ!パンサーくんをつれて逃げろッ!俺が食い止めるッ!!」


黒おおかみの中に突撃し・・・パンサー改の為に「退路」を切り開こうとする・・・。



パンサー改「なっ!?何言ってるんですか!?俺も戦いますよッ!!!!・・・・」




よだれ丸「Σ(´Д`;=;´Д`)!!」

悲しげにびっくりした表情のよだれ丸・・・。

堪らずにオロオロする・・・。



ヤスノVは黒おおかみを斬り退けようとした瞬間・・・いつの間にかヤスノVの前に回りこんだロウガ大佐に


蹴り込まれてしまう・・・。







バキィ〜〜〜〜〜〜ッ!!!!






ヤスノV「ブフォ〜〜〜〜〜ッ!!!!!!!」










パンサー改「やすのぶさんッ!!?」





よだれ丸「・・・・〜〜〜〜・゜・(つДT)・゜・。」

涙を流してヤスノVの元に飛んでいく・・・。



よだれ丸は・・・ヤスノVの頬から流れる血を一生懸命舐めるが・・・血が止まる様子は無い・・・。



もはや・・・力の差は歴然であった・・・。


今のヤスノV、パンサー改、よだれ丸では・・・この集団に勝つ事は・・・不可能である・・・。




ロウガ大佐「ハンティング・ハードッ!!!!」


にやりと笑いながら、ロウガ大佐はパンサー改を指差し、大声を上げる。

それを聞いて、訓練を受けた黒おおかみたちの内の二匹が・・・一気に駆け込んでくる・・・。



黒おおかみ「がうぅぅ〜〜〜〜〜ッ!!!!」



パンサー改「うわぁ〜〜〜〜〜ッ!!??」




ヤスノV「パ、パンサーくんっ!!」


傷口を押さえ・・・パンサー改に向かって悲痛に叫ぶヤスノV・・・。



しかし・・・悲痛な叫びも空しく・・・パンサー改は・・・・









ガブガブッ!!!! ガブガブッ!!!!!!




パンサー改「ぐぅ・・・ぐわぁ〜〜〜〜〜〜ッ!!!!!」






一匹の黒おおかみの双頭に両腕・・・もう一匹の黒おおかみの双頭に両足を噛み付かれてしまう・・・。



押さえつけられる様に噛まれたパンサー改・・・。


拘束され、微動だにすることが出来ない・・・。



パンサー改にゆっくりと近づいくビル大尉・・・。


目が黄色く光っている・・・。



ビル大尉「くっくっく・・・死ね・・・。名も無い魔法使いの男よ・・・。」




パンサー改「何だと!?・・・貴様・・・っ痛ッ!!!!」


血の付いた剣の切っ先をパンサー改の眼前に構えるビル大尉・・・。




もがく様に黒おおかみの拘束を逃れようとするが・・・


MPの無いパンサー改に・・・逃れる術は無い・・・。



しかし・・・ロウガ大佐の口から思いもかけない言葉が飛び出す・・・。




ロウガ大佐「待て・・・そいつを殺すな・・・。」



ビル大尉「な・・何故ですかっ?大佐ッ!?」



リー少尉「??」



焦るワーウルフ二匹・・・。



ヤスノV「(くっ・・・どういうつもりだ・・・?)」



よだれ丸「・゜・((つД`)・゜・。」


泣きながら首をかしげるよだれ丸・・・。


ロウガ大佐はヤスノVの方を向いて・・・ある「提案」を出してくる・・・。



ロウガ大佐「くっくっく・・さっきから見ていたら・・・やすのぶだったか?

・・・随分と「仲間思い」じゃないか?」


ニヤニヤとヤスノVを見るロウガ大佐・・・。


使用している剣、ヤスノブレードを見る・・・。


ヤスノV「くっ!?どういうつもりだ!?一体・・・何が狙いだ!?」


ロウガ大佐はリー少尉の方を向いて支持を出す・・・。




ロウガ大佐「こっちへ来い、リー少尉・・・そしてやすのぶに「例の物」を・・・。」





ヤスノV「例の物?」





ビル大尉「なるほど・・・そういう事か・・・。」





パンサー改「???」



意味のわからないヤスノV達・・・。



リー少尉は懐から小さな丸薬を取り出す・・・。

そして・・それをロウガ大佐に手渡した・・・。




ロウガ大佐「コレを飲め・・・そうすれば魔法使いは返してやる・・・。」



ヤスノV「何ッ!?何でそんな条件を・・・?」





ロウガ大佐「コレは「魔物になる毒」だ・・・。ここに来る前に・・・手下を多く殺されて人材不足でなァ〜・・・」



ヤスノV「!!!!」



ロウガ大佐「貴様は「良い魔物」になる素質がある・・・。」



パンサー改「な・何っ!!!?ダメだッ!!!!そんなもの・・・ぐわぁぁ〜〜〜〜ッ・・・・。」

発言を潰される様に黒おおかみ達に強くかまれるパンサー改・・・。


よだれ丸「Σ(´Д`;)シ」





よもや狼剣士の口からこのような条件が出てくるとは思ってもいなかったヤスノV・・・。



目を大きく開けて・・・驚きを隠せない・・・。



書いているわたし自身・・・ヤスノVを「魔物」にしても大して強くないと思うが・・・


ロウガ大佐はヤスノVが「剣」を持っていたのが、たいそう気に入った様子らしい・・・。




よだれ丸「・゜・(つД`)シ・゜・。」


泣きながらヤスノVの肩に捕まるよだれ丸・・・。

必死に止めようとしている・・・。



ロウガ大佐「貴様は邪魔だ・・・。」



やすのぶ「Σ(;´Д`)つ ・・・・ (肩 」



さっとよだれ丸の首を掴んで引き離し・・・ヤスノVに問う・・・。




ロウガ大佐「どうした?やすのぶよ? コレを飲めば今よりいっそう強くもなれるぞ?」


不敵に笑うロウガ大佐・・・。


ここでロウガ大佐の条件を・・・薬を飲まなければ・・・


パンサー改が殺されてしまう・・・そして・・・よだれ丸までも・・・



ヤスノV「・・・・・・・・」



黙りこくり・・・しばらく考えるヤスノV・・・。


ロウガ大佐「我らの仲間になって・・・愚民を殺しまくるのだッ!!!」


興奮するロウガ大佐・・・。




ヤスノVは・・・ゆっくりと返答する・・・。















ヤスノV「わかった・・・」









パンサー改「な、何言ってるんですか!?こんな奴らの言う事・・・鵜呑みにしちゃダメだ・・・!!!」





ロウガ大佐「くっくっく・・・よく言った・・・。」




よだれ丸「Σ(゜д゜;)」



ヤスノV「その代わり・・・絶対にパンサーくんを・・・・逃がしてくれるな・・・?」





ロウガ大佐「あぁ・・・同胞となる者の約束は絶対に守るッ!!さぁ、この丸薬を飲むがいいッ!!!」




ロウガ大佐から丸薬を手渡されるヤスノV・・・。



黒く・・怪しく光るその丸薬は・・・ヤスノVを魔物へと変える薬・・・。




手渡された丸薬を握り締めて・・・歯を食いしばる・・・・。



ヤスノV「・・・・・・・・」



ヤスノVはパンサー改の方を向いて・・・ゆっくりと別れの言葉を発する・・・。





ヤスノV「さよならだね・・・パンサーくん・・・火が・・使えない魔法使いだったけど・・・。」





パンサー改「な、何を言って・・・・?!!!!!(火が使えない??)」



火を使う魔法使いパンサー改に対して意味の通らない発言・・・。



ふっと・・・ヤスノVの足元を見る・・・・。








いつの間にか・・「ヤスノブースター」に履き替えている・・・。











ヤスノV「火が使えないのは・・・解決したんだったっけ・・・?」





パンサー改「!!!!!(そうかッ!!!)」


ヤスノVの言葉の意味に感づくパンサー改!!!








パンサー改「はいっ!!!大丈夫です!!!」






バッ!!!!



ロウガ大佐「何っ!?」





一瞬でよだれ丸をロウガ大佐から剥ぎ取り・・・パンサー改に突進するヤスノV・・・。








ヤスノブレードをビル大尉に投げつける・・・。




ズバァ〜〜〜〜〜ッ!!!!!






ビル大尉「ぐ、ぬぅっ!!??何を・・・!!?貴様!?」

ヤスノブレードは惜しくもビル大尉をかすっただけだったが・・・パンサー改から引き離すには十分であった・・・。



リー少尉「な、なんだ!?この素早さは!?」



ヤスノVの「ヤスノブースター」の効果を全く知らないロウガ大佐達・・・。

完全に虚をつかれる・・・。




パンサー改も手の平を黒おおかみ二匹に向けて・・・詠唱する・・・。


パンサー改「「火の・以下省略」×2ッ!!!!」





ボンッ!  ボンッ!!!





黒おおかみ二匹「キャウ〜〜〜〜ンッ!!!!!!!!!」




ヤスノVは「ヤスノブースター」に履き直したことにより「スピードが2倍」になる・・・。


会話で油断したロウガ大佐達の隙を付いてパンサー改を抱き上げ・・・高速で逃げ出した・・・。



あえて時間を稼ぐようにヤスノVがロウガ大佐と会話していたのは・・・・


「パンサー改のMPの自然回復」を待っていた為だったのだ・・・。


ヤスノV「戻れ!ヤスノブレードッ!!!」


ヤスノブーメランの応用で、剣を腰に据えた鞘に走りながら収めるヤスノV・・・。


ロウガ大佐「お・・・お・・おのれっ!!!!謀られたッ!!!追え!奴らを逃がすなァ〜〜!!!!」






・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・





ヤスノV「はぁ・・はぁ・・・」


パンサー改とよだれ丸を抱き上げて逃げるヤスノV・・・。



ヤスノブースターを全快にして森を駆け抜けていく・・・。



後ろからおおかみ達の気配を感じなくなってきた所で・・・森の出口に差し掛かる・・・。


パンサー改「す・すいません・・・やすのぶさん・・・」


よだれ丸「・゜・(つД`)つ・゜・。」




両手、両足が黒おおかみに噛まれたせいで満足に動けないパンサー改・・・。



血も一向に止まらないようである・・・。


パンサー改「(くそっ!こんな事なら・・・「回復魔法」も覚えておくんだった・・・。)」



パンサー改は「炎の魔法」以外は、「からっきし」である・・・。


誰よりも早く強くなるために「炎」の魔法を重点的に強化した結果・・・偏った魔法の覚え方をしてしまっていた・・・。


パンサー改は自分の現状を見つめるほど・・・悔しい気持ちが溢れ返ってくる・・・。



ヤスノV「う、うわ〜〜〜〜っ!!?」


突然! ヤスノVが大声を上げる・・・。

力いっぱい・・・ブレーキをかけて・・転がるように地面に倒れる・・・。



パンサー改「うわっ!!?」



よだれ丸「(ノ゜o゜)ノ ((  )) (ノTοT)ノ((  ))・・・」


ころころと転がるよだれ丸・・・。



目の前は崖になっていて・・・20mほど下に草原が広がっている・・・。


ヤスノVが気づかなければ・・・今頃みんな崖から落ちていたであろう・・・。



ヤスノV「くそっ・・・ヤスノブースターの衝撃吸収で・・・着地できるかな?」


ヤスノV一人であれば問題は無いであろうが・・・パンサー改を抱きかかえては

この崖を飛び降りるのは危険が伴う・・・。


ヤスノV「ダメだ・・・迂回するしかないか・・・。」


崖を見下ろし、汗を流すヤスノV・・・。


その時、パンサー改は申し訳無さそうにヤスノVに話しかける・・・。


パンサー改「うぅぅ・・・やすのぶさん・・・僕を・・・置いていってください・・・。」



両手を地面について・・・泣きながら声を落とすパンサー改・・・。


ヤスノV「パンサーくん・・・。」



よだれ丸「Σ(´Д`;)」


パンサー改の傷ついた体は見るも無残である・・・。


赤い魔法衣は血で赤黒くなり・・・とてもではないが戦う余力は感じられない・・・。


ヤスノVの重荷になるのを・・・拒んだのであろう・・・。


しかし、ヤスノVは爽やかな笑顔でパンサー改に優しく話しかける・・・。



ヤスノV「心配するなよ!?俺が、絶対に街まで連れてってやるからッ!!!」



パンサー改「や、やすのぶさん?」



ヤスノV「一緒に、生きるんだよ・・・パンサーくん・・・。」



ヤスノVの何の根拠もない自信・・・。



パンサー改の血の匂いをかぎ付けて「黒おおかみ」達は刻一刻と近づいてくる・・・。



冷静になれば冷静になるほど生き残れる可能性は少ない・・・。




しかし・・・パンサー改は・・・ヤスノVの笑顔に「希望」を見出していた・・・。


パンサー改の心に・・・「熱くタギる何か」が再度・・・芽生え始める・・・。



パンサー改「すいませんでした! お・俺・・・頑張りますッ!!」



満身創痍の体・・・力を込めて奮い立たせるパンサー改・・・。



血が見る見る止まっていく・・・。

魔法ではなく・・・精神力で血を止めるあたりがパンサー改の「アツイ」ところである・・・。



ヤスノV「あぁ!絶対に・・・生きて帰るぞッ!!」


皆の士気が高まった所に・・・森の方から無数に走ってくる足音がヤスノV達に聞こえてくる・・・。




ロウガ大佐「ふんっ!追い詰めたぞ!!」

黒おおかみ達「がるぅぅ〜〜〜〜☆」


森からロウガ大佐が黒おおかみを連れて現れる・・・。


パンサー改の血を辿って追いかけてきたようだ・・・。




パンサー改「きやがったか・・・・。」



ヤスノV「くそっ!さすがに速いナ・・・。」



よだれ丸「 (;´Д`) 」



汗を流すヤスノV達・・・。





最早反撃の糸口は・・・皆無だ・・・。

背後は崖・・・まさに「背水の陣」である・・・。




しかしこの現状でも、一番に元気良く声を張り上げたのは一番重症のパンサー改であった・・・。

パンサー改「やすのぶさんッ!!命の炎ある限り・・・戦いましょうッ!!」

手に握りこぶしを作り・・・力強くヤスノVに言い放つ・・・。

ヤスノVの「生きる」という言葉に共感したのである。


よだれ丸「ヾ(`д´;)シ」

よだれ丸も・・・逃げるのは、もう嫌らしい・・・。


ヤスノV「あぁ!!・・・(とはいうものの・・・パンサーくんもよだれ丸も・・・もう戦う余力なんて・・・無い)」


剣を抜くヤスノV・・・。



ヤスノV「(パンサーくんは「火の魔法2発」・・・。よだれ丸も「ヨダ・レーザー1発」が目一杯・・・)」



頭の悪いヤスノVが・・・一生懸命「打開策」を検討する・・・。




しかし、その瞬間・・・本気になったロウガ大佐がヤスノVに一気に仕掛ける・・・。






ロウガ大佐「死ねェ〜〜〜〜〜〜〜〜ッ!!!「狼瞬斬」ッ!!!!!」



ダダダダダッッ!!!!


すばやくヤスノVに襲い掛かるロウガ大佐・・・。



ヤスノV「!!!!(ヤバイッ!!!これはガードではヤラれるッ!!!!)」






とっさの判断でヤスノVは社長おけな直伝の必殺技を使用する・・・。

JPを剣に過剰に込めて・・・渾身の力でロウガ大佐を迎え撃つ・・・。



ヤスノV「ヤスノッッ!!! ブレイク〜〜〜〜〜〜〜ッ!!!!!!!」



ガキィーーーーンッ!!!!!!



ロウガ大佐の必殺技とヤスノVの必殺技が火花を散らす・・・。



しかし・・・覚えたてのヤスノVの必殺技は・・・虚しくもロウガ大佐の必殺技には及ばなかった・・・。











ロウガ大佐の必殺技のパワーとスピードに・・・ヤスノVは剣を弾かれてしまう・・・。



ヤスノV「し・・しまったッ!!」




ドガッ!




ヤスノVの剣・・・ヤスノブレードが弾け飛び・・・森の木に深く刺さり込む・・・。



剣はヤスノVの手元には戻ってくる事がないくらいに・・・深く、木に刺さってしまっていた・・。



パンサー改「くそッ!!「火の・・・以下省略」!!」


よだれ丸「ヾ( `д===========⇒ バシュ〜〜〜〜ッ)



パンサー改とよだれ丸の援護攻撃がロウガ大佐に襲い掛かるが・・・


その瞬間、二匹のワーウルフが森の影からロウガ大佐の盾になるように飛びこんでくる・・・。


剣でガード姿勢をとって、ロウガ大佐の邪魔を防ぐ・・・。





バシュッ!!!!

バシッ!!!!





笑みを浮かべてパンサー改に向かって・・・ほくそ笑むリー少尉・・・。


リー少尉「我等のことを・・・忘れてないか?」


ビル大尉「ふっ・・・この程度の攻撃・・・防ぐのは造作もない・・・。」


パンサー改「そ、そんなッ!!!」


よだれ丸「 Σ(´Д`;)シ 」


パンサー改とよだれ丸の援護は・・・失敗に終わってしまった・・・。


丸腰のヤスノVの喉元に向けて・・・無常にもロウガ大佐の「突き」が襲い掛かる・・・。



リー少尉「ふっ・・・殺った・・・。」


パンサー改「やすのぶさ〜〜〜〜〜んッ!!!!!」


よだれ丸「・゜・・゜・Σ(つД`)つ・゜・。・゜・。」


パンサー改とよだれ丸の叫び声が・・・辺りに響き渡る・・・。


パンサー改の「炎の魔法」も・・・最早・・・間に合わない・・・。


ヤスノV・・・必死である・・・。









ザクッ!!!!!!!









パンサー改「ぐぅッ!!!!」


目をつぶるパンサー改とよだれ丸・・・。





「ギ、ギャァァアアァァ〜〜〜〜〜〜〜〜〜ッッ!!!!!」


パンサー改「(エッ!?)」



叫び声がヤスノVとは違うことに驚くパンサー改・・・。


慌てて目を開けて状況を確認する・・・。



パンサー改「あぁ・・・・」



よだれ丸「 Σ(*´▽`)シ 」



なんとロウガ大佐の剣を持つ手の甲に「カード」が突き刺さっている・・・。


ロウガ大佐「な・・いったいなんだというのだ!?」


訳のわからないロウガ大佐達・・・。


辺りを見渡す間もなく・・・フェイミンの声が響き渡る・・・。




???「ピィ〜〜〜〜〜〜〜ッ!!!!(防御神風〜〜〜ッ!!!!!)」



ロウガ大佐「うぉぉ〜〜〜〜〜〜〜ッ!!!!?」



リー少尉「ブワァ〜〜〜〜ッ!!???」



黒おおかみ達「キャイ〜〜〜〜〜〜ンッ!?????」


ビル大尉「グッ・・・おぉぉぉ〜〜〜ッ・・・!!!!!!」


ビル大尉を残して崖の下に飛ばされるロウガ大佐達・・・。


ビル大尉は地面に剣を突き刺して踏ん張るも・・・凄まじい突風の前に抵抗も虚しく崖を転がり落ちてしまう・・・。




ヤスノV「あ・・・あぁぁ・・・・」



パンサー改「た・・助かった・・・」


よだれ丸「・・・・〜〜〜〜〜ヾ( ´▽`)シ」


ヤスノV達の目の前に、イデアツーリストの強者が三人現れる・・・。



吸い掛けのタバコを咥えた・・・スーツ姿の「丸腰」の男・・・。

ポニーテールに白いリボンをつけた・・・「弓」を持つ女性・・・。

黒く光る「長刀」を持つ・・・肌が色白のサンタ帽子を被った女性・・・。




三人の正体を知らないロウガ大佐は怒鳴り上げる様に問いかける・・・。


ロウガ大佐「き、貴様ら・・・何者だッ!!!?」



丸腰の男「おぃおぃ・・・手に刺さっているのは「名刺」だ・・・。読んでくれよ・・・。」

にやりと片目を瞑り、煙を吐き出す男・・・。


ロウガ大佐は血管を浮き立たせて・・・手の甲から名刺を抜き取り、目を通す・・・。










---------------------------------------------------------
              イデアにッ!おいであ!!  

 イデア国 公認:イデア観光会社
    代表取締役    おけな

            有限会社イデアツーリスト
            住所 イデア銀行裏細道〇〇−〇〇
            ささ 「自主規制」−〇〇〇〇
--------------------------------------------------------

笑いながらロウガ大佐に話しかけるイデアツーリスト、社長おけな・・・。



おけな「はっはっはッ・・・右上のはキャッチフレーズだ・・・。」



ロウガ大佐「ふ・ふ・ふ・・・ふざけるな〜〜〜〜〜ッ!!!!!」

充血した目をムキ出して怒鳴るロウガ大佐・・・。



汗を流して弓を持つ女性がおけなに話しかける・・・。
百絵「け・・消してなかったんですか?キャッチフレーズ!?」




☆はな〜♪☆「うぅぅ〜・・・お客さん・・・絶対来ないよ?あれじゃぁ〜・・・」

長刀を両手で持ちながら・・・涙を流す☆はな〜♪☆・・・。



百絵のパートナー「リンゼ」にも、よだれ丸と同様に敵を感知する能力がある・・・。


ヤスノVたちを心配して助けに来てくれた三人がロウガ大佐達を無視して笑い話をしている・・・。


☆はな〜♪☆「ごめんなさいね・・・私のせいでひどい目にあったわね・・・。」


ヤスノV「何言ってるんですか・・・俺は・・・」


回復魔法をかけるためヤスノVに近寄る☆はな〜♪☆・・・。




その時!

剣を力強く握ったビル大尉が・・・☆はな〜♪☆に向かって崖の下から襲い掛かってきた!!!




ビル大尉「貴様からッ!!死ね〜〜〜〜〜ッ!!!!」





ビル大尉に見向きもせずに・・・☆はな〜♪☆は長刀を逆手に持ち替える・・・。


少しうつむき気に・・・静かにJPを長刀に込める・・・。




☆はな〜♪☆「咲き誇れ・・・」


舞でも舞うように・・・フワリと身をひるがえし・・・長刀をビル大尉に向かって振り付ける・・・。


☆はな〜♪☆「放閃花ッ(ほうせんかッ)!!!!」


ビル大尉「ナニィィ〜〜〜ッ!?」



☆はな〜♪☆の長刀の切っ先から・・・まばゆいばかりの光が放たれる・・・。






ズパっッ・・・・!!!






ビル大尉「  ガッ・・・・?」


ビル大尉に当った鋭い光が・・・体を切り裂くように突き抜ける・・・。


☆はな〜♪☆「ふふふ・・・役不足ょ・・・」






ドサッ・・・・ゴロゴロゴロゴロ・・・・・



体を二分されたビル大尉が・・・二つに分かれて・・・崖を転がり落ちていく・・・。


ヤスノV「すごい・・・。」


パンサー改「なんて・・・強いんだ?」


かすみの力に惚れ込み入社を決めたパンサー改・・・しかし今更ながらに☆はな〜♪☆の強さにも汗を垂らす・・・。


ロウガ大佐「き、貴様ら〜〜〜ッ!!!よくも!よくも我輩の部下を〜〜〜ッ!!!」



頭に血が上るロウガ大佐・・・。

牙を剥き出して黒おおかみ達に指示を出す・・・。


ロウガ大佐「皆殺しだッ!!!ミ・ナ・ゴ・ロ・シ・ニ・・・・シロ〜〜〜〜〜〜ッッ!!!!!」


リー少尉「ハイッ!!!お任せくださいッ!!!」

黒おおかみ達「ガウッ!!ガウ〜〜〜〜ッ!!!!!」



怒りで我を忘れてイデアツーリストの面々に襲いかかろうとするリー少尉と黒おおかみ達・・・。


ヤスノVとパンサー改・・・そしてよだれ丸の回復を終えた百絵が☆はな〜♪☆に向けて言い放つ・・・。



百絵「ワーウルフと黒おおかみ20匹以上・・・この数は面倒です! ☆はな〜♪☆さん・・・いきますよ!?」

百絵は☆はな〜♪☆に、右手に持った「百絵の弓」を見せながら駆け寄る・・・。



☆はな〜♪☆「うんッ!! 「合体奥義」だね!?」



にこやかに返事をした後、百絵と☆はな〜♪☆は「左右対称」になるように並んで一つの弓を構える・・・。

不思議な事に「矢」を持っていない二人・・・。

二人で一緒に一つの弓の弦を引いて目標を「空」へ向ける・・・。




ヤスノV「が、合体奥義!?」


パンサー改「い・・一体何をするんだ?」



百絵「百絵ッ!!☆はな〜♪☆ッ!!・・・・合体奥義ッ!!!!」


☆はな〜♪☆「狂い咲けッ!!!!!」


百絵、☆はな〜♪☆両者の体から溢れ返った闘気・・・「JP」が・・・弓を引く手に集まっていく・・・。



百絵&☆はな〜♪☆「  「 百花繚乱 」〜〜〜〜〜〜〜〜ッ!!!!!!   」



力強く弓から「光の突起物」が数え切れないくらい無数に放出される・・・。

「光の突起物」は次第に形を変えて・・・「矢」のような形に変わる・・・。


「光を実体化させる」☆はな〜♪☆の特殊能力。

そして百絵の奥義、「百発百中」の効果が合わさり

「100本の闘気の矢」が「生き物」のように飛び交う・・・。

桃色の闘気で美しく輝く「光の矢」が20匹を越える黒おおかみ達に次々と突き刺さっていく・・・。


黒おおかみ達「キャイ〜〜〜ンッ!!キャイ〜〜〜ンッ!!!!」



リー少尉「ナ・ナニッ!!!一体・・・一体なんなんだ・・・・こいつらは〜〜〜〜〜ッ!!??」


ドカドカドカドカッ!!!!!

リー少尉にも、例外なく光の矢が突き刺さる・・・。


すべての矢が魔物達の体に刺さった後、「光の矢」が・・・次第に光を失い消えていく・・・。



ブシュ〜〜〜〜〜〜ッ・・・・




これはパンサー改の後日談だが・・・

光の矢が消えて・・・穴の開いた魔物の体から勢い良く吹き出た血は・・・

まるで「100本の血の花」が咲いたかの様に見えたと言う・・・。





・・・・・・





ロウガ大佐「ま・・まま・・・まさか・・・・」

茫然自失のロウガ大佐・・・。




おけな「お前一人になったな?ロウガ大佐・・・・だったっけ?」



ロウガ大佐「何ッ!!?貴様・・・いつの間に背後に!?」



おけな「はっはっは・・・どうだい?優秀な社員たちだろう?」


リー少尉たちの死に様を見ていたロウガ大佐は・・・背後に忍び寄る社長おけなにまったく気が付かなかったらしい・・・。





手には木から抜いた「ヤスノブレード」が持たれている・・・。






おけな「イデアよりも・・ずっと・・・お前に「お似合いの場所」へ案内してやるよ・・・。」







ロウガ大佐「ふんっ!!!わ、我輩を何処に連れて行くつもりだッ?」






汗を垂らして・・・おけなに問いかけるロウガ大佐・・・。



おけなは火の消えそうになっているタバコを咥えて・・・こう言った・・・。









おけな「・・・・・・・・・地獄だよ・・・。」








ロウガ大佐「調子に乗るなよ!!!?若造が〜〜〜〜〜〜ッ!!!!」






剣を振りかざし・・・突進するロウガ大佐・・・。





おけな「・・・・・・」





ロウガ大佐「んっ!!!???(この風貌・・・?)」




おけなを目の当たりにし・・・過去の記憶を辿るロウガ大佐・・・。





ロウガ大佐「(咥えタバコに・・・・斜め下に構えた剣・・・・。)」







少し汗がにじみ出るロウガ大佐・・・。








ロウガ大佐「(鋭い眼差しに・・・・自信に溢れた笑顔・・・!!!!?????)」





目を大きく開けて・・・声を張り上げるロウガ大佐・・・。

その昔・・・すべての魔物が怯え、恐れおののいたという「ドルロレの戦士」の二つ名を思い出す・・・。






ロウガ大佐「貴様ッッッ!!!!まさか・・・「地獄の・・・・」










スピュッ・・・・・



ロウガ大佐「・・・・・・・」



おけな「・・・・・・・」




タッタッタッタ・・・タッタ・・・・タ・・・・・ドサッ・・・



振りかざした剣を・・・振り下ろす事無く・・・おけなを通り過ぎて地面に膝を付くロウガ大佐・・・。

そのまま・・・ピクリとも動かなくなってしまう・・・。


剣で斬ったのかもしれないが・・・あまりに高速な為「斬跡」すら残っていない・・・。



ちょうどその時・・・社長おけなの咥えタバコの火も・・・消える。



ヤスノV「えっ!?なに!?なんで膝を突いたの?」



よだれ丸「(´▽`)ノシ」

何度も手を振るよだれ丸・・・。


パンサー改「た・確か・・・2回ほど・・・剣を振りましたよね?」


汗をダラダラと流して・・・百絵に問いかけるパンサー改・・・。



すると百絵はあきれた顔をしてヤスノVとパンサー改に言い放つ・・・。



百絵「はぁ〜・・・パンサーくんは魔法使いだから良いとしても・・・やすのぶくん・・・全然見えなかったの?」



手を顔に当てて・・・首を振る百絵・・・。



☆はな〜♪☆も笑いながらヤスノV達の疑問に答える・・・。



☆はな〜♪☆「ふふふ・・・・「7回」振ったのよ、剣を・・・・。」








パンサー改「え゛・・・?」






ヤスノV「え゛・・・?」








百絵「え゛・・・?」



驚く三人・・・。




☆はな〜♪☆「百絵ちゃん・・・今・・・「え゛」って言った・・・?」


頬を釣り上がらせて、「大きなかばん」に「弓」をしまい込みながら、苦笑いする☆はな〜♪☆・・・。

百絵は慌てて言い訳をする・・・。




百絵「違いますッ!!「えぇ!」って言ったんです!!!「えぇ!!」って!!!!!!!」



両腕をブンブン振って・・・笑ってごまかす百絵・・・。





百絵「(まさか・・・6回しか見えなかったなんて・・・・言えない・・・。)」

上空から・・・百絵の肩にフェイミンのリンゼが舞い降りる・・・。

リンゼ「(百絵ちゃん・・・「え゛」って言ったよね・・・?)」


百絵「(うるさい!黙っててよ!リンゼッ!!!)」


泣きそうな目をして「動物語」でしゃべる百絵とリンゼ・・・。



そうこうしている内に・・・社長おけなが崖の下から戻ってくる・・・。



おけな「おぉ・・・お待たせ・・・任務完了だな・・・。」



戦士としての装備を一切着けずに・・・ヤスノブレードだけでロウガ大佐を倒してしまった社長おけな・・・。



ヤスノVは固唾を呑んで・・・社長から「ヤスノブレード」を受け取る・・・。



ヤスノV「すいませんでした・・・。俺の・・・力不足です・・・。」




パンサー改「いえ・・・俺が悪いんです・・・。MPを・・・もっと大事にしていたら・・・。」



よだれ丸「・゜・(つД`)・゜・。」


心底落ち込むヤスノVたちに・・・社長おけなは笑って言い放つ・・・。




おけな「はっはっは・・・・次、頑張れ・・・それでいい・・・。」



ヤスノV「ぐぅぅ〜〜〜〜〜ッ・・・」


パンサー改「ぐぐ・・ぐぅ・・・」


よだれ丸「・゜・(つДT)・゜・。」


社長おけな達が来なければ必死であった今回のミッション・・・。



ヤスノV、パンサー改、よだれ丸はこの日を境に再度「強くなろう」と心に刻み込む。



ヤスノVは力強く剣を握り・・・心にそれを・・・刻み込んでいた・・・。






リー少尉「・・・・・・・・・」



リー少尉「(ぐぐぐ・・・「狼のお守り」のお陰で命が・・・助かった・・・。)」

リー少尉の服の中で砕けた「狼のお守り」は一度だけ命を守ってくれる効果があるアイテムである・・・。

百絵、☆はな〜♪☆の奥義は致命傷であったが・・・リー少尉は運良くアイテムに命を救われた・・・。



崖の上にイデアツーリストの面々が移動したのを確認するリー少尉・・・。


リー少尉「・・・・・・・」


バッ!!!!





隙を見て・・・なんと逃げ出してしまった!!!


ヤスノV「なにっ!?」



百絵「うそ? 「百花繚乱」を喰らって動けるなんて・・・!!!!」



☆はな〜♪☆「ちょ・・・すぐに「弓」が出せないよ?」

☆はな〜♪☆は「大きなかばん」の中から「矢」を出そうとするが・・・

未来のネコ型ロボットのように関係ないものばかりを出してしまう・・・。


パンサー改「僕も・・・魔力がまだ・・・」


百絵「くっ・・・私が・・・」

「大きなかばん」から「矢」を取り出そうとする百絵・・・。




おけな「・・・・・・!!」



その瞬間・・・誰よりも早く・・・ヤスノVは剣を空高く持ち上げる・・・。




ヤスノV「まてッ!リー少尉!!ヤスノブレードから繰り出す俺の必殺技をくらえ!」




  ・・・・・・・・・・



このシチュエーション・・・どうやら「例の技」を出すようだ・・・。


高速で剣を振り・・・衝撃斬波を出す(らしい)・・・。


過去・・・幾度となく失敗して・・・一度として出た事のない技・・・。





ヤスノブーム・・・。



リー少尉「この距離・・・何をしても・・・もう間に合うまい・・・。」




百絵「あぁ〜〜ッ!・・・これじゃ逃げられるッ!!!」

両手で頭を抱えて・・・ヤスノVの構えで絶望に陥る百絵・・・。


☆はな〜♪☆「えっ!?何が出るの?」




おけな「・・・・・・・・」

ニヤケながらヤスノVを見つめる社長おけな・・・。


よだれ丸「ヾ(`д´)シ!!」




ヤスノV「ヤスノ〜〜〜〜〜〜〜ッ!!!ブーーーーーームッ!!!!!!!」





・・・・・・・・・・・












ズバァ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜ッ!!!!!!







リー少尉「ギャァ〜〜〜〜〜〜〜ッ!!!!!」




リー少尉が・・・・・背中に斬撃を受けて・・・・倒れこむ?




血を流している?




えっ? なんで・・・ヤスノブームが・・・・・・出ているのでしょう・・・?




あれ?  ・・・・まさか・・・・本当に・・・・?



百絵「!!!!!!」



目を大きく開けて驚きを隠せない百絵・・・。


☆はな〜♪☆「うわ〜〜〜〜〜ッ!!!音が後から聞こえてきたよ?」


おけな「・・・・・・ふっ・・・」


タバコを取り出して吸おうとする社長おけな・・・。




パンサー改「・・・・・」

パンサー改はヤスノVの顔を・・・目を大きくして見つめている・・・。




タバコに火を付けながら空を見上げる社長おけな・・・。




おけな「ご苦労さん、眠傀・・・。」



みんな「え゛!?」


空には杖に乗って・・・「風の魔法」を使用した眠傀が・・・リー少尉に向かって手を突き出していた・・・。

会社で留守番するかすみの「ささ」での連絡により・・・登場したらしい・・・。






ヤスノブームと思われた斬撃は・・・眠傀の「風の魔法」だった・・・。


ヤスノV同様に水属性の眠傀が「風の魔法」を使用したのは・・・発生後のスピードが音速レベルで速い為・・・。

眠傀にとって風の魔法は最も苦手とする魔法であるが・・・十分すぎる破壊力を秘めていた・・・。






まぁ・・・・書いている私が言うのもなんだが・・・ヤスノブームが出る訳ない・・・。



百絵「あぁ・・・もうダレダレだょ・・・。」


☆はな〜♪☆「なんだ・・・ガッカリ・・・。」


パンサー改「び・びっくりした・・・。」

よだれ丸「・゜・(つД`)・゜・。」

ゲンナリのメンバー達・・・。


ヤスノV「うそやんッ!? い、今・・・出たんちゃうん!??」



眠傀「ゴメン・・・なんか余計なことしたみたいで・・・ホント・・・ゴメン・・・。」

空から降りてきて、ヤスノVに笑いながら申し訳無さそうに謝る眠傀・・・。


しかし・・・必殺技が出ないヤスノVが悪いに決まっている。



ヤスノV「うぅぅ・・・また失敗だったのか・・・。」


声を落としてガッカリするヤスノV・・・。


おけな「まぁ、次・・・・頑張れ・・・・」


笑って煙を吐き出しながら、ポンっと肩を叩いて懐中時計の針を見る・・・。



おけな「やばいなぁ・・・今から街まで帰っても・・・夜になるな・・・。」



百絵「まぁ・・・結構な距離を走りましたもんね。」



☆はな〜♪☆「私・・・早く家に帰る意味がない・・・。」


☆はな〜♪☆は旦那様が「出張」で帰ってこなくてテンションがかなり低い・・・。

百絵は青ざめて☆はな〜♪☆から距離をとる・・・。


おけな「まぁ・・・たまには歩いて帰るのも良いだろう・・・。」



眠傀「ははは・・・会社には「かすみ」がいるからゆっくり帰ろう・・・。」



杖から降りて久しぶりに「ウォーキング」を楽しむつもりの眠傀・・・。

ぶっちゃけ・・・杖に乗っている為に「運動不足」のようだ・・・。





みんな「は〜〜い・・・。」




ぞろぞろと森を抜けてイデアツーリストのメンバーが帰っていく・・・。



・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・




みんなとは距離を取って・・・・社長おけなと眠傀が二人で話しをする・・・。



おけな「・・・・・今回のおおかみ達の一件だが・・・」



眠傀「??どうした?真剣な顔をして・・・?」



おけな「軍隊として統制が取れていて・・・普通よりも「強く」感じた・・・。」



眠傀「あぁ・・・それは俺も同じだ・・・・この前もやつらと似た編成の連中と戦ったしな・・・。」



シリアスに話を進める二人・・・。

おけなは懐からある「手配書」1枚を取り出す・・・。


おけな「早急に「こいつ」を探してくれないか?」





白黒で印刷されたSSの手配書・・・。

それを、眠傀に手渡す・・・。

手配書には「魔物」のような姿形の影が映ったSSが・・・「暗闇の中」撮られている・・・。
(SS・・・スナップ写真です(´▽`)/)



「国家警察」がイデアの「民間登録している自警団」へ配布した資料のようだ・・・。

一応、イデアツーリストも役所に申請している自警団の一つである・・・。

最近は、本業の「観光案内」よりも副業の「よろず」の方に仕事が多い・・・。



マジマジと「手配書」を見る眠傀・・・。



眠傀「え゛・・・? 全然見えないじゃん・・・顔とか・・・。」




沈みかけた太陽に透かしてSSを見る眠傀・・・。

どうにかして「顔」や「服装」などを見ようと試みるが・・・全然見えない・・・。

見えるのは「闇に浮かぶ影の形」だけであった・・・。

その他の情報は一切乗ってはいない・・・。

唯一、書かれているものは・・・「懸賞金、3,500,000ドニア」だけである。



おけな「最近、巷で不穏な動きが多い・・・推測だが、そいつが関わっていると思うんだ・・・。


ドルロレやティモーレでも今回の「黒おおかみ」に似た軍隊っぽいのが


それぞれの国で、各「3部隊」自警団によって退治されたらしい・・・。」
(自警団  :  皆さんが所属しているギルドと思ってください。(´▽`)/)



眠傀「ふむ・・・しかし・・・これだけじゃ厳しいなぁ・・・」


国家警察から提供される「手配書」のみの情報は高が知れている・・・。

いかに「情報通」の眠傀とはいえ「困難」を極めよう・・・。


しかし、眠傀は笑いながら社長おけなに話しかける・・・。



眠傀「わかった!できる限り、調べ上げてみよう!」


眠傀の回答に安堵の表情を見せるものの・・・

社長おけなはタバコに火をつけて、目を瞑りながら・・・さらに話しかける・・・。


おけな「すまないな・・・杞憂ならいいんだが・・・胸騒ぎがするんだ・・・」


目を細めて足を止める眠傀・・・。




バサバサバサッ!!!!





鳥が慌しげに急に飛び出していく・・・。




おけなの目を見つめて・・・問いかける・・・。

眠傀「・・・・・勘か?」



おけな「あぁ・・・勘だ・・・。」



眠傀「だったら・・・多分、そいつは「あたり」だな・・・。」


社長おけなの勘は良く当たる・・・。


溜め息をついて手配書を「大きなかばん」にしまい込む・・・。

代わりに「杖」を取り出して・・・宙にそれを浮かべてパッと飛び乗る眠傀・・・。



眠傀「早急に調べる・・・。」


おけな「あぁ・・・頼んだよ・・・。」






ゆっくりと上昇していこうとする眠傀・・・。



その時・・・思い出したかのように社長おけなに声をかける・・・。






眠傀「あぁ・・・そうそう!相変わらず凄かったなッ!」





おけな「何がだ??」



にやりと笑って・・・おけなの隣に降りてくる眠傀・・・。

ふわふわと浮かびながら小声で話を続ける・・・。








眠傀「クロノ・トゥエルブ・・・」

社長おけながロウガ大佐に使った技は・・・どうやらクロノ・トゥエルブという名前らしい・・・。







おけな「・・・・・・・・」



タバコの灰をポトリと携帯灰皿に落として鼻の頭を掻くおけな・・・。



おけな「みんなには・・・内緒だぞ?」



眠傀「はいはい・・・・じゃ!行ってくるナッ!!」






手を振って・・・眠傀は上空に浮かび上がり・・・高速で街へと帰っていく・・・。







飛んでいく眠傀を見つめて考える社長おけな・・・。


おけな「・・・・・・・」







おけな「・・・・・・眠傀会長さんは、俺の斬撃・・・「全部」・・・見えるのかなぁ・・・・?」








先に進んでいたやすのぶ達が、杖で飛んでいった眠傀に気付いて社長の下へ戻ってくるのが見える・・・。


その社員たちの姿を、微笑みながら見つめて物思いにふける・・・。



おけな「・・・・・・・・・・」




おけな「(社員みんなが俺の「技」を見切れるまで・・・どのくらいかかるのだろうか・・・?)」




はな〜♪☆、百絵、パンサー改、ヤスノV・・・・。

この4人は・・・残念ながら社長おけなの「クロノ・トゥエルブ」を見切る事ができていなかった・・・。





クロノ・トゥエルブ・・・・・それは、時ですら刻む12の斬撃・・・。


一瞬を感じる間もなく・・・12の残撃を斬り込む事から付けられた名前である・・・。




戦士装備をキチンとつけた社長おけなから繰り出されるクロノ・トゥエルブの威力は・・・

誰にも想像が付かない・・・。









・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・



○百絵&☆はな〜♪☆ vs ●黒おおかみ達 (決め技 : 百絵、☆はな〜♪☆ 合体奥義 百花繚乱)

○眠傀 vs ●リー少尉            (決め技 : ウルフウィンド)

○☆はな〜♪☆ vs ●ビル大尉        (決め技 : 放閃花)

○おけな vs ●ロウガ大佐          (決め技 : クロノ・トゥエルブ)





・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


6時間後・・・草原の街道・・・北


・・・・・・・


日が完全に沈み・・・暗闇になったある人通りの少ない住宅街・・・。

たけやすは普通のスーツ姿で歩いている・・・。


kokoloからの最後の依頼、「「辻斬り魔」の正体の究明の謎」に挑もうとしていた・・・。

これまで襲われたのは罪も無い一般の人たち4名・・・。

その全てが「背中への不意打ち」で付けられた物であった・・・。


みんな致命傷には至らず、死人は出てはいないが「闘技場以外」で人を傷つけるのは立派な犯罪である。


たけやす「・・・・・。」


たけやすは依頼を受けてから三日間、「辻斬り魔」を捕まえる為に自らが囮となって街中を歩き回っていた。



街灯の明かりが壊れているのか・・・薄暗い区画・・・。


フードを被った人物が歩いてくる・・・。



たけやす「・・・・・」



フードの人物「・・・・・・・」


無言でお互い通り過ぎようとした時、突然たけやすに向かって抜刀してきた!!!




ガキィィ〜〜〜〜〜ンッ!!!!!!!




耳を劈くような金属音と飛び散る火花。



たけやすは「リュックサック」から槍を取り出してフードの人物の刃物を防いだ!!


たけやす「へへへっ・・・ビンゴォォ〜〜ッ!!!貴様が辻きり魔だな?」



フードの人物「 ! 」


突然の抜刀、不意打ちを防がれた事に驚くフードの人物・・・。


たけやすは左腕のブレスレットを光らせて変身する・・・。



タケヤ3「いくぜ!!辻きり魔ッ!!!」



やすのぶが変身してヤスノVになるのと同様に、タケヤ3はたけやすが変身した時のヒーロー名である。

細工師あおざるにより支給された「タケヤスーツ」を着用し、極限まで練成された「タケヤスピア」を

得物とする探検家である・・・。実力はそれ相応にあるのだが「自信過剰」な部分が欠点である。



タケヤ3「罪の無い人々に与えた痛み・・・思い知れッ!!!」




フードの人物「・・・・・・・・・」



タケヤ3とフードの人物の戦いが始まろうとしていた・・・。






・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・



5分後、草原の街道・・・北

能天気にダバダバッと夜の街を走る男・・・。

少し汚れた白衣をひるがえしている・・・。





あおざる「はぁはぁ・・・みんな仕事が早いなぁ・・・もう「謎」・・・残り一つなんて・・・。」





kokoloの依頼の「謎の究明」は細工師あおざるもやりたがっていた仕事のようであった・・・。

クレス依頼の犬小屋の完成を待たずにすべての依頼が終わろうとしていた為、急遽たけやすの手助けをしようと

街に繰り出したようだ・・・。




あおざる「クレスちゃんには悪いけど・・・謎の究明って面白そうだしねぇ・・・」




手にはたけやすの居所を知る為のマップナビゲーションが持たれている・・・。


先日、たけやすに会ったときに「Pt申請」していた様子だ・・・。
(Pt申請 : 仲間が何処にいるかわかる様になるのです(´▽`)/)


普段街中を出歩かない細工師あおざるにとって街中は新鮮味溢れている様子・・・。


たまにスキップも織り交ぜて・・・楽しげに街の角を曲がった時・・・




そこには・・・元気なたけやすが・・・立っている筈だったが・・・。



一番予想していない光景を目の当たりにする・・・






・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

ところ変わってやすのぶの家・・・。



やすのぶ「はぁ〜・・・今日は・・・おけなさん来てくれなかったら死んでたかもなァ・・・。」


よだれ丸「( ´▽`)_且」

百絵に貰った「ペットシロップ」を飲みながらニコニコしているよだれ丸・・・。

今までの「砂糖水」とは違って・・・格別に美味しい様だ・・・。



やすのぶ「絶対に・・・強くならないと・・・・」

自室の四畳一間で剣を磨いて・・・自分の弱さを反省している・・・。




その時・・・細工師あおざるから・・・ギルド無線で緊急連絡が入る・・・。

その内容は・・・耳を疑うものであった・・・。



あおざる「みんなッ!!びょ・・病院に来てくれ! たけやすくんが・・・・たけやすくんがッ・・・・」



やすのぶ「ン?あおざるさんだ・・・どうしたんだ・・・こんなに焦って・・・?」


無線に手を取ろうとするやすのぶ・・・。



無線の音源は・・・まだ止む事無く話しかける・・・。



あおざる「たけやすくんが意識を無くして・・・死にそうなんだッ!!!!・・・」



やすのぶ「・・・・・!!???」


やすのぶはいきなりのあおざるの発言に戸惑う・・・。


朝、モニュメントの前で感じた「風」を思い出す・・・。


やすのぶ「・・・・・・・・」







しばらく呆けた顔のやすのぶ・・・・。






しかし、突然大声を上げる!






やすのぶ「う・・・う・・・・うわぁ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜ッッッ!!!!!」




よだれ丸「Σ(ノ゜o゜)ノ ???」



やすのぶはよだれ丸を家に置き忘れて・・・

ヤスノブースターを履いて・・・一目散に「イデア国立総合病院」へと走っていった・・・。




病院へ向かう途中・・・たけやすとの思い出が脳裏に交錯する・・・。




仲が悪くも共に過ごして来た日々・・・


楽しかった事・・・・


悔しかった事・・・・


悲しかった事・・・・


それら全てを共に分かち合った事・・・。

子供の頃から友であった者が・・・死のうとしている・・・。



やすのぶの顔は血の気を失い・・・青ざめていた・・・。



やすのぶ「くそっ!近道だ・・・!!!」




民家の屋根に飛び移り・・・病院へ「ショートカット」するやすのぶ・・・。



3分で病院に着く・・・。



病院の中を大急ぎで走りこんでいこうとしたその時・・・百絵に出会う・・・。



百絵「ちょっと・・・やすのぶくん!?」



やすのぶ「百絵さん・・・たけやすはッ?」




百絵「わからない・・・今から私も「手術室」へ向かう所なの・・・。」


オロオロする百絵・・・。

あおざるからの無線を聞いて飛んできた様子だが内容は把握できていないらしい・・・。


その時、病院の奥からイデアツーリストの細工師あおざるが小走りでやってくる・・・。


やすのぶ「あおざるさんッ!!」


百絵「容態はどうなの?たけやすくん・・・無事なの・・・?」



あおざる「ぐぅぅ〜〜〜〜・・・・・・た・たけやすくんの両腕と・りょ・両足が・・ぐぅ〜〜〜ッ・・・」



やすのぶ「あおざるさん?泣かないで・・・あおざるさん・・・・」



あおざるはたけやすを病院へ運んだようだが・・・・


その容態は・・・・最悪のものであった・・・・。




・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・



イデア国立総合病院・・・手術室・・・・



手術の用意をする6人の看護士と1人の医師が奮闘している・・・。




あわただしい手術室の中央には・・・



両手、両足を切り落とされて・・・心臓に打撃痕を付けられた・・・たけやすが目を閉じている・・・。


今までの「辻斬り」と同様に背中にも傷跡があるが・・・装備していた「服」のお蔭でそれ自体は大したことはない・・・。


しかし・・・明らかに・・今までとは違い・・・致命傷を付けられている・・・。



看護士が医師に向かって激しく言い放つ・・・。



看護士「kokolo先生ッ!!バイタル取れませんッ!!!!」
(バイタル : バイタルサインの略。心拍、呼吸数など患者の生命状態です・゜・(つД`)・゜・。)


kokolo「まずは手足を付けるッ!!「天使の水」で切り口を消毒しろッ!!!」


天使の水を生理食塩水のように使用して洗浄する・・・。

Kokolo「 !! 」

触診でたけやすの体を触っていたkokolo・・・。

目を大きくして、たけやすの体についた「最も厄介なケガ」に気付き汗を垂らす・・・。



kokolo「くそっ!(心嚢内血瑠(しんのうないけつりゅう)まである。・・・このまま「リキュア」できない?)」



心臓に付けられた打撃痕は・・・・「心臓内」だけを傷つけている・・・。

心臓と心嚢(心臓を覆う膜)の間に血瑠ができてしまっている様子で心臓が止まっていた・・・。


魔法医療にとって、最も厄介なのは「内出血」である。

血は「異物」にはならない上、「回復魔法の細胞活性化」では消滅させる事はできない。

確実に体内から血を抜いた後、魔法をかけなければ回復させる事はできないのだ・・・。


このまま「回復魔法」をかけてしまうと「心臓と心嚢の間に溜まった血」の為にさらに心臓を圧迫してしまう・・・。

辻斬り魔はこの事を知っていて・・・たけやすにこの傷を付けたのだろうか?


kokolo「リキュアッ!!!!(だめだ!とにかく手足だ!!!)」


決断するや否やkokoloはたけやすの両手両足にリキュアをかける・・・。


両手、両足・・・一気に回復させて細胞を活性化させる・・・。

切断された両手両足は回復魔法で接続された・・・。

しかし・・・心臓には未だ血が溜まっている・・・。


kokolo「まだだッ!!!」

kokoloは人差し指で探るようにたけやすの心臓のあるポイントを探す・・・。


kokolo「ここだな?」

汗をダクダクに垂らしながらたけやすを触診するkokolo・・・。


看護士が時期を見ては医師kokoloの汗を拭う・・・。


一瞬のスキも見逃せない・・・。





kokolo「デリャァッ!!!!(ここだぁ〜〜〜〜〜ッ!)」




kokoloの指先から詠唱なしで「風の魔法」が針のようにたけやすの体に打ち込まれる・・・。

左心室と右心室の隙間を狙って胸に穴をあけるkokolo。

たけやすの胸から心臓を圧迫して溜まっていた血が勢いよく噴き出る・・・。


kokolo「よしっ!!!これで「キュア」だ・・・」



体に一切の傷が無くなるたけやす・・・。


しかし・・・やはりまだ、たけやすの心臓は動かない・・・・。

心臓が止まり時間が経ち過ぎていたのだ・・・。


看護士「「水の精霊」に・・・異物、毒性反応は見られません!!!」


看護士2「kokolo先生!バイタルが・・・まだ・・・復活しません!!!」



kokolo「わかってる!除細動を行う!!君は「火の精霊」で心音チェックしてッ!!!」



看護士3「ハイッ!!」


たけやすの心臓が停止して5分以上が経過している・・・。


医師によっては「インオペ」を宣告するものもいるのであろうが医師kokoloはたけやすを救う為・・・

持てる力のすべてを使って奮闘してくれている・・・。
(インオペ : 手術不能状態です・゜・(つД`)・゜・。)


kokolo「除細動する・・・離れて〜〜ッ!!!」
(除細動 : 心臓に電気ショックを与えて正常に戻すのです・゜・(つД`)・゜・。)

kokoloは左手をたけやすの右胸に・・・右手を左脇腹に引っ付ける・・・。




ズバンッ!!!




調節した「サンダースピア」で、たけやすの心臓に電気ショックを与えた!!!


kokolo「どうだッ!?」



看護士3「ダメですッ!!」



kokolo「もう一回だッ!!!」




ズバンッ!!!!



・・・



通常・・・魔法医療であれば殆どの手術は20〜30分・・・。
しかし、たけやすの手術には・・・・魔法医療には珍しい1時間を要した・・・。



・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・




手術室前、待合所・・・




無線を聞きつけて現れたのはイデアにいた社員・・・

やすのぶ、百絵、かすみ、パンサー、そして入院していたクレスと闇慈・・・。



当然、無線したあおざるもそこにいる・・・。



闇慈「まさか・・・たけやすがのぉ・・・」


あおざる「信じられないょ・・・僕の細工した「ベストスーツ」が・・・あんな風に・・・」


たけやすの装備する「タケヤスーツ」は細工師あおざるの謹製・・・。


ベストスーツ、レア2、アメ×3の品である・・・。


イデア周辺に出没する魔物であれば十分に攻撃は防ぐ事ができる・・・。


しかし・・・傷ついたたけやすの服は無残にも・・・ボロボロになっていた・・・。


やすのぶ「くそっ!あれだけ・・・油断するなって言ったのに・・・。」


パンサー「でも・・・油断とか言うレベルの傷ではないのでは・・・」

全員が声を落として暗くなっている・・・。


闇慈「みんな!わしゃ・・・仇をとってくるぞぃ!!」

「大きなかばん」から闇の杖を取り出して、1人、外へ向かおうとする超高齢の闇慈・・・。



その時、闇慈の担当の看護婦がそれを止める・・・。


看護のお姉さん「ダメですよ!お爺さんはまだ無理しちゃダメです!」


頭にへこみの取れない闇慈・・・。心臓にも負担を今かけることはかなりマズイ・・・。



百絵「闇爺!ダメよ!!(頭の凹み・・・私が付けたけど・・・・゜・(つД`)・゜・。)」


クレス「そうよ?私たちは無理しちゃダメなのよ!?」

同じく病院で入院しているクレスが闇慈を止める・・・。



しかし看護のお姉さんはクレスには・・・闇慈とは異なる事を言う・・・。


看護のお姉さん「貴女は・・もう退院して・・・大丈夫なのに・・・」


タダの食べすぎで入院を決め込んでいたクレス・・・。

むっとして看護のお姉さんに言い放つ・・・。


クレス「嫌よ!だってまだ「病院食」堪能してないもん・・・。」



やすのぶ「あんたさっさと退院しろョ・・・。」

パンサー「入院の理由・・・こういう事だったのか・・・。」

斜め下を向いて涙を流すやすのぶとパンサー・・・。




クレスは入院してからずっと「食欲のない患者の残した病院食」までも貰って食べているらしい・・・。




肌はツヤツヤしてこれ以上なく・・・健康体である・・・。


闇慈「ふぉふぉふぉ・・・何かあったら「ささ」で連絡入れるからの・・・。」



みんなに「携帯ささ」を見せて微笑む闇慈・・・。
(携帯ささ : 携帯電話のようなものです(´▽`)/)



するとみんなは揃って涙を流しだす・・・。


闇慈「ふぉふぉふぉ・・・感動せんでいいて・・・仲間を思うのは・・・当然じゃしの・・・。」


かすみ「違う・・・違うわ・・・闇爺・・・。」


百絵「よく見て・・・そのささ・・・」


携帯の「ささ」を・・・首を傾げて、再度見る闇慈・・・。


闇慈「何か・・・おかしいかのぉ?」



涙を流すみんなに問いかける闇慈・・・。


やすのぶがその答えを・・・涙を流しながら闇慈に教える・・・。





やすのぶ「ぐぅぅ〜〜・・・・闇爺・・・それッ!「電卓」だからッッッ!!!」




闇慈「・・・・・・・・そ・それで今まで誰からも連絡・・・無かったんかのぉ?」


電卓を「ささ」と間違えている闇慈・・・。


悲しそうな顔をして「電卓」を見つめる・・・。




闇慈、仇討ち以前の問題であった・・・。




ちょうどその時、手術室からkokoloがマスクを外して現れる・・・。


その表情は・・・暗いものがあった・・・。



百絵が医師kokoloに突っかかるように問いただす・・・。



百絵「kokolo先生ッ!たけやすくんは・・・」



やすのぶ「先生!!」



kokolo「手術は成功しました・・・しかし・・・「精神」を破壊されているようです・・・。」



かすみ「せ、精神・・・?」

やすのぶ「そ、そんな・・・」




イデアツーリストのメンバー達は・・・kokoloの報告をただただ・・・聞くしかなかった・・・。



・・・・・・・・・・・・・・・・・


手術は完全に成功したものの意識が、まだ戻らない「たけやす」・・・。

意識は数日で戻るとしても敵により「心」が破壊されている。

どのような「方法」を用いたかは皆目見当がつかない・・・。

Kokoloの話では「生きる人形」のように一生を過ごさなくてはいけないという・・。



ツーリストの社員たちは「今後の対応」の為に一度、会社へと戻る事にしたが・・・



やすのぶは病院で眠る「たけやす」の傍を離れようとはしなかった・・・。



やすのぶ「・・・・・・・。」



悲しげにたけやすをただ見つめる事しかできないやすのぶ・・・。



子供の頃、共に憧れた「青いマントの男」を追いかけて・・・ヒーローを夢見た日々・・・。


互いに腕を磨きあい、力量を競い合った少年時代を・・・

涙を流しながら思い出す・・・。



kokolo「・・・・・・」



すべての仕事を終えた医師kokoloがたけやすの病室に足を運ぶ・・・。




kokolo「・・・・・・」




kokoloは元気のないやすのぶの肩を叩いて元気付けようとする・・・。


kokolo「やすのぶくん・・・君も休まないと・・・。」



やすのぶ「・・・・・・」


目に涙を浮かべたやすのぶは・・・苦しそうにkokoloに問いかける。


やすのぶ「先生、たけやすは・・・元には戻らないんですか?」


kokolo「そんな事は無い・・・。もう少し・・・時間があれば・・・」

目を細めて辛そうな表情のkokolo・・・。

息を乱して立ち上がるやすのぶが・・・kokoloに言い放つ。



やすのぶ「お願いです!助けて下さい!たけやすをっ!!」


kokolo「今はまだ「足りない」んだ・・・。あと少しで何が必要なのか、わかるはずなんだが・・・。」


やすのぶ「ぐぅぅ・・・・・」


kokoloの胸倉を掴んで涙を流す・・・。

泣きながら小さく震えるやすのぶは「戦士」である事を誰にも想像させる事は無い・・・。

とても小さく弱い、ただの青年になってしまっている・・・。

それを見つめて・・・悲しそうにkokoloは・・・やすのぶにこう言う・・・。


kokolo「君は・・・まるで俺だ・・・。」


やすのぶ「・・・・えッ・・・?」


kokoloの口から語られたのは「kokoloの仲間」の話だった・・・。


kokolo「私の仲間は昔、ある「巨悪」に戦いを挑んで・・・敗れたんだ・・・。」


やすのぶ「・・・・・・・」


kokolo「絶望に巻き込まれて・・・いまだに「息をしているだけの状態」なんだよ・・・。」


やすのぶ「そ、それじゃ・・・たけやすと同じ容体ってことですか?」



悲しげに頷く医師kokolo・・・。



苦しそうに・・・悔しそうに両手を握り締め、唇を噛み締める・・・。


今日まで「今のたけやす」と同じ容体の「kokoloの仲間」の為に医療研究をしてきたようだ・・・。


もう少しで研究も完成の所までこぎつけている・・・。


kokolo「約束する!!必ず、たけやすくんは俺が助けて見せる!!信じてくれないか?」



やすのぶ「せ・・・先生・・・。」


やすのぶは涙を流して医師kokoloに希望を託した・・・。





イデア国立総合病院、主任医師kokolo・・・。



今はまだ若いその医師は病気に苦しむすべての患者の為に日々、奮闘している・・・。


あらゆる治療法、手術法を編み出していき、イデアの患者を「数多の奇跡」で救っていく。


後に「伝説の名医」と呼ばれる男である。








・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・










午前3時、イデアツーリスト・・・。

いつもこの時間は灯りも無く暗い会社であるが・・・今日は灯りが灯っている・・・。

やすのぶもkokoloにたけやすを任せて帰社したようだ・・・。





会社にはIMで緊急帰社した社長おけな、会長眠傀を含め・・・

かすみ、クレス、百絵、☆はな〜♪☆、あおざる、やすのぶ、パンサーが会社の椅子に座っていた・・・。



眠傀「・・・・・・・」


みんな「・・・・・・・・」



おけな「今回は、大変な事になった・・・。」


社長の言葉を黙って聞いている社員・・・。


おけな「今回のkokoloさんの依頼は1つを残して「失敗」になってしまったが・・・」



やすのぶ「・・・くっ・・・・」



おけな「この任務はもう「依頼」で動かずに、「我々の手」で解決しようと思う・・・。」





クレス「「辻斬り」を捕らえても「報酬無し」ってことね?」




真剣な眼差しで椅子に座わっているクレス・・・。








くるくるくる・・・・・






椅子の回転を利用してクルクル回る・・・。




かすみ「クレスちゃん、やめなさい・・・。」


クレス「 (。。) 」




かすみに怒られるクレス・・・。



当然である・・・。




おけな「これに準じて俺とかすみ、そしてクレスが「辻斬り」の捕獲にあたる・・・。」




タバコを取り出して口に咥える社長おけな・・・。


更に発言は続く・・・。





おけな「他のメンバーは従来通り「観光案内」と「よろず」の仕事をしてくれ・・・以上・・・。」



それを聞くとやすのぶは椅子を勢いよく立ち上がり・・・あろう事か社長に「物言い」をしてしまう・・・。



やすのぶ「ちょっと・・・社長・・おれも・・」


おけな「ダメだッ!」



発言を待たずにダメ出しされるやすのぶ・・・。


やすのぶが「たけやすの仇」を取りたがっている事が社長おけなには一目瞭然であったからだ・・・。



おけな「今回の一件でわかったが・・・やすのぶくんは・・・まだまだ弱いょ・・・。」

「たけやす」にレベル的に及ばないやすのぶ・・・。当然の回答であろう・・・。



やすのぶ「ぶ・ぶぐぉぉ〜〜〜〜ッ!!!!!?」



いきなり核心を突かれてグゥの音も出ないやすのぶ・・・。


しかし・・・社長おけなは「やすのぶ専用のミッション」を与えてくれる・・・。







おけな「やすのぶくんには・・・・〜〜〜・・・・」













おけな「・・・・・・〜〜〜〜・・・」













おけな「・・・・・・・」




ここから先は・・・次回に続くお話・・・・。




悲しくもkokoloから与えられたミッションは最後の最後で失敗だったがイデアツーリストにとって・・・


「戦いの序曲」でもあったのだ・・・。








やすのぶ「(ToT)」








やすのぶ「(TдT)うえぇぇぇ〜〜〜〜〜〜・・(そりゃ・・俺は弱いけどッ・・・)・」






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                  報告書
 氏名 : やすのぶ 

 ヒーロー名 : ヤスノV

 依頼内容 : 西の草原の黒おおかみ討伐

 今回の報酬 : 0ドニア(任務失敗)

 月賦 : 9,240ドニア

 遂行可能ミッションレベル : B±



査定評価


イデアツーリスト内ランク  最下位


勤務期間  72日 


備考


・ 今回の一件で社員全員の装備品パワーアップを遂行します。
・ ヤスノV用装備「ヤスノブローチ(精霊の指輪 水+3)」細工追加予定
・ ヤスノVの「服」 碧の鎧レア4、アメ2、金石1を支給します。
・ ヤスノVの「剣」 戦士の剣 鍛冶屋での補修完了済みです。
・ 社長おけなの支持により「紹介状」をやすのぶくんに渡す予定です。

 ヤスノV 必殺技

・ヤスノブランチ  最大3体まで分身を作る。(デフェンサー×3)
・ヤスノブレイダー 敵の気脈を断ち切る(ウィークT×2)
・ヤスノブーム   絶対出ません・・この技・・・。( ??? )
・ヤスノブーメラン 飛ばした武器が戻ってくる。(ヤスノブーム失敗対策?)
・ヤスノブラボー  剣の残像を放ちます。(マージン×2)
・ヤスノブレイク  剣に闘気を込めての居合斬。(パワーブレイク×1)

                            査定員 百絵
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ここから先は余談である・・・。







ヤスノV含む「イデアツーリストの面々がロウガ大佐達と戦った崖」に・・・見た事がある3人組が出没していた・・・。






ボーン「姉御ぉ〜〜・・・こんな「おおかみ達の死体」なんかで「敵の強さ」なんて判らないでおじゃる〜ッ・・・。」


やせ細った魔法使いの男が、崖の上から「ワーウルフの死体」を調べる女性に声をかける・・・。



しかし、ボーンの声には耳も貸さずに「体を二分されたワーウルフ」の検証をする金髪の女性・・・。


赤いルージュのよく似合う彼女だが・・・

マジマジと死体を見る姿は何処かの学者のような顔立ちだ・・・。

バディー「・・・・・・。」


少しずつ汗を垂らすバディー・・・。


バディー「・・くっ・・・(予想外ですわ・・・本当に人間が斬ったんですの・・・?)」


ビル大尉の切り口を汗を垂らして見つめるバディー・コンダー・・・。

彼女は訳あって「イデアツーリスト」を仇としている女性である・・・。
(第4話を参照して下さい(´▽`)/)


遠くから野太く・・・驚く声がしてくる・・・。



ラード「おぉぉ〜〜〜〜〜・・・・触れたら・・・バラバラに・・・・・なったぞ〜〜〜〜〜!!」


全身無傷の死体だった「狼剣士ロウガ大佐」をちょっと触れただけでバラバラにしてしまった・・・太った戦士ラード・・・。


イデアツーリストの社長が斬った後の死体だったのだが・・・この3人はそんな事は知る由も無い・・・。


バディー「ちょっと!勝手な事するんじゃないですわよッ!!!」


全身穴だらけになっている「黒おおかみ達の死体」を縫い分けるように歩くバディー・・・。



歩きながら・・・チラっとそれをみると又も眉をゆがめる・・・。



バディー「(この黒おおかみも・・・何人の狩人に射抜かれたか・・・わかったもんじゃないですわ・・・。)」


険しい顔で歩いてたどり着いた先・・・

ワーウルフ、リー少尉の死体を蔑む様に見るバディー・・・。



バディー「・・・・・・・・」



この死体もバディーにとって・・・不可解な殺され方をしているようだ・・・。





バディー「(二つの傷・・・?)」






リー少尉の背中には大きな傷が二つ付いている・・・。


一つは「く」の字に曲がった傷・・・・それは風の魔法で付けられた物・・・。


バディー「(「く」の字は風の魔法特有の傷・・・でも・・・)」



風の魔法とは違う・・・もう一つの傷は真空にでも切り裂かれたのか・・・・?

それとも剣で斬られたのか・・・?


今までには見た事も無い傷跡が付いていた・・・。


バディー「・・・・・(これは・・・斬撃・・・?にしては・・・斬り口が・・・綺麗なような・・・)」



考え込むバディー・・・。

二人の部下がバディーの下に駆け寄ってくる・・・。




これから先、イデアツーリストと戦うために「敵がどのような戦い方」をするのか調べに来たようだったが・・・

不可解なモノがあまりに多く・・・参考にはならない様子だ・・・。




リー少尉に付いていた「二つの傷」・・・。


眠傀が付けた傷以外にもう一つ・・・誰が付けたのか・・・?


ひょっとすると・・・付けた本人も気が付いていないのかもしれない・・・。




題名:走れ!イデアツーリストのヤスノV

第5話 「kokoloの依頼、イデア七不思議を究明せよ!」(kokolo編)〜〜〜後編〜〜〜  

  

  〜〜〜END〜〜〜


〜〜謝辞〜〜
長く時間を掛からせてしまい大変申し訳ありませんでした。皆様に深く、お詫び申し上げます。
kokolo様、イデアツーリストへのご依頼 本当にありがとうございました。
kokolo様のお陰で今回の作品を書き上げる事ができて大変ありがたく思っております。
私の空想を下にした小説ということもあり世界観が歪められる部分が有り得ますが、
この場をお借りして謝辞と変えさせて頂きたいと思います。



                     紅の氷 イデア YasunoV著