題名:サンタクロース、我が家に再び現る。



あなたは僕の書いた短編と言うにはおこがましいあの小説を知っているでしょうか?

サンタさんになったあの女性(ヒト)

えぇ・・・これは実話です。
とても優しく毎日を頑張っているあの人のお話です。


今年は私にとってあまりに苦しく地獄に等しい思いをした年でした。
去年の冬・・・はっきり言って今の状況はとてもとても想像できません。

あの女性も今回の事実を知り、幾度も元気付けてくれました。

そして今年のクリスマス・イヴ・・・夜の11時。
ピンポーンと高鳴る家のチャイム・・・。

「はい?どちらさまですか?」

「_こんばんわ!サンタです!!」

「・・・」

「_・・・」

僅かな沈黙・・・。それは不審から来るものではなく、
過去の経験から成るお互いの暗黙の了解の様なものです。

あの女性は何の予告もなく当然のように我が家にやってきてくれたのです。

赤いサンタ服に身を包んで・・・。

「こんばんわ、サンタさん。寒い中大変だったでしょう?」

「_あはは・・・元気でしたか?今日はクリスマスのプレゼントを持ってきたんです!」

彼女が来てくれるであろう事など何も想像しなかった僕と母は
寝間着に身を包み、何の準備もしてはいません。
少し恥ずかしげにカーディガンを羽織る母の足元では愛犬のリリーが大ハシャギで二本足立ち。

「_さぁさぁ・・・お手を出して・・・。」

「?」

母はサンタさんから銀の小皿を受け取ると僅かに首を傾げるが、大きな白い袋から取り出したる物は可愛らしい真っ赤なキャンドル。そっと銀のライターで火を灯すと小さくも煌々と輝き始めた。

「わぁ・・・」

「_ふふふ、綺麗でしょう?」

優しく輝くその灯りを見つめ笑顔を見せる母。
その灯りの美しさに母の足元をグルグル走り回るリリー。
僕もその時、辛いことや苦しいことなどを完全に忘れていました。

「_でわ、私は次の家に行ってきますので、また気まぐれで来ますね!!」

「あはは・・・外は寒いでしょう?くれぐれも体に気をつけて頑張ってくださいね!!」

笑顔で手を振り次のおうちを目指すサンタさん・・・。

彼女は今年のクリスマスで18年間、大切な友人のおうちへと心のこもったプレゼントを配っている。

なかなか全ての知人の家を回ることは出来ないようだが、きっとこのサンタさんは辛い思いをしている人のおうちを優先して回っているのだろう・・・。

悲しいかな・・・未だにトナカイさんが隣りに居てくれないのが気になるところだが、ベルトの部分にトナカイの人形が飾ってあったので笑顔で頷く事にしよう・・・。

親愛なるk.kさんへ・・・
今日見たあの灯りに希望を見た気がします。
僕はこの灯りを見たときの気持ちを忘れずに頑張りますね。