題名:走れ!イデアツーリストのヤスノV
百絵「はぁ・・・はぁ・・・・・」
ただただ、周りも見ずにひたすら逃げるように走る・・野うさぎになってしまった百絵・・・。
銀行の小道を潜り抜けて大通りに出たとき・・・巨人のような人間の人だかりに恐怖を覚える・・・。
百絵「(きゃぁ〜〜!!)」
下を見ずに歩く人々に・・・蹴っ飛ばされそうになる百絵。
・・・・小さい野うさぎの百絵・・・。
涙目になり・・・行き交う人々を見つめている・・・。
百絵「・・・・・・」
百絵は誰にも話すことが出来ず、道行く人は、野うさぎの百絵をチラッと見ては・・・
無関心に通り過ぎていく・・・。
百絵「(誰か!!気付いてョ!!私は・・人間なのよ!!!誰か・・助けて〜〜〜ッ!!!)」
野うさぎの百絵のみならず、いろんな動物が道にいても・・・倒れていても・・・
関心を持ってくれない人間・・・。
病気で倒れていても・・・傷ついていても・・・・。
今の百絵に・・・・・・・・・・・人間の仲間はいない・・・。
誰一人・・・・
そう・・・誰一人・・・・・
第3話「史上最強の野うさぎ」(オリジナルストーリー編) 〜〜〜後編〜〜〜
やすのぶ「はぁ・・・何処にいるんだろう?悪うさぎ・・・」
能天気にやすのぶは眠傀と共に「公共細工所」の前を通っていた・・・。
眠傀「まぁ・・・ゆっくり探せばいいんじゃないか?所詮・・野うさぎだろ??」
すばしっこいといえども所詮は野うさぎ・・・。
やすのぶも狩ろうと思えばいつでも狩れるかわいい生き物である。
眠傀は「余裕でこなせるミッション」と、そう思っていた。
今回、やすのぶに眠傀が付いてきたのもタダの「好奇心」からである・・・。
ミッション自体は大した事ないと高を括っている眠傀。
眠傀「でも・・・この辺も変わったよなぁ・・・」
ドルロレに旅に出ていた眠傀・・・。最近のイデアの環境をわかっていない為、物珍しそうに店を覗き込んでいる・・・。
クッキーを鷲掴みにしてバリバリッと口に頬張る・・・。
やすのぶ「ゲームセンターも出来たんですよ?知ってました?」
眠傀「へぇ〜〜こんな田舎で儲かるのかねぇ??」
ゲームセンターでは主に「ルーレット」の台が頻繁に遊ばれているようだった・・・。
しかし、日々の生活に目一杯のやすのぶは入ったことすらない・・。
眠傀「・・・・・。」
そんなお金があればきっとやすのぶはパンを買うのであろう・・・。
眠傀はそう思っていた・・・。
やすのぶ「お〜〜い!悪うさぎ〜〜〜!!何処だ〜〜〜!!?」
声を上げて野うさぎを探し出すやすのぶ・・・。
眠傀「おいおい・・・バカなことするんじゃないよ・・・。」
やすのぶ「はぁ〜〜〜見つからないなぁ・・・・」
眠傀「焦るなって・・・・直に見つかるよ・・・」
笑いながら又、クッキーを鷲掴みにしてバリバリッと口に頬張る・・・。
やすのぶ「・・・・・・・」
やすのぶは眠傀のクッキー袋を不思議そうに見つめる・・・。
やすのぶ「(おかしい・・・・??なんでこのクッキーは減らないんだろう?)」
開発局を出てから、クッキーを鷲掴みにしてバリバリッと口に頬張る眠傀を15回は見ているやすのぶ・・・。
クッキー袋はとっても小さい為、2回もクッキーを鷲掴みにすれば、中身は無くなる筈である・・・。
やすのぶ「あの・・・眠傀さん??」
眠傀「何??やすのぶ君・・・?」
またクッキーを鷲掴みにしてバリバリッと口に頬張る眠傀・・・。
やすのぶ「なんで・・・そのクッキーは減らないんですか・・・?」
ちょっと汗をかきながら恐る恐る眠傀に聞きよるやすのぶ・・・。
眠傀「・・・・・? ・・・・・・・ !!!」
最初は変なこと聞くなぁ・・・といった表情だった眠傀だが・・・ニヤッと笑いを浮かべて眠傀はやすのぶにこう言った・・・。
眠傀「ふふふ・・・お目が高い!」
やすのぶ「えっ?えっ・・・?」
眠傀の不敵な笑みに少し動揺するやすのぶ・・。
眠傀は続けてこう言った・・・。
眠傀「「魔法のクッキー袋」です・・・。」
少しカッコをつけてやすのぶの目の前に袋を突き出す眠傀・・・。
やすのぶ「ま、魔法のクッキー袋となッッッッ!!!!????」
思い掛けない言葉にびっくりしたやすのぶ・・・。
やすのぶは物珍しそうに袋を見つめるが、どうにもタダの袋にしか見えない・・・。
やすのぶ「ど、どういう効果があるんですか??」
眠傀「はっはっは、食べても食べても減らないんだ。」
やすのぶ「オオオオォォ オオオーー!!!???すッ!すげぇぇぇ〜〜!!!!!」
食べても減らないクッキー袋・・・。
それはやすのぶにとって「夢のようなアイテム」である・・・。
日々の食費が完全に浮くからだ・・・。
やすのぶ「ど・・何処に行ったら手に入るんですか・・・?」
ものすごく神妙に眠傀に聞き出すやすのぶ・・・。
眠傀「はっはっは・・・コレが欲しいみたいだねぇ。」
鼻を高くして大事そうにクッキー袋を抱える眠傀・・・。
眠傀は「大きなカバン」から電卓を取り出した・・・。
眠傀「本当は10,010ドニアするんだが・・・タイムサービスで10,000ドニアで売ってあげようか?」
金額を打ち出しやすのぶに提示する眠傀。
商売人である・・・。
やすのぶ「い・・・10,000ドニアですか??」
10,000ドニア・・・。
それはやすのぶにとっては「超!大金」である・・・。
やすのぶの2ヶ月分の給料に相当する金額であった・・・。
眠傀「要らないなら・・・店売りするけど・・・?」
やすのぶ「あ、あの・・・野うさぎの報酬が・・・10,000ドニアなので・・・」
クレスに個人的に休日に依頼を受けたやすのぶ・・・。
半額を会社に持っていかれる事が無いのでそれで支払いをしようとする・・・。
眠傀「OK!契約成立だな。本当だったら20,000ドニアはするんだぞ?」
やすのぶ「えぇぇ!??本当ですか?」
眠傀「あぁ、でも・・・手付けで2000ドニア払って欲しいなぁ・・・」
やすのぶ「はい!それはもう!今持ってるんで支払います!」
機嫌よく「大きなカバン」から財布を取り出して2000ドニアを支払うやすのぶ・・・。
かなりゴキゲンな様子である・・・。
・・・・・・・・・・
やすのぶ「これで・・・俺の「エンゲル係数」が上がります・・・。」
涙を浮かべて眠傀に握手するやすのぶ・・・。
やすのぶの日々の生活はド貧民の更に下を爆進している・・・。
眠傀「かわいい社員の為さ!お安い御用さ・・・」
さわやかな笑顔でやすのぶに「魔法のクッキー袋」を手渡すと眠傀はこう言った・・・。
眠傀「いいかい?やすのぶ君・・・。コレは家に帰ってから開けないとダメだからね?」
眠傀は「魔法のクッキー袋」をたまたま持っていた紙袋に入れてやすのぶに手渡す・・・。
やすのぶ「??何故ですか??」
不思議そうに「魔法のクッキー袋」を「大きなカバン」にしまい込むやすのぶ・・・。
眠傀「家に帰ってから開けないと魔法が解けちゃうからだよ・・・」
首を振りながら、眉をしかめて・・手を顎にやる眠傀・・・。
ニヒルなダンディーのイメージを露わにしている・・・。
やすのぶ「わかりました!帰ってから開けるようにします!!あなたは今、世界で一番すばらしい魔法使いだ!」
嬉しそうに舞い上がるやすのぶ・・・。
眠傀「はっはっは・・・そうかい? 俺・・すばらしいかい・・?」
やすのぶ「はい!それはもう!!最高っすよ!!!!」
ニコニコと笑っている二人・・・。
のほほんとした会話の途中、公共の鍛冶屋から大声が聞こえてきた・・・。
街の男の人「誰か〜〜〜〜!!!爺さんが倒れてるぞ〜〜〜〜〜!!!」
ハッと顔色を変える二人・・・。
さっきまでとは雰囲気を変えて・・・真剣な眼差しに変わる・・・。
やすのぶ「何ッ!!??」
眠傀「どうしたんだろう??やすのぶ君!!行ってみよう!!」
やすのぶ「はい!!眠傀さん!!!」
20分前・・・・・
百絵「(うううっ・・・なんで・・・こんな事に・・・)」
うつむきながら・・とぼとぼと町を歩く百絵・・・。
人に声を掛けても気付いて貰えず・・諦めがちにある場所に向かっていた・・・。
百絵「(こういう時は・・・あそこしかない・・・。)」
大通りを人に蹴っ飛ばされないように隅っこを歩く百絵・・・。
しばらくすると「教会」が見えてくる・・・。
百絵「(いつもだったら・・・5分で付くのに・・・)」
野うさぎになってしまった百絵の歩幅はかなり小さく、かなりの時間を要したようだ・・・。
ピョンピョンッと階段を飛び跳ねて駆け上がり・・・中へ入っていく・・・。
百絵「(神様にお願いして・・・元に戻してもらおう・・・。)」
百絵・・・とうとう神頼みである・・・。
中に入ると、きれいな装飾が施された弓を背負う黒髪の美しい女性が結婚式の用意をしていた・・・。
胸には王宮警護団「ACE‘S」を意味するブローチが付けられていた・・・。
ASせっちー「ふふふ・・・王宮貴族さまの結婚式かぁ〜〜〜」
鼻歌を歌いながら結婚式の用意をしているASせっちー・・・。
王宮警護団「ACE‘S」はイデア、ドルロレ、ティモーレ三国の最高権力機関において絶大なる信頼と実績、
そして権力を誇る「特別警護チーム」であり“王宮警護の切り札“の異名を持つ。
常日頃より世界の民の為、身を削り平和を守っている・・・。
しかし、絶対な信頼をおける人格者しか採用されない為、その人数は非常に少なく、超少数精鋭の部隊として活躍している。
ASせっちー「結婚式の用意なんて・・・ちょっと楽しいかも・・・」
AS北斗「うふふふ・・・そうね・・すばらしい結婚式になるように私たちが影から応援しないとね・・・」
背中に赤く光る槍を背負った、黄色い髪の可愛らしい雰囲気の女性が結婚指輪を置く台を運んでくる・・・。
近日、王宮貴族の結婚式がイデアの教会で行われるらしい・・・。
異例にして結婚式は民間の教会で行われるため、この二人が結婚式の用意をしているようだ・・・。
百絵「(「弓天女」と「槍乙女」だ・・・)」
「弓天女」と「槍乙女」・・・。
ACE‘Sの各隊員に割り振られるカードの名前・・・二つ名である・・・。
他にも「剣女神」や、男の場合ならば「斧勇者」「槍武神」の二つ名を持つ隊員がいる・・・。
百絵「(もしかしたら・・・この二人なら・・・私を元に戻してくれるかも知れない!!)」
そう思うと百絵はピョンピョンと飛び跳ねてASの二人のところへ駆け寄っていった・・・。
イデアツーリストは百絵にとって今や戦場・・・
クレスが留守番をしているため社長おけなを頼ろうと待つ訳にも行かない・・・。
AS北斗「あら・・?うさぎさんだぁ〜〜〜。」
ASせっちー「本当だ!かわいいネェ〜〜〜。あっ、リボン付けてるよ!」
二人は百絵をゆっくりと抱き上げて撫で続ける・・・。
ASせっちー「このうさぎさん、結婚式でマスコットになってもらおうか?」
AS北斗「あはは、かわいいしイイかもね〜〜〜。」
百絵「(あの!私・・人間なんです!!わかってもらえませんか??)」
一生懸命に目で訴える百絵・・・。
しかし、流石の二人も・・・この野うさぎが人間であることは見抜くことは出来なかった・・・。
ASせっちー「どこの森から来たのかな?」
AS北斗「きっと「飼いうさぎ」だよ!リボン付けてるもん。」
ASせっちー「あっ!そうだよね〜〜〜。でも・・それだったらきっと「飼い主」さんが探してるよ?」
AS北斗「うん、結婚式の準備が終わったら・・・・この子の「飼い主さん」探してあげようか?」
百絵「(!!!!!!!!!)」
飼い主を探す=クレスに見つかる。
百絵「(まずい!!)」
急にジタバタし始める百絵・・・。
AS北斗「!?どうしたの、うさぎさん!?」
じたばたする野うさぎ百絵に困惑する二人・・・。
その時、一人の老人が二人に声を掛ける・・・。
闇慈「おぉ・・・こんな所におったのか・・?」
ASせっちー「えっ?この子・・お爺さんのうさぎさんですか?」
闇慈「そうなんじゃよ・・・うちの大事なうさぎなんじゃよ・・・」
百絵「(!!!!!)」
百絵「(!!!闇爺!?まさか!!私がわかるの!!?)」
目が光り輝き・・・・闇慈に肉球のついた手を一生懸命振る百絵・・・。
AS北斗「よかったね、うさぎさん。飼い主さんが迎えに来てくれたよ。」
闇慈「ふぉっふぉっふぉ、本当に世話を掛けたようじゃの〜〜。」
ASせっちー「ふふふ、全然ょ。」
美しい笑顔が眩しい「弓天女、ASせっちー」。
日々、国民の為に打算なく尽くしてくれている者にしか出来ない笑顔である。
闇慈「では、これでワシは帰らせてもらいますが・・・」
百絵を腕に抱いて頭を深々と下げる闇慈・・・。
AS北斗「うさぎさんを大事にしてね〜〜〜〜。」
ASせっちー「さよ〜〜なら〜〜〜。」
手を振って闇慈を送り出してくれる「弓天女」と「槍乙女」・・・。
百絵は安心した表情で闇慈の腕に抱かれていた・・・。
ちょうど公共鍛冶屋の裏を通ったときに闇慈は百絵に口を開き出す・・・。
闇慈「しかし・・お前さんやるのぅ・・・クレス嬢ちゃんの手を怪我させるとは・・・・」
百絵「(えへへ・・・気が動転してて・・・・・悪いことしたなぁ・・・・)」
少し汗をかき・・恥ずかしそうに微笑む百絵・・・・。
闇慈「まぁ・・・しばらくはワシの家に身を隠していた方がいいのぉ。
クレス嬢ちゃんに何されるか・・わかったモンじゃ無いしのぉ・・・」
百絵「(ううぅぅ・・・・迷惑掛けます・・・闇爺・・・)」
涙目になって申し訳なさそうにする百絵・・・。
しかし・・・闇慈の口から思いもかけない言葉が飛び出す・・・・。
闇慈「ところでお前さんは・・・なんていう名前なんじゃ??」
百絵「(!!???? え゛っ!!?)」
百絵は・・・・闇慈が正体に気付いてくれているものと思い込んでいたのでその言葉にひどく絶望した・・・。
百絵「(闇爺・・・あのね・・私は百絵なの!!わかる!!??)」
闇慈に向かって手を動かして、一生懸命ジェスチャーで説明する百絵・・・。
闇慈「おぉ〜〜〜そぉかそぉか・・・・」
百絵「(わかってくれてる・・・?)」
少し心配そうに闇慈を見つめる百絵・・・
闇慈「名前は「うさうさ」でいいんかのぉ〜〜?」
百絵「(やっぱり通じてない・・・)」
涙を流しながら斜め下を向く百絵・・・。
闇慈に期待をする時点で・・・・百絵はすでに気が動転しているというものである・・・。
闇慈は百絵を両手で持ち上げ、向かい合ってこう言った・・・。
闇慈「ふぉっふぉっふぉ・・・うちでも、うさぎを狩っておっての・・・」
百絵「(ちょ、ちょっと!!闇爺!!ジロジロ見ないでよぅ!!!!!)」
闇慈「おまえさんのお婿さんが家におるでの・・・」
百絵「(!!???? え゛っ!!?)」
家に「お婿さん」を勝手に用意されていた百絵・・・。
汗をダラダラと流す・・・・。
闇慈「かわいい子ウサギをポ〜〜ロポ〜〜ロ生んでくれたらいいからの〜〜〜」
百絵「!!!!!!!!!!!」
その言葉に百絵は渾身の力を込めて宙に飛び上がる・・・。
3〜4回・・・前宙して闇爺の脳天に百絵のカカトが襲い掛かる・・・。
百絵「(セクハラ〜〜〜〜〜ッ!!!!!!)」
ドガンッ!!!!!!!!!!!!!!!!!
闇慈「ぐはぁ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜ッ!!!!!!!!!!!!!!!!!」
百絵のカカト落としが闇慈の脳天にクリーンヒットする・・・。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。
闇慈「ここは・・・・どこだ・・・・?」
草の青い匂いが立ち込めた草むらを一人歩く闇慈・・・。
その闇慈の姿は20代位の姿をしている・・・。
髪は長く・・・後ろ髪を紐でくくり上げ、キリッとした顔立ちでクールな雰囲気をかもし出す・・・。
理由はわからないが・・・遥か昔の闇慈の姿になっていた・・・・。
闇慈「なぜだ・・・?なぜ・・・若返っている・・?」
しばらく歩くと美しい花畑が見えて来る・・・。そしてその横には綺麗に澄んだ小川が流れている・・・。
闇慈「あぁ・・・なんて綺麗な所なんだ・・・?」
闇慈は小川に腰を掛けて、目を瞑り・・・・・気を落ち着かせている・・・。
闘病生活で疲れた体を癒すように、ゆったりとしている・・・。
?????「闇慈・・・・」
遠くから闇慈を呼ぶ声が聞こえてくる・・・。
その声は闇慈にとって懐かしく、また忘れることの無い声であった・・・。
そして・・・・決して聞くことが出来ないはずの声・・・・。
闇慈「まさか!!まさか!!!!?」
目を大きく開けて自分の目を疑う闇慈・・・。
闇慈「ヴァネッサか!!?」
ヴァネッサ・・・45年前に他界してしまった闇慈の妻である・・・。
赤髪でボーイッシュな雰囲気の女性・・・。
享年27歳であった・・・。
その死んだはずのヴァネッサが白いドレスを身に纏い、闇慈の前に現れたのだ・・・。
闇慈「ヴァネッサ・・・・そうか・・・そういう事か・・・・」
闇慈はヴァネッサに微笑みかける・・・。
自分の運命を受け入れ、悟ったようにこう言った・・・。
闇慈「やっと・・・おれもここに来れたよ・・・・ヴァネッサ」
ヴァネッサ「・・・・・・・」
うっすらと涙を浮かべて隠していた背中の白い羽を広げるヴァネッサ・・・。
ヴァネッサ「闇慈・・・・私の愛しい闇慈・・・。」
ふわりと飛び跳ねるように闇慈の側に舞い降りるヴァネッサ・・・。
闇慈の胸に飛び込んできて・・・微笑みながら顔を上げ・・ヴァネッサはこう言った・・・。
ヴァネッサ「あなたはまだ・・・ここには来れないわ・・・」
闇慈「!?どういう・・・事だい?」
遠く久しいヴァネッサの感触に動機が激しくなる闇慈・・・。
ヴァネッサ「もうすぐあなたは・・・戻ってしまう・・・」
闇慈「????」
顔を赤くしてヴァネッサを抱きしめる闇慈・・・。
闇慈「ヴァネッサ・・・」
ヴァネッサ「少しの間だけでも・・・こうしていたい・・・」
かつて永遠の愛を誓い合った者同士が心を一つにして愛を確かめ合う・・・。
それは45年前と・・・まったく変わらない光景だった・・・・。
闇慈の動機は更に激しさを増していく・・・・。
・・・・・・・・・・・・・・・・
ケイン「爺さん!!しっかりしろ!!!今・・・助けてやるからな!!!!!!」
ケインが心臓の止まった老人闇慈の心臓にマッサージを施す・・・。
闇慈は白目をむいてヘラヘラと笑ったように気を失っている・・・。
ケイン「!!くそ!!戻ってこい!!!戻ってこい〜〜〜〜〜!!!」
医師の免許を持つケイン・・・目の前のクランケを助けるために必死で施術を行う・・。
・・・・・・・・・・・・・・
闇慈「ヴァネッサ・・・俺は・・・君を永遠に・・・愛し続けるよ・・」
ヴァネッサ「ふふふ・・・・ありがとう・・・・私も同じ気持ちよ・・・」
指を絡ませて二人は唇を近づけていく・・・。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
ケイン「1!2!3!4!・・・・・・・!!!!!!!!!!!!!!」
心臓マッサージに加えて人工呼吸を「マウス・トゥ・マウス」で施すケイン・・・。
何度も同じ施術を繰り返す・・・・。
すると気を失っていた闇慈が目を覚ましだした・・・。
闇慈「ヴァ・・・・・ヴァネッシャ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜・・・・・・・」
ケイン「よかった!!目を覚ましたか??」
体中を一生懸命擦って闇慈の無事を確かめるケイン・・・。
闇慈「ヴァネッシャ〜〜〜〜〜〜〜」
ケイン「うおぉ〜〜〜〜じっ、爺さん!!止めてくれ!!」
人工呼吸をせがむ闇慈・・・・、夢と現実を勘違いしているのか・・・?
懸命に闇慈を押しのけようとするケイン・・・。
闇慈「ヴァネッシャ〜〜〜〜〜〜〜ッツ!!!!!!!」
ケイン「うわ〜〜〜〜〜〜!!!ぐむッ!!!!」
一生懸命に闇慈を助けようをしていたケインに無慈悲な仕打ちが襲い掛かる・・・・。
ケイン「・・・・・・・・」
涙を流すケイン・・・。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
暫くして、やすのぶと眠傀が現場に到着する・・・。
やすのぶ「うわっ!!?何!!?この二人・・・?」
眠傀「・・・・・・・・・なんだ・・・?」
闇慈は首をクランクラン振りながら・・・おかしくなっている・・・。
そして・・・ケインも斜め下を向いて呆けている・・・・。
ケインは何か「大切なもの」を失ったような表情をしていた・・・・。
やすのぶ「おい!二人共しっかりしてくれ!!!!何があったんだ!!?」
やすのぶ「おいッ!!!!!!!」
やすのぶ「・・・・・!!!」
この後、二人は「イデア国立総合病院」へ搬送される。
ケインの処置が正しかったのか闇慈は心臓には問題はなかったが、脳天に出来た「不可思議なヘコミ」の為、再入院・・・・
心臓等、諸々の検査も含めて3ヶ月の月日をまた、病院で過ごすことになる・・・。
一方ケインは「精神病棟」に移されて毎夜・・・「悪夢」と戦うことになる・・・。
そのうなされ方は尋常なものでなく、「俺は男だ!!男なんだ!!!」と判り切った事を叫ぶようになってしまった・・。
ケインは6ヶ月の精神カウンセリングを受け続ける事となるが、その「心の傷」は深いものであった事は言うまでも無い・・・。
○百絵 VS ●闇慈 (百絵 決め技 : セクハラ〜ッ!・・カカト落とし)
病院に二人を運んだやすのぶと眠傀・・・。
眠傀は汗を流しながらやすのぶにこう切り出した・・・。
眠傀「あの闇慈の傷跡・・・・見たか?」
やすのぶ「えぇ・・・でも何でしょうね・・?あの「不思議なヘコミ」・・・・・」
目を瞑ってやすのぶに切り出す眠傀・・・。
懐から丸めた紙を取り出す・・・。
眠傀「闇慈の服にこの「毛」が付いていた・・・。」
やすのぶ「これは!!!うさぎの毛!!!?」
短いモワモワした毛玉が闇慈の服についていたのを見逃さずに取っておいた眠傀・・・。
やすのぶは全然気が付いていなかった様子だ・・・。
もしやすのぶが一人で野うさぎを探していたらきっと見つけることが出来なかったであろう・・・。
眠傀「多分、闇慈は野うさぎに倒されたんだ・・・・」
悲痛な顔をして眠傀は手を握り締める・・・。
やすのぶ「くそ!どんな野うさぎなんだ!!?」
闇慈はイデアツーリストでも上ランクに入る「強者」の一人である・・・。
力のない魔法使いとはいえ野うさぎにヤラれるようなヘマ等は・・・・闇慈は一切しない・・・。
その闇慈の無残な姿を思い返して・・・眠傀は汗を流していた・・・・。
思い立ったように口を開く眠傀・・・・。
眠傀はやすのぶにこう言った・・・。
眠傀「まさか・・あの「伝説」の・・・・・?」
やすのぶ「!!?「伝説」の・・・?って・・なんですか???」
眠傀「・・・・・・これは・・・・」
眠傀「これは・・「伝説の野うさぎ、デビル因幡」の仕業に違いない!!・・・・んっ間違いないッ!!!!!」
やすのぶ「デビル因幡ッ!!!!??????」
変な伝説を語り出す眠傀・・・。
眠傀「その昔・・・月から宇宙船に乗ってきた悪の野うさぎ集団「ブラックムーン」に改造された可哀想な野うさぎさ・・・・」
哀しそうな表情を見せるが・・・やすのぶにはうつむいて「笑いを堪えている」姿を見せはしない・・・・。
やすのぶ「そんな!!なんて・・・可哀想な野うさぎなんだ!!!」
眠傀「あぁ・・・改造された時のコード番号が「DEVIL−178」だった事から「デビル因幡」と呼ばれる様になったんだ・・・。」
やすのぶ「くそ!!なんで・・・なんでこんな事をするんだ!?止めないと!!!デビル因幡をッ!!!!」
眠傀「ここからは分かれて「デビル因幡」を探す!!イデア中をくまなく探すぞ!!やすのぶ君!!」
やすのぶ「はい!!眠傀さん!!!」
やすのぶは眠傀と別れて「デビル因幡」を探し出すことにした・・・・。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
一方、野うさぎのままの百絵はイデアの町外れ、監獄の近くに身を潜めていた・・・。
イデア囚人収容所・・・・一般に監獄と呼ばれるその場所は第2話で「ローリー・コンダー」が収容された監獄である・・・。
中に入ったものは「豆腐」以外の物は口に出来ず・・・刑の執行を待つのみの恐ろしい場所である・・・。
CRカウントの具合によっては「弁護士」によって釈放される事もあるが・・・場合によっては極刑を受ける事もある・・・。
百絵「(ううう・・・・・悲しいよぉ・・・・悲しいよぉ・・・・・・)」
闇慈に気付いて貰えず涙を流す百絵・・・。
セミの声がうるさく聞こえるその場所は、人間の姿をしていればあまりにも百絵には似つかわしくない場所だった・・・。
百絵の白いリボンは少し汚れて茶色くなっている・・・。
その時、一人の女性の声が百絵に聞こえてくる・・・。
??「どうしたんだい?何か・・・悲しいことでもあったのかぃ???」
ハスキーなその声に怒鳴り付ける百絵・・・。
百絵「うるさいわね!今は誰とも話せなくって・・・・・!!!!!!!!!!!!」
振り向くとそこには人の姿はなく・・・代わりに白い猫が百絵の背後に立っていた・・・。
??「やれやれ・・あたいが悪かったよ・・・でもね、ここはあたい達の「縄張り」でね・・・邪魔だよ?あんた・・・」
百絵「えっ?えっ!?」
言葉をしゃべるその猫は決して人間の言葉をしゃべっている訳ではない・・・。
クレスの薬の効果で話す事が出来ているようだ・・・。
??「えっ?じゃないょ・・・さっさとどっか行くか・・・名前を言ってここにいるか・・好きな方を選びナ・・・」
百絵「私は・・・・百絵っていいます・・・」
きょとんとした顔で白い猫に話しかける百絵・・・。
シロ「そうかい・・あたいは「シロ」ってんだ・・・。ここいらの縄張りの「副リーダー」さ・・・・」
百絵「・・・・・・・あの・・・私・・・」
シロ「ふふふふ・・・・乱暴にはしないから安心しな・・・あんた「飼いうさぎ」だろ?」
リボンを見つめて微笑むシロ・・・。
百絵は自分の現状をシロに話すのは適切ではないと考え、人間であるとは言わないようにした・・・。
人間と言い張る野うさぎなど・・・おかしいモノであると考えた・・・。
百絵「あの・・・ここは誰の「縄張り」なんですか?」
シロ「ふふふ・・・ここはリンゼっていう「野良フェイミン」の縄張りさ・・・」
百絵「野良フェイミン??」
フェイミンとは、狩りなどの時に人間と共に行動する動物である。
人間を助けて攻撃をしたり、身を庇ったりしてくれる動物である。
他にも「ドラン」「シーポン」「ウッディー」等の動物が存在する・・・。
シロ「リンゼは人間に必要とされなくなって・・捨てられちまったフェイミンさ・・・最もあたいも捨てられたクチだけどね・・・」
笑いながら答えるシロに涙を浮かべる百絵・・・。
百絵「ううぅぅ〜〜〜〜〜そんなの・・・ひどいね・・・・・・」
シロ「なんだい?あんたが泣く事ないじゃないか・・・」
百絵「だって・・・・だって・・・・・・」
シロは百絵に擦り寄り・・・元気付けようとしてくれる・・・。
シロ「そうだ!いい所に連れてってやるよ!あんたもきっと気に入ると思うョ・・・・」
百絵「えっ!?いい所?・・・・?」
そういうとシロは百絵の後ろに回りこむ・・・。
シロ「ちょっと痛いかも知れないけど・・・我慢しな・・・」
百絵「きゃん!!」
シロは百絵の首の後ろを咥えて走り出した・・・・。
眠傀「!!!!!」
大通りに出た瞬間・・・タマタマ通りかかっていた眠傀にその姿を目撃されてしまうシロと百絵・・・・。
眠傀「見つけたぜ〜〜〜〜〜ッ!!まて!野うさぎ!!!・・・??と・・白猫!!!!?」
シロ「!?」
百絵「うげっ!!!眠傀さんだ!!?」
シロ「飼い主??」
口を満足に動かせないシロ・・・。最低限の言葉しか発さない・・・。
百絵「(・・・・・きっとクレスさんの差し金だわ・・・・・)」
突飛な推理だが・・・しっかり当たっている百絵の推理・・・。
百絵「あんな人・・知らないわ!!!逃げ切って!!シロさん!!!」
シロ「OKェ〜〜〜〜〜〜〜」
そういうと走るスピードを上げるシロ・・・。
眠傀は体育会系ではないため・・・走るのは苦手である・・・。
しかし眠傀は、にやりと笑って「大きなカバン」から無数の宝石の埋め込まれた杖を取り出す・・・。
眠傀「へへ・・・・」
百絵「!!!」
ビュアァアァァ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜・・・・・・
百絵「しまった!眠傀さんには「コレ」があったんだ・・・・・」
なんと眠傀は、杖を放り上げてその上に乗り・・・波乗りをするように空中を飛んで百絵を追いかけてきた!!!
イデア広しと言えども・・・空を飛べる魔法使いは2人といない・・・・。
イデアツーリストの上級魔法使い「かすみ」ですら空を飛ぶ事は出来ないのだ・・・。
眠傀「行くぜ!相棒!!!今日の空気は湿度もそこそこ!!いい杖乗り日和だぜェ〜〜!!!!」
シロ「!!!!」
驚くシロ・・・、しかしシロも不敵な笑みを浮かべて木の上に登り、民家の上を駆け上る・・・。
眠傀「はっはっは〜〜〜・・逃がさないぜ!?」
眠傀は調子よく屋根に飛び上がる・・・・すると群れて150を超える鳩達が眠傀に驚いて・・・急に飛び出していく・・・。
鳩「!!!!!!!!!!!!!」
バサバサバサバサバサバサバサっ!!!!!!・・・・・・
ボトボトボトボトボトボトボトボトボトボトボトボトボトボトボトボトボトボトボトボトボトボトボトボトボトボトボトボトボトボトボトボトボトボトボトボトボトボトボトボトボトボトボトボトボトボトボトボトボトボトボトボトボトボトボトボトボトボトボトボトボトボトボトボトボトボトボトボトボトボトボトボトボトボトボトボトボトボトボト!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
鳩たちは眠傀から少しでも早く逃げようと「糞」を落としながら逃げていったのだ・・・・・。
眠傀「!!うわ!!!うわぁ〜〜〜〜〜!!!!!!!!」
糞の雨をモロに食らってしまった眠傀・・・・。
百絵「うわぁ〜〜〜〜〜〜・・・・エゲツナイ・・・・・・」
シロ「ふん!あたいを捕まえようなんて10年早いよ・・・・・」
4歳のシロが大きな顔をして鼻で笑う・・・・。
眠傀「なんじゃ〜〜〜〜こりゃぁ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜!!!!!!!!!!!!」
糞である・・・。
眠傀「くそ!!!くそぉ!!!!!!」
言われなくっても・・・わかっている・・・・。
眠傀「ふざけんな!!!!絶対捕まえてやるゼ!!!!!」
水の魔法で自分を包み込み・・・体の糞を洗い落とす眠傀・・・・・。
そして焔を身に纏い服を一気に乾かしていく・・・・・。
シロ「うわっ!!!立ち直り早ッ!!!!!!」
シロは屋根を伝ってどんどんスピードを速めて民家の木の上に飛び降りる・・・。
その時、隣の民家の屋根の上から不敵な笑い声がこだましてきた・・・・・。
????「は〜〜〜〜っはっはっはっは!!!!!!!!」
百絵「!!!!!この声は!!!!!!」
一軒の民家の上から青いマントをなびかせて・・・一人の男が野うさぎの百絵に指をさしてこう言った・・・。
ヤスノX「誰が呼んだか?人知れず!!!ヤスノX!!!!!天より舞い降り!ただいま参上!!!!!!」
百絵「あの・・・ヴァカ・・・」
シロ「飼い主ィ〜〜?」
違うよね?といった表情で百絵に問うシロ・・・。
百絵「タダのヴァカな人・・・。」
シロ「よかった・・・」
ヤスノX「とぉ〜〜〜〜〜〜〜ッ!!!!!!」
ヤスノXは百絵達に向かってジャンプしてきた・・・。
急降下で百絵のいる木に向かってくる・・・。
ピョン・・・
ヤスノV「あぁッ!!!!???」
シロは涼しげに木から下りると・・・・・ヤスノXはバタバタして空中でストップしようとした・・・・。
しかし、賢明な読者諸君であれば気付いていると思うが・・飛び降りた以上・・・重力に逆らう事は出来ない・・・。
ヤスノV「うぉ〜〜〜〜〜〜ッ!!!!!」
ドガンッ!!!!
みぞおちに木がクリーンヒットするヤスノV・・・・反動で後頭部から地面に向かって落ちていく・・・。
ガンッ!!!!
ヤスノV「ンガッ・・・・・」
ヤスノVの後頭部にタマタマあった犬小屋がぶち当たる・・・。
ガウ犬「ワン!!!ワン!!!!!!ウ〜〜〜〜〜!!!!!(ワレェ!!!ワシの家に何さらしとんじゃ!!!!!!)」
百絵達には( )の中の言葉が聞こえている・・・。
ヤスノV「うわ〜〜〜〜すんまへん!!!ホンマにすんまへん!!!」
犬にすら頭の上がらないヤスノV・・・・・。
百絵「・・・・・・・・」
シロ「本当にヴァカだね・・あの人・・・・・」
走り去るシロ、百絵・・・。
遠目にヤスノVが、ガウ犬に尻を噛まれているのが見えていた・・・。
ヤスノVを尻目に・・・・遥か上空から眠傀が飛んでくる・・・・。
眠傀「まだまだぁ〜〜〜〜〜ッ!!!!」
しつこく追いかける眠傀・・・
イデアツーリストの名誉会長が・・・まさか「野うさぎ」や「猫」に負けるわけにはいかない・・・。
眠傀「このバリバリにヒリつく感覚・・・久しぶりだな・・・・」
眠傀は普段、冷静沈着に物事を進める魔法使いである・・・。
どんなミッションでも最善の方法を選ぶのだが今回ばかりは頭に血が昇っているようだ・・・・。
何せ糞ま・・・・
眠傀「言うな!!!!黙って見てろ!!!ナレーション!!!」
(。。)・・・
眠傀「ちきしょう!!!俺はもっとかっこいいんだぞ!!?」
半分泣きながら手を握り締める眠傀・・・モンスター相手であれば魔法を使ってお終いなのだが・・・
今回はそうも行かない・・・。
百絵「まずい・・・本気になった眠傀さんじゃ絶対に分が悪い・・・。」
シロ「参ったね・・・」
百絵「そうだ!!!!!」
その時、昼前たまたま見た会社のホワイトボードを思い出す百絵・・・。
百絵「シロさん!イデア国立図書館に行ってください!!!」
シロ「?図書館かい??」
シロは不思議そうに図書館を目指して走っていく・・・。
眠傀「待てェ〜〜〜〜〜ッ!!!!!!」
スルスルっと家の間をすり抜けてシロを追いかける眠傀・・・。
図書館にシロが入っていくのを見て超特急で入りこむ・・・・。
ビュアアァアァァァァァ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
バサバサバサバサバサ・・・・・・・
眠傀の飛行の風圧で・・・置いてあった本が床に落ちる・・・・。
図書館のお姉さん「きゃぁ!!!困りますお客さん!!図書館で飛行しないで下さい!!」
眠傀「クッ!!ここに野うさぎと猫が入ってきただろう???知らないか???」
杖に乗ったまま図書館のお姉さんに話しかける眠傀・・・。
図書館のお姉さん「もう!!早く降りてください!!!」
図書館のお姉さんは昆虫図鑑で眠傀をバシバシ叩く・・・。
眠傀「いてっいてっ!!!わかった!!降りるから・・・!!」
歯を食いしばり杖から降りる眠傀・・・。
形相はかなり険しい・・・。
眠傀「どこだぁ〜〜〜〜〜うさぎィ〜〜〜〜〜〜」
図書館のお姉さん「図書館で叫ばないで下さい〜〜〜〜〜ィ!!!」
泣きながら、今度は鳥獣図鑑で眠傀を叩く図書館のお姉さん・・・。
眠傀・・・最初のやすのぶと同じように叫び出してしまう・・・・。
図書館のお姉さんは顔を手で覆い・・泣き始めてしまった・・・。
???「何やってんのよ・・・・?」
上級の法衣に身を包んだ女性が図書館の2階からゆっくり降りてくる・・・。
腕には白い猫と野うさぎが抱かれていた・・・・。
眠傀「あっ!!見つけたぜ・・・・って・・・・えっ??えっ?」
怒りで赤かった顔が少しずつ・・・・青くなっていく・・・・。
???「なにやってんのよ???」
眠傀「あ、その野うさぎと猫・・・追いかけて・・・その・・・聞いてる?かすみ??」
かすみ「なにやってんのょ?眠傀??」
かすみは会社の用事で調べ物があったらしく図書館に来ていた・・・。
眠傀の所業に体を震わせて怒っている・・・。
そっと・・・抱いていた白猫と野うさぎを解放して眠傀の方に歩いていくかすみ・・・。
眠傀「いや・・・だから・・・・・・・・・・・・・・・・くッ・・・・・・・・」
逃げていく二匹を横目に・・・・悲しそうな表情の眠傀・・・。
百絵とシロは一目散に町外れへと駆けていった・・・。
汗をダラダラ流して言い訳をしようとした瞬間・・・かすみが怒鳴りだした・・・。
かすみ「何やってんのよ!!!眠傀ゥゥ〜〜〜〜〜ッ!!!!!!」
眠傀「うわぁ〜〜〜〜〜〜〜〜ッ・・・・」
図書館のお姉さん「わぁ〜〜〜〜ん!!!あなた達もう帰ってよォ〜〜〜〜〜〜!!!!!!!」
図書館のお姉さんが泣きながら本を拾い集めている・・・。
かすみ「本はウチの夫に整理させますので・・・・そのままにしてて下さって結構ですょ・・・・」
図書館のお姉さん「・・・・・・」
眠傀「ごめんなさ〜〜〜〜いいッ!!!!」
バタバタと図書館から出て空を飛ぼうとする眠傀・・・。
かすみ「・・・・・・・・・・」
かすみ「逃がすかァ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜!!!!!!!!!!!」
かすみのダッシュは一瞬で間合いを縮める・・・。眠傀を捕らえようをするが寸前で空へ逃げられてしまった・・・。
眠傀「ごめんって!!本当に・・・ごめんって!!!」
泣きながら杖に乗り・・・空から謝る眠傀・・・・・・。
かすみ「降りてきなさいよ!」
手には思いっきり握りこぶしが作られている・・・。
眠傀「だって殴るじゃん!!」
かすみ「殴らない・・・・・」
うそである・・・。
その時、結婚式の準備を終えた二人の王宮警護団が図書館の前を通る・・・。
ASせっちー「あはっ・・・イデアツーリストのかすみさんだ・・・」
AS北斗「あれ?どうしたんですか?この騒ぎ?」
かすみ「ちょっと・・痴話ゲンカです・・・」
にっこりと微笑み挨拶するかすみ・・・。
AS北斗「あらら・・・程ほどにしないと・・・二人がケンカしたら大変な事になっちゃうし・・・」
ASせっちー「法に触れない程度にしてくださいね・・・」
にっこり笑う「弓天女」と「槍乙女」・・・・。
夫婦喧嘩は犬も食わないというが・・・・「弓天女」と「槍乙女」も止める気はないようだ・・・。
眠傀「そんな!!二人共止めて!!!あの殺気出てる拳闘士を止めてッ!!!!」
必死でお願いする眠傀・・・。
町人「なんだなんだ??ケンカか??」
市役所のお兄さん「何でも「夫婦喧嘩」らしいぞ?」
いつの間にか人だかりが出来てしまったイデア図書館前・・・。
いつもは静かな時間が流れるこの場所も・・・・騒然としていた・・・。
AS北斗「こうなったら・・・眠傀さん・・とりあえず降りてきてください・・・」
無茶な注文を付けるAS北斗・・・。
眠傀「降りれないよ!!こんな状況でッ!!!!」
かなり人目に付いてしまう眠傀・・・・・。
今回ばかりは「空が飛べる」事が裏目に出てしまった・・・。
かすみ「そう・・・だったら降ろしてあげる・・・・・」
かすみは上級の法衣を脱いで空高く放り投げる・・・・。
法衣は無数の小さな白い羽に変わり・・・地面に落ちる頃には雪のように・・・すべて消えて無くなった・・・・。
ASせっちー「うわ〜〜!かっこい〜〜〜・・・・」
AS北斗「ほんと!きれいだわ〜〜〜・・・・」
闘気をコブシに溜めるksかすみ・・・。
ksかすみ「はぁ〜〜〜〜〜〜〜〜ッ!!!!」
ksかすみ、その姿は動きやすい軽質の素材で作られた武道着を身につけている・・・。
魔法を操り、拳を振う戦闘スタイルは他に追随を許さない・・・。
風の魔法に雷の拳を操るイデアの魔女・・・ksかすみの真骨頂である・・・。
軽質の素材で作られた武道着はあおざるが作ったものである事を付け加えておこう・・・。
ksかすみ「いくわよッ!!!!!!!「EMフィールド」ッ!!!!!」
バシ〜〜〜〜〜ンッ!!!!!!!!!!!!!
グググ・・・・ググ・・・・・・・
かすみは両手の拳を地面に叩きつけ・・・地面を締め付けるように圧力を掛けていく・・・。
眠傀「ははは・・・何やってるんだ??」
強力な圧力を岩石に加えると、岩が割れる直前に電磁界が発生する・・・。
その電磁界は生体の持つ空間把握能力を狂わせてしまうと言われている・・・。
鳥などが近年、大量に海に浮かんで死んでいたり、方向を間違えるといった現象は電磁波が影響しているのだ・・・。
ksかすみは地面に含まれる岩石に「割れる直前の圧力」を加えて電磁波を発生させる・・・。
市役所のお兄さん「うわ!おれのささ(電話)が急に反応しだした!!」
街のおじさん「おぉぉぉぉ???わしのもだ・・・」
新米配達員「うわ!無線まで使えないぞ???」
強度な電磁波は無線装置等を狂わせる作用がある・・・。
道を歩いていて「携帯電話」が急に使えなくなる事が無いだろうか?
この場合、近くに「不法電波」を出している会社等があるかもしれないが・・・
ksかすみが「EMフィールド」を使って、電磁波を出している可能性もある事を付け加えておこう・・・。
(不法電波:法律に違反した電界強度、周波数帯域を使った電波の事です(´▽`)/)
この日、ちょっとの時間だけ・・イデア中の無線装置が使えなくなった事は言うまでも無い・・・・。
眠傀「に、逃げさせてもらうぜ!!ゴメンナ!かすみ!!!!」
全速力で逃げようとする眠傀・・・・しかし眠傀はなぜが地面に向かって急降下してしまった・・・。
眠傀「えっ!??うわっ!!!!うわ〜〜〜〜〜ッ!!!!!!!!なんでだ〜〜〜〜〜〜〜〜〜????」
ドガ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜ン・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・
ksかすみ「EMフィールド、「もず落とし」・・・・・・・・」
目を瞑って息を整えるksかすみ・・・。
街のおじさん「おい!今の魔法じゃないのか???」
市役所のお兄さん「そうだ!!人に魔法は・・・法律上使っちゃダメなんだぞ!!」
国家規律で「人への抜刀」「人への魔法攻撃」は闘技場以外において許されない行為である・・・。
しかし、困ったようにksかすみは口を開いた・・・。
ksかすみ「今のは・・・格闘術ですよ・・?魔力は使っていません・・・。」
AS北斗「・・・・・・・」
ASせっちー「・・・・・・・・うん・・・」
二人は顔を見合わせて頷く・・・・。
そして民衆の前でこう言い放った・・・・。
AS北斗「王宮警護団ACE‘s「弓天女」「槍乙女」の名において!!!」
ASセッチー「ksかすみの「EMフィールド」は“ギリギリセーフ“とする!!!!!!!!」
ギリギリセーフになった・・・・・・。
街の皆「うおおおおおおぉぉぉぉ〜〜〜〜〜〜ッ!!!!!」
ksかすみ「ありがとうございました。」
嬉しそうに頭を下げるksかすみ・・・。
AS北斗「ふふふ、お強いんですね・・・」
ASせっちー「楽しかったですわ・・・」
二人は「大きなカバン」から移動術書を取り出した・・・。
AS北斗「又、お会いしましょう!」
ASせっちー「それまでお元気で・・・」
ksかすみ「お疲れ様でした〜〜〜〜〜」
手を振って二人と別れを惜しむksかすみ・・・。
二人は移動術書を使い颯爽と帰っていった・・・。
そして、野次馬の民衆もそれぞれの持ち場に帰っていく・・・。
市役所のお兄さん「いや〜〜〜〜楽しい見世物だったな・・」
新米配達員「おっと!!又「騎士からの手紙」を取られないように気をつけて配達しなきゃな・・・」
ksかすみ「・・・・・・・・・」
ksかすみは指を回して風の魔法を体に纏うといつもの姿・・・。
上級の法衣を身に付けた姿に戻った・・・。
かすみ「・・・・・・・・ふふふ・・」
かすみの目の前には白目を向き・・・舌を出して気絶している夫・・眠傀の姿だけが残った・・・。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
2時間後 図書館 控え室
眠傀「う〜〜〜〜ん・・・・・あ、あれ・・・?」
ゆったりとした広さを持つ図書館の控え室は、じゅうたんの敷き詰められた部屋・・・。
眠傀「????」
眠傀はそこで上を向いて眠っていた・・・。
そして眠傀は目の上に乗せられている濡れたタオルを意味も判らずに取った・・・。
眠傀「あっ・・・・かすみ・・」
かすみ「ふふふ・・・目が覚めた?」
眠傀はかすみの膝枕で眠っていたようだ・・・。
眠傀「いってて・・・」
かすみ「ふふふ・・・今、魔法をかけてあげる・・・」
かすみの指先から柔らかな光が眠傀に降り注ぐと・・・・眠傀の怪我が治っていった・・・。
眠傀「ありがとう・・かすみ・・」
かすみ「本の整理は私がしたんだからね・・・」
ちょっとムッとした顔をして眠傀の頭を撫でるかすみ・・・。
そしてすぐに聖母のような笑顔で眠傀を見つめる・・・。
かすみ「ふふふ・・・・・・・」
眠傀「ごめんナ・・・」
かすみ「もう・・いいよ・・」
笑って会話する夫婦、眠傀とかすみ。
その時、眠傀がやすのぶから徴収したお金を思い出す・・・。
眠傀「そうだ、ちょっと2000ドニア程・・入ったんだ・・・ディナーでも食べに行こうか?」
かすみ「あは!久しぶりだね・・そういうの!! 食べに行こうか・・・」
スクッと立ち上がり・・・夫婦、腕を組んで街に歩いていく。
穏やかに夕日が沈んでいこうとしていた・・・・。
眠傀「・・・・・・・・・・・・・」
眠傀「なんですぐに回復魔法をかけなかったの?」
街を歩きながら、思い出したようにかすみに問う眠傀・・・。
かすみ「ふふふ・・・だって・・すぐに起きたら膝枕してあげられないでしょ?」
ちょっと照れながら下を向いて笑うかすみ・・・。
本当に優しく強い・・・良妻である・・・。
○ksかすみ vs ●眠傀 (決め技 : EMフィールド、もず落とし)
時間が戻って2時間前・・・・
百絵「かすみさんトラップ作戦、成功だ!!」
シロ「よかったね・・あたいが連れて行きたい所にも・・・もうすぐ着くから!!」
シロの後をついて行く百絵・・・。
完全にヤスノVと眠傀を引き離したようだ・・・。
・・・・・・・・・・・・
百絵は町外れの牧場が見える丘に連れてこられた・・・。
裏は崖になっていて下には小川が流れている・・・。
魚が飛び跳ねて食料にも困らない絶好の場所だ・・・。
一軒の掘っ建て小屋があるがどうやら寝床のようである・・・。
そこから見える風景はイデアの街が小さく見えて・・・
小さなことなど忘れてしまうような・・・すがすがしい風が吹き抜けた・・・。
百絵「気持ちい〜〜〜〜い・・・」
シロ「ふふふ、だろ?ここはあたい達の寝床みたいなもんさ・・・」
すると屋根の上から1羽のフェイミンが降りてきた・・・。
???「やぁ!シロ・・そちらの「かわいいうさぎさん」はお友達かい?」
シロ「や、やめとくれ、リンゼ!こんなかわいい友達がいるような柄じゃないのは、あんたが一番よく知ってるだろ?」
丁寧な言葉使いのフェイミン・・・
名前はリンゼというらしい・・。
百絵「あの・・はじめまして・・私、百絵って言います・・・。」
リンゼ「ははは、はじめまして百絵ちゃん。僕はリンゼって言います・・・。」
百絵の前に降り立って座り込むフェイミン・・・。
そしてシロの方を向いて真剣な眼差しでこう言った・・・。
リンゼ「やつらは・・・どうなった?」
シロ「街には居やしないネェ・・・尻尾巻いて逃げたんじゃないかい?」
百絵「あの?何の話ですか?」
リンゼ「僕たちの縄張りを荒らそうとする輩がいてね・・・最近この小屋に目をつけたらしいんだ・・・」
百絵「縄張り争いですか?」
シロ「最近になって「用心棒」を雇ったって噂なんだよ・・・・」
百絵「大変なんですね・・・動物の世界って・・・」
シロ「?おかしな事を言うね、あんた??」
リンゼ「ふふふ、「飼いうさぎさん」はこういう事に無縁だからしょうがないよ。」
笑いながらシロに乗っかかるリンゼ・・・。
すると小屋の影から一匹の野良犬が顔を出した・・・。
ワン太郎「ケケケケケッ!!!お久しぶりだな!リンゼにシロ!!!!」
いかにも悪者な笑い方をする野良犬、ワン太郎・・・。
ブチの模様がいかにも似合っている・・・。
リンゼ「なに!!?貴様何処から???」
ワン太郎「ケッケッケ!裏の崖を登ってきたのダァ!!!!」
シロ「バカみたい・・・」
ワン太郎「バカ言うやつがバカだぞ!!チキショオ〜〜〜〜ゥ!!!」
百絵「???なに?この犬・・・?」
リンゼ「さっき話していた縄張りを荒らす輩さ・・・」
ため息をついて百絵に説明するリンゼ・・・。
ワン太郎「くそ!!!余裕ブッコけるのも今のうちだ!!!こっちにはすんげ〜先生が付いているんだぜ!!」
シロ「先生ってスズメ?」
リンゼ「ムチ振るの?」
ワン太郎「バカやろう!!歌じゃね〜〜んだよ!!!先生!!あいつ等をやっちゃってくださ〜〜〜〜イ!!!!」
ワン太郎がそういうと小屋の影から黄色いシルクハットと燕尾服を身に付け、杖を持った熊が二足歩行で歩いてきた。
モンスター くま紳士である・・・。
シロ「!!!!!!!!!!」
リンゼ「・・・・・・・・・」
百絵「何!!!なんでこんな所に「くま紳士」が!!!!!?」
レオナルド「こんにちは、皆さん。「熊な紳士」で「紳士な熊」の「くま紳士」・・レオナルドです。」
シルクハットを取って百絵達に挨拶するレオナルド・・・。
声も態度も紳士的である・・・。
シロ「くまを相手に戦えっていうのかい?ワン太郎!!!」
ヘラヘラと笑い嬉しそうにヨダレを垂らすワン太郎・・・。
ワン太郎「嫌だったらその小屋を引き渡すんだナァ〜〜〜〜〜〜」
リンゼ「フン!僕にそんな駆け引きは通用しないよ!!」
くま紳士レオナルドを睨み付けて羽を広げるリンゼ・・・。
レオナルド「はっはっは・・君が相手かな?名前は??」
杖を振り回し余裕の表情で小躍りをするレオナルド・・・。
リンゼ「リンゼだ!!!いくぞッ!!レオナルド!!!」
百絵「ダメ!!止めて!!!」
百絵が止めるのを聞かずにフェイミンのリンゼは、くま紳士に向かって勇敢に戦いを挑む・・・。
しかし、その勝負は当然の如く・・・くま紳士の優勢となる・・・。
バシッ!!!!!
リンゼ「ぐわッ!!」
百絵「あぁッ!!!!」
シロ「もういいよ!!リンゼ!!ここを引き渡そうよ!!!リンゼ!!」
リンゼ「ここは絶対に守り通すんだ!!!絶対にだ!!!」
ワン太郎「ケッケッケッケッケ!!流石のリンゼもレオナルド先生には勝てないか!!さぁ!トドメを刺して下さい!!」
レオナルド「そうだねぇ〜〜〜でも、寝転がっている相手を攻撃するのは紳士ではないから断るよ、ワン太郎くん。」
ワン太郎「な!ちゃんと鮭を10匹、払ってるんだからヤッちゃってくださいよ!!!」
レオナルド「・・・・・はっきり言って君嫌いだから処分してあげる。喜んで死になさい・・・。」
ワン太郎「なんだってぇいぇ〜〜〜〜〜〜〜!!!!!?????」
くまの威を借る野良犬・・・、ここに来て焦り始める・・・。
バシッ!!!!
ワン太郎「キャウ〜〜〜〜〜ン!!!!」
シロ「ワン太郎!!!」
丘の坂道を転がり落ちるワン太郎・・・。
それを見て満身創痍のリンゼが口を開く・・・。
リンゼ「なに???貴様!紳士じゃなかったのか?仲間を殴るなんて!?」
正直にいうと敵であるワン太郎がいなくなるのは嬉しいが・・・リンゼにとって
「裏切り」を目の当たりにするのは、とても複雑な気持ちであった・・・・。
リンゼは過去、「誰か」に裏切られた記憶があるからであろうか?
するとレオナルドは、さわやかに笑い・・・こう言った・・・。
レオナルド「彼は、仲間ではないよ・・仲間とは信頼関係で繋がっている者の事を言う・・・」
リンゼ「・・・・・・・・」
正論を口にするレオナルド・・・
そして、高らかに笑いながらこう言った・・・。
レオナルド「はっはっは・・・イデア中の縄張り侵略拠点として、まずはここを占領させてもらうよ・・・。」
リンゼ「くそッ!!!くそぉ〜〜〜ッ!!!」
シロ「あ、あぁ・・・・・・」
悲しげにリンゼを見つめるシロ・・・。
レオナルドはニヤリと笑って、更に口を開く・・・。
レオナルド「くっくっく・・・人間共も・・・皆殺しにしてくれるわ〜〜〜〜〜!!!」
リンゼ「!!!!!」
リンゼは青ざめて口を開く・・・。
リンゼ「何!!?貴様・・人間に歯向かう事は動物界にとっては「御法度」という事を忘れたのか!?」
百絵「???」
意味がわからない会話に百絵は戸惑った・・・。
人間である百絵には・・・・理解できない、動物界の「御法度」・・・。
百絵「えっ?どういう事??」
オタオタする百絵にシロが説明をしてくれる・・・。
シロ「あんたは「飼いうさぎ」だからわからないだろうけど・・・人間は恐ろしい生き物さ・・・
例えばレオナルドが街を襲ったって・・・人間の連中は報復に・・・あたいたち「ノラ」にまで報復してくる・・・。」
百絵「そんな!!人間はそんなこと・・・」
シロ「するさ!!そういう奴ばかりじゃなくっても・・・する奴はするのさ!!!」
百絵「!!!」
ノラたちは日々・・・人間を恐れながら生きている・・・。
シロの言葉で「動物界」の現状に触れた百絵は、この時初めてリンゼのいう「御法度」の意味を理解した・・・。
レオナルド「はっはっは、人間の「報復」が怖くて紳士などできないよ、リンゼくん!!」
リンゼ「貴様だけは・・・絶対に・・ここで・・止めてやる・・・。」
レオナルド「熊な紳士で紳士な熊の・・・くま紳士・・レオナルドに死角はないよ?リンゼくん?」
余裕を見せて懐からハンカチを取り出して汗を拭くレオナルド・・・。
ハンカチをリンゼの方へ投げ捨てて、シルクハットを深く被りニヤリと笑う・・・
レオナルド「はっはっは、私の上に紳士無く、私の上に熊はいない!!」
レオナルドは杖を振り回し・・・リンゼにトドメを刺そうとする・・・・。
しかし、リンゼにはもう・・・最後の攻撃を避ける余力さえなかった・・・。
リンゼ「・・・・・・・・・」
バシーーーーーーン!!!!
百絵「・・・・・・・・」
レオナルドの杖を受け流す百絵・・・。
これ以上は黙って見過ごせなかったようだ・・・・。
レオナルド「!!!!・・・・・・はっ・・はっは・・・次は君が・・お相手かな?リトルレディー・・・?」
杖を受け流されて・・・少し汗を流すレオナルド・・・。
野うさぎに攻撃を止められて・・・不可解そうな顔をしている・・・。
リンゼ「なっ・・・・止めるんだ!百絵ちゃん!!!」
シロ「そうよ!ダメだッ!あんたは逃げナ!!!ここはあたいが何とかするから!!!!」
震えながらリンゼの体を庇うシロ・・・。
百絵「後悔するんじゃないわよ・・・?」
レオナルド「はっはっは、お手柔らかに、お嬢さん・・・」
両手を広げて杖を振り回すレオナルド・・・。
百絵「「百絵奥義!百戦錬磨ッ!!!!」・・」
そういうと百絵の体が烈火の如く、光り始めてくる・・・。
攻撃力が上がっていっているようだ・・・・。
渾身の力を体に込めていく百絵・・・。
一瞬で間合いを縮めて・・・そして・・レオナルドに「会った時から言いたかった事」を叫びながら
アゴを目掛けて思いっきり・・・コブシを振う・・・。
レオナルド「(な!!!疾い!!!!?」」
百絵「紳士って言うなら!!!!!まずズボン穿けェ〜〜〜〜〜〜〜〜ッ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」
ドガーーーーーーーーーーーーーーーーーーーンッ!!!!!!!!!!!!!!
レオナルド「ぐぼ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜っ!!!!!!!!!!!!!!!!!!」
レオナルドは遠くに見える町外れの牧場へと吹っ飛んでいった・・・。
目を飛び出させて驚く2匹・・・。
シロ「!!!!!!!!!!!!!!!」
リンゼ「・・・・・・・・・・・す・・・・すごい・・・・・・・・・」
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
イデアの町外れ・・・アリッサの牧場・・・。
今日もアリッサは妹のマリーと牧場の仕事をしていた・・・。
しかし、牧場の売れっ子牛「も〜ゼ」が風邪を引いて熱を出していた・・・。
今日は姉妹仲良く、「も〜ゼ」の看病をしている・・・・。
アリッサとマリーはタライ一杯の氷水を二人で運んでいた・・・。
マリー「早く「も〜ゼ」良くなって欲しいナァ・・・」
アリッサ「ふふふ・・・そうね・・でも、獣医さんも明日には治るって言ってくれてるから大丈夫よ?」
心配そうにタライを運ぶマリーをアリッサは元気付けようとする・・・。
マリー「そうだよね!「もーゼ」良くなるよね・・・。」
アリッサ「ふふふ、きっと「もーゼ」はすぐに良くなるわ・・・天使様が舞い降りて「もーゼ」を助けてくれるわよ・・・」
もーゼ「も〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜・・・・」
牛舎内の少し離れた所から「もーゼ」の鳴き声が聞こえてくる・・・。
マリー「えへへへへへ・・・・・・・」
嬉しそうに笑うマリー・・・。
そして「もーゼ」のすぐ隣までタライを運んだ・・・。
その瞬間!!! 天井が破れて「天使」ではなく「黄色い悪魔」が舞い降りる・・・。
ドガーーーーーーーーーーーーーーン!!!!!!!!!!
ザバーーーーーーーーーーーーーーーーッ・・・・・・・
もーゼ「ぐもぉ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜ォッ!!!!!!!!!!!」
マリー「いやぁーーーーーーーーーッ!!!!!!」
アリッサ「何ッ!!??一体どういうことぉ〜〜〜〜〜〜〜ッ??????」
タライの氷水は落ちてきたレオナルドのせいで「もーゼ」にブッ掛けられてしまったのだ・・・。
マリー「うわーーーーーーーーん!!!!」
アリッサ「もーゼ!!大丈夫!!?」
もーゼ「ぐもぉ〜〜〜〜〜〜〜〜〜ッ!!!!!」
涙を滝のように流す「も〜ゼ」・・・・・。
マリー「うえぇぇぇ〜〜〜〜ん!!!!!も〜ゼッ!!も〜ゼェェ〜〜〜〜〜!!!!」
もーゼ「ぐ・・・・・もぉ〜〜〜・・・・・!!!!!」
も〜ゼの青白かった顔が段々と赤くなってくる・・・もーゼは怒っているようだ・・・・
レオナルド「・・・・・・・・ぐ・・・ふぅ〜〜〜〜〜・・」
半分気を失っているレオナルドに「もーゼ」が容赦なく一撃をぶち込む・・・
ズドンッ!!!!!!!!!!!!!!!
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
この後、アリッサは国家警察を緊急で呼ぶ・・・。
そして、レオナルドは「ティモーレわんぱく動物園」に搬送される事となった・・・。
この一ヶ月後、過剰なる調教を受けたレオナルドは「黄色い服を着た不思議なくまさん、レオナルド」として
子供の間で評判となり、動物園の人気者として動物園の売り上げに貢献することになる事を、今はまだ・・誰も知らない。
○百絵 vs ●レオナルド (決め技 : 「百絵奥義、百戦錬磨」+ つっこみ! アッパーカット!!)
レオナルドがいなくなった丘の上。
百絵がリンゼとシロに駆け寄っていく・・。
百絵「リンゼ、大丈夫??」
リンゼ「うん・・・・、これっくらい・・・ヘッチャラだよ・・・」
明らかに無理をしているリンゼ・・・。
百絵「・・・・・・・できるかなぁ・・・??」
眉をしかめて、肉球の付いた両手をリンゼの傷口に当てる百絵・・・。
百絵「・・・・・・・・・」
シロ「!!!まさか!あんた魔法が使えるのかい!?」
シロが言葉を発して間もなく、リンゼの傷口はみるみる塞がっていき、レオナルドと闘う前の状態まで回復した!!
リンゼ「!!!!す、すごい!!魔法を使える野うさぎなんて!!!」
百絵「あはは・・・・(一応、探検家だもんねぇ〜・・・・)」
バサバサっと翼を仰ぎ上空に飛び上がるリンゼ・・・。
嬉しそうに上昇気流に乗り、空の散歩を楽しんでいる・・・。
急降下して裏の崖に舞い降りては、又、上空に昇るリンゼ・・・。
シロ「ふふっ、あんなにはしゃぐリンゼは・・・はじめて見たよ、あたい・・・・」
百絵「ふふふ・・・よかったわ・・・」
しばらくするとリンゼは百絵に向かって何かを落としてきた・・・。
百絵「なに!!???」
ドサドサドサッ・・・・
シロ「ははは、鮎だよ・・・」
裏の崖は川になっていて新鮮な魚がたくさん泳いでいる・・・。
リンゼはその魚を獲ってきたようだ・・・。
リンゼ「僕からのお礼だよ、一緒に食べよう・・・百絵ちゃん」
ふわっと舞い降りて百絵達に話しかけるリンゼ・・・。
そして、リンゼとシロは「ナマ」のまま、鮎にカブリつこうとした・・・・。
百絵「ちょっと待ってよ!!!私が調理してあげるから待ってて・・・!」
そういうと百絵は鮎を三匹抱えて、掘っ立て小屋の方へと向かっていった・・・。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
パチパチパチ・・・パチパチ・・・パチパチ・・・・・パチパチパチ・・・・・・・・・
リンゼ「・・・・・・・・・・・・」
シロ「・・・・・・・・・・・・・」
百絵「むぅ〜〜〜?そろそろ焼けたかナァ???」
焚き火を熾して火で鮎を焼く百絵・・・。
鮎は串で刺されて・・・掘っ立て小屋にあった塩で味付けされている様子だ・・・・。
リンゼ「百絵ちゃんって・・・・本当にすごいねぇ・・・」
百絵「えっ?何が・・・?」
シロとリンゼに焼いた鮎を渡す百絵・・・
シロ「あぁ・・・あたいも・・火を熾す野うさぎは始めて見たよ・・・。」
百絵「(ギクッ!!!!!)」
リンゼ「百絵ちゃんは強いし・・・魔法も使えるし・・火も熾せるし・・・まるで「人間」みたい・・・」
百絵「(ギクギクッ!!!!!)」
百絵は少し汗をかいて苦笑いしながら、おそるおそるシロとリンゼに問いかけた・・・。
百絵「もし・・・私が「人間」だったら・・・どうする・・・?」
シロ「あっはっはっはっは!ありえない事言うんじゃないよ・・・?」
ケタケタっと笑うシロ・・・
しかしリンゼは鮎を食べながら・・・真剣な顔をしてこう言った・・・。
リンゼ「多分・・・二度と近寄らないと思うよ・・・」
グサッ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
百絵の心に大きな傷跡をつける一言・・・。
百絵は泣きそうな顔をして問いかける・・・。
百絵「うううぅ〜〜〜私の事・・・嫌いになっちゃう・・・?」
シロ「リンゼ!「もしも話」に真剣にならなくっても・・・・」
合間で百絵のフォローをしようとするシロを流して会話を続けるリンゼ・・・。
リンゼ「百絵ちゃんは「飼いうさぎ」だから・・・人間の「いい部分」しか知らないみたいだね・・・・」
百絵「えっ・・・?どういう事・・・???」
鮎を食べ終えたリンゼは百絵を掴み、空へと羽ばたいていく・・・。
シロ「ちょっと!あたい「猫舌」だから!!まだ食べ終わってないんだよ??」
熱そうに鮎を急いで食べようとするシロ・・・。
百絵も食事の途中で掴み上げられている・・・。
百絵「ちょっと・・・リンゼ」
鮎を食べ終わり串を落とす百絵・・・。
リンゼ「百絵ちゃんに見せてあげるよ・・・「人間の姿」ってヤツを・・・」
そういうと町の方へと百絵を掴んで飛んでいく・・・。
シロ「まったく!!あたいは留守番かい〜〜〜〜〜ッ・・?」
大声で呼びかけるシロを無視して飛んでいくリンゼ・・・。
その顔は少し・・・怒りにも似た表情を見せていた・・・。
百絵「・・・・・・・・・。」
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
しばらく飛ぶと掘っ建て小屋の裏を流れる川の下流に差し掛かった・・・。
そこには人間の子供の姿が見えている・・・。
リンゼは子供のすぐ近くの木の上に止まり・・・百絵を降ろした・・・・。
百絵「??どうしたの、リンゼ・・・?こんな所に連れてきて・・・?」
不思議そうにリンゼに問いかける百絵・・・。
リンゼ「・・・・・・・」
百絵「・・・・・???」
リンゼの視線の先を不思議そうに見る百絵・・・。
そこで思いもかけない物を見る事になる・・・。
百絵「!!!!!!!!!!」
少年A「アハハ!!!この悪者め!死ねぇ!!!!」
少年B「そうだ!!正義の味方が成敗してやる!!!!」
黒い子猫「にゃぁ〜〜〜〜にゃぁ〜〜〜〜〜〜〜・・・・」
黒い子猫を相手に「ヒーローごっこ」をしている人間の子供・・・。
どうやら「黒い子猫」を悪者に仕立て上げているらしい・・・。
少年Aは黒い子猫のシッポを掴みブンブン振り回す・・・・。
黒猫「にゃぁ〜〜〜〜(助けて〜〜、僕は・・・なんにも・・・悪い事してないよぉ〜〜〜)」
ぽろぽろと涙を流して命乞いをする黒い子猫・・・。
少年達には遊びでも・・・黒い子猫にとっては命がかかっている・・・。
少年B「あはは!!変な声で鳴いてるぞ!!この「不幸の使者」め!!!!!」
少年A「思いっきり叩きつけてやろうか??」
百絵「!ナッ???と、止めないと!!!」
勢いよく木の上から飛び出そうとする百絵・・・・
しかし、それをリンゼは強く止める・・・。
リンゼ「ダメだよ・・・止めちゃ・・・」
百絵「ナッ!?アレを止めないでどうするって言うのよ!!??あの子(黒い子猫)が死んじゃうよ????」
興奮してリンゼに怒鳴る百絵・・・。
しかし、リンゼは悲しそうにこう答える・・・。
リンゼ「ここで止めるのは簡単だけど・・・明日には「保健所」の奴らがやってきて動物を皆殺しにしてしまうからだよ・・・」
百絵「!!!!!」
こういう事はよく聞く話である・・・。
人間が動物を虐待する・・・。動物しかいない場所へ「土足」で入り込み・・・自然を壊す人間・・・・。
リンゼが百絵に見せた「人間の姿」は・・・・ほんの些細な一部分でしかない・・・。
リンゼ「前にもあったんだ・・・こういう事は・・・僕の仲間がノラを助けて、みんな・・殺された・・・」
百絵「だ・・・だけどッ・・・・」
涙を浮かべる百絵・・・。
歯を食いしばりリンゼの方を見る・・・。
百絵「!」
リンゼ「・・・・・・・・・」
リンゼの掴んでいる木の枝はミキミキッ・・・と音を立てている・・・。
リンゼとて・・・黒い子猫を助けたい一心なのである・・・。
リンゼ「町に行けばもっと悲惨なのを見ることになる・・・森に行けば娯楽として弓で射られる仲間もいる・・・」
百絵「ぐうぅぅッ・・・・・・」
涙を堪え切れずにポロポロと泣き出す百絵・・・。
百絵にこの現状を止める力はあっても・・・他の動物達が殺されてしまう・・・・。
百絵には・・・・残念ながら止める事はできないのだ・・・・。
そして・・・・少年達の遊びも終わりを告げようとしていた・・・・。
少年A「さぁ!死んでしまえぇ〜〜〜〜〜ッ!!!!!」
黒い子猫「・・・・・・」
振り回され続けた黒い子猫は瞳孔が開き・・・瞳は絶望の色に染まっていた・・・・。
百絵「!!!!!」
その時・・・地面からモコモコっと・・・・まるでモグラが近づいてくるように土が隆起してくる・・・。
少年B「ちょっとカッちゃん!!!何アレ!!!??」
カッちゃん「なんだよ?タッちゃん!!!今が一番いい所なのに!!!!???」
百絵「・・・・・・??」
リンゼ「?」
地面からモコモコっと近づいてきた土の隆起が・・・・・少年達の前で止まる・・・。
ガバァァーーーーーーーーーーッ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
ヤスノV「うりゃぁ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜ッ!!!!!!!!!!!!!!!」
カッちゃん「うわぁ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜!!!!!!!!!!!!!!!!!」
タッちゃん「ひぇぇ〜〜〜〜〜〜〜!!!!!!!!!!!!!!!!!」
百絵「ぶっ!!!!!!!!!」
思わず、ふきだしてしまう百絵・・・。
リンゼ「な、なんだ?あいつわッッ!!!????」
ヤスノX「誰が呼んだか?人知れず!!!ヤスノX!!!!!地から湧き出て!ただいま参上ォ!!!!!!」
リンゼ「・・・・・・・・・」
口をあけて呆然としているリンゼ・・・。
「このタイプ」の人間を見るのは・・・・初めてのようである・・・・。
百絵「ここで「湧き出す」所がヤスノVの「ダメな所」だと思う・・・・・。」
同感である・・・。
湧き出たヤスノVは土まみれで肩には「ミミズ」が引っ付いている・・・。
一張羅の「青いマント」も枯れ葉がたくさん付いていておおよそ「ヒーロー」とは思ってもらえない姿をしている・・・。
カッちゃん「なんだよ!!!あんた・・なんなんだよ?????」
ヤスノV「おれは!!!!!(自称)正義の味方!!ヤスノVだ!!」
さわやかに歯を光らせて笑うヤスノV・・・・
カッちゃん「!!!!!!」
タッちゃん「!!!!!!」
汗をふき出しながら・・・衝撃を受けるカッちゃんとタッちゃん・・・・。
カッちゃん「おれ・・二度とヒーローごっこしない・・・・」
タッちゃん「・・・・・・・おれも・・・・・」
ヤスノV「おぃ!!どういうことやねん???」
ぐったりした黒い子猫を抱き上げて「あおざる印の回復薬」を飲ませるヤスノV・・・。
カッちゃん「シラケた〜〜〜〜!!!帰ろうぜ!タッちゃん!!」
タッちゃん「あぁ!!」
蔑んだ目でその場を後にしようとした二人を・・・・ヤスノVが止める・・・。
ヤスノV「ちょっと待て!!二人共!!!」
少し二人を睨み付けて・・・・アグラをかいて座り込むヤスノV・・・。
そして黒い子猫をアグラの上に寝かしつける・・・。
ヤスノV「この子猫に謝ってから帰るんだ、二人共!」
子猫を撫で続けるヤスノV・・・。
子猫には外傷は無いが・・・気を失っているようだった・・・。
カッちゃん「な、何言ってるんだ??バカじゃネェの???」
タッちゃん「そうだよ!!そいつは「不幸の使者」なんだぞ!!??悪いのはそっちさ!!!」
ヤスノV「誰が・・・そんな事を言ったんだ?」
カッちゃん「みんなだよ!大人だってみんな言うよ!」
タッちゃん「そうだよ!!不幸が訪れるって言うから俺達二人で退治してるんだ!」
さも、「自分が正しい」と言った表情の少年二人・・・。
タッちゃん「「不幸の使者」を庇うお前の方が「悪の手先」だ!!!」
カッちゃん「そうだそうだ!!!!俺たちは「正義」なんだぞ!!」
ヤスノV「・・・・・・・・・」
それを聞くとヤスノVは少年二人に怒鳴りだした・・・・・
ヤスノV「バカ野郎!!!「弱い者いじめ」のドコに「正義」があるっていうんだ???」
ヤスノV「黒猫を見なかった日は、全部「幸せな日」だったか?」
タッちゃん「えっ・・・それは・・・・・」
ヤスノV「黒猫を飼っている人はみんな不幸なのか?」
カッちゃん「それは・・・・その・・・」
ヤスノVは少年達の目を見つめてこう言った・・・・。
ヤスノV「「丸い茶筒も横から見れば四角」って言葉を知っているか??」
タッちゃん「??なにそれ?」
タッちゃん「知らないよ・・・??」
ヤスノV「いいか?黒い猫は不幸を運ぶんじゃない。不幸を知らせてくれているんだ・・・・。」
タッちゃん「!!?」
カッちゃん「どういうこと???」
ヤスノV「誰にでも「不幸」は絶対に起こるものだから・・・それを回避してね!って教えに来てくれているんだよ・・・」
カッちゃん「そうなの!!!!????」
タッちゃん「マジで!!!!!????」
ヤスノV「あぁ。」
百絵「・・・・・・・」
優しげにうなずく百絵・・・。
そして、真剣な眼差しでリンゼもヤスノVを見つめている・・・。
リンゼ「・・・・・・」
ヤスノV「そんな「黒猫」を「不幸の使者」なんて・・・可哀想じゃないか?」
タッちゃん&カッちゃん「・・・・・・・・・・・・・」
タッちゃん「・・・・・ごめんなさい・・・」
カッちゃん「・・・・・・僕達が・・・悪かったです・・」
素直に謝る二人・・・・。
無邪気な心から黒い子猫を襲っていたようだが・・・「無邪気」で済まない事もある・・・・。
ヤスノVはにっこりと笑ってこう言った・・・。
ヤスノV「今度からは!まずは「優しい心」を持ってくれ。わかったね?」
タッちゃん&カッちゃん「うん!!本当にごめんなさい。」
少年二人は下流を下り、帰っていこうとする・・・。
カッちゃん「でも、もう「ヒーロー」にはなりたくないね・・・・」
タッちゃん「うん!ミミズまみれなんて「かっこ悪い」もんね!!!」
ヤスノV「聞こえてるでェ!!!!ミミズって言わんといてェ〜〜〜〜!!!!!」
泣きながら二人に声をかけるが・・・・無視して帰っていった・・・・。
リンゼ「・・・・・・・・・」
百絵「ふふふ、ヤスノVらしい「解決の仕方」だったわ・・・・・」
ホッと胸を撫で下ろして笑いを浮かべる百絵・・・。
リンゼ「知り合いかい?あの・・・・「ミミズまみれ」さん・・・・」
百絵「えぇ・・・ウチの「落ちこぼれ」さんよ・・・・・」
どんどんかっこ悪い「二つ名」が付いていくヤスノV・・・・。
本人は何も知らずに心配そうに黒い子猫を撫で続けていた・・・。
黒い子猫「にゃ〜〜〜〜ん・・・(う〜〜〜〜ん・・・)」
ヤスノV「おっ・・・?気が付いたか??」
黒い子猫「?!!」
バリっ・・・・・・・・・・・・・・
ミミズまみれのヤスノVに怯えて黒い子猫は爪をたててヤスノVの顔を引っかいた・・・。
ヤスノV「ぐわ〜〜〜〜〜〜ッ???な、なにすんのん?????」
黒い子猫「にゃにゃ〜〜〜にゃにゃ〜〜〜!!!(人間なんてみんな敵だ〜〜〜〜〜ッ!!!!)」
ポロポロと涙を流しながら黒い子猫は走り去っていった・・・。
カッちゃんとタッちゃんの「した事」は黒い子猫に「人間の怖さ」というトラウマを染み込ませてしまっていたようだ・・・・。
百絵「ああッ・・・・!!」
リンゼ「・・・・・・・・」
しかし、ヤスノVは怒ることも無く・・・悲しそうに走り去っていく黒い子猫を見つめる・・・。
ヤスノV「・・・ごめんよ・・・・・・・・」
百絵「・・・・・・・・・・・・・・」
百絵「・・・悪い人は確かにいるけど、優しい人だって・・・ちゃんといるんだよ・・・リンゼ・・・・・」
リンゼ「・・・・・・・・」
複雑そうな顔のリンゼ・・・しかし、微かに微笑んで百絵にこう言った・・・。
リンゼ「みんな、優しい人ばかりなら・・・みんな(動物達)は怯えたりしないだろうね・・・・」
百絵「・・・・・・・・」
申し訳なさそうにリンゼを見つめる百絵・・・。
肉球のついた手でリンゼの頭を撫でる・・・。
リンゼ「・・・・・・・・・」
ヤスノV「ああっ!!!!!!!!!!」
ヤスノVが百絵達の方を向いて指を刺している・・・。
どうやら百絵達に気が付いたらしい・・・。
百絵「あぁ・・・見つかった・・・・・」
リンゼ「あははは・・・指、差してるね・・・」
百絵は苦笑いをしながら頬を指で掻いている・・・・。
その時、ヤスノVの口から百絵にとって予想外の言葉が発せられる・・・・。
ヤスノV「おれは!君の正体を知っている!!!!」
百絵「!!!!!!?」
リンゼ「???正体・・・?」
百絵「((あのヴァカ!!こんな時に!!!))」
ヤスノV「こっちに降りてきてくれ!!頼む!!話をしよう!!!」
リンゼ「百絵ちゃん・・・降りて来てって言ってるけど・・・・降りないの???」
百絵「あ〜〜〜・・・いいのよ・・・別に・・・・」
斜め下を向いて汗を垂らす百絵・・・。
リンゼ「あんなにいい人が飼い主ならば・・・早く帰ってあげなきゃ・・・・」
根本的に何か勘違いしているリンゼに百絵は激しく怒鳴りあげる・・・
百絵「冗談じゃない!!!!いくらリンゼでも・・・・殴るわよ!!?」
大きな声で怒鳴る百絵・・・・。
リンゼの頭に向かって握りこぶしを作った・・・。
当然、百絵は殴る気などは毛頭ないのではあるが・・・・・
リンゼ「えっ・・・?で、でも・・・」
リンゼは話の内容が見えていないようである・・・・。
そして又、話の内容が見えない木の下のヤスノVも・・・・
百絵がリンゼの頭に向かって握りこぶしを作った事で勘違いをしてしまう・・・。
ヤスノV「ああっ???フェイミンが襲われる!!!仕方ない・・・できれば「話し合い」で決着を付けたかったが・・・」
右手を空に向かって上げた後、コブシを作って地面に手を置くヤスノV・・・・
ヤスノV「ヤスノブースター!!!!起動!!!」
ヤスノVの「ヤスノブーツ」の形が変わり「ヤスノブースター」へと変化する・・・。
これにより、ヤスノVの体重は二分の一に軽減される・・・。
ヤスノV「とぉ〜〜〜〜〜〜ッ!!!!!!!!!!!!!!」
百絵「!!!」
リンゼ「んなッ????」
一瞬で7mはあろう木の上までジャンプするヤスノV・・・・。
「あおざる印」は伊達ではない・・・・。
ヤスノV「フェイミンを離せッ!!!!「デビル因幡」ァァ〜〜〜〜〜〜ッ!!!!!」
百絵「??????デビル因幡ッ???????」
リンゼ「えっ!?百絵ちゃんがあの有名な!???」
驚きの表情を見せるリンゼだが・・・・・どうやら「デビル因幡」は本当に存在するらしい・・・・。
眠傀の話はあながち「ウソ」ではなかったのかも知れない・・・。
その内容は・・・・天のみぞ知る・・・・・といったところであろうか・・?
ヤスノV「ヤスノッ!!!!ブレイダーーーーーーーーーーッ!!!!!!」
百絵「っくっッ!!!」
間一髪!!!ヤスノVの攻撃をかわす百絵・・・しかし斬られた木の枝と一緒に地面に落ちていく・・・。
百絵「クッ・・・まさか「ヤスノブースター」が完成していたなんて・・・・」
リンゼ「百絵ちゃん!!!!」
・・・・・・
百絵を落ちる前に拾い上げるリンゼ・・・。
しかし、ヤスノVは攻撃を止める事はしなかった・・・・。
ヤスノV「何!?フェイミンは「仲間」だったのか????」
リンゼ「ピィィ〜〜〜〜〜〜〜〜〜!!!!(百絵ちゃんに手を上げるなら僕が許さないぞ!!!!)」
威嚇の鳴き声をヤスノVに放つリンゼ・・・・・。
そして、ヤスノVに体当たりをする・・・・
ドガンッ!!!!!!
ヤスノV「ぐぼぉ〜〜〜〜〜〜ッ・・・・・」
くま紳士には及ばないまでも十分に強いリンゼの攻撃は見事にヤスノVの「みぞおち」にヒットした・・・。
百絵「あァッ・・・リンゼは手を出さないで・・・・」
リンゼ「何言ってるんだ!!さっき僕を助けてくれたのに見過ごせないよ!!!」
ヤスノV「っくっ・・・・何故こんな戦いをしなくてはいけないんだ・・・?」
クレスのせいである・・・・・。
百絵「とにかく今は逃げて!!そして安全な所で降ろしてくれたらリンゼだけ・・・・」
リンゼ「僕も戦うに決まってるだろ!!!シロにとって百絵ちゃんは「初めてできた友達」なんだ!!!」
百絵「あうぅぅ〜〜〜〜〜〜〜〜〜」
そういうとリンゼはシロのいる掘っ立て小屋の方へと向かっていった・・・。
ヤスノV「・・・・・・・・・」
ヤスノV「アレが・・・根城なのか・・・・?」
頭から墜落してリンゼ達を「頭で逆立ち状態」で見ているヤスノV・・・。
ヤスノV「残念だが・・・倒すしかない!!!」
ヤスノVはヒラリと起き上がりダッシュで「掘っ立て小屋」に向かっていく・・・。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
ヤスノV「何処にいるんだ・・・・・・・・・・・?」
「掘っ立て小屋」に着いて周りを見渡すヤスノV・・・。
その時、屋根の上から白い猫がヤスノV目掛けて爪で襲い掛かってくる・・・・。
バリッ・・・・・・
ヤスノV「いてぇ〜〜〜〜〜〜〜〜ッ!!!!なんで今日はこんなに引っかかれるんだ????」
シロ「ふんッ・・・あたいの「ダチ」に・・・手ェ出すんじゃないョ・・・・」
百絵「うぅぅ・・・・・しょうがない!もうヤスノVは「ヤっちゃおう」・・・・。」
小屋から出てきて、申し訳なさそうにヤスノVにコブシを振う百絵・・・。若干「手加減」をしようとしたが・・・・・
それが「アダ」になってしまう・・・。
スカッ・・・・・・・
百絵「!?」
百絵が殴ろうとした「分身」は消えてしまい・・・背後にヤスノVが現れる・・・。
「ヤスノブランチ」である・・・・。
百絵「しまった!!!」
ヤスノV「食らえ!!!!ヤスノッ!!!ブラボー!!!!!!」
百絵「????ヤスノブラボー????」
困惑する百絵を他所に真剣に剣を振うヤスノV。
ヒュヒュヒュン・・・・・
するとヤスノVの剣が三方向から百絵を襲ってくる・・・。
百絵「新技!?」
説明しよう! ヤスノブラボーは「ブル衛門」の「ぶるぶる腱鞘剣」を見様見マネで練習した新技である。
剣を振うときにブレて残像が発生し、三方向からターゲットを狙うのである。
これによりヤスノVの攻撃ヒット率は通常の三倍となる・・・・はずである。
しかし、剣が増えているわけではないので攻撃力が上がる事は無い・・・。
決して、報告書で報告された技名「ヤスノブラジャー」ではない事を付け加えておこう・・・・。
百絵「・・・避けれない???」
背筋に寒気が走る百絵・・・・。
ヤスノV「もらったぞ!デビル因幡!!!!」
リンゼ「防御神風〜〜〜〜〜ッ!!!!!」
剣が当たる瞬間・・・ヤスノVの真横から思いっきり翼を仰ぐリンゼ・・。
すさまじい風がヤスノVの真横から襲い掛かる・・・。
ヤスノV「なっ????」
体勢を崩して剣が一本に戻るヤスノブラボー・・・。
百絵は紙一重でヤスノブレードを避ける・・・・。
人間は正面の攻撃には強いが・・・真横からの攻撃には非常に弱い・・・。
リンゼの熾した風は・・・・容易くヤスノVの体勢を崩す事ができたのだ・・・。
百絵「あ・・ありがとう!リンゼ・・・」
リンゼ「へへへ・・・僕も結構やるだろ?」
ヤスノV「くそぉ・・・「デビル因幡とその仲間達」めぇ〜〜〜〜ッ」
シロ「あたいたちの「ダチ」は絶対に守ってやるよ!!!」
百絵「シロ・・・・・」
少し涙目になってシロを見つめる百絵・・・。
シロは少し赤い顔をして百絵にアイコンタクトする・・・。
ヤスノV「・・・・・・・・・・・・」
ヤスノV「やるしかない・・・・か・・・・」
ヤスノVは剣を空高く持ち上げた。
ヤスノV「いくぞ!デビル因幡達!!ヤスノブレードから繰り出す俺の必殺技をくらえ!!」
リンゼ「何がくるんだ!!!??必殺技??」
このシチュエーション・・・・また・・・・「ヤスノブーム」を出すつもりのようだ・・・。
百絵「・・・・・このヴァカ・・・」
呆れた顔をしてシロとリンゼに百絵はこう言った・・・・・。
百絵「大丈夫・・・「ハッタリ」だから・・・」
シロ「なんだぃ・・・驚かせるんじゃないょ・・・・」
リンゼ「姑息な手段は・・・軽蔑するょ・・・・」
ヤスノブーム・・・・とうとう「ハッタリ」になってしまう・・・。
ヤスノV「食らえ!!ヤスノッ・・・ブーーーームッ!!!」
ブンッ!!!!!!!!!!!!!!!
ヒュ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
百絵「・・・・・・・・やっぱり・・・」
剣はすっぽ抜けて百絵の上空を飛んでいく・・・・。
シロ「ホントにヴァカな人間だね・・・」
リンゼ「大事な剣を・・・・飛ばすなんて・・・・」
ヤスノV「・・・・・・・・・・・・」
百絵「!!!!!!えっ???」
ここで百絵は違和感を感じる・・・。
百絵「おかしい!!ヤスノVならここで「俺の剣!飛んでってもうたぁ〜〜〜!!」とか言って泣きながら走り出すはずなのに・・・」
ヤスノV「・・・・・・」
黙りながら百絵を見つめるヤスノV・・・・微妙に気色が悪い・・・・。
その時、動物の勘が働いたシロが百絵に体当たりをする・・・。
ドカアァ〜〜〜〜〜〜ッ!!!!
百絵「きゃ〜〜〜〜〜ッ!!!!!」
シロ「百絵ちゃんッ!!大丈夫かい?・・・・・ッ痛ゥゥ・・・・・・」
リンゼ「大丈夫か???シロ!百絵ちゃん?」
慌てて二人のもとへ飛んでいくリンゼ・・・・。
ヤスノV「くそっ!!もうちょっとだったのに!!!」
パシッ・・・・・
百絵たちの後方から戻ってきた剣「ヤスノブレード」を手に取るヤスノV・・・。
・・・・・・・・・・開発局を出る前・・・・
やすのぶ「じゃ、あおざるさん・・・・行ってきますね・・・。」
数日前に新しく支給された「ヤスノブレード」をソファーから取り上げて「大きなカバン」にしまい込むやすのぶ・・・。
あおざる「そうだ!実はそれ、ちょっと「細工」を追加してるんだ・・・。」
急いでやすのぶに説明するあおざる・・・。
やすのぶ「細工???」
あおざる「そう!もしも「ヤスノブーム」が失敗して剣が飛んでいっても、自動的に戻ってくるように細工したんだ!!」
やすのぶ「すごい!!!そんな事までしてくれたんですか???」
あおざる「大事な剣だからね・・・何処かに行ったら大変だろう?
それに軌道を合わせたら敵にも当てられるから「必殺技」にもなるよ・・・」
やすのぶ「ひ、必殺技!?」
ニヤッと笑い、あおざるは手を突き出して、やすのぶにこう言った・・・。
あおざる「その名も「ヤスノブーメラン」だぁぁぁ〜〜〜〜〜〜ッ」
やすのぶ「うぉ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜ッ!!!!!!!!!ありがとう!!あおざるさん!!!!!!」
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
ヤスノV「「ヤスノブーメラン」は・・・不発かぁ〜〜〜〜悔しいナァ〜〜〜〜ッ」
百絵「・・・・・・・・・・・・」
少し涙目になる百絵・・・・。
百絵「あの「さる」・・・・・・余計な事を!余計な事を〜〜ッ!!!!!」
肉球のついた手で涙を拭う百絵・・・・。
シロ「かすり傷さ・・・・まだまだ・・・」
リンゼ「くそ!!!油断した!!」
シロの傷を見た百絵の顔色が・・・・殺気を帯びた顔色に変わる・・・。
ヤスノVは百絵を完全に怒らせてしまったようだ・・・。
百絵「リンゼ!!確か「掘っ立て小屋」の中に「おもちゃの弓」と「木の矢」があったよね??」
シロ「・・・?」
リンゼ「確かにあるけど・・・まさか・・・使うのかい・・??」
ヤスノVを牽制しつつ、百絵に答えるリンゼ・・・。
百絵「時間・・・30秒稼いでくれる??」
シロ「ふふふ、あんたって「野うさぎ」は・・・本当に大したヤツだよ・・・」
尊敬にも似た眼差しで見つめるシロ・・・。
そして、リンゼもまた同様に百絵に答える・・・。
リンゼ「任せてくれ!!百絵ちゃん!!」
それを聞くと百絵は一目散に「掘っ立て小屋」に走り出す・・・。
ヤスノV「あっ!?待て!!デビル因幡!!!!」
それを見たヤスノVは逃げると思い、シロ、リンゼを無視して「掘っ立て小屋」に向かう百絵に再度、
「ヤスノブーメラン」を放とうとする・・・・。
リンゼ「させないよ!!!「防御神風」!!!!!」
リンゼの翼から百絵を庇うため、渾身の「つむじ風」が吹き荒れる・・・。
ヤスノV「くっ・・・腕を・・・・・・振れない・・・?」
ヤスノVは腕を振るどころか、前に進む事もできずに踏ん張る事で精一杯の様子だ・・・。
「ヤスノブーメラン」を放つ余裕などない・・・。
その風に乗ってシロがヤスノVに「さっきのお返し」をプレゼントしに襲い掛かる・・・。
シロ「白猫!!烈爪斬!!!!」
バリバリバリバリバリバリバリバリバリバリ!!!!!!!!!!!!!!!
ヤスノV「うわ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜ッ!!!!!!!いててててててッツツ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜ェ!!!!!」
ヤスノVの顔に向かって何度も引っかくシロ・・・。
ヤスノV・・・猫の「必殺技」に翻弄される・・・。
その時、「掘っ立て小屋」に向かった「史上最強の野うさぎ」の「必殺技」もまた、ヤスノVに襲い掛かろうとしていた・・・。
百絵「・・・・これでよし・・・」
立てかけたおもちゃの弓に向かって、両手で矢を持った百絵が走り出す・・・。
タイミングよくジャンプして矢を引っ掛けて弓を引く百絵・・・・。
百絵「「百絵奥義!百発百中ッ!!!!」・・」
バシュッ!!!
矢はヤスノVとは全然違う方向に飛んでいく・・・・。
それがゆえにヤスノVもまったく矢には気付いていないようだ・・・。
しかし、しばらくすると・・・矢は大きな弧を描いて軌道を変えていく・・・。
説明しよう!!
百絵の「百絵奥義、百発百中」は、どんな方向から放っても軌道を変えて、必ず当てたい所に当てる事ができるのだ!!
百絵のSランクの理由はこの技にある・・・。
しかし、矢のコントロールの為に矢を魔力で過剰に覆う為、攻撃力は「通常の半分」に落ちてしまう事を付け加えておこう。
ヤスノV「くそ!!この白猫!!いい加減にしてくれよ!!?」
懸命にシロを追い払うヤスノV・・・。
その時、完全に百絵の攻撃に油断しているヤスノVの眉間に・・・・百絵の矢が襲い掛かる・・・。
ドカッ!!!!!!!!!!!!!!!!!!
ヤスノV「ンガッ?????????????????」
矢はヤスノVに刺さらないまでも・・かなりの衝撃を与える・・・。
その威力はヤスノVが気絶するには十分のものであった・・・・。
(良い子のみんなは真似をしないで下さい(´▽`;)/)
シロ「やった!!!!!」
リンゼ「僕たちの・・・・勝利だ!!!!!」
百絵「ふぅ・・・・・「おいた」が過ぎたわね・・・・やすのぶ君・・・・」
ドサッ!!!!!!!!!
ヤスノVは無惨に「白目」を向いて気絶している・・・。
ここに「ヤスノVvs百絵」の勝負は決着がついたのだ・・・。
●ヤスノV vs ○百絵 (決め技 : 「百絵奥義、百発百中」)
安心する百絵たち・・・。
バッ!!!!!!!!
しかし、ヤスノVは白目を向いたまま・・・一気に百絵に駆け寄り片手で百絵を掴み上げる・・・!!!!!
百絵「えっ??」
シロ「?」
リンゼ「?」
一瞬の出来事に目を疑う光景・・・。
完全にグロッキー状態のはずのヤスノVが今までとは段違いのスピードで百絵を掴み走り出していく・・・。
百絵「!!!?このスピード・・・・ヤスノVじゃ・・・ない・・??」
その速さはイデアツーリスト、Sランクの百絵でさえも驚く程のスピードだった・・・。
「掘っ立て小屋」を一っ飛びで飛び越えるヤスノV・・・。
リンゼ「??何が???起こったの??シロ・・・?」
シロ「???百絵ちゃんは???あのヴァカは???」
ヤスノVのスピードに目が付いていかなかったシロとリンゼ・・・。
ヤスノVは裏の崖を更に飛び越えて森へ行こうとする・・・。
百絵「そんな・・・?いったい・・・?どういうこと??」
ヤスノV「・・・・・・・・・・・」
パキーン・・・・・・・・・・・・
「崖」から飛ぼうとした瞬間、ヤスノVの履いている「ヤスノブースター」から何かが割れる音がする・・・。
百絵「!!」
ヤスノV「!!!!????」
その瞬間、ヤスノVも正気に戻る・・・。
ヤスノV「!!?へっ??おれ・・・・何してんの??って・・・・うわ〜〜〜〜ッ!!!!なんで崖やねん!?」
ヤスノVの「ヤスノブースター」は壊れて、その効果が完全に停止してしまっていた・・・。
当然、ヤスノVは空高く飛ぶ事も、飛び降りた衝撃を殺す事もできない・・・。
悲しくも力一杯、耳を握られた百絵もヤスノVと同様、崖を落ちていく事になる・・・・。
百絵「いや〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜ッ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」
ヤスノV「いや〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜んンッ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」
ドボーーーーーーーーーーーーーーーーーーン・・・・・・・・・・・・・
シロ「!!!裏の川から音が・・・?」
リンゼ「行ってみよう!!!」
ヤスノV「・・・・・・・・プハッ!!!!ここの川・・・意外に深いぞ!!!!ある意味、助かった・・・・」
川に真っ逆さまに落ちたヤスノV・・・。
意味がわからない様子で川辺にたどり着こうとする・・・。
ヤスノV「!!」
その時、何かしらリボンを付けた物体がプカリと浮かぶのを見つけるヤスノV・・・。
ヤスノV「あれは!!デビル因幡か!!!!!」
そういうとヤスノVはリボン目掛けて目一杯の力で泳ぎ出し・・・思いっきり掴み上げる・・・・。
ヤスノV「観念しろ!!!デビル因・・・・・バァァ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜ッ!!!!!!!!!??????」
百絵「ゲホッゲホッゲホッ・・・・・」
ヤスノVの掴んだリボンは百絵のポニーテールについていたリボンであった・・・。
百絵は川に落ちたショックで人間に戻ったのである。
ヤスノVは目の前にいる上司、百絵に不思議そうな顔で問いかける・・・・。
ヤスノV「あ〜〜〜〜・・・水浴び・・ですか?百絵さん???」
少し笑って百絵に問うヤスノV・・・。
ヤスノVは野うさぎが百絵であったとは思ってもいない・・・。
しかし、百絵の形相は「優しい上司、百絵」ではなく、「飢えた狼」のような形相をしていた・・・。
ヤスノV「えっ?えっ?えっ?・・・・・・何を・・・怒って・・いらっしゃるので・・・・しょうか??」
理由が判らず困った顔をしているヤスノV・・・。
その時、百絵の口から思いがけない言葉が飛び出してくる・・・・・。
百絵「やすのぶくん・・・・・」
ヤスノV「はい・・・・百絵さん?」
百絵「今月の査定・・・・・楽しみに・・・してなさい・・・・・」
ヤスノV「!!!!!!!!!!??????????????」
困った顔で泣きだすヤスノV・・・。
ヤスノVを他所に・・百絵は、ふと・・・崖の上を見上げる・・・。
すると、シロとリンゼが二人の様子を見ていたようだ・・・。
シロもリンゼも目を大きく開けて驚いていたようだが、百絵がこちらを見ていることに気が付くと逃げるように・・・
どこかへ行ってしまった・・・・。
百絵「あっ・・・・・・・」
声もかける間もなく逃げていったシロとリンゼに悲しそうな表情でうつむく百絵・・・。
ヤスノV「ううぅぅうう〜〜〜〜ッ・・・・・なんで?なんで査定???」
百絵「うっさい!!!あんたが悪いのよ!!!!」
ガンッ!!!!
ヤスノV「えっ?えっ?えっ?俺が???なんでェ〜〜〜〜???」
この後、ヤスノVと百絵は・・・ずぶ濡れのまま・・・会社へと戻っていった・・・・。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
やすのぶ「今日は・・・散々だったなぁ・・・・・・」
ガンッ!!!!
百絵に殴られるやすのぶ・・・。
ヤスノV「えっ?えっ?えっ?なんで〜〜〜〜???」
普段は優しく、絶対殴ったりはしない百絵も今日ばかりは、やすのぶに手を上げている・・・。
ヤスノVに襲われた事もあったが・・・・シロとリンゼの事が百絵には・・どうしようも無く、やりきれない思いであった。
やすのぶ「うぅ〜〜〜・・・意味がわかんない・・任務も失敗だし・・・お金も貰えないよォ・・・・」
ガチャ・・・・・・・
会社のドアを開けるとクレスが「キセル」を持って、カウンターを後向きに座っていた・・・。
その雰囲気は「宿屋の女将」にも似たような物がある。
やすのぶ「・・・・・・・・・・・」
百絵「・・・・・・・・・・・」
ふっと「人生に疲れた笑い」を見せながら振り向き、クレスはこう言った・・・。
クレス「今日は、もう店じまいだよ・・・悪いけど・・・帰っとくれ・・」
クレス「あ゛ッ・・・!!!」
やすのぶと百絵に気付くクレス・・・。
クレス「なんだ!?百絵ちゃんにやすのぶくんじゃないの????」
恥ずかしそうにキセルを「大きなカバン」にしまい込むクレス・・・。
やすのぶ「あんた、何やってんだ・・・・?」
やり切れなさそうな顔でクレスに問いかけるやすのぶ・・・。
クレス「あはは〜ッ・・・おけなさんに「ハンカチ」取られた腹癒せに来る客みんな「ボイコット」してたの・・・・」
さらっと社員とは思えない言葉を出すクレス・・・。
百絵は顔を赤くしている・・・。
クレス「あっ!!百絵ちゃん!!一度会社に来てたんでしょ?起こしてくれたらよかったのにぃ〜〜〜・・・」
百絵「・・・・・・・・・えぇ・・・」
クレス「「薬」飲んでどうだった?すばらしい世界が目の前に広がったんじゃない??」
やすのぶ「???「薬」???」
百絵「えぇ・・・・それは・・・もう・・・・・・」
クレス「ふふふ!!よかった〜〜〜〜〜・・・」
話の見えないやすのぶを他所に百絵はクレスに向かって歩いていく・・・。
百絵は・・・・・嬉しそうな顔で微笑むクレスにこう言った・・・・。
百絵「社長に・・・・・さっきの・・・「報告」しておきますね・・・・・。」
クレス「え゛ぇ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜ッ??????なんで??なんでッ?????」
やすのぶ「いや・・・・当然でしょう・・・?」
クレス「黙れ!やすぼぶ!!!」
やすのぶ「んな・・・・」
わざと名前を間違えるクレス・・・。
サンタ帽子を脱いで百絵に泣きながら許しを請う・・・・。
クレス「お願い!!!「バケツパフェ」おごるから!!!黙ってて〜〜〜〜〜ッ!!!!!!!」
百絵「結構です・・・」
プンっと顔を背けて会社を出ようとする百絵・・・。
ドアを開けると大きな鳥が一羽、会社へと入ってくる・・・。
バサバサバサバサバサッ・・・・・・・フワッ・・・・・・
やすのぶ「アアッ!!!?お・・・お前は!!!?」
クレス「???フェイミン・・・?」
百絵「リ・・・・リンゼ・・・?」
リンゼ「(ふふふ・・・来ちゃったよ・・・)」
百絵の肩に舞い降りるリンゼ・・・。
百絵「(えっ?どういうこ・・・えっ???言葉がわかるわ!!!?)」
人間の姿をしているにも関わらずリンゼの言葉を理解できる事に困惑する百絵・・・。
リンゼ「(百絵ちゃんみたいな「人間」だったら・・・・もう一度、信じてみようと思ってね・・・)
百絵「(あ・・・ありがとう・・・・・リンゼ・・・)」
涙を浮かべてリンゼを抱き寄せる百絵・・・。
それに水を差すように大声を上げるやすのぶ・・・。
やすのぶ「貴様!!デビル因幡の仲間だよな!!?」
クレス「?????・・・・何「子供向けの物語」の話してるの?やすのぶくん・・・・」
やすのぶ「えっ????「子供向けの物語」???」
呆れた顔のクレスに青い顔をして問いかけるやすのぶ・・・。
どうやら眠傀に「子供向けの物語」の話を聞かされて信じ込んでいたらしい・・・。
百絵「(リンゼ・・・シロは一緒じゃないの・・・?)」
リンゼ「(ふふふ・・・縄張りをしばらく守るって言ってくれたよ・・・「後継者」ができたら顔を出すってさ・・・)」
百絵「(そっか・・・・又、会いたいな・・・シロ・・)」
嬉しそうに微笑む百絵・・・その表情は何時にも増して美しく・・優しい表情になっていた・・・・。
クレス「・・・・・・百絵ちゃん・・・そのフェイミン・・・ペット・・?」
あまりに仲の良い様子を目の当たりにし、笑顔で問いかけるクレスに百絵はこう言った・・・。
百絵「・・・・・・ふふふ、違いますョ・・・」
百絵「かけがえの無い・・・・「仲間」です・・・・。」
この日より、百絵は動物の言葉を理解し、いろいろな動物と気持ちが通じることができるようになる・・・
百絵はイデアツーリストの心優しい査定員である・・・。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
百絵「・・・・・・・・・・・ふふふ・・」
一人、残業をして査定書を書いている百絵・・・。
査定書を書き終えて苦笑いする・・・。
百絵「さすがに・・・可哀想か・・・これじゃ・・・」
百絵はデスクマットの下に遊び半分で書いた「やすのぶの報告書」をしまい込む・・・。
百絵「今日は疲れたし・・・まじめな査定書の記入は明日にして・・・そろそろ帰ろッか?リンゼ・・?」
リンゼ「(ふふふ、そうだね・・・みんな、帰っちゃったしね・・・)」
おとなしくソファーで待っていたリンゼが百絵の肩に舞い降りる・・・。
百絵はリンゼと共に家路を目指した・・・。
今のリンゼの心には「人間への信頼」で満ち溢れている・・・・・。
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報告書
氏名 : やすのぶ
ヒーロー名 : ヤスノV
依頼内容 : 野うさぎの狩り
今回の報酬 : 0ドニア
月賦 : 2ドニア(※備考記入)
遂行可能ミッションレベル : S
査定評価
イデアツーリスト内ランク 最下位
勤務期間 47日
備考
・ヤスノV用装備「ヤスノブースター」支給済み。破損した為、再度支給を検討します。
・「ヤスノブレード」への特殊細工済み。「ヤスノブーメラン」使用可能。
・図書館で油売ってた為、減給とします(個人的感情は一切なしw 反省しなさい、やすのぶくん。)
・個人的な特訓により「ヤスノブラボー」習得、しかし欠点を発見しました。(※下記記載)
・戦闘での「荒さ」が非常に目立ちます。至急「特訓」の必要あり。
・ヤスノVが気を失ったとき「不思議な力」が発動、調査に入ります。
ヤスノV 必殺技
・ヤスノブランチ 最大3体まで分身を作る。(連続しての使用は不可能と分析しました。)
・ヤスノブレイダー ホントにショボイ大切り(これは「スキル」のレベルに達していません。)
・ヤスノブーム 私のときも出なかったです。(夢って寝ながら見るものなのに・・・)
・ヤスノブーメラン 飛ばした武器が戻ってくる。(ヤスノブーム失敗対策)
・ヤスノブラボー 剣の残像を放ちます。(命中率UP? 腕の付け根でバレバレでした。)
査定員 百絵
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ここから先は余談である・・・。
やすのぶ「へへへ・・・クレスさんには「任務失敗」でお金は貰えなかったけど・・・・」
嬉しそうに「大きなカバン」から「紙袋」を取り出すやすのぶ・・・。
やすのぶ「眠傀さんにもらった「魔法のクッキー袋」があるもんね〜〜〜〜〜!!」
やすのぶは四畳一間のアパートでクッションに座りながら袋を開ける・・・。
ぎゅるるるるるるるるるる〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
やすのぶ「そうか、お前も腹が減ったか!!いま「減らないクッキー」を腹に入れてやるからな・・・・」
そういうとやすのぶはクッキーの袋をあける・・・。
やすのぶ「・・・・・・・?・・」
嬉しそうな顔でクッキー袋を開けるやすのぶだが・・・中には1枚のクッキーと手紙、そして「指輪」が入っていた・・・。
やすのぶ「なんだ?この手紙・・・?」
手紙には、こう書いてある・・・。
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やすのぶくんへ
「魔法のクッキー袋」は・・実はウソです^^;
その代わりに「精霊の指輪」を入れてあります。
やすのぶくんの属性に合わせて「水+3」の高価?な指輪です^^
こっちの方がやすのぶくん・・・喜ぶと思うしねw
大事に使うんだぞwww
眠傀より^^w
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やすのぶ「んなにぃぃぃ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜ッツツ!!!!!!!!!!!!!!!!」
大声で奇声をあげるやすのぶ・・・・・。
実は眠傀は「フードメイク」の魔法でクッキーを増やしていただけだったのだ・・・。
当然、魔力の無いやすのぶは・・・クッキーを増やすどころか・・・一つも出すことができない・・・。
やすのぶ「そんな!!それは困るよ!!!今月の給料・・・・もう・・・無いんだぞ?????」
慌てて「ささ」を取り出し眠傀に電話するやすのぶ・・・・。
やすのぶ「・・・・・・・・・・」
やすのぶ「・・・・・・・・・・・・・・」
やすのぶ「・・・・・・着信・・・拒否・・・?」
眠傀は今、愛妻かすみとデート中である・・・。
誰にも邪魔をされたくなかったのであろうか?
やすのぶ「うぅぅ・・・・・・」
悲しげに1枚しかないクッキーを口に入れるやすのぶ・・・。
ぱり・・・・・もしゃ・・・もしゃ・・・・・・・・
やすのぶ「・・・・・・・・・・・」
ぎゅるるるるるるるるるる〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
やすのぶ「ううぅぅぅ・・・・・・・・・」
腹の虫が鳴き止まない・・・・いや・・・・・・泣き止まない、やすのぶ・・・。
悲しげに「精霊の指輪」を指にはめようとする・・・・。
やすのぶ「うぅぅ・・・・・・・・」
やすのぶ「・・・・・・・・・・・・」
やすのぶ「どの指にも・・・・・全然合わない・・・・・大きすぎるよぉ〜〜〜〜〜〜・・・・・・・・・」
指輪は指の細いやすのぶには・・・・サイズが合わないようだ・・・・。
ぎゅるるるるるるるるるるるるるるるるるるるるるるるるるるるるるる〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
空しく・・・・腹の虫の鳴き声が・・・やすのぶの四畳一間の部屋にこだましていた・・・・・。
やすのぶ「(ToT)」
やすのぶ「(TдT)うえぇぇぇ〜〜〜〜」
題名:走れ!イデアツーリストのヤスノV
第3話 史上最強の野うさぎ (オリジナル編) 〜〜〜END〜〜〜
紅の氷 イデア YasunoV著
〜〜〜謝辞〜〜〜
今回出演のAS北斗様、ASせっちー様。出演の御了承ありがとうございました。
この場をお借りして謝辞と変えさせていただきます。
アッピーオンラインの益々の御発展を心より応援致しております。
紅の氷 イデア YasunoV