マリーちゃんはよく見ると家から「バケツ」と「水筒」を持ってきている様だ。

ゑゐくんは「おもちゃの槍」を持ってきている・・・。


「おすなば」の方に向かっていくが何をするのかな?


「すもう」でも「おにごっこ」でも負ける気は全然しないぞ!!!


のてのてと二人の後を付いて「おすなば」に到着すると、ゑゐくんだけが少し離れていく・・・?


ん〜〜〜・・・何をするつもりなんだろう??


ドキドキと期待に胸を膨らませているとマリーちゃんは俺を「おすなば」の中心に座らせ、セッセと何かの用意を始めた。



マリーちゃん「今から「おままごと」を始めるからね?フェイトちゃんは私たちの「赤ちゃん」になってね!!」



ほうほう?「おままごと」ですか?

それは確か記憶では「大人になったときの家庭を模して、その生活形態をリアリティーに追求しつつシミュレートする」というお遊びですな??


このお遊びの主人公は「女性が担当する事が多い」と聞くが、今日は「マリーちゃん」が主役のようだ・・・。



俺は「ゑゐくんとマリーちゃんの赤ちゃん」ということになるな。



ふっ・・・いいだろう!




俺の持てる全ての知識を総動員して「最高の赤ちゃん」を表現してやるぜ!!!





っと・・・お父さん役のゑゐくんが砂場にやってきたぞ!!!















・・・・・・・・



ゑゐ「ふぅ・・・・ただいま・・・・。」




マリー「あなた!!こんなに遅くまで何をやっていたのよッ!!!離婚よ!!もう離婚してやる!!!」




フェイト「・・・・・・・・・」



い、いきなり修羅場かよッ!?





ゑゐ「お、おいお前??そ、そんなに怒るなよ!!!し、仕事だったんだから・・・」



マリー「なによ!!あなたはいっつもそう!!!仕事仕事で家の事なんて考えてもくれないでッ!!!」





フェイト「・・・・・・・・・」


な、なんなんだ?このテンションは??


し、しかし、こういう時のあかちゃんの表現はどうすればいいんだ・・・・??



流石の俺でも、こんなのどう対処していいか知らないぞ??



そ、そうだ!!俺の飼い主、赤ん坊のヤスノブくんはいつも「泣いている」!!!


こういう場合は!!!泣けばいいんだな!!!




フェイト「!!!!」←泣いてるつもり・・・



鳴き声を上げることが出来ないおれは一生懸命「ジェスチャー」でそれを表現!!!


どうだ!!この「肉球を目に押し当てる哀愁」!!

これはもう「あかでみー、じょえんしょう」物だろう!!






マリー「あなた!!仕事と家庭!!!どっちが大事だって言うの!!!」


ゑゐ「そ、そんな難しい事を聞かれても・・・・」


マリー「難しいですって!?なんで家庭って答えてくれないのよ!!!」



ゑゐ「い、いや・・・もちろん家庭は大事だよ・・・?でも、仕事も・・・」



マリー「キィ〜〜〜〜〜ッ!!!悔しい!!悔しいわッ!!!実家に・・・もう実家に帰りたい!!!」





フェイト「・・・・・・・・・」




俺、居なくてもいいんじゃないのか???





俺・・・さっきから一生懸命「泣いてる」のに・・・見事に無視・・・。



ゑゐ「お前が居なかったら・・・仕事をしていく意味なんて・・・無いじゃないか!!!」


マリー「あ、あなた!!!そんなに私のことをッ!?」


ゑゐ「あぁ!!君が家に居てくれるから、俺は毎日頑張れるんだ。」


マリー「あなた!!ごめんなさい!!私が間違っていたわ!!ご飯の用意をすぐに始めるから待っててね☆」



ポッと顔を赤らめてゑゐ君から目をそらす。


うん!!見事に俺の必要性は0%だった!!


おれ、いったい何だったんだろう?


もしかしてマリーちゃんは、今はやりの「つんでれ」を表現したかったのだろうか?


俺の疑問は晴れないまま、「二人の物語」は進んでいく。


マリーちゃんがテンションを上げて砂に水を混ぜて何やらこねだした・・・。


俺はゑゐくんの隣に座らされて、ご飯を待たなくてはいけない・・・。


そっとゑゐくんは俺の方に目を向けた。



ゑゐ「フェイト・・・今日は一日楽しかったか??」



・・・・・



あかちゃんを演じている俺に「楽しかったか?」なんて聞かれても困るぞ??



でもでも、ゑゐくんの期待に応えるように親指の肉球をゑゐくんに見せた。


ゑゐ「そうか、それはよかった!!父さんもな?今、「インサイダー取引」をやっていて軌道に乗れば「部長」に昇格できるんだ!!」


フェイト「 w 」


ゑゐくんが俺の頭を撫でながら自信満々の表情。難しい言葉はよく知らないが「いんさいだーとりひき」というのは、難しい取引なんだな?

人間の世界では成功すれば「部長」になれるとは・・・。勉強になる・・・


(企業の役員・従業員・株主、及び証券会社などの会社関係者が、その職務や地位によって得た未公開の情報を利用して行う自社株などの取引。
証券取引法によって禁止され、種々の規制が行われ、罰則が設けられている。
簡単に言うと犯罪ですorz)


マリー「二人とも、お待たせ!!出来たわよ〜〜〜〜!!!」



元気あるマリーちゃんの声とほぼ同時、俺の前に葉っぱの上に乗せた「楕円形の泥団子」と「球体の泥団子」が置かれる。



ゑゐ「はっはっは!何を作ってくれたんだい?」


マリー「嫌ねぇ、あなた?ハンバーグと肉団子よ?」


なるほど・・・。確かにそれっぽく見えないこともない。


しかし、「ハンバーグ」と「肉団子」って基本的に同じ物と思うのは俺だけだろうか??



ゑゐ「マリー・・・俺はいつもの焼酎を頼むよ・・・。」



マリー「はい!!あなた!!」



言って機嫌良くマリーちゃんは水を水筒からコップに入れてゑゐくんへと手渡す。


よ〜〜〜し!!うまく食べているように見えるように頑張ろう!!!


まずは肉団子から〜〜〜〜


フェイト「・・・・・・!!・・・・!!!!・・・」



ふっ!!肉団子を肉球で少しずつ削っていくこの技を見よ!!


まるで本当に食べているようにみえるだろう!!!


今度こそ、「あかでみーしゅえんだんゆうしょう」物だろう!!!



これはマリーちゃんも満足してくれるはず!!!



マリー「ちょっと!!何、食べこぼしてるの?フェイトッ!!」


フェイト「!?」


思いもよらないマリーちゃんからのダメ出しッ!?


で、でも・・・た、食べこぼしって・・・?


ゑゐ「こら、フェイト?ママが作ってくれた「肉団子」をこんなにこぼして・・・?」


言って、俺が肉球で弾いた「泥」を指さす・・・。


マリー「そうよ?一生懸命作ったんだから食べないとダメでしょう?」


と言って、俺が一生懸命地面に落とした泥よりも多くの「泥」を再度こね直し、葉っぱの上に置く。



い、いやいや!!ちょっとまて!?こ、これを本当に食べるなんて出来るわけがないだろう???



ゑゐ「ほら、フェイト?頑張って食べなさい?父さんだってちゃんと飲んでいるだろう?」


そして悠々とゑゐくんはコップに入った水を飲んでいく・・・。



そりゃゑゐくんは綺麗な水を飲んでるだけだからOKだろうけど??


こんなもの食った日には・・・おなかの中が「エビ」みたいになっちゃうよ??


こ、こうなったら逃げるぞ!?




マリー「ほらほら・・・?フェイト〜〜〜〜?」



わしっと俺の腕を掴み、手に持った球体状の泥団子を俺に近づけ滲み寄る??


や、やめろ!!マリーちゃんッ!!!


やめてくれッッ!!!



ゑゐ「さぁ!!食べるのです〜〜〜〜〜ッ!!!」


「楕円形の泥団子」を少しずつ俺の口に近づける!?



や、やめろッ!!!や・・・やめ・・・・


フェイト「 !!!!!! 」






・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・






ゑゐ「ふぅ〜〜〜!!今日はとっても楽しかったのです。」



マリー「うん!!こんなに充実した「おままごと」はいつ以来かしら?」



砂場に埋もれる俺の耳に機嫌の良い二人の声が聞こえてくる・・・。



実際に胃の中に「泥」を放り込まれる事こそ無かったが、俺は「砂」や「泥」に再三まみれる羽目になった・・・。


今、俺の体は「砂場」に埋められている・・・。



マリーちゃん曰く「あたたかい、おふとん」らしい・・・。




俺に言わせれば、惨めに頭だけ出している姿は「生首」を連想する。





ゑゐ「じゃ、また一緒に遊ぶです!!フェイトちゃん!!!」


マリー「うん!!又遊ぼうね〜〜〜〜〜ッ!!!」




無邪気に・・・残酷に・・・手を振りながら俺を置いて二人が帰っていく・・・。




西の空に少しずつ沈んでいく夕日を見つめながら・・・・



俺の心も沈んでいったことは言うまでもないだろう・・・。










BAD END 2 : 「小悪魔のお遊戯」