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???「ふぅ・・・しつこい・・・」
自慢の蒼い長髪を風に靡かせながら、屋根伝いに空中を駆け抜ける・・・。
???「もうっ!!どうしていつも私って誰かに見つかっちゃうのッ!?」
誰にも気づかれない様に城から脱出した筈なのに未だに数人の騎士と魔法使いが私を追いかけてきている。
でも、それももう暫くの我慢、我慢・・・!!!
あたかも風に乗った羽の様に跳ぶ私のスピードには誰も追いつく事は出来ない・・・。
黒のキャミソールに迷彩柄のジャケットを着ているから、あまり目立たないだろう・・・なんて思ったのが大失敗だった・・・。
レンガの城壁の隣をコソコソ動いていたら、レンガ模様に映った「迷彩柄」は逆に目立っちゃうに決まってるのに・・・。
小さな溜め息を吐きながらもフッと後ろを見てみるが、鎧を付けた「騎士」じゃ流石に屋根伝いは無理だったようね・・・。
「妖精の羽根」の異名を持つ私を捕まえるなんて十年早いんだからッ☆
でもでも、油断は禁物!!
イデア城の兵士達は私に対して執拗に確保を求めてくるから・・・この次は・・・
魔法使い「み、見つけたッ!!!こ、こんなトコロにッ!!!」
ヤッパリ出た・・・。
瞬間移動魔法「クイックロード」で私の前に現れた一人の魔法使い・・・。
その右手に持たれた杖に魔力を更に込めているッ!!?
この場合、私に向けられる次の魔法は決まっている!!拘束捕縛魔法「ララバイ」だっ!!!
歌い慣れた歌詞の様に、問答無用で詠唱を始めた!!!
魔法使い「大地に眠る大いなる主の御心よ・・・我に・・・・」
???「んっ・・もうッ!!うるさいッ!!!」
『 『 『 『 ガンッ!!! 』 』 』 』
よしッ!!魔法使いの詠唱よりも早く攻撃できた☆
目を回しながらキュウ〜〜〜っと気を失っている魔法使いの顔を少し笑顔で見つめつつ、油性マジックで額に『内』って書いてやる☆
ここは『肉』って書かない所がミソなのよねぇ〜〜〜〜☆
私を捕まえる事が出来ない中途半端な貴方には、コレがお似合いなんだから☆
????「き、貴様ッ!!そこで何をしてるんだッ!?」
???
機嫌良く書道していた私に話しかけるのは誰ッ!?
この声は今までに聞いた事がない声だけど??私に向けられた「新手」ッッ!?
焦って後ろを振り向くと、そこには民間人の男の子の姿があった・・・。
貧乏そうな「布の服」・・・。
頼り無さげな人相・・・。
特徴のない雰囲気・・・。
どれを取っても・・・ただの庶民。
いえ・・・貧民としか思えない・・・しょうもなさそうな「青年」だった・・・。
????「そ、その倒れている魔法使いは『イデアの王宮魔法使い』じゃないか??」
???「_そうよ?それがどうしたのかしら・・・?」
????「な、なんで気を失って・・・キミが額に『肉』って書こうとしてるんだッ!?」
もう・・・わかってないなぁ・・・。私が書こうとしていたのは『肉』じゃなくて『内』なのに・・・。
少しムッとして「貧乏そうな青年」を睨んでいると、屋根の下の方から「男の子の声」が聞こえてきた・・・。
『やすのぶさ〜〜〜〜ん・・・ど、どうしたんですか〜〜〜〜???急に屋根の上に登って〜〜〜〜〜ッ??』
下を見てみると、活発そうな男の子が両手を振りながら声を掛けている・・・。
ふむふむ?・・・この「貧乏そうな青年」は「やすのぶ」という名前らしい・・・。
やすのぶ「イデアの魔法使いを倒して・・・オマケにそんな屈辱を額に刻むなんて・・・一体どういうつもりだ??」
???「どうもこうも・・・ただ私は「追っ手を倒した」だけよ・・・?そもそも貴方には関係のない事じゃなくって??」
やすのぶ「『追っ手』だと!?じゃ、貴様はイデア城で何か悪さを働いたって言う事かッッ!?」
ブッ!!この子、なんだか少し面白いッ!!
勝手に想像を働かせて私の事を判断しちゃったみたい☆
こういう面白い子って私の周りには居ないから、少し「からかいたく」なってきた☆
???「うふふ・・・だとしたらどうだって言うのかしら?貴方みたいな人は精々遠くから正論を並べて罵倒する事しかできないでしょう??」
やすのぶ「なんだとッ?それはどういう事だッ!?」
???「当然・・・貴方には私を捕まえる事は疎か、「指一本」触れるは出来ないって言う事よ・・・?ボケナスくん☆」
やすのぶ「な・・・ななな・・・?」
メラメラと湧き上がる炎ッ!!
握りしめるコブシ!!
あはは・・・私の思い通り・・・顔を「アッピー」みたいに赤くして怒ってる☆
やすのぶ「貴様ッ!!イデアの平和を侵す「悪者」だな??だとしたら、絶対に捕まえてやるッ!!!!」
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『人の影が跳んだ』と思って、屋根の上に上がってみればなんて言う事だ!!!
イデアの王宮魔法使いを倒した挙げ句、男にとっては耐え難い屈辱までも刻もうとしている「蒼い髪の女性」・・・。
迷彩柄のジャケットを身につけていて、見た目は「探検家」みたいだ・・・。
でもでも、この状況を見うる限り『イデアのお城に忍び込んで宝を盗んだ盗人』に違いない!!
オマケに俺に向かって「ボケナスくん☆」なんて暴言を吐くなんて絶対に許す事が出来ない!!!
やすのぶ「俺が・・・今からお前を捕まえてやる!!!」
???「クスクス・・・貴方如きに一体何ができるって言うの・・・?」
ぐぁぁ〜〜〜〜〜ッッ!!!蔑んだ目で嘲ら笑うなんて酷すぎるッッ!!!
その『嘲ら笑い』・・・絶対に後悔させてやるからなッッ!!!
やすのぶ「いざッ!!勝負だっ!!!」
???「・・・・ッッ!?」
『ヤスノ・ブレスレット』を着けている俺の右腕を晴れ渡る空へと向ける・・・。
眩いばかりの光が俺に注がれると、その姿を『戦士』へと変えた!!!
ヤスノV「今日も一日、一善間食ッ!!(自称)正義の味方ッ!!ヤスノV参上だ〜〜〜〜〜ッ!!!」
どうだッ!?この華麗且つ見事な変身ッッ!!俺を只の民間人なんて思っていたんだろう!!
驚いて声も出な・・・・
???「あはははは・・・・変身できるなんて凄いじゃない?ただの貧民って思ってたけど少しは暇潰しができそうね〜〜〜??」
・・・と・・・既に3軒先の屋根の上を走っていく「失礼な女性」・・・・。
おいっ!!ちょっと待てッ!!「ヒーローの変身シーン」は黙って見ているのが悪者の定石だろう!!?
???「ふふふ・・・私を捕まえる事が出来るかしら〜〜〜〜〜ッ!?」
言って、彼女はまるで「羽」の様に軽やかに・・・舞う様に跳んでいく・・・。
ヤスノV「クッソ〜〜〜〜〜ッ!!!待ちやがれ〜〜〜〜〜〜〜〜ッ!!!!!!!!」
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あはは・・・『貧民』の格好をしているのに、まさか変身ができるなんて思ってもいなかったわ☆
だいいち「変身アイテム」なんて世間一般では、どんなに安くても「50万ドニア」の価値がある一品。
あんな子が持っているなんて普通じゃ想像も出来ないものね〜〜〜〜☆
でも、変身後の姿が「戦士」じゃ私に追いつくのは不可能・・・。
ただでさえ重たい「鎧」なのに、あの子が身につけていた鎧は「碧の鎧」・・・。
防具屋さんの性能カタログには、確か25kgって書いていたはずよ・・・。
そんな「おもり」を身につけて『羽根』の私に追いつくなんて・・・
ヤスノV「待て〜〜〜〜〜ッッ!!!」
うふふ・・・遠くから声が聞こえる・・・。精々、屋根から足を滑らさない様に気をつけないと大怪我するわよ・・・?
と、後ろを振り向いた瞬間・・・・!!!
真っ赤なトマトが私の目前にッ!?
数個飛んできた「トマト」を寸前で避けて体勢を整える!!
な、何?この子??その手に持っている「籠に入ったトマト」は一体何ッ!?
八百屋のおっさん「やすのぶくんッッ!!代金は後でちゃんと払ってくれよ!!!」
ヤスノV「任せといて!!きっとアレ、賞金が掛かってる盗人か何かだから〜〜〜〜!!!!」
ぐぉ〜〜〜〜!?八百屋の協力を仰いで「飛び道具」を手に入れるなんて卑怯なッ!!!
お、オマケに何だっていうの?その軽やかな走りは!?
鎧を着けて重い筈なのに、むしろ変身前よりもスピードが増してる??
屋根から一度降りて、街外れを駆け抜ける・・・しかし、ヤスノVの「トマト攻撃」が私を執拗に攻め立てた・・・。
???「な、なんでそんなに早く走れるのよ?あなた??」
ヤスノV「へっへ〜〜〜ん!!普段のトレーニングに加えて「あおざるさんの装備品」のお陰さ!!!」
と、言って自慢気に履いている「ブーツ」を見せる!!!
当然の様に履いている彼の「装備品」に声を失った!!
ヤスノV「俺のマル秘アイテムの一つ!!『ヤスノ・ブースター』だ!!!」
あ、ありえない!!体重を二分の一に軽減する「羽靴」を装備している??
一足、100万ドニアは下らないブーツを履いているなんて??
???「あ、貴方の事を・・・少し見くびり過ぎていたようね??」
今回ばかりは認めざるを得ない・・・。
私を追いかけてきている「剣士」は、少なくとも王宮に仕える剣士よりはデキルと言う事を・・・。
私と羽靴(彼は「ヤスノ・ブースター」と言っている一品)を装備したヤスノVのスピードは、ほぼ互角・・・。
いえ・・・僅かに彼の方が速い??
夢中で走っていた為に街を抜けて、いつの間にか草原まで足を伸ばしてしまっていた・・・。
???「えっ!?こ、ここって・・・どこ???」
初めてだわ・・・・こんなに遠くまで来たなんて・・・。
見た事もない森。
嗅ぎ慣れない臭い。
不安定な方向感覚。
???「ど、どうしよう・・・?こ、このままじゃ・・・???」
いつもは「追っ手」なんて簡単に撒けるのに、今回の追っ手は手強い・・・。
記憶する地図の外に出た私はこれ以上走る事が出来ずに立ち止まって彼の到着を待つしかできなかった・・・。
ヤスノV「でりゃ〜〜〜〜!!!喰らえッ!!最後の1個ッッ!!!」
ヤスノVから投げられたトマトをパシッと手に取り、それを草原に放り投げる・・・。
しょうがない・・・。今回ばかりは『来た道を戻る』しかないから・・・。
相手をするしかない・・・。
ヤスノV「ふぅ・・・ようやく観念したか?じゃ、そろそろ詰めに入ろうか・・・?」
籠の中のトマトが尽きた所でヤスノVはゆっくりと腰に携えた「剣」を抜き出した・・・。
淡く光る刀身・・・。その鋭さは「一般の商店で売られている剣」とは質が違う!!!
???「おかしいよ!!ソレって1本6万ドニアの「騎士の剣」でしょ??
何処にでも売ってる「騎士の剣」に・・・そこまでの鋭さは・・・・」
と、思わず声に出たが・・・今までの高価な装備品を思い返して理解した・・・。
ヤスノV「俺の『ヤスノ・ブレード』は特別製さっ!!」
金属の硬度を物理的に上げる事ができる『真輝の術書』を使用している・・・。
それも1枚や2枚じゃない・・・。あの輝きから考えれば『6枚』は使用している・・・。
???「随分腕の良い『細工師』を知っているようね?是非、私の側近に加えたいわ☆」
言って・・・私も覚悟を決めた・・・。
この青年の前では「小細工」は通用しない・・・。
中途半端な覚悟では、逆に傷つけられてしまう・・・・。
そうね・・・私は『傷一つ負う』訳にはいかない・・・。
そんな事になれば・・・私はおろか・・・この青年まで「大変」な事になってしまう・・・。
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ハァハァ・・・・息が切れてしんどいけど鼻の穴を大きく開けて呼吸をしてギリギリ平静を装っている。
足を止めて待ってくれなかったら、振り切られていたんじゃないか?なんて思うのも正直な所だ・・・。
けど、この盗人ってばメチャクチャ足が速いじゃないか??
こんな人がいまだにイデアにいるなんて物騒極まりない!!
ヤスノV「ふぅ・・・ようやく観念したか?じゃ、そろそろ詰めに入ろうか・・・?」
自慢の剣、「ヤスノ・ブレード」を右手に盗人の顔を見つめる・・・。
さっきまではゆっくりと顔を見る事ができなかったから気が付かなかったけど・・・とっても綺麗な顔をしている・・・。
こんな人が盗人だなんて思いたくないけど、今までの所行を考えれば・・・きっと俺は間違っていない。
この人は『盗人』だ!!!
???「随分腕の良い『細工師』を知っているようね?是非、私の側近に加えたいわ☆」
最初の頃の嘲ら笑いは無くなり、今は一転して「真顔」になっている・・・。
ヤスノV「巫山戯るな!!お前の仲間なんて真っ平ゴメンだ!!」
よりにもよって「盗人」の仲間になんてなってたまるか!!!
今からフン縛って「イデア城」に突き出してやる!!!
そして、たくさん「懸賞金」を貰ってやる!!!(ホンネ
???「スゥーーーーー・・・・・」
ヤスノV「ッ!?」
静かに息を吸い、右手の薬指に着けていた「プラチナリング」を抜き取ると、その形状が変化して「三つ叉の槍」へと変わる・・・。
業物と呼べるその赤い槍「レッドフォーク」は俺の剣の鋭さを凌駕している・・・。
や、やべぇ・・・この人・・・・メチャクチャ強そうだっ!!!
でもでも、俺だって・・・剣聖クラージュさんに教わった「クラージュ流、剣戟術」があるもんねッ!!
両手でしっかりと剣を持って教えて貰った「威嚇の構え」を取る・・・。
溢れる闘気に隙のない剣陣・・・。
物理攻撃戦には有効だってクラージュさんに手取り足取り、ムカツクほど教えて貰ったんだ!!!
どうだ!?かなり強そうに見えるだろう??
???「・・・・そ、その構え・・・『鬼の公爵』の・・・?」
!!!
『鬼の公爵』ってクラージュさんの「二つ名」じゃないか??
こ、この人・・・もしかしてクラージュさんと戦った事があるのか???
ヤスノV「うぉおぉ!?構えだけで「クラージュさんの剣術」か分かるってマジで一体何者だ!?」
???「ふふふ☆そうね・・・私の名前は・・・『セセリ』よ・・・。」
『セセリ』・・・・?
この綺麗な顔立ちで・・・名前が「セセリ」・・・?
ん???おかしいな・・・????
何となくだけど・・・・俺は・・・・
この人に・・・・会った事がある様な気がしてくる・・・・?
何処だ?何処で会ったんだ・・・?
セセリ「おしゃべりはお終いよッ!!!私もそろそろ家に帰らないといけないから!!!」
ヤスノV「家になんか帰らせてたまるものか!!!イデア城に突き出してやる〜〜〜〜〜〜〜!!!!!」
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戦った・・・・
それはもう、『ここには書ききれないぐらい』一生懸命戦った・・・。
俺の必殺技、「ヤスノ・ブランチ」で分身を作り出し、攪乱しつつ「ヤスノ・ブレイク」で攻撃・・・・。
時折混ぜる「ヤスノ・ブラボー」は実に効果的でセセリを数度、追い込んだ・・・。
筈だったのに・・・・
今の俺の胸元に光るアクセサリー「ヤスノ・ブローチ」が真っ赤に光っていた・・・・。
コレは俺に「装備品の耐久度」を知らせてくれるアイテムなのだが・・・・
『やすのぶくん・・・『ヤスノ・ブースター』は、丸1日・・・持たないからね・・・?』
あおざるさんの声が今になって思い返される・・・。
俺の足に装着されていた羽靴・・・『ヤスノ・ブースター』が完全に砕け散ったのだ・・・。
結果、急に重たくなった体に体勢を整えきれず・・・セセリの前で転倒・・・・。
運悪く、落ちていた大きな石に頭を打って気を失ってしまったのだ!!!
しかし、俺は今も戦っている・・・。
何と戦っているかって・・・・?
それは・・・・・
ヤスノV「ちくしょう〜〜〜〜〜〜〜・・・あの盗人めぇぇ〜〜〜〜〜〜〜ッッ!!!!
油性で書きやがって・・・油性で書きやがってェェ〜〜〜〜!!!!!!」
ハンカチで額を一生懸命擦るが強く書かれた文字は消える事はなく、しつこく肌の奥に残るインクと戦っている・・・。
もう一歩の所で・・・・こんな結末なんて・・・・悔しくて涙が出てくる・・・。
これじゃ・・・ヤスノVじゃなくって「ヤスノ・ブサイク」じゃないか〜〜〜〜〜〜ッ!!!!
あおざるさんに言って・・・もう少し耐久力のある「ヤスノ・ブースター」を作ってもらおう・・・・。
○ セセリ vs ● ヤスノV (決め技 : ヤスノVの自爆、ヤスノ・ブサイク)
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セセリ「ふぅ・・・・久々に楽しかったわ・・・・☆」
ヤスノVとの戦いを終えて、私は『帰るべき場所』へと到着していた・・・。
数度、冷や汗をかかされたけど無事に無傷で済んで良かったと心底思う・・・。
途中でヤスノVの装備品が壊れるという結末で終わったけど、今の私の心は晴々とした気持ちで溢れていた・・・。
民間の剣士でも、あれだけの強さを誇る者が居ると分かった事は私にとって『収穫』でもある・・・。
??「姉様〜〜〜〜・・・姉様ぁぁ〜〜〜〜〜・・・」
油性マジックを右手に、歩き慣れた「廊下」で立ち止まる・・・。
それは毎日聞いている私の愛する妹の声・・・。
玲姫「姉様・・・今日はどちらへ行かれていたのですか?玲姫はとても寂しかったです・・・。」
真っ白のドレスに身を包む可愛らしい妹・・・名は『玲姫』・・・。
今年で14歳になる・・・。
セセリ「うふふ☆ 街の探索に行っていたのよ?今日は久しぶりに充実した日だったわ・・・。」
玲姫「そ、そうなのですか??とっても羨ましいですわ・・・玲姫もいつか姉様に付いて行きとうございます☆」
セセリ「ふふふ☆ そうね?今年の誕生日には玲姫も連れて行ってあげるから、ちゃんと『勉学』に励むのよ?」
玲姫「ほ、本当ですか??約束ですよ??姉様っ!!!」
と、笑顔で私に抱きついてくる・・・。
その時・・・・
王宮騎士「あぁぁ〜〜〜〜〜!!!い、居た???」
魔法使い「あ、あれだけ探し回っていたのにッ!!!」
そう言って汗だくの騎士と額に『内』と書かれた魔法使いが玲姫を抱く私に向かって突進してきた・・・。
昼間、私を追いかけていた「追っ手」・・・。
しかし、今はもう逃げる必要はない・・・。
セセリ「まったく・・・私一人捕まえる事ができなくって・・・情けないとは思わないの??」
騎士「も、申し訳ありません・・・。弁明のしようも御座いません。」
魔法使い「しかし『妖精の羽根』の異名を持つ『Cecillia』様に・・・敵う筈も御座いませんよ・・・。」
ヤスノVにセセリと名乗った私を『Cecillia』と呼ぶ・・・。
そう・・・これが私の本当の名前・・・。
「セセリ」は私が「街に降りた時に使う名前」・・・。
私はこの「セセリ」として国家称号の二つ名「妖精の羽根」を得た・・・。
魔法使い「Cecillia様・・・どうかこれからは『城からの外出』の折には誰かをお供に着けて下さいませ・・・。」
騎士「そ、そうですよ・・・私達も精一杯Cecillia様のご要望にお応えしていきますので・・・。」
Cecillia「あ〜〜〜・・・はいはい・・・わかりました・・・」
騎士「ちょ・・ちょっと待って下さい?左手から滲んでいるのは・・・ま、まままま・・・まさか『血』では御座いませぬか???」
魔法使い「ほ、本当だ!!い、今、早急に『キュア』を・・・・」
と、ガタガタ震えながら私に回復魔法キュアを掛ける・・・。
もう・・・そんなに丁寧に扱わなくっても・・・綺麗に治るっていうのに・・・。
騎士「ぐぅぅ〜〜〜〜Cecillia様・・・我らは・・・Cecillia様をお守りする立場に有るというのに・・・。」
魔法使い「そうで御座います。万一の事が有れば我ら、命は捨てる覚悟・・・。傷つける輩等は千に千切って・・・。」
はぁ〜〜〜〜・・・また出たか・・・私の側近ってこんなのばかりで・・・嫌だ。
これが「ヤスノVに傷つけられる訳にいかなかった理由」なのよね・・・。
私は「キュア」を使えないから「怪我」でもしたら彼がどうなるか分かったものじゃない・・・。
どうして、こう堅苦しいの・・・?私が貴方達みたいな「堅物」を相手に街をまわるなんて無理よ・・・。
そもそも退屈でしょうがないのよ・・・貴方達とじゃ・・・。
できれば、また・・・あの「ヤスノV」とか言う青年と遊んでみたいって思っているぐらいだし☆
玲姫「もう!!二人とも!!!姉様を困らせるのは止めて!!それに今日は『お隣のエスリーン姫』が遊びに来られる日なのよ??」
Cecillia「えっ!?エスリーンちゃんが来るのって・・・今日だったっけ!?」
玲姫「そうですわよ??午後6時30分から・・・あ、あと10分でご到着の予定ですわよ??姉様???」
まいった!!全く忘れていたなんて私らしくない!!
遊びとは言っても『公務』!!!
隣国ドルロレからわざわざ来てくれるのに、遅れる訳にはいかないッ!!!!
Cecillia「は、早く私のドレスを用意しなさい!!!化粧は〜〜〜〜・・・・・」
と、今度は街から広い城内にフィールドを変えて『自分の部屋』へと駆けていった・・・・。
ドタバタと・・・夢から私の日常へと戻っていく・・・・。
今日はとても充実した夢を見れたわ・・・。
僅かな時間しか見る事が許されない夢だけど、街の中を駆け巡るのは私にとって「民と触れ合う唯一の方法」なのである・・・。
そう・・・私は・・・・・
イデア国 第2皇女 Cecillia ・・・ 又の名を「妖精の羽根、セセリ」・・・・。
まだまだ、世間を見足りない・・・夢見る皇女である☆
ん〜〜〜〜〜〜・・・今から待ち遠しいな・・・ヤスノVくんとの再戦・・・・・。
次に会う時は、もっと私を楽しませて貰うんだから・・・☆
貴方の額に書いた文字は・・・・・・その期待を込めてなんだからね☆
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ヤスノV「だ、ダメだ・・・・額が赤くなるばかりで・・・全然インクが取れる気配がない・・・。」
ヤスノV「ちくしょう・・・『肉』って書きやがって・・・ちくしょう!!!!ちくしょう〜〜〜〜〜〜!!!」
☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
Cecillia「うふふふふ・・・・☆ よく似合ってよ?『肉』という文字・・・☆」
☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
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報告書
氏名 : やすのぶ
ヒーロー名 : ヤスノV
任務内容 : セセリと名乗る盗人の捕獲(失敗)
今回の報酬 : 送り主『妖精の羽根』からの『浮羽(羽靴の原材料)1kg』
月賦 : 21,300ドニア
遂行可能ミッションレベル : A±
査定評価
イデアツーリスト内ランク 最下位
勤務期間 392日
備 考
・ パンサーくんが泣いて会社に帰ってきました。やすのぶくんに「後輩への配慮」を教えます。
・ 装備品「ヤスノ・ブースター」の破損。
細工師あおざるにより再支給しますが、やすのぶくんの給料より原価を引いておきます。
ヤスノV 必殺技
・ヤスノブランチ 最大4体まで分身を作る。(ディフェンサー×3)
・ヤスノブレイダー 敵の気脈を断ち切る(ウィークT×2)
・ヤスノブーム 泣きながら消さないでというので残しています・・・。( ??? )
・ヤスノブーメラン 飛ばした武器が戻ってくる。(ヤスノブーム失敗対策?)
・ヤスノブラボー 剣の残像を放ちます。(マージン×3)
・ヤスノブレイク 剣に闘気を込めての居合斬。(パワーブレイク×2)
・ヤスノブレイディスト 生体のみならず「物質の気脈」を探る。(但し、JPを全部使用)
・ヤスノブレイズ 剣を二つに分裂させる。「二刀流が可能」
査定員 百絵
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HAPPY END 1 : 「街に舞い降りた妖精の羽根、Cecillia」