とにかく全速力で逃げる!!
あとの事は「そのうち会社に来る重役さん達」に任せよう!!
あの二人のケンカを止めるなんて俺たちじゃ命が100個有ったって足りる訳がないッ!!
パンサー「や、やすのぶさん・・・待ってくださいよ・・・・。おれ、そんなに速く走れないですよ〜〜〜〜〜〜〜〜ッツ!!!」
目に涙を浮かべて必死に俺を追いかけるパンサーくん・・・。
彼は「魔法使い」の為に肉体の基本能力が極めて低い。
世の中には「肉体強化の魔法」等もあったりするのだが、彼は「炎の魔法」以外は使えないために、肉体を強化する事は全くできない。
とっても不便な魔法使いなのだ・・・。
やすのぶ「ま、まぁ命辛々だったけど・・・逃げれて良かった。」
パンサー「えぇ・・・でも僕、明日会社に行くのが、すごく怖いんですが・・・。」
うぅぅ・・・・それは俺も一緒だよ!!
会社のメンバーが険悪な雰囲気なのを放っておいて、オマケに無断欠勤・・・。
今月の査定は最低だ・・・。きっとボーナスも無に等しい金額になっているに違いない・・・。
やすのぶ「うぅぅ・・・おれ・・・ボーナス・・・貰えるのかな・・・?」
パンサー「それは大丈夫ですよ!!正義の味方に「賞与」は関係有りませんッ!!」
やすのぶ「パンサーくん・・・・」
慰める様にポンっと俺の肩を叩く・・・・
ちくしょうッ!!
ひ、人事だと思って・・・・ッ!!
毎日、限界ギリギリで貧民生活なのにボーナスがなかったら・・・「生きていく事自体」が困難になるんだぞ・・・!?
まぁ、そうは言ってもどうしようもない・・・。
今から会社に戻る方が確実に危険だし、やっぱり「お金」よりも「命」の方が大事だもんな・・・。
とりあえず息を整えて、落ち着こう・・・。
高くそびえ立つ建物の隙間から空を見上げる。
青空が眩しく、清々しい風が吹く・・・。
今日は海風が街に吹きこんで来ないのかな?
サラサラした肌触りの風は実に心地が良いゃ。
やすのぶ「こんな日は体を鍛える為に思いっきり走りまくりたいなぁ・・・。」
パンサー「あはは・・・やすのぶさんは本当に走るのが好きですねぇ?」
そりゃ勿論!!スピード命のヤスノVですから!!
そうそう・・・「走る」で思い出しちゃった・・・。
とある嫌な仲間に「走っただけで強くなれない!」なんて昔から言われているんだけど、
『走る』事は「俊敏性を上げる」のにとても重要な要因だと俺は思ってる!!
近隣に生息する魔物から国民を守る国家所属の兵士達も「走る」事は大切な教練の一つ!!
なもんで!俺も負けてはいられない!!と、暇さえ見つけては走っているのです。
でも、プライベートタイムだけでなく仕事でも走る事があるんだ!!
最近は観光業務も忙しいんだけど、会社が副業として受けている「何でも屋稼業」も特に熱い!!
「新米奥さん」からの「買い物の依頼」等は今でも多く、他にも今、横にいるパンサーくんと一緒に
「デロル」という泥の魔物から洗濯物を汚されない様に守った事もあるんだ!!
でも、あの時のパンサーくんは今、考えても意味が不明だ。
デロルが出没するって分っているはずなのに魔力を完全に切らしてて、魔法使いなのに最弱の攻撃魔法一発すら撃てなかったんだよな・・・。
あの時は本当に魔法使いじゃなくて「ただの威勢の良いお兄ちゃん」だった・・・。
結局、俺の剣技でも敵を倒せなかったから「洗濯物を持って逃げた」んだよなぁ〜〜。
最後はデロルの方がハァハァと息を荒げて諦めてくれたんだ・・・。
まぁ色々あるけど、簡単に言うとね・・・?
みんなの知らない所で小さいながらも僕たち「イデアツーリスト」のメンバーはイデアの平和を守っているんですょ!!!!
みんなが安心して、笑顔で過ごしていければ・・・観光に最適な国になり豊かになっていく。
会社も儲かって最高な事ばかりです。
ちなみに俺個人は「ヒーロー」になるのが小さい頃からの夢なんです。
俺の夢と会社の夢が微妙にマッチングしているので、実に「やりがい」がある仕事と俺は思っています。
えっ!?なんで「ヒーロー」になりたいのか?だって・・・?
ふふふ・・・それは追々説明するとして・・・
はぁ〜〜〜〜・・・いつかイデアの街を颯爽と駆け抜けるヒーローになりたいもんだ・・・。
と、再度、空を見上げると・・・
野うさぎの影が空を飛んだ!?
人の影が空を跳んだ!?